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Japanese Pages 232 [468] Year 2008
Table of contents :
上
まえがきにかえて
目次
第1章 古典群
第2章 被覆空間とファイバーバンドル
第3章 古典群とその等質空間のコホモロジー
第4章 KF-群とホモトピ一群の周期性
あとがき
索引
下
まえがき
目次
第5章 コンパクトLie群
第6章 Bott-Morseの理論
第7章 コンパクトLie 群,例外群のコホモロジー
あとがき
索引
編集委員 伊藤
清三
(東京大学教授)
戸田
宏
(京都大学教授)
永田
雅宜
(京都大学教授)
飛田
武幸
(名古屋大学教授)
吉沢
尚明
(京都大学教授)
戸田宏
リ
ー
三村護
群の位相
線型代数からKO — 群の周期性へ
紀伊國屋書店
V
まえがきにかえて
学生 A: 今,教養部で行列や行列式などの線型代数を学んでいるのですが… 2 次や 3 次のときは平面や立体の図形と関係づけて,幾何的なイメージ がもてますが,一般の次元となると,代数的な数式の上では解ったつ
もりでも,どうも幾何的なとらえ方がよく解らないんです. 学生 B: それは学部へ来ても同じようなものだよ.多様体だ,
トボロジーだと
ヤタラ抽象的なものばかり出て来て….そういうものばかり聞かされ ていると,教養で学んだ行列なんかどこかへ消えてしまいかねないん だ.
学生 A: しかし,線型代数が教養の課程にあるということは,それが基礎的に 重要なものだからではないのですか.
学生 B: 代数はもちろん,幾何や解析でも線型代数はよく使われている,とい うよりは,中学,高校の数学における算術の様な役割をしているので はないかと思うね. 学生 c: 僕はユークリッド幾何の問題を考えるのが好きでしたが,高等数学に はそのようなものはないのでしょうか.
学生 B: 代数幾何,微分幾何やトボロジーはそのようなものらしいけれど,講
義で聞かされる理論が直感とよく結びつかないので,実際弱っている んだ.あそこに,
P 先生がいるから,お説拝聴といこうか.
*
*
*
先生 p: 現代数学というものは,先へ先へと進んで行くので,教養部から学部 へ進んで来た人が,数学の専門の講義を聞いて面喰らうのは仕方がな いようですね.しかも,学部で講義するものは各専門のほんの入口に
しか過ぎないんです.時間があれば,色々と実例とか雑談とかを交え
て,もっとゆっくり理解して貰うのが最上だと思いますが….結局 は,学生各人がそれぞれのやり方で,ギャップを埋めていくしかない
v i
まえがきにかえて
んでしょうね.
学生 B: それでは先生の専門の方で何かいい本はありませんか. 学生 A: それも,教養部で学んでいることと関係のあるようなものがいいんで すが. 先生 p; いま書き上げたばかりの『リー群の位相』という本がありますが,こ れなどはどうですか.
Lie 群(リー群)というのは,一般線型群や直交
群を一般化したものです.この本の上巻で扱われているのは,行列で 表わされる線型群ばかりですよ. 学生 B: 位相というのは,あのトポロジーのことらしいですが,基本群ほとも かく,ホモロジーやホモトピーはどうも難かしいし,幾何的なイメー
ジがつかみにくいですね. 先生 p; トボロジーにおける諸概念,特にコホモロジーは定義や基本的性質の
説明や理解に時間がかかるのがどうも面白くないんです.この本はそ れを使おうという立場ですから,基本的性質の証明などは抜きにし て,これはこういうものだと悟って読み飛ばしてほしいですね.色々
な古典群のトボロジーの結果を知ってから,元へ戻って定義や性質を 考えるのも悪くはないでしょう. 学生 c: この本は初学者にも解るように,ていねいに書いてあるのですか.
先生 p: いや,
全く不親切に出来ていますね.
数学では本人の思考が大事で,
手取り足取りの教育では読む人のアイディアを殺してしまいます.し かし,出来るだけ引用は少なくしましたので,教養部で線型代数を学 んだ人なら読めるようにしてあるつもりです.後半の方はかなり高度 なことや,どこの本や論文にも書いていない部分もありますけれどね. 先生 Q: Lie 群と Lie 環は切っても切れない関係があるんやおまへんか.
この
本はその点 Lie 環については全く不親切やないか.
先生 P: Lie 環については僕達もよく知らないし,偉い先生方の本が,
和書で
も洋書でもた<さん出ています.それに,あまり代数的議論はした< なかったので最小限に止めました. 学生 A: 本の各所に仁⇒ とか:~の記号があるのは何ですか. 先生 P:A¢::.⇒ B は「 A であるための必要十分条件は B である」または「 A は
..
Vil
B によって定義される」の 2 通りの意味に使っています. A=⇒ B ほ 「 A ならば B である」または「 A が成り立つから従って B も成り立 つ」のように読んで下さい. 先生 Q: Bott の周期性を k〇—群でも証明してあるのはええと思うけど,
Lie
群の位相という表題やのに,出て来るのは古典群かせいぜい spinor 群
というのは羊頭狗肉と違いまっか. 先生 p: 下巻ではコンバクト Lie 群の一般論や例外群のことも詳しく書きます
ので,それまで御辛抱下さい.
1978 年 3 月京都にて
i x
目次
まえがきにかえて
第 1 章古典群
ァ 1 位相群と等質空間 §2
·································································1
古典群 ··············································································11
ァ3 正規行列の対角化 ·······························································21
ァ4
行列の指数写像と古典群の極分解……………………………………28
§5
微分多様体と Lie 群...........................................................・ 33
第2 章
被覆空間とファイパーバンドル
ァ 1 ァ 2 ファイバーバンドルの基本的性質…….. ……………………………·51 基本群と被覆空間..............................................................・43
ァ3
ホモトピー群とファイバー空間.. …………••……••………….... …··59
ァ4 被覆群 ··············································································66 ァ5 Lie 群と Lie 環................................................................... 7 4 §6
分類空間 ···········································································82
第3章
古典群とその等質空間のコホモロジ一
§1
位相空間のコホモロジ一環・…………………• ••……………………..9 0
ァ2
ファイバー空間のコホモロジー (Serre のスペクトル系列)……… 102
ァ3
Gysin 完全系列の応用・……………•• ………..………•••……………113
ァ4
Leray-Hirsch の定理と Weyl 群の作用…………………………… 122
ァ 5 特性類とその間の関係• ••………..……•………………·……………·131 ァ 6 古典型対称空間のコホモロジ一…••………………………………… 142 第4章
KFー群とホモトピー群の周期性
ァ 1 ホモトビー論の基礎概念・・・••• •…•••……..…·………………•………150
x
目次
ァ2 H—空間のホモロジ一環と Hopf 代数……………………………… ·163
ァ 3 無限次元対称空間 ァ4
··············.-···············································175
ベクトルバンドルと KFー群……………………….... ……..
…•…… 186
ァ5 KF—群の周期性 ·································································196 ァ6 古典群と等質空間のホモトピー群………………………………… ··206 あとがき...........
; . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .2 2 0
索弓 I····················································································230 下巻の内容 第 5 章コンバク卜 Lie 群
第6章
Morse-Bott の理論
第 7 章例外 Lie 群のコホモロジ一
ー
第 1 章古典群
この章でほ,まず §1 で位相群とその等質空間の一般的性質を述ぺ, §2 にお いてはその重要な例としての古典群を定義し,それらを具体的に考察する.即 ち, §3 では正規行列の対角化を使用することにより,コンパクト連結古典群 は極大トーラスの和集合であることを示す.さらに Weyl 群の形も具体的に与 える.第 3,4 章の議論においては,古典群個々の性質がよく使われ, Lie 群の 一般論はそれ程重要ではない.本書ではコンパクト Lie 群を主として考察する
が,古典群の場合,その位相的性質はコンパクト古典群について調べれば十分 であること,即ち,古典群はユークリッド空間とコンパクト古典群の直積に同 相であることを §4 で示す.
なお,コンパクト Lie 群の一般論は第 5 章で述べ
る. §5 では微分多様体および Lie 群の基本的性質を述べ,古典群は Lie 群の ー種であることを示す.
ァ1
位相群と等質空間
位相群の定義
位相群は,連続的な群構造をもつ位相空間であるということができる.これ を正確に述べると次のようになる. 定義
集合 G に次のような構造が与えられているとき, G を位相群という:
( l ) G は群である.即ち,単位元 eEG, 積 µ,:GxG→G ( オ , ( g ,g ' )=gg' と 書く)およぴ逆元ヽ: G→G(ヽ (g)=g-1 と書く)が与えられていて,次の等
式(群の公理)をみたす.
ge=eg=g,
( g g ' ) g " = g ( g ' g " ) ,
gg • =g • g=e
( i i ) G は T1 —空間である.即ち, G の部分集合(開集合) o~の系 {J={Oふeヽ
2
第 1 章古典群
が与えられていて,開集合の公理:
< p ,GE();
0年 0 ⇒ UaO年();
0 , ,0亭 ⇒ 0,n02EeJ
をみたし(て位相空間であり),さらに,次の T, ー分離公理をみたす: G の各元 gvま閉集合(仁⇒ G -gEeJ)
( i l i ) オ,:GxG→G および i: G→G は連続である. 結合法則 (gg') g "=g(g'g") によって,
この元は括弧をはずして, gg'g" と表
わされることとか,位相空間 X,Y の間の写像 /:X→ Y が連続仁⇒ Y の開集合 0 の逆像 f→ (0) は X の開集合 ⇔ Y の閉集合(開集合の補集合)の逆像は閉集合 という連続写像の定義,積空間 XxY の位相は O が XxY の開集合仁⇒ 0 の各点 (x, y) に対して,
xEOx,
yEOy,
0xX0yCQ となる開集合 Ox,Oy がある
によって与えられる,等のことはよく知られた所であろう.
通常の群および位相空間に関する用語はそのまま位相群にも使われる: G は可換(位相群)仁⇒ 任意の g,g'EG について, gg'=g'g H は G の部分群仁⇒H は G の部分空間で, h,h'EH ならば h→ h'EH N は G の正規部分群仁⇒N は G の部分群で,
任意の gEG について,
gN=Ng 一般に, G の部分集合 A,B に対して,次の記号を用いる: A ・ B=
{abiaEA, bEB}
G の部分集合 A の正規化群 N(A)=
{gEGlgA=Ag}
G の部分集合 A の中心化群 Z(A)={zEGi 任意の aEA について,
za=az} G の中心 Z(G)={zEGi 任意の gEG について gz=zg} G の閉(開)部分群 H仁⇒H は G の部分群かつ G の閉(開)集合.
四罰舷環阿型においては,直続性も要求されj),: 即ち, /:G •
—---- . —c =キ - . . G' が位相群の準同型仁⇒f は連続かつ f(gg') =f(g)f(g') をみたす.
位相群 G,G' は同型仁⇒ 位相群の準同型 となる開集合
は Hausdorff 空間 (2 点 p,q に対して, pEU,
U ,V がある).特に,位相群は正則空間である. [証明]
( 1 ) 0 を G の開集合とするとき, hEH について, Rh Iま同相=⇒
Rh(O) は開集合=⇒ 冗→(冗 (0)) =URh(O) は開集合=⇒ 冗 (0) は開集合.
よって,
元は開写像.冗の連続性は明らか.
GxG-と→ G
次に, G の G/H への作用は,
• で定義する.
GxG/Hユ'--+G/H
< p ( g ,g ' H )=gg'H 上図の可換性から,
=µ,-• 冗→ (0) は開集合.
卜
•1x11:
< p :GxG/H —• G/H
G/H の開集合 0 について,
(lx 冗)一' という矛盾がでる.よって UnV=cf> である. G ほ冗—空間 ⇒ {e} は閉部分群:~
G の X への作用が与えられているとき, X の 1 点 X について, G戸 {gEGlgx=x}
(または Gエ ={gEGlxg=x})
(終)
7
ァ1 位相群と等質空間
は, G の ({x}: 閉集合二⇒ 閉)部分群であり, X における等方群 (x の安定化群) という.また, xEX に対して,写像凡を次のように定義する: 凡: G----->X□ 凡 (g)=gx (または xg) 明らかに,
( 1 . 7 ) ( 1 ) G の作用が推移的仁⇒凡は全射, ( 2 ) G の作用が効果的仁⇒ nGェ= { e } . ェ EX
定理 1.8
X は G の等質空間とする.
( 1 ) オ , xvま凡 =hェ°ちをみたす連続な全単射 hェ: G/Gx→X を誘導する. だし,冗ェ:
G • G/Gバま射影.
( 2 ) gEG, xEX, 右図は可換である. であり,
hェ
y=g•x について,
ただし,
Au は出 (g'Gェ)
た
G,=gGェg-•
=(gg'g-•)G,
G/Gェー一 X
•A,
h ,
G/Gw —•
lら X
で与
えられる同相写像である.
( 3 ) 凡(または hx) が開写像であれば, hェ iま同相写像である. [証明 J
( 1 ) 己 (g,)= ら (g.) 仁⇒ g戸g.EGぷ⇒ g戸g.ぉ=ぉ仁⇒ 圧g,) = オ ,工
( g . ) : よって, hェ巳 (g))= 凡 (g) は単射 hェを定義し, ( 1 . 7 )(1) によって,µェ: 全射=⇒ 比:全射. hご (U): 開集合.
U:X の開集合==:;µ,ご (U)= 冗ご (hご (U)): 開集合=⇒ よって, hェは連続な全単射.
( 2 ) g,EG について, Lu凡(己 (g,))=Lu 凡 (g1)=gg1•x=gg1g-1•y=h、出(元亀土 (g,)) 二⇒ 図式は可換. G,=Auら =gGx炉は明らか.
( 3 ) 凡が開写像のとき,
( 0 ) = オ ,ェ (n:., —'(0)):
開集合.
0: G/Gェの開集合=⇒ 冗ご (0): 開集合=⇒ hエ
よって, hェ iま開写像となる.
写像である.
このとき, hェ iま同相
(終)
この定理を使って,次は容易に示される.
( 1 . 9 ) 位相群の準同型 f:G→G' について, f の核 Kerf=f→ (e) は G の閉
正規部分群であり, f は商群 G/Kerf からの単射準同型 J: G/Kerf • G' を誘 導する.さらに, f が全射かつ開写像であれば,『は位相群の同型である. 定理 1.8 における凡: G→X が開写像であることを調べるには,次の補題が 有用であろう.
ここで,位相空間論における,
コンバクト,局所コンパクト,
8
第 1 章古典群
第 2 可算公理等の概念が必要である. コンパクト(または Lindelof) 集合は,それが任意個の開集合で覆われてい るとき,そのうちの有限個(または可算個)ですでに覆われているという性質で
特徴づけられる.
その重要な例はユークリッド空間 Rn の有界閉集合である.
コンパクト集合の連続写像による像や,その閉部分集合はともにコンパクトで
ある.
Hausdorff 空間内のコンパクト集合は閉集合である.局所コンパクト空
間は,各点がコンパクトな近傍をもつ空間である.
位相空間が第 2 可算公理をみたすとは,可算個の開基(任意の開集合はそれ らの和集合でかける)をもつことであり, Rn やその部分空間はその主要な例で ある.
補題 1.10
Hausdorff 空間 X が位相群 G の等質空間であるとする.
がコンパクト,
または,
( a ) G
( { 3 ) G と X は局所コンパクトかつ G は第 2 可算公
理をみたす,とするならば,凡: G→X は開写像,
従って,
h戸 G/Gェ→X は
同相写像である. [証明 J
( a ) G がコンバクトのとき,定理 1.6 によって, G/Gェはコソパク
トな Hausdorff 空間.このとき,連続な全単射凡: G/Gェ→X は同相写像とな る.定理 1.6 によって,元:
G • G/Gェ:開写像=芥ェ =hェ07!
({3) の条件がみたされているとする.
:開写像.
0 を G の開集合, gEO とするとき,
叫g) が凡 (0) の内点であることをいえばよい. e の近傍 V を, g•V= ら (V)cO に選べる .G の正則性,局所コンパクト性
および群作用の連続性より, となるものがとれる.
e の近傍 U で,
U はコソパクトかつ FJ-,.FJcV
G:第 2 可算公理をみたし正則=⇒ L i n d e l o f . よって,
G=UgU に対して,可算列 {gn} があって G=UgnU, 従って gEG
X= 凡 (G)=U 凡 (g.U)
いま,ある n について,凡 (gnD) が内点凡 (gnh) =( g n h ) x , hED, をもつと仮 定すると, x は (gnh) 一 1 凡 (gnU)= 凡 (h-1U)c 凡 (FJ-10) c オ ,ェ (V) の内点,従って, 庄g)=gx は g凡 (VJ= 凡 (gV)c 凡 (0) の内点となる.
以上のことから,
各 n について,凡 (g.FJ) は内点をもたないと仮定して矛盾
を出せばよいことがわかる.
F J : コソパクト=⇒ オ , , , ( g n U ):コンパクト=⇒ J l , : , ;
( g n U l:閉集合. w.。を W 。がコンパクトな, X の空でない開集合とし, n に関
ァ1
する帰納法で,
,
位相群と等質空問
空でない開集合の列 W。, w,, …, wn., …で WncWn-, ―凡
(gnD) をみたすものを次のように作る.凡 (gnD) は内点をもたない閉集合である から, Wn-, ―凡 (gnD) は空でない開集合である .X は局所コンペクト正則空間 であるから,空でない開集合 Wn -c:-WncWn― 1 一凡 (gnD) をみたすものがとれ る.このとき, W。コ w, コ w. つ…は空でないコンパクト集合の減少列である
から, nWn=l=cf> である.ー方 Wnn 凡 (unDl=cf> と X=U 凡 (gnD) より nW戸
「 となり,矛盾に導かれた.
(終)
位相群 F*=F-{O} は p•+•- {O} に左から,スカラ一積 x(x。,
x . , …, x.)=
(xx。, X功,…, xx.) によって作用する.
定義凡 (F)=F•+•-{O} /F* を F 上の n 次元射影空間という. P.(F) の点は x=(x。, x . , …, x.) =l=O を通る 1 次元部分空間とみなされ, [x。:
x,:. . .:x』 EP.(F)
で表わされる.ー方,
S(F•+i)={xEF"+1illxll=l} は, F叶 1 の有界閉集合であるから,
(単位球面)
コンバクト Hausdorff 空間であり,また,
ュークリッド空間 Rd(n+1) 内の単位球面 Sd(n+1)-1 と同相である.ここで,
d=l (F=R), d=2 (F=C), d=4 (F=H) 上の作用の制限として,
S(F') は S(F•+l) に作用する.
このとき,
S(Fn+')/
S(F•) はコンパクト Hausdorff 空問であり,補題 1.10 より次の同相がえられる:
( 1 . 1 1 ) Pn(F)=F•+•_
{O}/F*=S(F•+i)/S(F')=S年 +1)-•jsd-1
(同相)
連結位相群 連結な (2 つの空でない開(かつ閉)部分集合に分かれない)位相空間の連続写
像による像はまた連結である.位相空問は各連結成分(極大の連結部分空間)に 分かれる.
定理 1.12
( 1 ) 位相群 G の単位元の連結成分 G。しま閉正規部分群で, G/G。
の剰余類は各連結成分と一致する.
( 2 ) 連結な位相群は単位元の近傍で生成される.
( 3 ) 連結な位相群 G の正規部分群 H が疎な位相をもてば, HcZ(G).
第 1 章古典群
10
( 1 ) 対応 g→g-1 は連続で e→e=⇒ G。-1cG。. g。 EG。について, g
[証明 J
→g。g は連続で e→g。 EG。=加G。 cG。.故に, G。は部分群. 閉集合.
gぽ G について,
明らかに G。は
g→g,gg戸は連続で e→e こ⇒ u,G。g戸 cG。.
故に
G。は正規部分群.後半は容易.
( 2 ) U を単位元を含む開集合とする. u で生成される部分群を G, とする. 初 •UcG,, g•U は g の近傍であるから,
gEG,~
G,vま開集合.逆に gE 豆
•
ならば, g·UnG, =1=..」・
=1
•
c'(A)ESU(2n).
ab A=(cd)ESU(2)
•
AESp(l,C ) .
(2.15) より,
c'(Sp(n))=Sp(n,
C)nSU(2n).
d -b ならば A-'=(-c a)=J凸A人であるから, 1AJ,A=J, よって, c'(Sp(l))=Sp(l,
C)nSU(2)=SU(2).
(終)
コンパクト連結古典群とその Weyl 群 コンパクト連結 Lie 群の一般論は第 5 章で述ぺられるが,ここでは個々のコ
ンパクトかつ連結な古典群について具体的に調べよう.
定理 2.8, 定理 2.18 で
与えたコンパクトな古典群のうち, O(n) は連続写像 det:
O(n) • S(R)={ 1 ,
-1} が全射であるので連結ではないから,残りのものについて考える.
G =U ( n ) , SU(n+l), S 0 ( 2 n ) , S0(2n+l), Sp(n)
のとき,次のように定義
される部分群 YN を G の標準的極大トーラスという.
( 3 . 8 )
G=U ( n ) :Tn={噸…吟ふ E U(l)=S(C)cC} G=SU(n+l):Tn={ > . .忌•も心 j>..;EU(l),
TI心=1}
(=T叶 1nSU(n+l))
( 3 . 9 )
G=S0(2n):Tn={r(>..1) 金•もか)凶 E U ( l ) } G=S0(2n+l):Tn={r(>..1 愈••西r 似)〶 1 凶 E U ( l ) } ( =Tnxl)
( 3 . 1 0 ) G=Sp(n):Tn={ > . .忌…④Xふ Eq(U(l))cH} T=U(l) は円周 S1=S(C) に同相であり, 型である.よって,
上の各 Tn Iま n 個の T の直積と同
YN は(位相的に見て) n 次元トーラスである.また,
yn Iま
(弧状)連結,コンパクトかつ可換な位相群である. 定理 3.11
G =U ( n ) , SU(n+l), S 0 ( 2 n ) , S0(2n+l), Sp(n)
に対して,上
の標準的極大トーラス YN をとるとき,
G =U gTng-1 gEG
[証明 J
G の元(行列) A は (3.1) によって正規である.
きは,定理 3.4, 定理 3.6 によって,
G=U ( n ) ,Sp(n)
のと
g→ A g = > . .命•••①A n , 似 EC) となる gEG
第 1 章古典群
26
がある.また g→AgEG ょり各入バま U(l) に属する.故に,
EgTng
—'.A は任意であるから,
•A
g→ AgETn=
G=UgTng-•.
G=SU(n+l) のときは, AEU(n+l) と考えて, U→AU=A忌…〶入社 1 とな る UEU(n+l) がある.ここで, ITA;=det(U-'AU)=detA=l.
i d e t U I=1 で
あるから, detU=cn+, となる cEC を選んで g=c→ U とおけば, gESU(n+l) かつ g→ A g=A.忌•も入叶 ,ETn となる.
m=2n, 2n+l とし, AESO(m) を考える.定理 3.5 により, gEO(m) があっ て, B=g→Ag=r(A,) 鉦•西心) Eflt忌•もtm-2k 似 EC, t;ER) となる .B は
また SO(m) に属するから, B•B=l,,. かつ detB=l. B'B=Im=⇒ r似) E 0(2),
t;EO(l)
•
A ; EU ( l ) ,t;= 士 1. d e tB=det(r 似)) =1
•
t;=-1 となるちの個
数は偶数.ちの順序を入れ換えてもよいことと, r(l)=l〶1, r(-1)=(-1) ④
(-1) より,結局, BETn となるように g がとれることがわかる. detg=-1 の ときは,
g を ((-1) ④ Imー ,)gESO(m) におきかえると,((ー 1) ④ 1) 一 'r(A-,) ( ( 1 )
〶l)=r(凡)によって,やはり g→AgETn となる.
(終)
系 3.12
U ( n ) ,S O ( n ) , Sp(n) は弧状連結である.
[証明]
gTng-• Iま RN と同相であるから弧状連結であり,単位元を共有す
る.従って, G=
UgTng-•
は弧状連結である.
(終)
定義定理 3.11 の各 G における T" の正規化群 N(T") について,商群
] 」 ( ( } ). : = : N l T _ " )I T " を G の Weyl 群という. G の Weyl 群 W(G) は次のように G の標準的極大トーラスに作用する:
オ , :W(G)xT" ―→ T℃⇒オ , ( < p ,t ) = n t n 1(..,.
の座標の置換 CF
• >..,,(,)④…④入心
;)..心…〶入叶1→:X.,,c,> ④… ffi>..,,c叶1)
ァ3 正規行列の対角化
G=S0{2n):Tn
27
の座標の置換と偶数個の座標の符号の変換の合成
> . . , E B キ キも>...-ふ闘金•も入芯, E(i)= 土 1, T I E ( i ) = l G=S0(2n+l): T
の座標の置換と符号の変換の合成
入忌••も>...-ふ咄金•も迂悶, E(i)= 土 1
G=Sp(n):G=S0(2n+l)
と同様.
[G=U(n) の場合] O}
につい
て,
•
l o g:D+(n,R) • D(n,R ) 「 = . log())忌•も)).)=loglJ忌•もlog lJ• D ( n ,R) • D + ( n ,R) の逆写像である.
とおく. log は同相写像で, exp: 任意の AEH刊 n, F) について, =log(UAU-1) とおけば,
UAU-1ED+(n,R)
となる U がある.
exp(U→ BU)=U -1(expB)U=U-1(UAU
B
•) U=A.
よって, exp は全射.補題 4.8 によって, exp は連続な全単射となるから,
同
相を示すにはこれが閉写像であることを示せばよい.即ち, H(n,F) の閉集合 X から点列 A,,
A . , ・・・をとり,
l i mexpA;=BEH刊n,
F) ならば,
BEexp
(X) であることを示せばよい. いま,
ぶ
各んについて,
広 A;
U;-1=D;ED(n, R)
となる U;E
U(n, F) はコンパクト(定理 2.8, 定理 2.18) であるから,
部分列がある.点列をとりかえて,初めから U=lim
U ( n ,F)
を選
収束する{ U;} の
U;EU ( n ,F) としてよい.
l i mexpD;=l i mexp(U;Aぶー') =limU ; ( e x pA ; )U , 戸= UBU -1ED+(n,R) であるから, D=log(UBU→) E D(n,R) とおくと, log の連続性により,
D=log(limexpD ; )=liml o gexpD;=limD; A=Uー 1DU とおけば,
X は閉集合であるから,
A =u 1 ( l i mD ; )U=limU-1D;U=limU, 戸 Dぶ =limA;EX B=limexp ふ =exp 系 4.10
H(n,F), H刊n,
[証明]
H(n,F) は M(n,
l i mA;=expAEexp(X)
(終)
F) はともに Rdn(n-1)/Hn~こ同相である
=
F) Ra••
の R-部分空間であり,その行列 A=(a;;)
は a;;ER と a;;EF(iO で初期条件 ds(O, l)=v(e)=v。の下に解ける.さらに,
v ( s ( a ) s ( t ) )= d L , < a l , ( t ) d s ( O ,1 )= d L , c a i d L , c , , d s ( O ,1 )=(dL,caids)dL、 (0, 1 ) = ( d s d L a ) ( t ,l)=ds(a+t,l ) = v ( s ( a + t ) ) よって,
lal 冗,(Y,y。)は準同 型で, f=u=⇒f *=g*, ( f ' o f ) * = f ' * o f * , ln=l.
( 3 ) X。と x, を結ぶ道があれば,冗,(X, む)争ち (X, 叫(同型). 定義引X, x0) を X の X。に関する基本群という.
( 1 . 4 ) n,(XxY , (x。,
y。))五 (X, x.)x 冗,(Y, y。) (同型)
この同型対応は, X, y への射影 Px, PY を用いて
対応は射入 ix=(, Y。), iy=(叩,)を用いて (a,
a→ ( pna,py*a) で,逆
{3)• (ina)(iy*{3) で与えられ
る.'
被覆空間
復習
X は局所弧状連結仁⇒X の各点 x の任意の近傍 U に対して,
U に含
まれる弧状連結な x の近傍が存在する. 定義
X は 1 ー連結仁⇒X ほ弧状連結(冗。 (X)=O) かつ単連結(⇔ n ¥ ( X ,x。) = 0 ) .
定義
(X,p,X) は被覆空間仁⇒次の (1), (2) をみたす:
46
第 2 章被覆空間とファイバーバンドル
( 1 ) x および X は弧状連結かつ局所弧状連結, ( 2 ) p:x→X は連続な全射であって,
X の各点 X に対して,
弧状連結
な x の近傍 U があって, p→ (U) の各弧状成分 U,.iま P-'(U) の開集
合で, Pl
Ua: Ua=U( 同相).(このような U を基本近傍という.)
X を底空間, P を射影または被覆写像, X を全空間または X の被覆空 間, p-'(x) を X の点 x の上のファイバーという.
定義から, p-'(x) は疎な位相をもち,
U が X を含む基本近傍であれば,
Uxp-1(x)=P-'(U)
(同相)
であることがわかる.
定義
2 つの被覆空間(文, P, X ) ,( Y ,q ,Y )
— l i
が同値仁⇒右の図式が可換であるような,同相
x
写像 h, h がある.
X
f
p h
•q
,y
同値な被覆空間は,しばしば同ー視される.
定義被覆空間 (X,p,X) と f:Y→X に対
して, poj=f をみたす j:Y→X を f のリフト としヽう.
補題 1.5
J ____ふ:
y--
---t__ふP
( X ,p ,X) を被覆空間とする .x における道 w: I→X と X の 1 点
えで p(え) =w(O) をみたすものに対して, w(O)= えをみたす初のリフトもが存
在して一意的.また, w::: 叫ならばそれらのリフト w, 匈について, w(O)= 飢 (O):=湿 (1)= 匈 (1) かつも:::飢.
[証明]
w(I) が 1 つの基本近傍に入っているとき補題は明らかである.一般
の場合は, w(I) はコンバクトであるから有限個の基本近傍で覆われる.このこ とから前半は容易に示される.後半は, w:::w, を示すホモトヒ>H:
Ix! • X
において, I を十分小さい有限個の閉区問 l; に分けるとき, H(I;xli) が 1 つの
基本近傍に入るようにとれる.このことから, H のリフト月: Ix! →文で,
H(Oxl)=w(O)=畝 (O) をみたすものの存在がわかる.且 (lxl)cp-1(年), x,= w(l)= 皿 (1), かつ P-'(叫は疎な位相をもつから,月 (Ix/) は定点ふ.前半によ
って, HjlxO= も, Hjlxl= 訊であるから,和 (1)= 畝 (1)= ふかつ w::: 飢. (終)
定理 1.6
( X ,p ,X) を被覆空間とする.
ァ1
基本群と被覆空間
47
( 1 ) X の任意の 2 点叩,ふについて,全単射 p-1 に) =P-'(ュ)がある. ( 2 ) 加:元1 戊,ぷ)→冗,(X, X。)は単射. ( 3 ) 全単射 'I/; :冗,(X, 叫 /Im 加 ={(Im ん) alaE1t,} 司 P-'(ふ)がある.
( 1 ) ,(2) は補題 1.5 から明らか.
[証明]
( 3 ) ぁ。 Ep-1 に)を固定し, [w]E 冗 ,(X, 叩)に対して,和 (O)=x。をみたす W のリフト和を考え f[w]= 和 (1) と置く.補題 1.5 により,対応而:冗1(X,x0) → p-'(x.) が定まる.ぁ。と p-'(x。)の任意の点を結ぶ道があるから,品は全射. [ v]
e 元(文, x.) について,炉(加 [v][w])=f[w] は明らか.逆に炉 [w]= 品 [w』な らば, v=w* 初1 Vま閉道で [w][w,J-1= 加 [v]. 故に全単射↓をうる.(終)
定義
P-'(年)の個数(濃度)を被覆度(数)という.
次の補題はリフトの存在に関して基本的なものである.
補題 1.7
( X ,p ,X) は被覆空間, Y は弧状連結,/: ( Y ,y。)→ ( X ,叩)とする.
( 1 ) J ,i } : Y→文を f のリフトとするとき, }(y。) =jj(y。)=⇒} = j j . ( 2 ) y は局所弧状連結,かつ f* 伝 (Y, y 。)) cp*(元,(X, え)),ぇ Ep-'(x。) ⇒
j(y。)=士をみたす f のリフト J:Y→文が存在して一意的. この仮定は,、特に Y が局所弧状連結かつ 1 連結のときは,任意のか三 p-1 に)についてみたされている..
[証明 J
( 1 ) y を Y の任意の点とする. y。と y を結ぶ道 W をとると,
Jow, jjow はともに fow のリフトで,げ ow)(O)=f(y。) =jj(y。) = ( j j o w ) ( O ) .補 題 1.5 により, f(y)= げ ow)(l) =( j j ' o w ) ( l )=j j ( y ) .
( 2 ) 上の y と W に対して,も: I→X を名 (0)= ぇ。みたす fow のリフトと
し, j(y)=v(l) と置く.前定理の証明と同様にして,条件 Imf*clm 加から j(y) がクの選び方に無関係で,
対応 J:Y→文が定まることがわかる.明らか
に, pof=f, f(y。)=ぁ。であるから, j の連続性を示せばよい. f(y) の近傍 0 を,基本近傍 U の逆像 P-'(U) の弧状成分にとる.仮定と f の連続性から, y の ヽ
弧状連結近傍 V があって, f(V)cU⇒f (V)cp-1(U). f(V) は弧状連結か つ f(V)n U3f(y)
•
f(V)CU.
よって, f は連続.
(終)
被覆変換群 ヽ
定義 P0f=P をみたす同相 j:x→X を (X,p,X) の被覆変換という.
第 2 章被覆空間とファイバーバンドル
48
被覆変換全体のなす,合成を積とする,群を (X,p, X) の被覆変換群という.
補題 1.s
( 1 ) j:x→X が P0i=P をみたせば, f ほ被覆変換である.
( 2 ) p-1(ふ)の 2 点ぁ。,ふについて fは)=ふとなる被覆変換f がある仁⇒ ぁ。とえ1 を結ぶ道 W について, [pow] が H=p*(引it, ふ))の正規化群 N(H) ={aE 元 (X, X。) laH=Ha} に属する.
[証明 J i(ふ)=ふをみたす P: x→X のリフト j:it→えがあったとする. p=poj であるから,任意の [a]E 元,(文, x.) について,鉛 [a]=p*j*[a]. [初]/* [a][w]E 引it, ふ)であるから, a=[pow]E 引X, ふ)とおくとき, a-'(P*
[a])a=p*{[頭Jj*[a][w]}EH. [a] は任意=⇒ a-1HacH=
• aEN(H).
逆に, a=[pow]EN(H) とすると, a-1=[po初]EN(H)=⇒ 任意の [a]E
冗,(文,ふ)について, a(鉛 [a])a-1=鉛 [b] となる [b]E 元 (X, ふ)が存在する. 故に,鉛 [a]=a-1(鉛 [b])a=鉛{[初][b] [ w]}EP*冗,(it, ふ)=⇒p* 伝 (X, . x 0 ) )
cp*(引it, ふ)).補題 1.7(2) を f=P, 尤=ふに適用して, f ほ。)=ふをみた す P のリフト f の存在がえられる. いま, p=poj, 即ち, f が P のリフトであれば,上の議論の前半により, ふ EP→(ふ)と元1=/(ふ)を結ぶ道切について,
J EN(H)=丼po初]=
[pow
[pow] 一 1EN(H). w はふとぁ。を結ぶ道であるから,後半の議論により,
g(ふ)=ぇ。をみたす P のリフト g がある.
で,
goj およぴ 1ぇほともに P のリフト
(g゜.J)(.x.)= ふ =1ぇ (.x.) であるから,補題 1.6(1) より,°゜1=1ぇ.
jog=h. よって, f は同相,即ち, f は被覆変換で,
(1) が証明された. ( 1 )
を認めると,上の議論ほ (2) の証明になっている.
定理 1.9
同様に (終)
被覆変換 f に, 補題 1.8(2) の [pow] の N(H)/H における類を対
応させることによって,
(X,p,X) の被覆変換群ほ商群 N(H)/H と同型であ
る.
[証明]
定理 1.6 (3) の全単射↓による N(H)/H の像 t(N(H)/H)cp→(叫
を考える. "Y は [pow] の類に w(l) を対応させる.補題 1.8 (2) は,被覆変換f に f(ふ)=ふ =w(l) を対応させる対応は ,y(N(H)/H) への全射であることを示 している.
また補題 1.8 (1) はこの対応が単射であることを示している.
よっ
て,この対応が準同型であることを示せばよい.
被覆変換 i, g について,ムと i(ふ), g(ふ)とを結ぶ道をそれぞれ,叫, W2
ァ1
基本群と被覆空間
49
とする.このとき,巫 *(/ow2) はあ。とげog)(x.) を結ぶ道である. [po(皿* げ ow2))] =[pow』 [poj ow,]=[pow』 [pow』であるから, Jog に対応する
N(H)/H の元は l, u に対応する元の積である.よって,我々の対応は準同型 であることがわかった.
(終)
定義 p-1(ふ)の任意の 2 点え"ぇ.に対して, l(ふ)=え.となる被覆変換の存 在するような被覆空間(文, P, X) を正則被覆空間という. 定理 1.10
( 1 ) 被覆空間 (X,p,X) が正則仁⇒加(元(文,ふ))は元1(X, X。)
の正規部分群.
( 2 ) ( X ,P ,X) を正則被覆空間とするとき,商群 G= 引X, 叫 IP* 伝 (X, ふ))
は文に不動点なしに (gぷ=あなるえがあれば g=e) 作用して,射影冗: X→ X/G について, (X,p, X) と (X, 冗, X/G) は同値である. [証明J
(1) は補題 1.8(2) より自明.
定理 1.11
(2) も明らかであろう.
弧状連結,局所弧状連結な位相空間文に,
(終)
疎な位相をもっ G が
作用して,工の各点は次の条件をみたす近傍 V をもつとする: VnL、 (V) キ炉⇒ g=e
このとき,射影 p:X→文/G について,(文, P, 文/G) は正則被覆空間で,そ の被覆変換群は G と同型である. [証明J
V として弧状連結なものをとれる.そのとき, p(x) を含む基本近傍
として p(V) がとれて,(文, P, 文/G) が被覆空間となることは容易にわかる. 正則であることや被覆変換群が G と同型であることは明らかである.
(終)
普遍被覆空間
定義
文が 1ー連結である被覆空間 (X,p, X) を普遍被覆空間という.
定理 1.12 ( 1 )
(文, P, X) を普逼被覆空間, G= 引X, x.) とする.
( X ,p ,X) は正則被覆空間である.従って, G ほ文に不動点なしに作
用して, (X,p,X) と (it, 元, X/G) は同値である.
( 2 ) 任意の被覆空間(免, P',X) に対して,
普遍被覆空間(文, P", X') が
存在して, p=p'op". 実際, H=p'*(引免,ふ'))について,文写文/H. ( 3 ) X を底空間とする普逼被覆空間は同値の意味で一意的である. [証明J
(1) は正則の定義と定理 1.10 より明らか.
第 2 章被覆空間とファイパーバンドル
50
( 2 ) 補題 1.7 (2) を被覆空間戊 ',P', X) と写像 p:X→X に適用して, P= p'op" をみたす p":X→g ,の存在がえられる. p"(ふ)=士。'のとき,任意の
え'E 免に対して,ふ’と王を結ぶ道初’を考え, p'o面の (X,p, X) に関する リフトもで w(O)= ぇ。をみたすものをとる.補題 1.7 (1) より, p"ow= 釦’ ⇒
p"(w(l))= あ’.従って p" は全射である.(克, p', X) と (X,p, X) に共通な基 本近傍 U をとり, p' → (U) の各成分を Up' とするとき, (X,p",X'l は Up' を
基本近傍とする被覆空間となることは,容易に確かめられる.
(X,p",X') に
おける被覆変換 f は (X,p, X) における被覆変換であり,定理 1.9 の同型にお いて,このいいかえは単射 p'*: 冗1 戊')→冗,(X) に対応する.従って,文写 X/
Imp'*=X/H. (3) は (2) より直ちにえられる.
(終)
この定理は,普遍被覆空間 X が存在しなけれぱ意味がない.例えば,
X=R2-{(セ,
0 ) 1n=l,2,3,…}
は弧状連結,局所弧状連結であるが,それを底空間とする普遍被覆空間の存在 しないことが,次の定理からわかる. 定義
X は局所半単連結仁⇒X の各点工の近傍 V に対して, 工の近傍 U があって,
射入 i: u→X について
稔 =0: 冗 ,(U, x)--> 冗 ,(X,
定理 1.13
なことである.
とき,
x ) .
弧状連結かつ局所弧状連結な位相空間 X を底空間とする,普遍
被覆空間 (X,p,X) が存在するために必要十分な条件ほ,
[証明]
V に含まれる
普遍被覆空間 (X,p, X) が存在する
U を基本近傍にとって,右の図式を考え
冗,(Ua)---+n,(X)=O
=l(pjU.)*
lp*
冗 ,(U)·――→元 (X)
れば, X が局所半単連結であることがわかる.
逆に, X ほ局所半単連結であるとして,
X が局所半単連結
i *
普遍被覆空間(文, P, X) を作ろう.
X の 1 点 X。は固定し,
X={x。を始点とする道 u: ( I ,0 ,1)• ( X ,叩,叫のホモトピー類 [u]} p:X→X仁訊u]=u(l)
と置く .x の位相は, V が [u] の近傍仁⇒p[u]=u(l) の近傍 UcX があって,
u(l) を始点とする任意
ァ1 基本群と被覆空間
5 1
の道 u': I→ U について [u*u']EV
によって定義する ,p が連続な全射であることは明らかである. xEX の近傍 U で弧状連結かつ柘 =0: 冗,(U,x) →冗,(X, x) をみたすものを
とる. p-•(U) の任意の点 [u] に対して,
p[u] とェを結ぶ U 内の道 v をとり,
ぇa=[u*v]Ep:-1(x) とおく.ゑJま V のとり方に無関係に定まることは,玲 =0 からわかる.
各 a について,
p-1(U)=Ua 広,広 n に,
このような V のとれる [u] 全体を Ua とすると,
U11=cf,(a キ fl), かつ PIUa: Ua→ U は全単射である.さら
Ua の近傍と U の近傍が p によって対応していることから,
PIUa しま同相
写像であり,各 Ualま p-i(U) の開集合であることもわかる.以上によって,
( X ,P ,X) が被覆空間であることが証明された. [w]E 引X, 年)に対して, w: ( I ,BJ)• ( X ,叩)のリフトの: (J,O)• ( X , [ O J ) が缶(s)=[w』,
w , ( t )=w(st) によって定義される.炉[w]=w(l)Ep→(ふ)とお
くと, p-1(x0)=
{[w]lw:( I ,0 ,1)• (X,x。,叫}=冗1(X, ふ)であるから, f:
冗1(X, x.) • p-1 に)は全単射.定理 1.6(3) の全単射↓ほ否から誘導されるか
ら, Im 鉛 =Ker , y = O . p*:元(文)→元1(X) は単射であるから,冗1(約 =0. 即ち (文, p,X) は普遍被覆空間である. 系 1.14
(終)
位相多様体(特に,微分多様体, Lie 群とその等質空間)は弧状連結
であれば,それを底空間とする普遍被覆空間が存在する. 被覆空間は次に述べるファイバーバンドルの特殊なものと考えることができ る.
ァ2 ファイバーバンドルの基本的性質 ファイバーバンドルの定義 以下で,ファイバーバンドルに関する基礎的知識を述べる.詳細について は,例えば, N.E. 定義
S t e e n r o d[13]
( E , p ,B ,F)
参照
が積バンドルまたは自明なファイバー空間
⇔同相写像 cf,:BxF→E があって,炒 (b, y)=b をみたす.
E=(E,p ,B,F) が局所自明ファイバー空間 •
p:E→B は写像, B の各点に対して,その開近傍 U があって,
第 2 章被覆空間とファイバーバンドル
52
~I U=(P-'(U), p J p 1 ( U ) ,U,F)
は積バンドル.
このとき, E を全空間, P を射影, B を底空間, F をファイパ一,
F b = P ' ( b ) , bEB を b の上のファイパ一,
U を座標近傍,
同相勅:
UxF •
P-'(U) を座標関数
としヽう.
定義
同じファイバ一をもつ局所自明ファイバー空間~'= ( E ' ,p ' ,B ' ,F) と
~=(E, p ,B,F) の間のファイパ一写像/: ~'→ど
•
f:E' →E は写像で, B' の各点 b' の上のファイバー Fb, Vま f によって B のある点 b 上のファイバー凡の中へ写される.
このとき, b=『(b') とおけば J:B' →B は
f
E',E
l p ' lp l
pof=]op' をみたす. 局所自明なファイバー空間 ~=(E,p,
B ,F)
と
B',B
写像 g: B' →B に対して,
g f l ' E ={ ( x ,b ' )I P ' ( x ) = g ( b ' ) }cExB', g ( x ,b ' ) = x ,p ' ( x ,b ' ) = b ' とおけば, gfl'~=(gfl'E,
p ' ,B ' ,F) は局所自明なファイバー空間,
g: 炉E→E は
り =g となるファイバー写像であることがわかる ,g咤を g によってどから誘導 された局所自明ファイバー空間という. 位相群 G がファイバー F に左から作用しているとする. 定義
•
( E ,p ,B ,F ,G ,{ U a ,如})が座標バンドル ( E ,P ,B ,F)
は{広,如}を座標近傍および座標関数にもつ局所自明
ファイバー空間であって, 如b, y)= 如 (b, g叫b)·y),
によって,(連続)写像 llPa:
bEUanUp
UanUp→G が定まる.
この {gpa} を座標変換, G を構造群とよぶ.
定義
2 つの座標バソドル ~=(E,
p ,B ,F ,G ,{ U a ,如})と
B ' ,F ,G ,{ U p ' ,妬'})の間のバンドル写像/: ~ •
•
~'=(E',
e
Jiま局所自明ファイバー空間の間のファイバー写像であって,
f如 (b, y)= 如'(f(b), "{Jpa(b)•y),bEU anJ-1(Up)
によって定まる "{}pa: Uanl • (Up) →G は連続.
P ' ,
定義
ァ2 ファイバーバンドルの基本的性質
53
座標系のみ異なる 2 つの座標バンドル ~=(E,
p ,B ,F ,G ,{U . ,如}),
~'=(E, p ,B ,F ,G ,{U/,如'})が厳密な意味で同値 ⇔恒等写像 lE: E→E はバンドル写像 lE: ~ • ~I である.
これが同値関係であることは容易にわかる. 定義
座標バンドルの厳密な意味での同値による各類をファイバーバンドル
といい, ~=(E,
p ,B ,F ,G)
で表わす.
ファイバーバンドルを論ずるときは,その代表元である適当な座標バンドル
の座標近傍,座標関数,座標変換を用いる.
座標バンドルでの用語,
全空間,
射影,底空間,ファイバー,構造群,ファイバー写像,バンドル写像等はその ままファイバーバンドルでも用いられる.
座標バンドル
~=(E,
p ,B ,F ,G ,{ U , . ,如})において,
ら全空間 E の上への写像
駆,.
: gu,.xF
—
U,.xF の位相和か
E
を考えると, E は次のように構成できることがわかる:
E=IlUaxF/ ; ( b ,f)(EUaxF) (b,Y 1 1 a ( b ) キ f ) ( EU 1 1 x F )
“
このことから,次の定理がえられる. 定理 2.1
( 1 ) B ,F ,G をそれぞれ,底空間,ファイバー,構造群とする座
標バンドルと,関係式
g . , , , ( b ) g p a ( b ) = g . , , . ( b ) , bEUanU , , nU . ,
をみたす Bd 開被覆 {Ua} と写像 0Pa: u , . nUp→G の系 (U,g)= { U , . ,g p a } とほ 1 対 1 に対応する.
( 2 ) 上のような B, F ,G をもつファイバーバソドルと,
細分と写像の制限
に関する極限 lim(U, g)~ とは 1 対 1 に対応する. )
微分多様体 M の接バンドル空間 TM は上の様に構成され,
llfl«(b) E GL(n,
R) である.よって, M の接バンドルは次のようなファイバーバンドルである: 四 =(TM,
定義
p ,M,R " ,G L ( n ,R ) )
ファイバーが F", 構造群 G が GL(n, F) の部分群であるファイバー
,,ミンドルを, n 次元 F—ペクトルバンドルという. 定理 2.2
( 1 ) n 次元 F—ベクトルバンドル~= ( E ,p ,B ,F " ,G L ( n ,F)) の
第 2 章被覆空問とファイバーバンドル
54
各ファイバー Ft=p-1(b) は,
空間)の構造をもち,
自然な F—右加群 (F=R, C のときはベクトル
F の右作用: ExF→E および和: { ( u ,v )IP(u)=p(v)} •
E は連続である.
( 2 )
逆に,局所自明ファイバー空間 (E,
p ,B,Fn)
が連続な和および F の
右作用をもてはそれは n 次元 F—ベクトルバンドルの構造をもっ.
ファイバーバンドルの簡単な性質
定理 2.3
バンドル写像 f: ~ • e において, B=B', l=IB ならば, f:E→
E は同相写像で, 1-,: E→E はバンドル写像 f→ :~I →どを与える.
定義
•
同じ B,F,G をもつファイバーバンドル~. ~I が同値(記号ど==~')
f=lB となるバンドル写像/: ~ • e がある.
定理 2.4
ファイバーバンドル ~=(E',
p ' ,B ' ,F ,G)
から写像 g:
B•
B' に
よって誘導された局所自明ファイバー空間はファイバーバンドル g咤 '=(g:!i=E,
p ,B , F ,G)
で, jj:g咤→e はバンドル写像である.逆にバンドル写像 f: ~ •
e について炉=『咤'. 定理 2.5
2 つのファイバーバンドル ~=(E,
p ,B ,F ,G ) , ~'=(E', p ' ,B ,
F ,G) の共通の座標近傍系{広}について,それぞれの座標変換を {gpa}, { g ' p a } とする.このとき, ~=e¢:.⇒ 次の式をみたす写像 A.a: Ua→G の系 {A-a} がある:
g ' p a ( b )=A-p(b) • g p a ( b ) ) . . a ( b ) , bEUanUp 以上の定理は定義から直接確かめることができる. 定義位相空間 X はパラコンパクト仁⇒X の任意の開被覆 {Ua}, X = UaUa に対して,その細分である(各 Vp はある Uatこ含まれる)閉被覆 {Vp} で
局所有限 (X の各点についてその近傍 W で wn Vp=t=cf> となる P は有限個)とな るものが存在する. 位相空間論より次の結果を引用する. 補題 2.6
( 1 ) パラコンパクト Hausdorff 空間は正規空間である.
( 2 ) 第 2 可算公理をみたす局所コンパクト Hausdorff 空間はバラコンパク ト Hausdorff 空間である.
( 3 ) パラコンパクト Hausdorff 空間の開被覆{ Ua} に対して,その局所有限 な細分 {Vp} と Vp コ Wp をみたす開被覆 {Wp} がある.
さらに,
X 上の実数値
ァ2 ファイバーバンドルの甚本的性質
5 5
連続関数らで今 (X-Wp)=O かつこ和 =I をみたすもの (1 の分割)がある. { J
• pos=IB,
定義写像 p:E→ B の B。 CB における切断 s: B。→ Et;=
B における切断 s: B→E を単に P の切断という. ファイバーバンドル (E,
補題 2.7
p ,B,F ,G)
の切断 s¢=⇒ 射影 P の切断 s:
B• E .
ファイバーバンドル (E, p ,B,F ,G) において, B はパラコンパク
ト Hausdorff 空間, F は n 次元ユークリッド空間 Rn に同相ならば, B の閉集 合 B。における切断は B 全体の切断に拡張できる. この補題の証明には,座標近傍系{ Ua} に対して補題 2.6(3) の局所有限な細
分 {Vp} を考え,
{/3} に整列順序を与えて超限帰納法により順次各 Vp へ切断を
拡大する.その際, p-•(Vp匡 VpxRn →Vp において W=U(見 nVp) 上に与え 7 < / J
られた切断を Vp に拡大するには, ることを示せばよい.
これは,
任意の連続写像 W→Rn が Vp に拡大され
B が正規空問であるから Urysohn の定理によ
って保障されている.
主バンドル 定義
G のそれ自身への作用を位相群 G の積で与えるとき, G=F であるフ
p ,B ,F ,G)
ァイバーバンドル f=(E,
ルといい f=(E, 定理 2.8
P ,B ,G)
を G- バンドル,または,主 (G) ーバンド
で表わす.
主バンドルが切断をもつ仁⇒ 主バンドルが自明な主バンドルに同
値 定義 傍で,
写像 p:E→B の点 bEB における局所切断 s: S は PIP → ( U ):p
•
u•
E 「 : : . ⇒ U しま
b の近
(U) → U の切断.
明らかに,局所自明ファイバー空間の射影は(底空間の各点において)局所切 断をもっている. 定理 2.9
G- バンドル (E,p,
B ,G) において,
p(x,
g )=p(x)
をみたす G の E
への右作用 ExG→E を 如b, g)·g'= 如 (b,
によって定義できる.
逆に,
g g ' ) , bEU , .
位相群 G の位相空間 E への右作用 ExG→E が
あるとき,射影 p:E→B=E/G が各点の近傍 U,. における(局所)切断 Sa: →E をもち,如 (b,
g )=s,.(b)·g
できまる如:
U,.xG •
U , .
p-'(U,.) が同相となるな
56
らば,
第 2 章被覆空間とファイバーバンドル
(E,
P ,B ,G)
は G- バンドルである.
この定理の後半の性質をもつ局所自明ファイバー空間を,主バンドルの定義 とすることができる.この定義より出発してファイバーバンドルを定義するに は以下の構成を用いればよい.
位相群 G が右から X に,左から Y に作用しているとき,積空間 XxY に関係
( x ,y )( x キ g , g-••y), gEG, xEX, yEY を与えてえられる空間を
XxGY=XxY/ で表わす.写像 f:X→X ' , g:y • Y' が上のような G の作用と可換であると き,これらは写像 f 殴g:
XxGY • X'xGY'
を誘導する.次の定理は定義にもどれぱ容易に証明される. 定理 2.10
主バンドル E= ( E ,p ,B ,G) と, G が左から作用する F について,
ExGF=(ExGF,p ' ,B ,F ,G ) ,p ' ( x ,y ) = p ( x ) , は F をファイバーとするファ ィバーバンドルである .G の F への作用が効果的なときは,逆に,任意のファ ィバーバンドル E'=(E',
ルどが存在し,
p ' ,B ,F ,G)
に対して,
E' 畔 x 訊となる G—バンド
対応 E→ExGF は主バンドルとファイバーバンドルの間の 1 対
1 対応を与え,またバンドル写像に関しても 1 対 1 対応 f→{XGh がある. 定義
E'= わl について,れ:ち (Xl 争ら (X).
[証明J
P-'(ふ)は疎な位相をもつ ⇒ n,.(p→(ふ)) =0( n > O ) .系 3.11 より, n p*
>1 のとき, O→nn(文)一→ら (X) →0 ほ完全=丼’*は同型.
(終)
n—連結性 X は n—連結<⇒ n : ; ( X ,ふ) =O, O~i~n.
定義
(X,A) は n-連結 Rn:.(A)= 元。 (X)=O, 冗;(X,A, 年) = 0,
l~i~n.
(3.4) およぴ (3.4)' によって,この定義は基点平のとり方に関係しない.
( 1 )
補題 3.13
AcX について冗。 (A)= 冗。 (X)=O とするとき,
(X,A) は n-連結仁⇒玲:冗;(A) →冗;(X) は i=< f, oc> をみたし,コホモロジー類とホモロジー類の間の Kronecker 積
: Hn(X,A; G)ョ 追 (X, A;R) 一 G
(1.8) は次の直交条件と同値である:
•
=0 ( V x ) (G=R)
( 1 . 8 ) " x=O •
=0 ( V a ) (G=R)
(1.8)'a=O /EC"(X; R)
と gECq(X; R) の(カップ)積を
( f キ g )( u )=LE(a)f(o認u)g(op'u)ER ( u :p+q • X) で定義する(記号は口の項参照).この積は自然性およぴ
(f·g)•h=f•(g•h),
o(f•g)= 紆•g+(-l)"f•og
をみたし,コホモロジー類の間の(カップ)積
キ:H"(X; R)@庄 (X; R ) +HP+q(X; R) を誘導する.
H*(X; R)=LHn(X;R)
はこの積に関して R—代数となり,その
単位元 1EH0(X; R) は l(u)=lER で与えられる 1EC0(X; R) のコホモロジ
ー類である.またクロス積のホモトピー可換性より, (1.9)
呻=(ー 1) 珂3a, aE 庄(X;
C"(X,A; R)
R ) , fJE 庄(X;
の元ば(EC"(X; R) で f(u)=O,
R)
u(Iり cA,
をみたすものと
考えられる.このことから積
キ:H"(X,A; R)@庄 (X; R ) + H P + q ( X ,A; R) キ:H"(X; R)@Hq(X,A; R ) + H P + q ( X ,A; R) キ:H"(X,A; R)@庄 (X,A; R) • H P + q ( X ,A; R) が定義され,上の性質をみたす.これらは準同型 j*:
R) を通じて相互に関係している.また o*: 関係は, i*:
H*(X,A; R) • H*(X;
H*(A;R) • H*+1(X, A; R) との
H*(X; R) • H*(A;R ) , aEH"(A; R ) ,fJEHq(X; R)
について,
o*(a•i*f1)=o*a•f1 Px:XxY • X, Pr:XxY→ Y を射影とするとき,クロス積
x: H " ( X ,A;R)ョ庄 (Y;
R) —• HP+q(XXY ,AXY ; R)
が axfJ=Px*a•py祁で定義される.チェイン同値口を用いて,クロス積を直
接定義することもできる.逆にクロス積が与えられているとき,対角写像 d:
X•
XxX を用いて,(カップ)積は a ・ fJ=d*(a x{J) で与えることができる.
ァ1
位相空間のコホモロジ一環
Kiinneth の公式 (1.6) と双対同型を用いると,
97
H判X,
A; R)
が各 p につい
て(または H•(Y; R) が各 q について)有限生成 Rー自由加群ならば,
クロス積
は次の同型 (Kiinneth の公式)を与える:
( 1 . 1 0 )
: EHP(X,A; R)ョ卯 (Y; R)=Hn(xxY, AxY; R)
p-1-q=n
Bockstein 準同型 アーベル群の完全系列
0一H___!_.c_l!__.K―→0 について,次はチェイン複体の完全系列である:
0一Cn(X; H) 些Cn(X; G) 些兄(X; K) —→〇 これから,次の Bockstein 完全系列がえられる.
h / 3 (1.11) …—• Hn(X;H) ―→止 (X;G) 生→ Hn(X;K) —• Hn—,(X;H) f *, . .
f * ,g*
を準同型 f,g で誘導された対応,
P を Bockstein 準同型という.
…-
x
を対 (X,A) でおきかえても同様である.コホモロジーの場合は次の形になる:
(1.11)'
h
Hn(X; H ) _ _ ! i .圧(X; G)~Hn(X;
)
.
K)__!__ • Hn+•(X; H)
これらの準同型は自然,即ち,写像で誘導された準同型と可換である.また
境界準同型 a*, o* との関係は
( 1 . 1 2 )
l>*f3= —節*
8*(:3= ー (:38*,
クロス積との関係は,ホモロジ一,コホモロジーの場合とも
( 1 . 1 3 )
{J(xxy)= 釦 xy+(-I)nxx{Jy
(n=degx¢=
• xEHn)
Pontrjagin 積,(カップ)積との関係は
( 1 . 1 3 )
fJ(x•y)=fJx•y+(-1) 叱℃ •fJy
H=G=Z, K=Zp=Z/PZ
(n=degx )
のときは,
p=g*:Hn(X; Z) • Hn(X;Zp)
を modp の reduction,
--+Hn+1(X; Z ) , f J p = p o { J :Hn( X ; Zp)--+Hn+I(X; Zp) の Bockstein 準同型という.
{ ):Hn(X; Zp ) をともに modp
{JP~ま {JP゜も =0 をみたすから {JP に関するコホモ
ロジー群 Hpn(H*(X; Zp)) がえられる.
通常,係数環 Z は省略して, Hn(X)=Hn(X;
Z),Hn(X)=Hn(X;Z)
とかく.
第 3 章古典群とその等質空間のコホモロジ一
98
定漉
位相空間 X が有限型仁⇒H,.(X) が各 n について有限生成.
有限型位相空間 X の係数体 K 上の Poincare 級数(または Poincare 多項式) は次式で定義される:
P k ( X ,t) 心dim甚 (X;
k)•t" 心dim甚 (X;
k)•t"
( 1 . 1 4 ) ( 1 ) 位相和 11 について, P1c(XI1Y, t ) = P 1 c ( X ,t ) + P k ( Y ,t ) ( 2 ) 直積 X について, A(Xx Y ,t)=A(X, t)•P,,(Y, t ) 補題 1.15
X を有限型位相空間, Po(X,
t ) = L b , . t " ,P z p ( X ,t)=La,.t" とす
る.
( 1 ) a。 =b。, aふ~b. .( n = l ,2 , …) ( 2 ) 止 (X) の p-成分がら個の巡回群(位数は P の巾)の直和であれば, a,.=bサ c,.+c,. —l 特に, a,.==女 (n=l,
2 ,…)•
H*(X):p-torsion
なし⇔ H*(X): p-torsion なし.
( 3 ) (2) の巡回群のうち位数 >P のものの個数を c,.' とするとき, bサ c',. —, + c , . ' = d i m z p . H ; が (H*(X;
特に,
dimzp.H;が (H*(X; Zp))=dimo圧 (X;
Z p ) )
Q ) : : : : : : }H,.(X)
の p-成分は z" の
直和
[証明]
アーベル群の基本定理により,
H,.(X) の自由部分 F,. を b,. 個の Z
の直和, p-成分を c,. 個の Z", の直和に分解して普遍係数定理を使えば, dimH"
( X ;Q ) = b , . , dimH"(X; Z")=b叶ら十 c,.ー1•
ただし, H。 (X)=~。, b。 =(X の
弧状成分の数).これらより (1), (2) をうる. (3) については, H,.― ,(X) の直和因 子 Z", に対応する A=Hom(Zp,,
Zp)CH" • ( X ; Z")
と B=Ext(Zp•,
Zp)C
H"(X; Zp) を考えるとき, {JP は A=Z心 B=Z" に対応させ, fJp=prー ':z" • z" の形である. r=l ならば, {JP は同型で A と B は H11" で消し合い, r>l なら fJ"(A)=O で, A,B は Hがで残る.このことから (3) がえられる.(終)
コホモロジー作用素 定義
自然性 (f*〇=吋*)をみたす対応
t P :H•(X, A; G)--+H呵 X,A; H) の族を (n,
G ,n+q,H) ー型コホモロジー作用素,
q をその次数という.さらに
ァ1
位相空間のコホモロジ一環
99
各 n について 0 が与えられていて,境界準同型 ll* と可換 (S*〇=砂*)であると きにほ, q 次の (G,H) ー型安定コホモロジー作用素という.
係数群の準同型 cp:G→H で誘導された匹は〇次の安定コホモロジー作用 素, Bockstein 準同型 P は 1 次のコホモロジー作用素であり {(-l)"fJ} は 1 次の 安定コホモロジー作用素である. コホモロジ一環 H*(X,
A; R)
の積を用いて, d>(x)= がとおけば
< Z > :H "(X,A; R)--+Hk"(X,A; R) はコホモロジー作用素である. k=p(素数)かつ R=ZP のとき,この 0 は安定 コホモロジー作用素に拡張できて, Steenrod の作用素とよばれるものになる. p=2 のときは,
(Steenrod の)平方作用素
S q r :H"(X,A; Z,)--+H"+r(X,A; Z , ) が存在する.
( 1 . 1 6 ) (Sq の基本的性質)
( i ) S q rfま Sqr(x)= が (xEHりをみたす安定コホモロジー作用素であり, この性質は Sずを特徴づける (r>O).
( i i ) S q 0 = i d , Sqr=O( r < O ) ,S q r ( x )=0 (xEH", n..": G • Gz があっ
て,任意の道 W について, Wふ叫•>=>..叫•>· 位相空間 X 上の局所係数群 G={G:rl が与えられているとき,
退化していな
い各特異立方体 u: I"→X の係数 g,. ~ま G心 (O=(O, …, O)EJ") に値をとるも のとし
C. . ( X ; G)={Lg,.•u(有限和),
“ に和工g.·u 十 LU'.•U=L(Uけ g'.)•u
g手 G叫
と境界作用素
” a(Luu•u)=L(-I)"(wk*釦·釘u-g. ・卯u), < k l
k=l
四 (s)=u(O, …,
0 ,s ,0 , …, 0) を導入して,局所係数群 G をもつ X のチェイ
ン複体 {Cn(X;
G ) ,a} が定義され,そのホモロジー群として, X の局所係数ホ
モロジー群
Hn(X; G)=R心 (X; G ) ) が定義される.局所係数群 G をもつ X のコチェイン複体は各 U に G.co> の元 f(u) を与える関数全体
cn(x; G)={ f l f ( u ) E G u ( o ) } に和 (f
+ f ' )( u )=f ( u )+ f'(u)
と境界作用素
” ー I)k(w,.*J(ak'u)-f(a,.•u)) (8/)(u)=L( k=l
ァ1 位相空間のコホモロジ一環
1 0 1
を与えて定義され,そのコホモロジー群として, X の局所係数コホモロジー群
Hn(X; G)=Hn(C*(X; G ) ) が定義される.ここで,道 Wk~ま a, s が well-defined になるように,
G心と
G心o) の間の同型を与えるために導入され, u(O) と 811u(O) を結ぶ道で,
よる I" の中の道の像である.
u に
r の任意の道は互い tこホモトープであることか
ら, Wk はこのような道であれば何でもよいこのことほ節 =O の証明にも使わ れる.
また次の(カップ)積の定義における道 Wp はその意味において特に指定
する必要はない.
Cq(X; R)
R={R:z:}
が X 上の局所係数環のとき, fEC"(X; R) と gE
の(カップ)積を通常の積と同様に
( f キ g )( u )=LE(a)f(8認u)wp*g(8p1u) で定義する.このとき (f•g) ・ h=f·(g•h), 8(f,g)=(8f)·g+(-1) ザ・ (8g) が成り 立ち,(カップ)積
H'(X; R)@庄(X; が定義され, H*(X;
R)->H呵 X;
R)=1 : : H " ( X ; R)
R)
は環になる.その他,通常の(コ)ホモ
ロジーと類似の性質があるが省略する.
( 1 )
補題 1.18
x:1ー連結=⇒ X 上の任意の局所係数群は自明.
( 2 ) XJ : :の局所係数群が自明ならばその局所係数ホモロジー群,
局所係数
コホモロジー群(環)は通常の係数のものと同ー視できる.
( 3 ) X は 0ー連結とする.
x 上の局所係数群 G={G,.} が自明仁⇒X の各点
ェについて射入ら:工→X は同型 i,.*:
H0(X; G匡 H0(x;
G,.)=Gェを誘導す
る⇔同じことが X の 1 点についていえる.
[証明]
( 1 ) G=Gが 'X と名を結ぶ道 W について, A,.= 叫とおけば, X
が 1ー連結であるから, W は存在して互いにホモトープで }..,.:G=Gェがきまる.
( 2 ) 同型}..,.:を用いて,
各 Gz を G=Gェ。でおきかえるとき,
ける叫* fま恒等写像でおきかえられる. えて, Cn(X;
( 3 )
G)=Cn(X; G)
G が自明ならぱ,
よって,
8 の定義にお
I:g瓢 •u を I:u@g,. でおきか
とみなせる.コホモロジーの場合も同様.
(2) により,
H0(X;
G)=H0(X;G)=G
は}..,,, で与えられることがわかる.逆に, H0(X;
とみてら*
G)=Zo(X;G )cc0(X;G)
を考える. fEC0(X; G) が Zo(X;G) に入るための条件紆(w)=O, w:I • X, はf( 8 1 ー w )=w*f(8/w), 即ち, l 'l
i叫•>*=w紅的)*.
よって G は自明.
自明
1 0 2
の条件
第 3 章古典群とその等質空間のコホモロジ一
w込四 (1)=A.叫o) が閉じた道についていえれば,
一般の道についてもい
える.
(終)
ァ2 ファイバー空間のコホモロジー (Serre のスペクトル系列) ファイバー空間,相対ファイバー空間 第 2 章, §3 における (Serre の意味の)ファイバー空間の定義を思い起こそ う:
(E,p,B)
•
はファイバー空間 p:E→B は Jn に関する被覆ホモトピー性質をもつ全射.
第 2 章,定理 3.6, 定理 3.9 より
( 2 . 1 ) ファイバーバンドル (E, p ,B,F ,G ) , 被覆空間 (E=X, p ,B = X および道の空間の射影 P=P, B において,
(E,
P ,B)
:E=!J(X,A,B) •
B,p=p。:
E=!J(X,B,A) •
はファイバー空間である.
また,第 2 章,系 3.11 の完全系列 i * p* (2.1)'
A …―叫 (F) 一→冗n(E) —→冗n(B) —→冗n_,(F) ―→…
を誘導するという意味において,
け加えてえられる系列
ファイバー F=p-'(b) とその E への射入をつ
— p
i
F
E- —• B
をもってファイバー空間(またはファイバーリング)ということもある.
ファイバー空間を相対化するには 2 通りの方法がある. 底空間 B の部分空間 B。について, E。 =p-'(B。)とおけぱ, F―→ E。―---+B。
(bEB。)もファイバー空問となる.この意味で,系列 p
F —• ( E , E。)—→ ( B ,B。)
を相対ファイバー空間という.第 2 章,定理 3.10 は容易に一般化されて
( 2 . 2 ) 加: n : n ( E ,E。)三冗n(B, B。)
(全単射)
の形の定理となる .B。 =l 点の場合がもとの定理
( 2 . 2 ) ' p*:冗n(E, F)= 7 t n ( B ) (全単射) である.
全空問 E が 00 ー連結であれば,対 (E, F) のホモトピー完全系列によって,
ァ2 ファイバー空間のコホモロジ一
8:n , . + ,( E ,F) →冗,.(F)
1 0 3
ほ咋 1 のとき同型である.このとき,
S=鉛 08-1: -n:,.(F) 一叫+,(B)
(同型)
をホモトピー懸垂という.実際に応用されるのほ,次の 2 つの場合である:
( 2 . 3 ) ( 1 ) 位相群 G と分類空間 BG について, S: n , . ( G ) 2 = n , . + , ( B G ) ( 2 ) 位相空間 X と閉道空間 !JX について, S: n , . ( ! J X ) 2 = n , . + , ( X ) ここで,
(1) の場合はファイバー空間(普遍 G-,,. ミソドル)
いて EG ほ 00 ー連結である. Po,X) において, !J(X, 定義
にお
(2) の場合ほ,道のファイバー空間 (!J(X,X, ふ),
X,年)が可縮であることが次の補題よりえられる.
A ほ X の変位レトラクト仁⇒ACX であり,
で, r。 =lx,
( E G ,p ,BG)
ホモトピー r,:X→X
r,(X)cA, r,IA=lA をみたすものがある.
f:X→ Y の写像柱 Z1仁⇒幻 =(XxI)lIY/~, ( x ,O )/ ( x ) 容易にわかるように,
Y は Z1 の変位レトラクトである.また, X の変位レ
トラクト A について,射入 i: A→X ほホモトビー同値写像である. 補題 2.4
A は !J(X,
X,A)
の変位レトラクトである.ただし,
A の各点ほ
その点の定値道と同ー視する. [証明]
wE!J(X,X,A)
につき, r,(w) ( s )=w(t+s-st) とおけばよい.(終)
ファイバー方向の相対化は次のように定義される. i p 定義 ( F ,F,。)一→ ( E , E。)―→B は相対ファイバー空間 i p , • P• • F — E —• B,F,。— E。一B はファイバー空間 (i。 =ilF,。ふ =PIE。).
( ( E ,E。)),
•
P,
B,( F ,F,。),
G) は相対ファイバーバンドル
( E ,p ,B,F ,G ) , (E。,
p。,
B ,F,。,
G) はファイバーバンドル (p。 =PIE。).
ただし, G の F。への作用は, F への作用の制限でえられるものとする. 相対ファイバーバンドルは,相対ファイバー空間とみなせる. 補題 2.5
ファイバーバンドル (E,
p ,B ,F ,G)
において,
^
E を p:E→B
の写像錐, K 兌→B は j,(x, t ) = p ( x ) , xEE,で定義される P の拡張, f は定
値写像 o: F→1 点の写像錐とするとき,
((兌, E),
p ,B, ( F ,F),G)
は相対
ファイバーバンドルである.
[証明J
G の作用は g•(f, t)=(g•f,
t) によって f に拡張され, 座標関数
如ほ心(b, ( f ,t))=(如(b, f ) ,t) によって, U必 p=朽 (U,.) に拡張される.
こ
1
第 3 章古典群とその等質空間のコホモロジ一
104
のとき, (E, J , ,B,P ,G) はファイバーバンドルである.
(終)
例えば,球バンドル (E, P ,B ,s m ,G) から,胞体バンドル ((E, E),p,B,
( D m + 1 ,S 叫,
G) がえられる.
また,ベクトルバンドル e=(E,
p ,B ,F " ,G ) , GcU(n,F ) ,の同伴胞体バ
ンドル e(~n) は同伴球バンドル e(s血ー 1) から,補題 2.5 のようにしてえられ ると考えてよい.それらの作る相対バンドルの全空間 (E(Ddn), E(Sd"― 1)) は,
(E,E-s。 (B)) と*モトピー同値である (s。: B→E は 0—切断).
ファイバー空間に附随した局所(コ)ホモロジ一係数 ファイバー空間 (E,p, B) において,
底空間 B の各点 b の上のファイバー
凡の(コ)ホモロジーが B の上の局所係数となることを示そう. 補題 2.6
( 1 )
B における道 w:I→B に対して,
Sw:Qn(Fw(o)) →Q叫E) ( l )
がある:
以下の条件をみたす S=
( u :Jn→凡=誼u:J叶 1→E)
(poSu)(ち,ら,…, t叶1)=w(t1)
( i i ) 0 1 ー ( S u ) = u , a叫 (Su) =S(a/u) ( 1 : : ; ; i : : ; ; n )
( i l l )
S(u'o 冗,.)=Su'o冗H1
( 1 : : ; ; k : : ; ; n ,u ' :J• ー 1 →凡)
( 2 ) (1) の Sw について W糾 =O,'(Swu) とおくとき, w=w、'. (道のホモトピー)=⇒ w : 1 1 = = w : I I = ' :C n ( F , 叫o)) → C . ( F . . , c 1 i ) [証明 J
( 1 )n
に関する帰納法による. n=O のときは, w,=w(t):
1 ー→B
を
ホモトピーと見て, U: JO→F四=⇒pou=w。に対して JO に関する被覆ホモト ピー性質から, U,: JO→E で,
u0=u, po約 =w, をみたすものがとれる.
S u ( t )
=約とおく .u が退化しているときは (Ill) で Su が定まり (l), (ii) をみたす.
uが
退化していないときは, (ii) によって, Su。 =Sul OxJ•u JxaJnー 1 はすでに与え られており, poSu は (i) によって規定されている.次の補題 2.7 を用いると Su
の存在がわかる.
( 2 ) W:I2→B
は
w=w'
を示すホモトピーとする: W(O,t,)=w(ら),
W(l,t2)=w'(ら), W(t11 O ) = w ( O ) ,W ( t 1 1l ) = w ( l ) . Du:r+-→E を ( l ) ' ( p 0 D u ) ( t 1 ,t , , …, (ii)'
tけ ,)=W(t1, ら)
即 (Du)=S,.,u, a i 1 ( D u ) = S w 1 u , a,0Du=uo冗1, a , + . 6 ( D u )=D(a/u)
(ill)'D(u'o冗1)=Du'o 冗K→
ァ2 ファイバー空間のコホモロジ一
となるように構成できれば,
D'u= 釘 (Du) について,
105
dD'+D'd=811S四,u-
811S..,u ⇒ W仁叫’となる .Du の構成は Su の構成と同様で, Du を fJJxI叶 1
UJXOXI"UI双 fJJn から Jn+• に拡張するときに次の補題を用いる. 補題 2.7
(終)
L を I" の面釘l"→ のいくつかの空でない和集合で,連結でか
つ L=/=81" なるものとする.
写像 f:L→E ,
h:I"→B が p0f=hlL をみたせ
ば, f の拡張 J: l" • E , llL=f で pof=h をみたすものが存在する. [証明]
同相 =O (P=l,2 ,…,n)
Im P *=n n ,0 =E : + " u
•
P*:全射¢::::::>n n , o=Hn(E; R ) 「 = . E,.t>,n• =O(p=O,1 ,…,n-1) P*:単射仁⇒ E,n·•=E出仁⇒d,=0:E,n ―r,r ー 1 →E , n , o ( r = 2 ,3 ,…,n) 定義
(2.10.11) において, 8*(x)Elmp* となる H算 (Fb; R) の元いま転入的
であるといい,
8* ( x )=p*(y) となる yEH叶 1(B; R) を工の転入像といい,
=1:(x) で表わす.
逆に見た場合にほ,
懸垂可能,ェを y の懸垂といい,
( 2 . 1 2 )
y
S*(x)=P*(y) となる工の存在する y を
x=u(y) で表わす.
E が 00 ー連結であれば 8*:
Hn(Fb; R)=Hn+i(E,F b ; R)(n>O)
で
あるから, H叶 1(B; R) の元はつねに懸垂可能で, u=8*-1op*.
a:H*(; R) • H*+k(;R) 8 * ( x )=p*(y) ( 2 . 1 3 )
•
を K 次の安定コホモロジー作用素とすると,
8*(叩)) =P*(a(y)) であるから,
X が転入的二⇒ a(x) も転入的で,
Hn(E; R)
a ( 1 : ( x ) )= 1 : ( a ( x ) ) .
… -t>
の部分群の列 D"占→の剰余群の直和としてえられる 1:E.
は Hn(E; R) に附随した有階加群といわれる.これを
E.=Gr(Hn(E; R ) ) , (E .=I:E . "ぺ) で表わすことがある.また, E, よりコホモロジーの列をとって E.tこ至る経過 を図式的に
E,=H*(B;H*(F; R))==泣 *(E; R) で表わして,スペクトル系列 {E,} は H*(E; R) に収束するという.
定理 2.14
(Serre の完全系列)
m, n
ほ正の整数とする.ファイバー空間
( E , p ,B) において, B,F は 0ー連結,局所係数環 H*(F; R) は自明, H1(B;
. .
R)=0(O d ' ( E ' . i , . )C E ' . i r , r 1
E6==>E'.i~ 斤 E;;,。は 6- 同型=⇒ 鱈, 0=H*(E, E。) / D k 1 , , < + E t . = H k ( B , B。) は 6ー同型. k~s==>E『'-;,; 系 1.10
( 1 )
E6==>Dk-1,,E6. よって定理をうる.
(終)
6 は(][ A) をみたすクラスとする.
X は 1 ー連結,凡 (X) E6( OH" • (A;G) —• H"(X/A;G ) 社
i*
--->H"(X;G)--->H"(A;G) —•… がえられる.ただし, !JW=K(G, n-1) であるから,定理 1.22 により
( 1 . 2 9 ) [SA, K(G,叫]。 =[A, K(G,n-1)] 。 =H• • ( A ;G ) ( n > l )
ァ2
H—空間のホモロジ一環と Hopf 代数
H—空間のホモロジ一環 µを積にもつ H—空問 X における Pontrjagin 積
オ , * o x :Hp(X;R)@迅 (X;R) 二Hp+q(Xx X; R) 土→ H p + . ( X ;R ) に関して,
広 (X;
R)=LHn(X; R) は(有階な) R 上の多元環(必ずしも結合
律はみたさない)となる.
( 2 . 1 ) ( 1 ) ( X ,オ , ):ホモトビー結合的=⇒ 広 (X;
R) は結合的.
1 6 4
第4章
KF—群とホモトピー群の周期性
( 2 ) ( X ,オ , ):ホモトピー可換 ⇒ 広 (X; R) は可換(呻=(ー l)pq{Ja,
f J E H q } ,
咋 Hp,
H—空間 X が空間 Y に µ,y: YxX→ Y で作用しているとき,同様に 缶*ox:
Hp(Y;R)@RHq(X;R) —• Hp+q(YxX;R) —• H p + q ( Y ;R)
によって, H玉 (X;R) の広 (Y; R) への右作用 (R- 加群の準同型)がえられる. X の Y への作用がホモトピー結合的(l のとき同型/*: 元; (X) →冗; (Y) を誘導すると
仮定する. aE 冗,(X), /3=f血) E 引 Y) とするとき,釘: !Ja(X) • !J11(Y) は弱 ホモトビー同値,従って(コ)*モロジー群の同型を誘導する.
特に,
被覆空
間 (Y,p, Y) において, Y が局所 1 ー連結(仁⇒ Y の各点は十分小さい 1ー連結な
近傍をもつ)ならば, !Jp: !Ja(Y) • !J11(Y) は同相写像である. [証明 J
/*は !Jf*: 冗;_,(.Q。 (X)) →冗;_,(!J。 (Y)) と同値である.前補題の証明
における写像 *w,
*(fow) によって, .Qf* は !Jf*: 元;_, (!Ja(X)) →冗;_,(ふ (Y))
と同値であることがわかる.
これらは,
i>l で同型であり,
i=l では自明で
あるから, !Jf: !Ja(X) →島 (Y) は弱ホモトピー同値写像である. 被覆空間の場合には, が証明できる.
Y が局所 1ー連結から, !JY が局所弧状連結であること
評価写像 e: ふ (Y)xl→ Y を,
e :ふ (Y)xl→Y
第 2 章,補題 1.7 を使って,
にリフトできる. e は !Jp: 島 (Y) →!J11(Y) の逆写像ふ (Y)
• !Ja(Y) を誘導し, !Jp fま同相であることがわかる.
定理 2.11
( 1 ) H*(!J。 U(n))=Z[e2, e . , …, e幻ー2], e 2 ; E H 2 ;
( 2 ) k を標数キ 2 の体, n::2::1 とするとき, H玉 (.Q。S0(2n + 1 ) ;k )= k [ e 2 ,e 6 , …, e、”―.J
(終)
第4章
168
KF—群とホモトビー群の周期性
H*(!J。S0(2n +2 ) ;k )= k [ e 2 ,e 0 , …,e ,霧―., 年] [証明]
( 1 )
d e t ,
SU(n) はファイバー空間 (U(n),
U(l)) のファイバーで,
1 t i ( U ( l ) )=冗i(S')=O ( j > l ) . これから,稔:冗i(SU(n))=1ti(U(n)), i>l, がわか り,補題 2.10 により,
! J i:! J SU(n) →9。 U(n)
は弱ホモトピー同値.
従って,
(1) は定理 2.8 の前半に帰着される.
( 2 )
補題 2.10 の後半により,普遍被覆群 (Spin(n),
p ,SO(n))
( 2 . 1 2 ) ! J p :!JSpin(n) →9。SO(n)
は同相写像である (n~3).
ー方,普遍被覆 p':
SO(n+l) と射入 i
SO(n+l) を考えると,
Spin(n+l) • iop
:Spin(n) •
SO(n+l) は i:
について,
:SO(n)=SO(n)x1 < +
Spin(n) •
Spin(n+l) へ
単位元を保つように一意的にリフトされる.しかも 1 は単射準同型で, Spin(n) は Spin(n+l) の部分群と考えられる.このようにして,
S p i n ( n )cSpin(n+1 )c
…cSpin(m)
(m>n~3)
と考えるとき,容易に次がえられる.
( 2 . 1 3 ) Spin(m)/Spin(n)=SO(m)/SO(n) さて,
(同相)
(2) は (2.12) により !JSpin(n) について示せぱよい.
(5.19) によって, Spin(3戸 Sp(l),
第 2 章の (5.18),
S p i n ( 4 ): : S p ( l )xS p ( l ) , であるから
(2) は n=
1 のとき正しい. n に関する帰納法により,定理 2.8 と同様な証明を次の 2 つの 主ファイバー空間に施して,
(2) が証明される:
! J S p i n ( 2 n +1)->!JSpin(2n+2)->!JS•
叶1
! J S p i n ( 2 n +1)->!JSpin(2n+3) 一→ !J(S0(2n+3)/S0(2n+1 ) ) ただし,第 3 章,定理 3.14(2) により,
H玉 (SO
(2n+3)/S0( 2 n + l ) ; k)=
H*(S0(2n+3)/S0(2n+l); k)=A(e,n十●)であることを使って証明する.
(終)
Hopf 代数
定義
1 をもつ有階可換環 R
(R=LR;,R;=O(i=l=O))
上の有階加群 A=LA;
が準 Hopf 代数である仁⇒A は次の条件(*)をみたす積 JI,:
(対角写像) if,:A→A釦A,
i a . O
A®RA • A,co—積
単位(元)か R→A および CO—単位(元) E:A • R
をもつ.
( * ) オ , ,i f , , ' T J ,E は有階加群の準同型で以下の図式は可換である:
ァ2
H—空間のホモロジ一環と Hopf 代数
學R
169
R釦R=R-丑→ R=R釦R
l A o / = 1忍 '1@'1'1 . ,1 r~1~y,E象 ,A —ー A釦A
A釦A
ミ: l=l~®lA R釦A
ただし,
A釦A ―→ A ――→ A釦A
叫
l憂
A ョ迅釦A釦A~竺竺凡tA釦A®迅釦A
• T(aョa')=(-l)•ia'®a
T:A⑱A ;一→ A ; ョ A ; 「 : : :
A=LA;は連結仁⇒A。 =R. i a . o 連結な場合の準 Hopf 代数 (A, オ , ,cf,) 定義
の定義において,
積を a·a'=µ,(a®a')
で表わすとき,条件(*)は次の条件(**)に簡易化される:
( * * ) オ , ,c f ,は有階加群の準同型,
1ER=A0 は単位元 (a·l=l·a=a),
¢ほ準同型 (cf,(aa') =c f , ( a ) c f , ( a ' ) ) ,c f , ( 1 )=1(8)1 および aEA+=LA; fこ i>O
ついて cf,(a) =aョl+l®a 十 La/®a;" ただし,
( a / ,a/'EA+).
A釦A における積は (lA®T®lA) (µ,(8)µ,) で与えられる.
定義準 Hopf 代数 (A,µ,, cf,) について, A は結合的仁⇒ オ , ( オ , ( 8 ) 1 )= オ , ( 1 ( 8 ) オ , )
A は CO—結合的仁⇒ (総l)cf,=cf,(1(8)cf,) A は可換仁⇒ オ ,T=オ,
A は COー可換仁⇒ T c f , = c f , 定義
( A ,オ , ,cf,)
は Hopf 代数仁⇒ ( A ,オ , ,cf,) は結合的な準 Hopf 代数.
定義有階 R—加群 M= エM; の双対加群 M*=LM;*
•
M;*=HomR(M;,R )
有階 R—加群の準同型 f:M→N の双対(準同型) f*:N* •
•
M*
i f * ( < p )= * ,µ,*)が単位 E*, co—単位村をもつ準 Hopf 代数.
A:結合的仁⇒ A*:co—結合的. A:coー結合的仁⇒A*:結合的. A:可換仁⇒ A*:coー可換. 定理 2.15
A:coー可換仁⇒A*:可換.
X は積µをもつ有限型 H—空間で H*(X; R) は Rー自由とすると
き, H*(X; R) はカップ積を積とし, オ , * :H*(X; R) • H*(xxx; R ) . . ! : —
=
H*(X; R)ョH*(X; R) を COー積とする可換な Hopf 代数であり, H*(X; R)
= =(H*(X; R))* ほらを積,
カップ積の双対を CO—積とする,
CO—可換な準 Hopf 代数である.
CO—結合的かつ
H-空間 (X, µ,)がホモトピー結合的(またはホ
モトピー可換)=⇒ H*(X; R) は COー結合的(または CO—可換)な Hopf 代数,ま た,広 (X;R) は Hopf 代数(または可換な準 Hopf 代数)である.
Hopf 代数の議論は第 7 章,
§1 でも行なわれる.
ここでは本章で必要な部
分のみを考察する. 定義連結な準 Hopf 代数 A の元 a が原始的仁⇒ < p(a)=a@l+l@a, a = l = O . 補題 2.16
全空間 E は 00-連結,底空間 B は 1ー連結,ファイバー F のコホ
モロジー H*(F; R) は有限型自由である主ファイバー空間 (E,p,
B,F)
にお
いて,懸垂 CT: Hn+l(B; R) • Hn(F; R)(n>O) の (0でない)像は原始的である. [証明]
F の作用をµ,: (ExF,FxF) • ( E ,F) とし,
µ,*を Kiinneth の同
型で書き直せば,次の可換図式がえられる(係数環 R は省略): H*(B)
吋®1
p *
8 * , H*(E,F)'H*(F)
l , . *
=
l
P * ョ E 8 * ( 8 ) 1 i * ョ l H*(B)@R —• H*(E,F)@H*(F) ←ーH*(F)@H*(F) ←ー H*(E)@H*(F) このとき,
u=8*-•op* であるから,
( 8 * @ 1 )( u ( x ) @ l ) . 故に y=u(x) は明らか.
定理 2.17
(8*@1) ( オ , * ( u ( x ) ) )= オ , * p * ( x )=p*(x)@l=
µ,*(u(x))= び (x)@l+l@y となる yEH*(F) がある.
(終)
( 1 ) 有限型自由な準 Hopf 代数 A が原始的な生成元の単純系
ァ2
H—空間のホモロジ一環と Hopf 代数
1 7 1
{x;} をもつ: A = L l ( x , ,叩,・・・)ならば A の基底 {x炉屯;ら(ふ), (cf>⑧ l)cf>(年)=
( 1 ( 8 ) c f > ) c f > ( x ; ) . cf> は環の準同型で, A は{叫で生成されるから, つ COー結合的二⇒ A* は可換な Hopf 代数 ない数列 J=
( j , ,j , , …)について,
A は CO ー可換か
0 または 1 からなり有限個のみ 0 で
XJ=x,i•x沢・・とおけば {xJ} は A の基底.
cf>(x;)=x⑱ 1+1(8)x二況 (x1)= J~苓~I 土 XJ@XK,
同様に叩*= (x,*)i'(x,*) 凡..
とおくとき〈XJ*, X 1 )=土知であることを J の大きさ IJl=Lj; に関する帰納 法で示そう .xだ XMXS となるとき,
〈互*, X1>=< cf>*(xM*®xs*), X1>=< XM*
ョxs*, cf>(x1) 〉弓ぶ[士〈砂*,叩〉〈xs*, XK〉において〈xs*, XK〉ほ Xs=xK のときのみ 0 でないまた,
Xs=XK のとき,帰納法の仮定から,
キ 0 となるのは M=J=⇒ L=I のときのみである.
加, 11=P.o(加 X't/111)
定理 3.4
h、は K のと
( 1 ) 加, p は互いにホモトープ.特に,加, 11=P..
(終)
ァ3
無限次元対称空間
1 7 7
( 2 ) ImanimfJ=cf> ならば,如, p は単射で積と可換(準同型)である. ( 3 ) ( G ,加, p) はホモトビー可換な H—群である. ( 1 ) 補題 3.3 より容易.特に, a=fJ=lN 二⇒ 如, p=P..
[証明 J
( 2 ) ImanlmfJ= 炉⇒ 加, {J: 単射は明らか.ここでさらに, Im 加と Im'PP は元ごとに可換であるから,加, p(xy)= 加 (xy)'fl瓜xy)= 加 (x) 加 (y)'flp(x)'fl糾y) =i加 (x)'flp(x)'fla(y)'flp(y)
= ' P a , p ( x ) ' f l a , f J ( y ) .
( 3 ) (1) より加, p:::'flp,a.
これはホモトピー可換性を表わす.
Ima, I m f J ,
Im ツが互いに共通部分をもたないとき,加,{J ゜ (lx 加, ,y) ='11/J,'Y゜(加, pXl) が成 り立っ.
(1) を用いてホモトピー結合性がえられる.補題 1.23 より
p . o ( lXp . )= P . o ( p .X1)
は H—群.
(G, 如, p)
を使ってもよいが,後の都合上この形で証明
した.
(終)
無限次元対称空間
第 3 章,
§6 の古典型対称空間の極限として無限次元対称空間がえられな
以下これを 2 つの場合に分けて定義する.
H(n}cG(n} は次の包含関係からえられるものの 1 つとする:
SO(n)cSU(n)cU(n)cSp(n) SO(n)cO(n}cU ( n ) このとき,
E(n)=H(n}xlcH(n+l), G(n}=G(n)xlcG(n+l) に関して
H(n)=G(n}nH(n+l) が成り立つから,
自然な写像 G(n)/H(n) →G(n+l)/H(n+l) は単射である .G
(n}/H(n} はコンパクト Hausdorff 空間であるから,この写像によって G(n+l)
/H(n+l) の閉部分空間とみなすことができる.このとき
定義
UG(n}/H(n} に弱位相を与えたものを, G の H による商空間といい,
G/H=UG(n}/H(n) で表わす. 射入 H(n) ―→ G(n) および射影 G(n)-->G(n)/H(n) は
i :H―→ G および 1r:G —→ G/H を誘導する.これらも,射入,射影という.特別な G,H については次の記号 を用いて区別する:
— —— —
1 7 8
第4章
u, so
i c :0 ia:U ( 1 )
SU, SO Sp, SU —• Sp
a ,f J :N→N
定理 3.5
KF—群とホモトピー群の周期性
加: G→G は加:
は単調増加とする.
G/H •
H
G/H を誘導し,図式
,G
↓わ i
”
,GjH
lゎ”↓わ
H は可換である.加:
u
,G
. ,GfH
G/H • G/H は互いにホモトープであり,特に,加 =lotH
( 2 ) ImanImfJ=!/J
のとき,
加, p:GxG→G は \fa,fl:
(G/H)x(G/H) •
G/H を誘導し, G/H における \fa,fl Iま互い tこホモトープである.
( 3 ) (G/H,加, p)
はホモトピー可換な H—群であり, i:H→G および賣: G
• G/H は H—写像である. [証明 J
( 1 )
加 (n)= 加 IG(n)
:G(n) •
G(a(n)) は加 (n)(H(n)) cH(a(n)) を
みたすから,加 (n): G(n)/H(n) • G(a(n))/H(a(n)) を誘導し,如n+l) I G(n+l) /H(n+l)= 加 (n). 存在して,
よって,
加 IG(n)/H(n)= 加 (n) となる \fa:
(1) の図式は可換.
G/H •
G/H が
加 =lotH の証明は補題 3.3 の証明に従って行な
ぅ.ただし皿 (t)ESO(m;)CH伽)であるから, h、 ({A})= {丸 (t) …四 (t) 如 (A)}
によってホモトピー ht:G/H→G/H が与えられることに注意する.
( 2 ) , (3) の証明は定理 3.4 の証明と同様で, 加, p: G/HxG/H 義する式加, p({A},
{A'})={北 (A)tp(A')} が代表元
• G/H を定
A, A'EG(n) のとり方に
よらぬことに注意すればよい. B,B'EH(n) について,加 (B) と \fp(A') は可換 であることから,加 (AB)tp(A'B') =如 (A)tp(A') 如B)'l'p(B') =加 (A)tp(A')
modH(Max(a(n),f J ( n ) ) ) . 第 2 の湯合ほ,第 1 章,
(終)
§2 の射入
G(m)x G ( m ) + G ( 2 m ) ,
r:U(m)—• S0(2m)
c':Sp(m) 一SU(2m) からえられる
限であるが,
G(2m)/G(m)xG(m), S0(2m)/U(m), SU(2m)/Sp(m)
等の極
これらの場合は通常の射入 G(m) =G(m)xlcG(m+k) と可換で
はないから座標を入れかえる操作を行なう.
ァ3 無限次元対称空間 記号
G(2m) • G ( 2 m ) , ただし
7:,,.='fla:
a ( i )=2i-1, a(i+m)=2i r = a l{ 1 ,2 , …,
1 7 9
a:N→N は l~i~m について,
をみたす単射.
2m} は {1,
2 , …,
2m} の置換である.置換行列 P.= ( 6 1 . c ; > )
について,
AEG(2m)
ち,(A)=P戸 APT,
が成り立ち, 7:,,. は自己同型である.また, ち,,.+,((A①a) 〶 (B④b))= 叫A④B) ④a④ b , A,BEG(m),
(3.6)
a ,bEG(l)
ちm+,(r(A④a))= 叫r(A)) ④a④a ,
A EU ( m ) , aEO(l)
ち汁 ,(c'(A④a))=T,,.(c'(A)) ④a釦,
AESp(m), aEU ( l )
G(2m) の部分群 K(m) は次のいずれかの場合とする:
K(m)=7:m(G(m)xG(m)), G=SO,0,SU, U ,Sp
このとき,
K(m)= ち, ( r ( H ( m ) ) ) ,
G=O,SO; H =U ,SU
K(m)= 7 :.( c ' ( H ( m ) ) ) ,
G =U ,SU; H =Sp
(3.6) によって,
K(m)=G(2m)nK(m+1 ) が成り立つから, 定義
G(2m)/K(m)cG(2m+2)/K(m+1) と考えることができる.
UG(2m)/K(m) に弱位相を与えたものを, G の GxG または H によ
る商空間といい,次のように表わす:
BG=G/H=UG(2m) 応 (G(m) xG(m))(G
の分類空間), H::GxG,
G/H=U G ( 2 m ) / 7 : m ( r ( H ( m ) ) ) , G=O,SO; m
G/H=UG(2m) 応 (c'(H(m))), m
上の場合に応じて, 'l:m:
:H(m) • i G ,む,
G=U,SU; H謡p
G(m)xG(m) •
G(2m) を考えると,
H司 u,su
G(2m),'l:m ゜ r:H(m) → G ( 2 m ) , ' l : m o c '
(3.6) によって,これらは無限次元における射入
ic1 およぴ射影官を誘導する:
GxG•G
i o
i B
H定理 3.7
—
,BG
— , r
H ——• Gic'•
, .
.c —•
G/H
(G=O, SO; H =U , SU)
G/H
(G=U, SU; H=Sp)
a ,f J :N→N は単調増加とする.ッ =a, fJ に対して, 1'i:N→N を
1 ' i ( 2 i 1 )= 2 ' Y ( i ) 1 , 1 ' i ( 2 i )=2'Y(i) で定義する.
BG の場合には,
H=GxG,
180
第4章
BG=G/H, ,/Jax 加: GxG •
KF—群とホモトピー群の周期性
GxG を加とみなす.
( 1 ) , [ I l l:G—G は如: G/H----+G/H を誘導し,図式 i
,
H—一 G 一 G/H
l " '
i
lゎ,, lゎ
( i = i c , iR
または ic,)
H-—G 一 G/H は可換である.加:
G/H •
G/H は互いにホモトープであり,特に,加 =lGtB
( 2 ) ImanImf J = c f ,のとき,
Vぃ: GxG→G は加, ll:
( G / H )x(G/11)•
G/H を誘導し, G/H における如,"ま互いにホモトープである.
( 3 )
(G/H,'1/Ja,'/l) はホモトピー可換な H—群であり, i:H—→G および r:
G一G/H は H—写像である. [証明]
定理 3.5 の証明と同様.
(終)
今までに定義した無限次元空間のうち,
SU/SO, U/SO, U/0, SU/Sp, U / S p , BO, BU, BSp, SO/U, SO/SU, U / S p , SU/Sp は第 3 章,
§6 の(古典型)対称空間の極限として定義されるから,
無限次元対
称空間と総称する.これらの空間はコンパクト多様体の弱位相をもった和集合
として定義されるから,
cw—複体と同じホモトピー型をもつ(第 2 章,補題
6 . 4 ) . 従って,これらの間の弱ホモトピー同値はホモトピー同値となる.
無限次元古典群の分類空間に関する H-写像 定理 3.5 で扱った射入 H(n)cG(n) の誘導する
p:H ( 2 n ) / H ( n )xH(n) —• G ( 2 n ) / G ( n )xG ( n ) はち,と可換である.
(3.6) を使えば,この P は写像
P:BH=UH(2n)/ち (H(n) xH(n))->BG=UG(2n)/ち (G(n) x G ( n ) ) を誘導する.特に,次の記号を使う.
—
”
P c :BO一 BU, BSO BU, BSO一BSU -Po:BU —• BSp, BSU —• BSp 同様に, rp=r:
H(n)cG(2n)(H=U,SU;G=O,SO),r p = c ' :H(n)cG(2n)
(H=Sp; G=U , SU) ほ
について,合成五o(ち X'r,.)orpo-r,.-1:
H(2n) • G ( 4 n )
ァ3 無限次元対称空間
1 8 1
P:BH=UH(2n)/ち (H(n) xH(n))- • BG=U G ( 4 n ) / r . n ( G ( 2 n )x G ( 2 n ) ) を誘導することがわかる.特に,次の記号を使う:
—
PR:BU —• BSO( • BO), BSU —• BSO( • BO) P c ' :BSp
BSU( • BU)
上の e, XS ピヒでこのバンドルは自明.
従っ
て,このバンドルは s1+1 xS ' / e ,xS1 上で定義されていると考えられる.
これ
は v1+1
xS ' / e ,xS' 上の自明な 2 つのバンドルを S以 S'/e忍 S' において上の
ように貼り合わせたものとなる.
n1+1xS1/e忍 S'iま s1xS1/e忍 S' の上の錐
であるから,このバンドルは [g 』 E[S1xS'/e 忍 S',
G ( 2 n ) J ,g , ( x ,t)=w(t)(f(x) ④ ln)w(t) 一 l
に対応している.
鼓切 +Eが約ー繹 Eが E 応 (SH1xS り に対応する写像は G(2n) における積を使って, で与えることができる•
g . ( S kX e , )=l2n
g . ( x ,t )=(f(x) ④ l n ) ' g , ( x ,t )
となるから, g. を S1/\S'=S1xS'/S1
VS' からの写像と見直すことにより, gバま匂八 7J に対応していることがわかる.
ここで, 尺O(Sり三冗1(BO)=Z2 において 271=0 であるから, 匂\り=(ー~)八7]. 従って,
g .の定義式で, f(x) を f(x) → でおきかえることにより補題がえられ
る.(終)
ァ5
KF—群の周期性
Bott の写像 記号
R , ( n )=e"i•J. ( e—,,;,I.ESU(2n) COS 冗tI.
― sin 冗tI.
sin 冗tI.
cos 冗tI.
S , ( n ) = r ( e " i ' J . ) =( 定義
)ES0(2n)
以下に定義される写像を Bott の写像という:
f 3 ( n ):U ( 2 n ) / U ( n )xU(n)--+QSU(2n)
•
f 3 ( n ){A}( t )=AR,(n)A-•
R,(n) 一 1,
AEU(2n), tEI
恥 (n): Sp(n)/U(n) 一→ ! J S p ( n )
⇔恥 (n) {A}( t )=A(e"i'J.)A • ( e " i ' J . ) 1 , AESp(n),tEI 邸 n): 0(2n)/U(n) 一→ ! J S 0 ( 2 n ) ⇔約 (n)
補題 5.1
( r : U(n圧0(2n)
{A}( t )=AS,(n)A • S,(n) •,
AE0(2n),
/ 3i U ( 2 n )Iち (U(n) xU(n))=!Jち of3(n)o-c. •,
は省略)
tEI f 3 s pI S p ( n ) /U ( n )= f 3 s p
ァ5
KF—群の周期性
1 ' 5 1
( n ) , fJ。 I 0 ( 2 n ) / 1 : , . r U ( n )=年 0島 (n)oぢ”→ とおくことによって,写像 f J :BU —• QSU, 和: Sp/U —• ! J S p , fJ。: 0/U + ! J S O が定義され,これらは H—写像である.
[証明]
まず, fJ(n)'fJがn), 恥 (n) の定義が代表元 A のとり方に無関係で
B=B,④B,EU ( n )xU(n) と R,(n) は可換である
あることを示す必要がある. から,
(AB)R、 (n)(AB) 一 'R,(n) 一 '=AR、 (n)BB-•A-'R,(n) ー '=AR,(n)Aー'R,(n) 一'·
故に, fJ(n) は A のとり方によらず定まる.明らかに U(n) の元とが'/,. tま可換 であるから,
fJsp(n) が定まる.
あるから fJo(n) が定まる.
U(n)=r(U(n)) の元と S,(n) =r(e";'I,.) は可換で
ここで,
R。 (n)=S。 (n)=l幻9
( n )=-I , n , e w i lIn=-In であるから,
が0ln=ln,
R,(n)=S,
これらの写像ほ値を閉道空間にとり,
基点 {e} を基点(定値道)に写すことに注意する. 射入 Sp(n)cSp(n+l) は A→A④ 1 で与えられる.恥 (n+l) {A④ l }( t ) =
(A④ 1) ピIn④が•)(A④1) →(が'I,.④e零ii)= 恥 (n) { A }(t) ④1 であるから,
flsp が
定義されることがわかる. fJ については, (3.6) を用いて ち +,[fJ(n+ 1 ){ 1 : ; ; : ら (A④ I 2 ) }( t ) ]=(A④ I,) ち+,(R,(n+l))(A④ I,)-•1: 叶 ,(R,(n+l) 一') =(A④ I 2 )(1:nR,(n) ④凡 (n))(A翌 I,) (1:nR,(n) 茂訊 (n) 一') =ち (fJ(n)
{ 1 : , .•
A}(t)) ④ I ,
これは 9ち+,ofJ(n+l)01:;;;1 I U(2n)/ち (U(n)
いるから, P が定義される.
fJ。についても,
xU(n))=!JちofJ(n) 0 7 :n ,を示して (3.6) の第 2 式を用いて同様に示
される.
単射 a, f J :N→N を a(i) =2i-1, f J ( i )=2i で定義し, Sp における積加,flを 考える.
A,BESp(n) について,加.11(A, B)= ち (A④B) である.よって,
加,凶'.:ls,(n)
{ A }( t ) , 恥 (n) { B }( t ) )=ち [Aが•1,.A-'e-奮i•J,.④ Be"'叩B-,e-,.;,J , . J=ち
[(A④ B)e"'1'l,,.(A④ B) 一 'eー富叫]=如, 11(A,B) がな加, 11(A,B) 一 'e―冨i•J,,.=f1s,(2n)
{加,11(A, B ) }( t ) . 従って, IJs11 は H—写像: 9如, 11°(/Js11X/J心 =IJs11゜加, fl• fJ。が H—写像であることは,加, B を用いて同様にわかる. 補題 5.2
—l
次の図式はホモトピー可換:
拓 fl
BU
!JSp
D i e r
ぃfJSU
— ! J o
/Is~
Sp/U
fJ も同様.
0/U
拓
BU
!JSO
f J
lOic
,!JSU
(終)
198
第4章
KF—群とホモトビー群の周期性
c ( e " i ' J n ) = e " i ' J , .④ e-"ill,.=R、 (n) および C が準同型であることより,
[証明 J
f J ( n ){cA}( t )=( c A ) R , ( n )(cA) 一 1R,(n) 一 '=c(Ae"il J,.A-1e-冨itJn)=c[恥 (n) {A}( t ) J これから,第 1 の図式の可換性 p。iH=!Jic, 0/Jsp がえられる.
また,
nふ (n) 加― '='YJぶe•i•J,.) 布―'=j,.(e.-i•J,.)=R、 (n) を使って, fJ(n) Un(A)}
( t ) = j n ( A )R , ( n ) j n(A) •
R,(n) 一 '=jn(AS,(n)A→ S,(n) 一 ')=j,.(fJo(n)
{A}(t))='YJ,.(fJ。
( n ) { A }( t ) ) ' Y J , .,• U(2) は 0ー連結であるから,道 w: I • U(2) で, I2=w(O) と 'Y/1 =w(l) を結ぶものがある.道 叫: I—→ U(2叫=出 (s)
= 7 : , .•
(w(s) ④…④w ( s ) )
は Ian と叫 (l)='YJ,.:を結ぶ道である.ホモトピー
H(n):( 0 ( 2 n ) / U ( n ) )xl —• ! J S U ( 2 n )
• は !Jio島 (n)
H(n)( { A } ,s )( t )=wn(s)(fJ。 (n) {A}(t))wn(s) 一 1
: : : f J ( n ) o j n( ! J i:! J S 0 ( 2 n )c!JSU(2n)) を示している.今
•
H:(0/U)xI-+!JSUt;:. Hi(0(2n)/らrU(n)) xl =釦 noH(n)o(7:n →
によって, H が n に無関係に定まれば, トピーである. ら,
X l r )
この H は !JicofJ゜::: p。j瓦を示すホモ
, Q 7 :叶 ,ofJ0(n+l)o1:;;:ぶ 10(2n)/ちrU(n)= 釦:nof1o(n)o7:n→ であるか
H が n に無関係に定まるためには
ち+,[叫+,(s)1:;;:ら (B④I.) 叫+,(s) 一']=ち [wn(s) (7:n • B) 叫 (s) →]④ I .
であることをいえばよい.
ところが,ち+i, らは準同型であるから,
左辺=ち +,(w叶 ,(s))(B ④ I.) ち+1(Wn+1(S) 一 ')=(w(s) ④…) (B ④ I2)(w(s) •(…) =[ち (wn(s))Bち (wn(s) 一')]④I戸右辺
(終)
SU(n+l) の胞体分割
n 次元複素射影空問 Pn(C)= U (n+l)/U(l)xU(n) の懸垂 S(凡 (C)) から SU
(n+l) への写像瓦,”を次のように定義する: 瓦, n: S(Pn(C)) —• SU(n+l) 仁⇒瓦, n({A}, t )=AR,(1,n)Aー'R,(1, n) 一 1 ただし,
AEU(n+l), R 1 ( l ,n ) = e , . . ; ,④ e , .叱.
とり方に無関係であり,
t=O, 1 または A=ln のときは I社 1 に値をもつことは
fJ(n) の場合と同様にわかる. 影とする.
この定義が {A} の代表元 A の
p:SU(n+l)-----+S•n+•=SU(n+l)/SU(n)
を射
ァ5
KF—群の周期性
1 9 9
補題 5.3 瓦, nlS(Pn―,(C))= 瓦,”―1t po瓦, n: (S(凡 (C)),S(Pnー,(C))) → (S•叶 ',eサ,)は相対同相である.
[証明]
最初の等式は明らかである. A=(a1;) ⇒ Aー'=矛 =(a泣.このとき
R , ( 1 ,n)A-1 凡 (1,
n) 一'=(叫 1 十 8;, ( e 2 " ' ; ' 1 ) )( 1+8,;(e一,,.11_1))) であるから,
瓦, n({A}, t )=(La;心 (1 + B ; ,( e ' " ' ' ' 1 ) )( 1+如 (e一,,.;,_ 1 ) ) ) K
(po 瓦,ぶ {A}, t )=(La;ka叶 1,k(l+B叶 1,1 ( e 2 " 1 ' -1 ) )( 1+81k(e-•. it_1 ) ) ) k
=((}::a母ぃ ,k) +a,,an+1,,(eー .,.11_ 1 ) ) k
=(ふ,"十 ,+a巫ら叫eー...1 , _ 1 ) )
ここで, y;=a,, とおき,
{A}=[y,:…:鉛+,J と表わすとき,写像
h:(D2",S2"―')―→(凡 (C), P , .—,(C))
•
h(x)=h(x,, …, x,.)=[ふ:…: Xn:v'l-llxlド]
は相対同相写像である.よって, r=v'l-llxll2, A=e一,.,;,_ 1 とおけば,
(po瓦, noSh)((x., …,叫, t)=(ふr:>.., …,年r:>.., l+r•:>..)
r>O, O … >a,~1) 全体は SU(n+l)
の胞体分割を与える.
[証明]
補題 5.3 から瓦.”が 1 対 1, 従って中への同相であることがわかる.
SD町ま D'叶 1 と同相であるから,相対同相 f3,,noSh ほ e•叶 1 の特性写像を与 ぇ, ae四 cl3,,n-,(S(P,.― ,(C)))=e•ue•u … Ue五ー 1 である.
また射影 p:SU(n
+1) • s•n+•=SU(n+l)/SU(n) と SU(n) の作用を考えれば, SU(n+l) の積ほ e伍十 •xSU(n) から SU(n+l)-SU(n) の上への同相を与えていることがわかる.
よって, n に関する帰納法で定理の胞体分割がえられる.
(終)
恥:凡 (C)---+!JS U(n+1) を瓦.”の随伴写像とする. 補題 5.5
( 1 ) ;t- モロジ一環 H*(!JSU(n+l))=Z[e2, e , , …, e.n] は
恥*:H叩(C)) →広 (!JSU(n+l)) の像によって乗法的に生成される( 2 ) 右の図式がホモトピー可換となる写
Pn(C)~BU
1 / 3 , .
Oi
l p
!JSU(n+l) 一→ !JSU
第4章
200
像 f:
Pn(C) •
[証明 J
KF-群とホモトビー群の周期性
BU がある.ただし i:
SU(n+l) •
SU は射入.
( 1 ) 下の可換な図式において, / 3 , , . *
Qp*
H,n(Pn(C)) — H,n(SJSU(n+l))-—→H追s·叶')
廿s
l~l エ
H,n+,(S(Pn(C))) ←m幻+,(SU(n+l))~E切+,(S幻十') S は同型,鉛°瓦, n* も補題 5.3 によって同型である. 生成元 e,n vま ~Qp*年が H紐 +,(s•n十')の生成元となるものとしてとること
ができる(定理 2.8).
このとき e,n vま fJ,,n* の像である.他の生成元 e,, …, e幻ー•
は H玉 (SJSU(n)) からの像にとれる.補題 5.3 より, fJ,,n― ,=fJ,, 』 SJSU(n) である. n に関する帰納法により (1) をえる.
( 2 )
単射 a:N→ N を, a(l)=l,
a(i)=n+i-1(i>l)
にとり, [a:
U(n+l)
• U(2n) を考えれば, fa Vま fa: SU(n+l) • S U ( 2 n ) , la:Pn(C) • U ( 2 n ) / U ( n ) xU(n) を誘導し,
S J J a 0 f J , , n = f J ( n ) 0 f a :Pn(C) •
とおけば, P の定義から p 。,f=SJioSJち ofJ,, か
SJ(SU(2n)) をみたす.
f= ち 0/a
ち (A)=PごAPT となる置換行列
PTEU(2n) と I,n を結ぶ U(2n) 内の道を使えば,
ち:::: 1=⇒ 9ち:::: 1 二⇒ p 。,f:::: (終)
SJiofJ,,n• Kー群の周期性
定理 5.6
[証明]
f J :BU • QSU は(弱)ホモトピー同値である. 系 1.6 によって, fJ*: H*(BU)===H*(!JSU) をいえばよい.次数 2n
以下で 9店: H*(!JSU(n+l)) →山 (!JSU) は同型であるから,補題 5.5 により
H*(!JSU)=Z[e.,e . , …, e2n,…]は ImfJ* で乗法的に生成される. fJ は H 写像(補題 5.1) であるから,
fJ* は環の準同型 ==>fJ* は全射.ー方,
定理 2.8
と (3.17) により, H*(BU) は H*(!JSU) と各次数で同型な自由アーベル群であ
るから, Pいま同型. 系 5.7
( 2 ) K(S可声丘 (BU)===n:2n_,(U)===Z K(S2n-1)= 冗2n-1(BU)= 冗2n-2(Ul=O [証明 J
(終)
( 1 ) (弱)ホモトピー同値である Hー写像 BUxZ→!JU がある.
( 1 )
(n~l) (n~l)
元 (U)= 冗1(U(l))=Z 二⇒ !JU は 9。 UxZ と H—空間として同
相.冗, (SU戸冗;(U)(i 江=巧 (!JSU) 手 1t;(Q。 U)(迄 O)=⇒ !JSU—→ 9。 U は
ァ5
KF —群の周期性
201
弱ホモトピー同値.これらより (1) をうる. (2) は n=l のとき自明.
i>O ⇒ 冗;(BU)= 元;(BUxZ)= 冗;(!JU):= 冗i+,(U)
二冗;+,(BU)=⇒ 町BU)= 冗i+2k(BU).
よって,
(2) をうる.
(終)
Bott の写像 /3: BU • !JSU の随伴写像を P:SBU→ SU,/3 の随伴写像を I:P= びsu0SP: S2BU —•
補題 5.8
k~l.
ssu —•
BSU
( 1 ) ( I : P ) * ( c H , )=士 S'sk(c,, ・・・, c.), /3*が (cH,)= 土 sk(c,, …, Ck),
ここで, sk(c,, …, ck)=k!ch戸が+…+(ー l)k→ kck・
( 2 ) c h .:K(S2n)• H ' " ( S ' " ;Q)=Q の像は H'"(S2"匡 Z に一致する. ( 3 ) 1t,n(BU) の生成元 [g』, H'"(S2") の生成元 u,. について, Yn*(cn)= 土 (n-l)!u互 [証明 J
( 1 )
u:H 社十 '(SU) →
懸垂準同型 u:H 社十 '(BSU) → H 社十 '(SU),
H引!JSU) による Ck+• の像が (ck+,) は原始的である(補題 2.16). / 3 * :H*(!JSU) =H*(BU) は Hopf 代数の同型であるから,か*が (cH,)EH 引BU) は原始的.
定理 2.18 によって,か*が (ck+,)=ask(c,, …, Ck) となる aEZ がある. るために,補題 5.5 (2) の証明に用いた射入 fa:
U(2n)/U(n)xU(n) を考える.
a を定め
Pn(C)=U(n+l)/U(l)xU(n) •
同じ a を使って fa:
U(m+l)/U(l)X U(m) •
U(n+m)/U(n)xU(m) が定義され m を大にした極限として, Pa: BU(l) • B U (n) がえられる.
la と Pa は 2n 次元以下のコホモロジー群では同値な準同型を
与える.加*(c,)=c,, 加*(c;)=O (i>l) であるから,同様の式が la* について成 立する.従って,補題 5.5 の写像 f:
P.(C) • BU(n>k) について, f*(c,)=t
は H'(Pn(C)) の生成元, /*(c;)=O (i>l)=
• f*か*が (ck+,) =af*sk(c,, …,ら)
=af*( が) = a t k .
ー方,
H*(SU(n+l))=A(び (c,), …,び (c叶,)).
定理 5.4 によって,瓦·•* :
広 (S(Pn(C))) →山 (SU(n+l)) は単射=品,.*: H*(SU(n+l)) は全射.一般に a, fJEH*(SX)=
• a-fJ=O であるから,瓦,.*び (ck+,) は H 社十 1
S(Pn(C))) の生成元でなければならない.
下の図式の可換性から,
=土 tk をうる.補題 5.5 (2) より,
士 tk=fl,,n *(が (c叫) =f*/3* が (cH,)
=atk
• a= 土 1. 即ち, /3*が(ck+,)
4 土 sk(c,, …, Ck).
• H*(S(Pn(C))
f J , , n* ( c k + , )
恥*
H 社十 1(SU(n+l))-—→ H正 '(S(Pn(C)))
u l
H 社十 1(!JSU(n+l))
恥*
月 s-,
――→ H 吠 (C))
202
第4章
KF-群とホモトピー群の周期性
~p は P の随伴写像であることから, (~P)*(ck+,)=S2か*(ck+,). ( 2 ) l l n;52n• BU を K ( S ' " )=[S2•, BU] 。=丘 (BU)=Z の生成元を表わ
す写像とする.そのとき,
g.+, =ェp 。 S 払・.s••+>• S2BU • BSU •
(S••+•) の生成元を表わすことは容易にわかる.よって, lln vま g,
~
BU は K
:S2=P,(C)
f
— BU からこのように順次作ったものとする.補題 5.5 から,容易に g,*(c,)
=u.は
H2(S2) の生成元.
の生成元)とおけば,
l l n*(c』 =b.u2n, b.EZ, (U2n=S2( u•• _.)は ( i = / = 0 ,n)
(1) と g.*(c;)=O
H•n(s•n)
より
b . + ,•U研十 .=g*•+i(c.+,l =(S2gnl*(LP)*(c叫=土 (S2gn)*S2sk =土 (S• 釦) *(c,•+
…+(-l)n-incn)
=士(- l)n-•n(S2g.)*(c』=土(ー l)•-1n·b.·u2.+2
従って帰納的に bn= 士 (n-1)
1 1 1 ! . ch.=可ふ=可c,n+ … +(-l)n-1 (n-1)! ら
より,
c h .{ g . }=gn*(占か+…+(ー l)n-1 (n~l)!
c.)=(-l)n-1 ( n _ : l ) ! lln*(c』
=土 U2n
(3) は上の考察より明らか.
定理 5.9
(Kー群の周期性)
(終)
X を有限次元 CW—複体とする.
( 1 ) ョ:K(X) ⑧ K(S 戸 K(XxS り
(同型)
( 2 ) 八:和 X)@K(S り式 (X八 S2)=K(S2X)
(同型)
いいかえると, K(S2) の生成元 g について八 g: K(X)=K(S2X).
[証明]
直和分解 K(X)=K(X) ④Z,K(Xxs り =K(X/\S り④和X) ④K(Sり
④Z を考えることによって,
(1) と (2) は同値であることがわかる.
でないときは,各成分に分けることによって, れる.従って,連結な X について,
は,
x が連結
(1) は X が連結な場合に帰着さ
(2) を証明すればよいさらに,連結な X
ただ 1 つの頂点を基点にもち各胞体の接着写像が基点を保つような CW
複体とホモトビー同値であるから,このような条件をみたしているとしてよ し‘・
補題 5.8 により,
K(S2 の生成元 g について ch(g)=s は H2(S2) の生成元で
ある. g•=g 八…八 g (n 個)について ch(g•)=s 八…八 S は H2n(S2") の生成元で
あるから,補題 5.8 によって, gn は K(S2•) の生成元.
従って,
(2) は X=S2"
ァ5 KF—群の周期性
(n~l) について成り立つ.
から (2) は自明.
X=S 江ー 1 については,
X=Y, X=SY のとき 帰納的に,
を示す.
和X)=K.(S2X)=O である
1 点和 vs. m について,和 vs. 叫 =:EK (Sam) を使えば,
は X=VSa"' について成り立つ.特に,
•
203
“ dimY幻 1=立=1 点または
( 2 )
Y=VS.,1
(2) が成り立つ.
/\g は dimX/J。*は全 射.
( 3 . 1 3 ) ,( 3 . 1 3 )* ,(3.18) によって, H*(!J。SO) と H*(S0/U) は各次数で同
じ階数の自由アーベル群であるから P。*は同型.
系 1.6 により P。は(弱)*モ
204
第4章
KF—群とホモトピー群の周期性
トピー同値.
(終)
補題 5.11 n ; : ? : 1 , "7 を反も (S1戸 Z2 の生成元, g を K(S2戸 Z の生成元とす るとき,次の系列は完全である:
点 (S•+>)_02.郎 (S呵い主~K(Sn)~郎 (Sn) △叙 (Sn+>)
[証明] u—~o 二→0/Uで誘導される冗n-i(U)~元n-1(0)~元n-1(0/U) は,十分大きい N をとるとき,冗n-i(U(N))~冗た 1(0(2N)) 二こ冗n-1(0(2N)/ U(N)) と同値であるから完全同型冗n-i(G)= 叫 (BG)= 応:';(s•) と冗n-i(S0/U) 争冗n-i(Q。SO) 手 n; n ( S O )=K O(Sn+ りで書き直せば,
K(S干二郎 (Sn) 上点 (S,"+>) ,
0= 節 (Sn→)一→節 (Sn) 立叫~K(Sn→)ユ→后う (Sn→)
n=4(mod8 )
△点 (Sn―1)=0 において,皮几炉) =Z2, K(Sn―2匡 Z であるから, c: 応) (Sn)• K(Sn) は 2(K(Sn)) の上への同型で, KO(sn匡 z.
ァ5
KF —群の周期性
205
n=5(mod8 )==>K(S• →)ユ→叙) (Sn->)—• KO(S•) 一→ K(S• •) =0 におい
て, roc=2 と c: 反O(S• •)•
K(Sn-1) が 2 倍する準同型であることから r vま
同型==>反る (S•)=O. n=6(mod8 )==>〇=応) (Sn―')→叙岱•)→ K(S• ―•)ユ→餃恥炉)において,
rvま上のように同型=⇒ 反も (S•)=O.
• n=O(mod8) • n=7(mod8)
0= 応 (Sn->) →節 (S•) → K(S" •) =0 は完全 ⇒ 節 (S•)=O.
0= 詞s•-•) 一郎 (S•) i!_立立 (S呵ー KO(S• —')=O
は完全=〉 C: 叙 (S•) 謡 (S•戸 z. roc=2 より, r: K(S•) →節 (S•) につき Cokerr= Z•. n=l(mod8)=
• 0 —•
Cokerr 匡 Z,) △勾節 (S•) 一→尺 (S• •) =0 は完全==>
応 (S•) =Z., 八 'T/ :反も (S•―')一→誌 (S•) は全射. n=2(mod8):=⑳ =K(S呵一→応う (Sn->) △こ応う (S•) 一→ K(S• ―2 戸 Z は完
全==>八 'T/: K(う (S• •) :oKO(S•) 匡 Z,). n=3(modS)==> 気(S•―')△はあ (S•) —→ K(S•
―•)=0 は完全.上の考察か
らが=が\引\ 7J について八が:点う(S•―•)→后う(S•) は全射.ー方,が EKO(Sり =0 ょり応(S•)=O. 定理 5.13
(KOー群の周期性)
(終) X を有限次元 CW—複体とする.
( 1 ) ョ:KO(X) ⑧ KO(S 戸 KO(XxS')
(同型)
( 2 ) 八:反も (X) ⑧節 (S')= 郎 (X八 S')= 燭S'X)
(同型)
いいかえると,反O(S') の生成元びについて,八 c ' :応p(S") 司尺 (S") n=5,6( m o d 8 ) = : : : : > / ¥ ' T J :瓦彩 (Sn―')一→瓦Sp(sn) は全射. [証明 J
Sp は 2ー連結であるから n~3 で自明. n~4 のときは補題 5.15,
q=2 およぴが =0 を使って,定理 5.12 と同様に証明される. 定理 5.17
(KSp—群の周期性)
c ' o
(終)
X を有限次元 CW- 複体とする.
( 1 ) ョ:KSp(X)@KO(Sり =KSp(xxsり
(同型)
( 2 ) / ¥ :瓦Sp(X)®取油•)司 KSp(X/\Sり=瓦邸s•x)
O,
207
は
n=O(mod8) のとき 2(応う (S")) の上への同型, n=2(mod8)
のとき全射,
n=4(mod8) のとき同型.
S p ( S n ) ,n>O, は ( 2 ) q:K(S") • K n=O(mod8)
のとき同型,
n=4(mod8)
のとき 2(KSp(S")) の上への同型,
n=6(mod8)
のとき全射.
-
( 3 ) t=(-ll":K(s•n) [証明]
(1) は定理 5.12 の証明の中に含まれている.
よりえられる. 定理 6.2
—• K(S'n), n>O (2) も同様に補題 5.15
( 4 . 6 )(1) の cr=l+t=c'q, rc=qc'=2 より (3) をうる.(終)
n>O に対する無限次元対称空間 M の n 次元ホモトピー群叫 (M)
は 8 を法とする各 n の値に対して下表の通りである.
BU
M:U
0
Sp
Z
0 0
z
z.
0~
゜
z z . z .
O~0
U/Sp
゜
z ooZ
.,
0~
゜
z
ZZoZO
0 0
0~ZZO
。
゜
゜
0~
BSp 0/U Sp/U U/S〇 ゜
0 0
0
~
[証明]
0 !Sil O O 0
z . z .
S iZZ 0 I
0 I s l
z z . n=O 0 z . n=l Z 0~ 0~ n=2 0~0~0 n=3 0~0~ n=4 n=5 0~ n=6 n=7
BO
z . z .
前半の 6 個の空間については,系 5.7, 定理 5.12, 定理 5.16 ですでに
わかっている.定理 5.10=⇒ 叫 (0/U)= 叫 (!JSO)= 叫+,(S0)=1t,.+1(0), 定理 5.14=⇒ ち (Sp/U)= ち (!JSp) : : 1 t , . + ,( S p ) . よって, 0/U,
n : 2 : : : 0 .
Sp/U に関す
る結果をうる.
補題 5.2 の写像 in,
!J•(SU/Sp),
! J i c , , j凡, !Jic のホモトピーファイバーはそれぞれ, Sp,
0, !J•(SU/S0)
に弱ホモトピー同値であるから,補題 5.2 の図式 こ
のホモトピー可換性からそのホモトピーファイバーの間の写像がえられる.
れらの写像と /Jsp, fj および P。, P の誘導するファイバー空間のホモトピー完 全系列の間の写像に 5ー補題を適用して次がえられる:
第4章
208
KF—群とホモトピー群の周期性
( 6 . 2 ) ' (弱)ホモトピー同値 Sp→ Q•(SU/Sp),
0 • Q2(SU/SO) がある.
U/Sp, U/0 に関する結果は (6.2)' より容易に導かれる. 定理 6.2 から予想されるように,
(終)
f J , fJ。, f J s p , "G:G • QBG の外に次の 4
つのホモトビー同値がある:
P。m: U/Sp —• Q(S0/U ) , f J u 1 0:BO一→ Q(SU/S0)
/ J s p / U:U/S0 —• Q(Sp/U ) ,f J u 1 s p:BSp —• Q(SU/Sp) これらは次の Bott の写像から誘導される: 肱 u(n)
:U(2n)/Sp(n) 一→ Q(S0(4n)/U(2n)) ⇔ B。1u(n)
趾0(n)
{ A }(t)=A 加) A-,冗 (n) 一 1
:0(2n)/O(n)xO(n) 一→ Q(SU(2n)/S0(2n)) ⇔B町o(n)
{A}( t )=AR,(n)A-1R,(n) 一 1
恥叫n): U(n)/SO(n) 一→ Q ( S p ( n ) / U ( n ) )
• 趾sp(n)
:S p ( 2 n ) / S p ( n )xSp(n)---+Q(SU(4n)/Sp(2n))
• ただし,
f 3 s p ; u ( n ){ A }( t )= A ( e " i t 1 2l n ) A ' ( e " ' i 1 2 J n )
f 3 u ; s p ( n ){ A }( t )=AR,"(n)A-1 即 (n) 一 1
T,(n)=S叫n) ④ S _ , 1 2 ( n ) , R,2(n)=R,(n) ④ R,(n) とする.
定理 6.3
fJ。;u, f J u ; o ,f J s p ; u , fJu;sp は(弱)ホモトピー同値である.
Bott の証明法は Morse 理論(第 6 章)による.
ホモロジー群,
群を用いた証明は Dyer-Lashof[26] によって与えられた.
また,
コホモロジ一 これらの結
果から, KFー群の周期性を示すために Clifford 代数を使う方法がある [28].
Hopf の(ファイバー)写像 定義加群 H• の元 x=(p,,
P z ) ,y = ( q , ,Qz)
q ,的で定義してえられる多元環を
の積を xy=
( p , q , p .届
p, も+
Cayley 数(体)といい C で表わす.
C の積は結合性をみたさないが,次の性質は直接計算で確かめられる:
( 6 . 4 ) x=(P,,か)に対して,豆=(尻,ーか), 1 叫 =v1p 出 +IP出とおけば ( 1 ) xx=xx=Ix ド,即ち,
X キ O==> ぷ '=xi に I,
( 2 ) l x y l= l x l キ l y l . 定理 6.5
( 1 ) n=2,4 ,8
は切断をもつ.
のとき,主バンドル (SO(n),
p , s•—1, SO(n-1))
ァ6 古典群と等質空間のホモトピー群
( 2 )
主バンドル (SO(n),
p , S" —1,
209
S" • xSO
SO(n-1)) が切断をもて 1-t,
(n-1匡 SO(n) (同相),ファイバーバンドル S"―.~• s. . .,土→S" が存在して, ( a ,fJ)• Sa+h*fJ は同型冗.(S"→)④rti+,(S'"→)争酬 (S") を与える. [証明 J
( 1 )n=2,4 ,8 に応じて R"=C, H,< 」と考えるとき,その積を用い
て s(x)(y)=xy とおく. あるから,
s(x):
R" •
SO(n) が定義された.
xES"
—1=
{xER"I! x i=l} のときは,
ls(x)yl
= IYI
で
R" は直交変換• sn-1 は連結であるから, s:
S" —l •
y=e,Iま積の単位元であるから,
—'¢::: •
p:SO(n) →S"
p(r)=r(e,) に関して S は切断である. (2) 切断 s:
S" —l •
h+:D"XS"
—l • E+"( 上半球)仁⇒ h + ( t x ,y)=(v'fコ:Z s ( x )( y ) ,t )
h-:S" —'XD" • と定義する (tEI;
SO(n) に対して,
E-"(下半球)¢=油_(x,
t y ) = ( v ' I " = t 2 s ( x ) ( y ) ,t )
x , yES" •) .D"XS" —'US" • XD"=a(D"XD") は s•nー 1 と
同相であるから, h,, hーは h:
S2"—l •
S" を定義する.
(S 圧',
h ,S")
が S"―1 を
ファイバー, SO(n) を構造群とするファイバーバンドルであることは容易に確 かめられる.このファイバーバンドルのホモトピー完全系列の△
: 1ti+,(S") →叩
(S"→)について△oS= 士 id を確かめて定理の同型がえられる.
(終)
定義定理 6.5(1) の証明で定義した切断から (2) によって構成される h: s圧 1 →S "(n=2,4 ,8) を Hopf のファイバー写像という. 定理 6.6 n キ 2,
断をもたず, p*
[証明]
4 ,8
のとき,主バンドル (SO(n),
p , S" —1,
SO(n-1)) は切
:1t,._1(SO(n)) →冗”ー ,(S"ー')は全射ではない.
戸田—三村 [14] より次のことを引用する. n キ 2,
4 ,8 のとき Hopf 不
変量 H: 元...― ,(S") →Z は全射でなく(同書第 7 章,定理 7.1, 定理 7.2), 従って
S:冗圧•
(S"→)→冗.,._.(S") は単射ではない(同書第 2 章,系 2.5).
定理 6.5(2)
により前半がえられる.れが全射であれば, f:S"― l →SO(n) で pof=l:
S" —l
• S"― 1 となるものがある.被覆ホモトピー性質から, f=s かつ pos=l となる もの,即ち,切断 S がえられる.よって, n キ 2, 4 ,8 ならば p* は全射ではな ぃ.(終)
ここで,若干の球面のホモトビー群を求めてみよう.系 1.4 より,
( 6 . 7 ) 懸垂準同型 S: -n:,(Sn) →冗と十 ,(Sn+i) は k~2n-1 のとき全射, kSU(n) は p- 正則.
逆に, n>p のとき SU(n) が p- 正則であると仮定する.
H*(SU(n))=A(e.,
e s , …,e ••_,)であるから, p- 同値 f:S双 s•x … xs 圧 1 →SU(n) がある• fn を f の s•n-1 への制限にとれば, fn*(e圧,)主 O(modp) でなければならない .H 圧 1
(s•n-1) の生成元 U2n-l について, 辛0
e幻ー ,=p*u2n― 1 tことれるから,
(pofn)*(U2nー,)
( m o d p ) . ー方,定理 6.13(2) より [pof,』 EP*7t2 n i( SU ( n ) )=( n-1)l 丘-1
(S•呵 ⇒ ( p o fnl*(u幻ー 1) =0(mod(n-1)! ) .
p は (n-1)1 の因数であるからこ
れは矛盾である.故に SU(n) が p- 正則=⇒ n : O : : : p . (2) は (1) と同様に定理 6.13(3) を使って証明される. (3) 同相 S0
xSO(n)=O(n)
があるから SO(n) について示せばよいまた,系
6.14 によって,奇数の n~2m+l について示せばよい. m=l の場合は二重被 覆 p:
Sp(l)=S• •
S0(3) は p- 同値 (p>2).
るから, SO(n) は 2- 正則ではない.
n~3 のとき 7t,(SO(n) 戸 z. であ
以上のことから,
して (3) を証明する.このとき定理 6.23 が使える.
n=2m+1~5,
p~3 と
ァ6
古典群と等質空間のホモトピー群
n-l=2m~p とするとき,
xs•m+l •
2m+l~p である.
217
(1) の P—同値 f:S双 s•x …
SU(2m+l) はふ: S が十 1 → SU(2m+l) で [f,J が五 +,(SU(2m+l))=
Z の生成元のむ倍, a滓 0 て作ることができる.
( m o d p ) , となるものから, SU(2m+l) の積を用い
ここで,
定理 6.23 を考えると,奇数の i=2j+l につい
て, f2j+1 (S•i+•)C S0(2m+1) にとれることがわかる.この f2j+1 と S0(2m+l)
の積を用いて J:Y→S0(2m+l), ただし Y=S 以… xs•m-1, を作る.また Y' =S 以 s•x … xs•m+l に対して, g':
pog': Y' •
Y' •
SU(2m+l) を f2j を用いて作り,
g=
SU(2m+l)/S0(2m+l) とおく.定理 6.23 の P—同値 h(=s2 叶 ,oc)
(SU(2m+l)/S0(2m+l))xS0(2m+l)
• SU(2m+l) について,
YxY' • SU(2m+l) は p- 同値となる.
:
ho(Jxg):
従って, l は P—同値=⇒ S0(2m+l)
は正則. n-l=2m>P のとき, S0(2m+l) が p- 正則であると仮定すると, p- 同値 g
:S 双… xs•m-1 →S0(2m+l)
がある.
e.m_,=l がある.
dimkA*
(3)
20,
(a1,a2ER)
fキ 0 ⇒ 〈 f,f 〉 >O
11/11= パ f,f〉::::: 0 を f のノルムという.通常の方法によって,
( 4 ) I I~11/ll-llgll, ( 5 )
f 1 1 / ( x )lldx~11/11
以上の議論は,
C 上の場合 V={f:
注意する.ただし,
(2)'
1 1 /+gll~11/11+l l g l l
G • C"(連続)}について成り立つことに
(1.8) (2) は次の形になる:
=
作用素と固有関数 定義
K:V
—•
K-2 +< Kg,g> よって, II/ I I =l l g l l=1 とするとき, 4 〈Kf,g〉 sc'II/+gll2+c'11/-glド =2c' (11/ 『+ l l g l l 2 l=4c'• sc'. Kf キ 0 のときは, g=Kf/llK/11 とおい て, IIK/lisc'. Kf=O のときも, IIK/11 = O s c ' . 以上のことから, csc', 従 って, c=c' であることがわかる.
c=c'=O のときは,つねに Kf=O で, c=c' キ 0 とする.
{ / ; ,II/』 =1}
がある.
c' の定義から,
O が固有値である.
〈KJ;,Jし〉が A.= 土 c に収束する関数列
補題 1.7 によって,
{K/;} が cpEV に一様収束するよ
うに{/;}をとり直すことができる.
〇 sllK/; —A-/;ll2=IIK/;『 +A-2ll/;ll-2A. 〈KJ;』〉―→ II 例12-A,2
I I K / ; l l s c ' = c =!A.I である から, IIK/; fill2s2i2 —2A.= • l i m l l K / ,― A./;11= 〇:⇒ l i m ! I K ( K / ; ) A . ( K f ; ) l l = l i m l l K ( K / ;• /;)11=0=• IIKcp- 坤 II =O==>Kcp= 砂.(終) であるから,
定理 1.12
1ゆ 112:?:A-2>0=⇒ のキ 0 である.
•
ー方,
特殊(特に,核)作用素 k に関する固有関数と固有値について,次
7
ァ1
コンバクト群上の積分
が成り立っ:
( 1 )
異なる固有値をもつ固有関数 =0.
となる固有値いま有限である.
( 3 ) 入キ 0 に対して,入に関する固有空間は有限次元ベクトル空間をなす. ( 4 ) (叫を 0 でない固有値をもつ固有関数の正規直交系(〈免9 免〉=似)で 極大なものとすれば,
(O, vB'v>O であるから,
v(OA+( 1 0 ) B ) ' v > O . 中の凸集合である.
( 2 )
O~IJ~l について,
これは OA+(l-O)BEF を示しているから, F は F' の
また明らかに, F は F' の開集合である.
F は Rm(m+l)/2 tこ同相であることがわかる. 断をもつ.
任意の〇
以上のことから,
第 2 章補題 2.7 によって,
t は切
(1.14) により M は Riemann 計量をもつ.
M の 1 つの Riemann 計量 g。 (x) について, g。 (k•x),
計量であり, K 上の不変積分 g(x)=
fg。 (k•x)dk K
kEK,も
Riemann
を考えれば, g(x) は K の
作用で不変な Riemann 計量である.(ここで, F が凸であることからの (k·x) EF=='>g(x)EF がいえる.)
( 3 )
右作用についても同様
H の右作用で不変な Riemann 計量について (2) の操作を施せばよい.
(終) 定義
Riemann 計量の指定された多様体を Riemann 多様体という.
Riemann 多様体の変換で, Riemann 計量を変えないものを等長変換とい ぅ.
定理 1.13 の (2),
(3) のような Riemann 多様体(の Riemann 計量)はそれぞ
れ K—不変, K-H- 不変であるという.特に,
Lie 群 G の Riemanri 計量が G
の積による作用について G-G —不変であるとき,
単に不変 Riemann 計量と
しヽう.
M の Riemann 計量が K—不変仁⇒ K の作用ら(または Rk) は等長変換.
第 5 章コンパクト Lie 群
10
ァ2
コンパクト群の表現
コンパクト群の有限次元表現
定理 2.1
G をコンパクト群とする.
G の有限次元実ベクトル空間上の表現
は直交表現と同値である.また, G の有限次元複素ペクトル空間上の表現はユ ニタリー表現と同値である.
[証明]
表現空間を V とする.
V=Rn とし,
V=Rn または V=Cn としてよい.
G の作用を (x,v) . . . .xv と表わす. Rn における内積を U•V
=u'v で表わすとき,新しい内積を
f
( u ,v )=
(xu)キ(xv)dx
G
で定義する.この (U; v) は明らかに,双ー次かつ対称であり,
•
U キ O=⇒ XU キ 0
( x u ) キ ( x u )>0 であるから,
Uキ0 ⇒
(u,u)=f
匹・ (xu)dx>O
G
即ち,正定値である.さらに, yEG に対して,不変積分の性質により,
. J 方u)·(xv)dx
f a
( y u ,y v )=
V の基底を,この内積
(xyu)• (xyv)dx=
=( u ,v )
(')に関する正規直交基底でおきかえると, G の
作用は直交変換である.これは, G の作用が直交表現と同値であることを示し ている.
V=Cn の場合は, EN の内積 u•v=uv* について同様にすればよい
(終)
直交(ユニタリー)表現において, G- 不変部分空間の直交補空間もまた G —不
変である(第 1 章定理 2.11) から,次の系がえられる. 系 2.2
コンパクト群の有限次元実(または複素)表現は完全可約である.
関数空間によるコンパクト群の表現 前§の記号 V={/: G —• R"} を用いる.
定義 /EV, yEG-および線型変換 A: R" • R" について, R,: V—→ V 仁⇒ {R,f)( x )=f(xy) L,: V—→ V 仁⇒ ( L , f )( x )=f(y —lX) A:V
•
—• V 「 : : : A(f)(x)=Alf 国)
ァ2
コ`ノパクト群の表現
1 1
明らかに,
( 2 . 3 ) ( 1 ) R v ,L v , A は線型変換. R, 。 L,, =L,,0R、,
( 2 )
凡 R,=Rエ,,
A0R,=R,0A, A0 ら =L,0A
Lエら=ら
(x,yEG)
従って, R,L は G の V 上の表現である. 作用素 k は次の条件をみたす核関数 K から作られる核作用素とする.
( 2 . 4 )
h(x)=h(x ― 1) をみたす関数 h: G→R があって,
k ( x ,y )=h(xy
( 1 ) 任意の yEG について, R, 。 K=K0R,.
補題 2.5
( 2 )
—1)
h が h(匹Y― 1)=h(x) ('vxEG) をみたせば,
L,oK=KoL,.
( 3 ) 任意の線型変換 A について, AoK=KoA.
[証明J
f h(x臼f(zy)dz= f h(xy(zy) 一1げ(zy)dz
( 1 ) K( R , f ) ( x )=
寸 h((xy)z―1)加) dz=(Kf)(xy)=R,(Kf)( x )
f
f 寸 h(卯― l立―ly― 1)加) dz=f h(y―1xz―りf(z)dz
( 2 ) K(L,f)( x )= h(xz呪(y―1z)dz = h(yy―lx(y― lz) 一ly噌(y― 1z)dz
=(Kf)(y
f
—1x)=L,(Kf)(x)
( 3 ) K(Af)(x)= h(xz —1)A(f(z))dz=A
f h(xz―りf(z)dz=A(Kf)(x) (終)
系 2.6
R, および A は 1 つの固有値に関する固有空間をそれ自身に写す.
h が h(払切― 1)=h(x) をみたせばらについても同様. [証明]
K,
=< g, Lv-•f >
=< g,'Af > ただし,
'A は A の転置(行例の転置に対応する).
J
第 1 式は,〈R,g,f〉= I(g(ぉy),f に)) dx= (g(叫 fにy)y―1))dx
J
= ( g ( x ) ,f(xy-1))dx=
O に関するものである.
補題 2.9
コンパクト群 G の閉部分群 H の表現 p:H→GL(n,R) が与えら
れているとき, c>O と連続関数 f:G→Rn で,
/EV., f(e) キ 0,
(yEH, xEG)
f(四 =p(y)f(x)
をみたすものが存在する. [証明]
単位ベクトル el = ( 1 ,0 ,キ キ キ ,O)ERn について,
•
—• Rn「
gl:H
g1(y)=p(y)•e1
(yEH)
は連続, G はコンパクト Hausdorff 空問, H はその閉集合であるから, Tietze
—•
の定理によって, gl fま g2: G • R¥ g2IH= 外に拡張できる.
g:G
Rn¢:.
g(叫= fH p(y―l)g年) dy
(xEG)
は連続写像である• gl~ ま gl(四')=p(y)gパy') ( y ,y'EH) をみたすから,
zEH
•
g(z)=fH 正)g年) dy=fH 症) dy=g1(z)
即ち, g も gl の拡張である.さらに,任意の xEG と zEH について,
g(zx)=f
H
正)恥正) dy=fHp(年)→) g2((yz)x)dy
=fup正)g年) dy=p(z)f
H
p(y―l)g年) dy
第 5 章コンパクト Lie 群
14
= p ( z ) g ( x ) g ( e )= g 1 ( e )=p(e)•e, =e,= ( l ,0 ,…,0)
であるから,
で g(x) の第 1 座標は正となるようにとれる.
G における e の近傍 U 上
そのとき,
補題 2.8 の h につい
て, Kg(e)=f h(窃― ')g(y)dy の第 1 座標は正となるから, Kg(e) = i = O . G
f=Pc(Kg)EVe とおく. 直x)
A=p(y) とおけば A は線型変換であって,
=p(y)g(x) は L,-,(g)=A(g) と同値である.
補題 2.5,
上の
補題 2.7 により,
L y , ( / )=L,-,P,(Kg)=PcKL,-,(g)=P,KA(g)=APc(Kg)=A(f) 即ち, f(yx)=p(y)f(x)
(yEH,xEG)
がみたされる.
定理 1.12 (4) は Pc を用いて表わせば,
c→0 のとき
収束するということになる. K g ( e )=i=O であるから,
Pc(Kg) は Kg に一様
C を十分小さくとれば,
f ( e )=P.』 Kg)(e) =i=O となる. 定理 2.10
G をコンパクト群,
意の表現 p:
現 fl:
(終)
H をその閉部分群とする.
H • GL(n,R) に対して,
G の表現 71:
R" 上の H の任
G • GL(m,R) と H の表
H • GL(m ― n,R) が存在して, n の H への制限引 H は直和 p ④µ に
同値となる. [証明]
コンパクト群の表現は完全可約であるから,
p が既約の場合に定理
を示せば十分である.
W ={fEVclf匹) =p(y)•f(x),
戸 H,
xEG}
= {fE°V』 Lv-,f = p ( y ) o f , yEH} とおく .w は Ve の線型部分空間,従って有限次元である. zEG について, R,(W)cW
であることを示そう. fEVc のとき f=P』 f。)
となる f。 EV をとれば,補題 2.7 によって, また,
RJ=R.P,(f。) =PcR,(J;。) EVC.
(2.3) (1) によって, JEW と戸 H について, Lv-,(RJ)= 凡 (L,-,f)
であるから,
= R . ( p ( y ) o f )=p(y)oRJ
RJEW. さらに, (2.3) (2) によって,
の 1 つの表現 71:
G • GL(W) を定める.
J: w—•
R" 仁 J(f)=f(e)
W
とおくとき,任意の y について,右図は可換である:
JRvU)=Rvf(e)=f(y)=p(y)f(e)=p(y)J(/) 特に,
R,(Ker
z-R.IW は G の Wl::
J )cKerJ であるから,
71JH:
J
,R"
•R, J •p(y) W
,R"
H • GL(W) を考えると,
ァ2 コンパクト群の表現
KerJ は W の (,,,IH) ー不変部分空間. よって,
1 5
コンパクト群 H の表現の完全可約性に
W の(引 H) ー不変部分空間 W。があって,,
W=w;。④KerJ(直和).
(,,,IH) の W。, KerJ への制限をそれぞれ p。,µ とするとき, plH=p。④µ
W。= W/KerJ であるから, J は単射 J。: w。→Rn を誘導し,これによっ て W。を Rn の部分空問とみるとき,前の可換図式より,
pー不変である. p は既約であったから,
W孔ま Rn において
W。 =O または J。: w。 =Rn である.
補題 2.9 の f は W に属し,かつ J(f)=f(e) キ 0 である.
従って,
W。キ 0.
即ち, J。: w。 =R\ かつ, p。と p は J。によって同値となる.結局,
p(µ
と同値である.
7JIH は (終)
直交群の部分群と同型なコンパクト群 定理 2.11
G をコンパクト群, H をその閉部分群,
U を G における単位元
e の近傍とするとき,ある n について,表現 P: G • GL(n,R) とベクトル VE Rn が存在して, HcG。 cUH.
[証明 J
ただし, G. fま V における等方群.
e の近傍 W で, w=w-1, w2cu をみたすものをとり,連続関数
h:G→R で, h ( e ) = l , h(x)=h(x― 1) 忍 0, 咋 W⇒ h ( x ) = O , となるものを 選ぶ
また, G/H もコンパクト Hausdorff 空間であるから,連続関数 f。:
G/H •
R で, f。 (eH)=l, f,。 (xH) 砂, X 茫 WH=訊 (xH)=O, となるものが選べる. f:G —→ R 仁⇒ f(x)=f,。 (xH)
で f を定義すると, R,f=f
(yEH),/ ( e ) = l ,x 茫 WH=⇒ f(x)=O, である.
f
Kf(x)= h(xがりf(y)dy を考える.
Kf(x)=/=O であれば,ある yEG について,
従って, xEW2HcUH でなければならない.また,
切― 1EW,
yEWH.
h(xy-1)/(y)~O,
h ( t ) /
(e)=l であるから,次のことがわかる:
Kf(x)~o.
Kf(e)>O,
X 茫 UH⇒ K f(x)=O
定理 1.12 (4) により, c→0 のとき Pc(Kf) は Kf に一様収束するから, c を 十分小さくとることによって, x 茫 UH==〉 Pc(Kf) ( e ) >P , ( K f )( x )=疇 (Kf)(e)
第 5 章コンパクト Lie 群
16
が成り立っ.
Ve とおく.
このような C について,
Ve は有限次元であるから,
R} を考え, v=P,(Kf)E
Vc=Rn と思ってよい.
RxlVe: Ve• V e(補題 2.7) で定まる
•
x(EG)
VeeV={G•
G の表現を p とする.
上に示したように, X 茫 UH ならば, v(e) = Pe(Kf)( e ) >RxPe(Kf)( e )=R x ( v ) ( e ) ⇒ V キ凡 (v)
= p ( x ) ( v )=⇒ X 茫 Gv,
即ち GvcUH である.
次に, yEH のとき Ruf=/ であった .Rいま K,
れと可換であるから,
R , ( v )=RuPe(Kf)=P. ぷ (Ruf) = Pe(Kf)=v (終)
故に, HcG. である.
系 2.12
G をコンパクト群,
準同型 P:
[証明]
G•
U を G における単位元 e の近傍とするとき,
O(n) が存在して,
定理 2.11 において
KerpcU.
H= {e}
とおけば,
KerpcG.cU .
理 2.1 によって, R" の内積をとりかえて, p(G)cO(n) にできる.
定義
また,定
(終)
位相群 G は小部分群をもたない. ⇔ G における単位元 e の近傍 U があって, 群は
補題 2.13
[証明 J
{e}
U に含まれる G の部分
のみである.
Lie 群は小部分群をもたない.
G を n 次元 Lie 群とし,指数写像 exp
exp は局所同相であるから,
:R"=L(G) → G を考える.
R" における 0 の有界凸近傍 V を選んで, exp は
1 2
1 2
V から G の単位元 e の近傍への同相となるようにする.ー V={ー AIAEV},
U=exp(½V) とおく.いま, G の部分群 H が {e} キ Heu をみたしていると
する. e キ hEH とするとき, vE½V があって, exp(v)=h, v キ 0 となる. V が有界凸であることから,
整数 r>l が存在して,
1
2rvEV— -V.
2
き, expl V は単射であるから, h2'=exp(2r v )Eexp(V)-U . これは,
分群~ に反する.故に, G は小部分群をもたない. 定理 2.14
H が部
終)
コンパクト群 G について,次の各条件は同値である:
( 1 )
G は小部分群をもたない.
( 2 )
ある n について,
( 3 )
G は Lie 群(の構造をもつ).
[証明 J
このと
=• (2)J
[ ( 1 )
G は O(n) の(閉)部分群に同型.
系 2.12 において, Ker
p={e}
にとれる.
p:G • O ( n )
ァ3 は単射,
極大トーラス
1 7
G と O(n) はコンバクト Hausdorff 空問であるから,
G と p(G) は
同相.故に, G は O(n) の(閉)部分群 p(G) に同型.
[(2)
•
[(3)=
ァ3
( 3 )J 第 1 章定理 5.13 より明らか.
• (1)J
補題 2.13 より明らか.
(終)
極大トーラス
トーラス
U(l) の n 個の直積に同型な位相群を n 次元トーラスといい, T=T 芦 U(l)x … x
—
で表わす.明らかに,
p:R"
U ( l ) , n=dimT(T の次元)
トーラスはコンパクト連結可換 Lie 群である.
T"
•
p ( t i ,…, t.)=(exp(2咄),…, exp(2冗it.))
とおけば, P は Lie 群の普遍被覆準同型で,
Kerp=Zn=
Wu …, tn) lt;EZ}
であるから,
T"=R" I z n
( 3 . 1 ) とみなし,
定義
T の点 p(ti,
…, t.) を単に (ti, …, t.) で表わすことにする.
位相群 G は単生成である仁⇒ G の元 g が存在して,
閉部分群は G と一致する.
g を含む任意の
このとき, g を G の生成元という.
g で生成された部分群 H を考えると,その閉包 H は閉部分群である.
月=
G となる g があることと, G が g を生成元として単生成であることとは同値で
ある.上の H は可換,従って H も可換である.よって,
( 3 . 2 ) G が単生成=⇒ G は可換. 定理 3.3 [証明]
トーラス r· は単生成で,生成元は r· で桐密にある. (実際 {ti, …, tnlt;ERn} が有理数体上一次独立であることと,
(ti,
r キの点を R" の座標 (tu 群の乗法は和で表わされる.,, r キにおける一辺の長さが a
…, t.) が r· の生成元であることとは同値である.) …, t.) で表わせば,
(>0) の立方体 C とは,
ある点(も,…, ,n) について C=
{ ( X i ,…, Xn)ET"I も三
屯三も十 a} なるものとする. a:?:l ならば C=Tn に注意する.さて,任意の
立方体 C の中に生成元が存在することをいえば十分である.
訊, U2, …を T の可算な開基とする. C=C。より出発して,帰納的に立方
第 5 章コンパクト Lie 群
1 8
体の減少列 C。コ c, つ C2 コ…を次のように作る: Cm-I の一辺の長さを E>O と
するとき, N(m) 立 1 となる整数 N(m) が存在する. N(m)Cm-I= T" となるか ら,
Cm-I に含まれる立方体 Cm で N(m)CmcUm をみたすものがとれる.
こ
のようにして作った {C』はコンパクト集合 T" の空でない閉集合の減少列で あるから,
ncm キ ..,~O ( V r )
> . . , = O( V r ) .
XEJf について,こ双,(X}=O, 0,(X)>O 二⇒ > . . , = O .
[証明]
定義
0 ,について,
(終)
a は単純 root 仁⇒ a は正 root で 2 つの正 root の和ではない.
定理 6.10 [証明]
任意の正 root fま単純 root の非負整係数ー次結合である. 正 root の和に分けていけば,補題 6.9 によって,
有限回で終わる. (終)
a"•··, a ,を単純
系 6.11
root (全体)とするとき,基本 Weyl 領域は屯 >O,
…, a,>O で与えられる. (これ以上減らせぬことは定理 6.14 でわかる.) 定理 6.12 [証明 J に,
単純 root a に対応する鏡映 CJJa は Weyl 群 W(G) を生成する.
root ツが root
a ,fl
の和であるとき,定理 6.4, 定理 6.5 の証明のよう
ッ =cpa(fl) またはッ =cp瓜a) である.
ッ=四 (fl)=⇒ cp.=cp呼呼a であるか
第 5 章コンパクト Lie 群
50
(終)
ら,定理 6.10 と定理 4.30(2) より定理がえられる.
a ,(3
補題 6.13
( a ,/3)
[証明 J
が相異なる単純 root ならば (a, /3)~0 である.
を正とすると,一 2(-a,
( 3 ) / ( a ,a)
は正の整数となるから,定
(3-a は root 二⇒ (3-a または a-(3 は正 root=⇒ / 3=((3-a)
理 6.5 により'
+a または a=(a-{3)+/3 は単純 root ではなくなり,仮定に反する. 定理 6.14
[証明] ば,
(終)
単純 root は一次独立である.
単純 root の一次結合が 0 であるとする.
Lµ,;a;=I: 叫切 (µ,,:2:0,
元をゥとおくと,
v 1 : 2 : 0 ;a , ,(31
負の係数の項を移項すれ
は相異なる単純 root) となる.
(ッ,ツ) = I : オ , ,叫化,凡) ~o 二⇒ ッ =O.
補題 6.9 によって,µ戸
v 1 = 0 . 即ち,最初の一次結合の係数はすべて 0 である. 定理 6.15
er を単純 root とするとき,
この
(終)
< p rvま er を一 0r vこ写し,
er 以外の正
root の置換を与える. [証明 J
all …,屯を単純 root,
0 ,を正
root とすると 0,=n1佑+…十 n,a,,
n ,: 2 :0 , と書ける(定理 6.10). er= 屯とすると Lt , t ;✓a;;a;,=I: t( ✓a,r化, )2 i*r•*r i < j i * r =at. t=a/2 とおいて, a2!4+a> 疋/2=⇒ 4a>a2. a は整数こ〇だから, (終)
a : C : : : 3 . Dynkin 図式
ベクトルの可容系 {al> ・・・,屯}から,以下のように構成される 1 次元複体を この可容系の Dynkin 図式(または Schlafli 図式, Coxeter 図式)という.
ンパクト連結 Lie 群 G の単純 root の作る可容系については,
コ
G の Dynkin 図
式という.
まず,各ベクトル屯には (o で表わす)頂点を対応させる. a,j キ 0 のときは,
a ;と屯を結ぶ a;,aパ本の辺 (1 次元単体)を対応させる.
ァ6 単純 root と Dynkin 図式
ただし, a; とのの長さが異なるときには,
5 3
それらの大小を明示するために,
大きい方から小さい方へ矢印を付すことにする.
(6.18) によって,
部分的には
下図のようになる:
a ,
a ,
a .
a ,
a ,
0
0
0
0
0
ヽ
a;;=O( = a ; ; ) 定義
a;;=a;;=l
a ,
a ,
, O
a,;=2( a ; , = l )
root 系{土似…,土 Om} が L(T)*=R1 を張り,
a;;=3( a ; ; = l ) それぞれに属する
root が直交するような空でない 2 つの部分集合に分かれないとき, 系は既約であるという.
a ,
仔一ーや
この root
単純 root 系やベクトルの可容系についても,
既約性
を定義する. 次は明らかである:
( 6 . 2 3 ) R' におけるベクトルの可容系{佑,…,佑}が既約 ⇔その Dynkin 図式は (1 次元多面体として)連結.
ここで,半単純 Lie 環論から次の定理を引用する. 定理 6.24
コンパクト連結 Lie 群 G の局所同型類 (Lie 環 L(G) の同型類)と
ベクトルの可容系の間には (root 系によって) 1 対 1 対応がある.
この定理の証明をここでのぺるのは無理であるから,松島与三「リー環論」 (共立)第 9 章を参照されたい.そこでは,複素数体 C 上の半単純 Lie 環を主と して取り扱っているが,ここでの G の root 系を 21ti 倍したものとして, L(G)
®C における root 系がえられることに注意する.
また,
複素数体 C 上の Lie
環から実数体 R 上の Lie 環へ戻すには,そのコンパクト実形式をとればよい.
定理 6.25
コンパクト連結単純 Lie 群 G の局所同型類と連結な bynkin 図
式の(矢印もこめた) 1 次元複体としての同型類は, [証明]
1 対 1 に対応する.
定理 5.29, 定理 6.24 と定理 5.35 によって,半単純性と root が L
(T)* を張ること,単純性と root 系が既約であることが対応していることがわ かる.また,
定理 6.10, 定理 6.16 を使えば,
root 系と単純 root 系が 1 対 1 に
対応し,しかも既約性も対応していることがわかる.従って, 23) より定理がえられる.
定理 6.24 と (6. (終)
第5章
54
コソパクト Lie 群
単純 Lie 群の分類
E . Cartan によって分類された単純 Lie 群の Dynkin 図式とそれを実現する root 系を以下に挙げる ((4.5)
( 4 . 8 ) ,(6.8) 参照) .
-
( 6 . 2 6 ) R1={屈,…,叫}上の双対正規直交基底 e;EHom(R1, R) を e心ぅ) =%で与える. W:R1+11 ヰ+…
(l~l;
(Az- 型)
+x1+1=0 上で) 単純 root:
e ;—ei ( 1 : o : ; ; i < j : : : ; ; l + l )
正 root: (B,- 型)
a ;=e;—e;+1 ( 1 : : : ; ;i : : : ; ; l )
a ,
屯
0
0
a ,
屯
0
0
-————-
a 1
a ,
0
0
a,~i a , -————- o : II
a,_,
-————-
0
a , 0
([~2)
単純 root: 佑 =e; — e1+1 (l~iP ( E 2 ,t )>… >P(E', ここで,
t ) > P ( E ' + 1 ,t)> …
>は推移律をみたすことに注意する.
. , 1 1 , ( M , N , r ; t) が存在すると
いう仮定から,上の>でつながった系列はいこ関するある有限次以下の部分
に注目すれは
ある所から先は一定である.ー方,
特異単体/: LI"• .Q* につ
いて, L0f: LI" →R の像はコンパクトであるから, f の像はあるふに含まれる. 従って,
H . ( ! J * ;k) の任意の元はある p について,
H.(ふ; k) からの像とな
る.以上のことを組み合わせると, n に対して P を十分大にとるとき,
P(EP,t)=P(H*(.Q*; k ) ,t ) mod( t " ) となる.
このとき,
(t戸 B.+1(t)
P(E1,
t )=P(EP,t )+( 1+t)B.(t) となる B~(t) があり,
mod(tりである.
従って,
B(t匡 B.(t)
B.
mod(t") となる B(t) があ
って,
. A f , ( M ,N,r ; t)=P(E1,t)=P(H匹*, k ) , t)+( 1+ t ) B ( t ) 系 1.13 によって,
SJ* は !J(M,N) でおきかえてよいから,
定理 1.18 は証明
された. 定理 1.21
(終)
S(M,N,r)
の各測地線分 S の指数).,, がすべて偶数であり,
同じ
指数をもつ S の個数が有限であれば,次が成り立っ:
( 1 ) Hが一 1(!J(M, N))=O
( 2 ) H 2 ; ( ! J ( M ,N))
は自由アーベル群.
( 3 ) P ( ! J ( M ,N), t )=
I : tA•
sESVaiま
丸 (t) . . L K キ g ( t )
Va(t。)は K•g(t。)の曲線=⇒ v(t。)は K•g(t。)に
接する=⇒ vEJ,、K(t。).
記号
(終)
. .v を
定理 2.3 によって与えられる対応 x 冗g: L(K)=f
—• Jg引t。) CJ9K (t。:任意)
で表わす. 補題 2.4
M の測地線 g: R―→M と R 式について,
g(t。) ..LK•g(t。)なら
ば g は K —横断的である.即ち,測地線の K —横断性はある 1 点での K —横断性 よりえられる.
[証明]
その中の 2 点を測地線で一意的に結べるような g(t。)の E-近傍 U に
g([t。山])が入る場合に,
g ( t 1 )..LK·g(t1) を示せばよい.
g l[t。,t』の長さを l
とするとき,次の Gauss の定理が成り立つ (p は測地線で測った距離):
(2.4)'g(t1)..l{yEM Ip(g(t。), y)=l} g(t。) ..LK•g(t。)であるから, (2.4) I で t。と t1 を入れかえて考えることにより,
p ( x ,g ( t 1 ) )=l+o(p(x,g(t。))), 同様なことは,
xEK•g(t。)
g ( t 1 )..LK·g(t,) ならばいえるが,
そうでないと仮定すると,
K 内の e から始まる曲線 k(t) で, h(t) =k(t)·g(t1) の接ベクトル h(O) が g(ち)と 直交しないものがある.助変数 t を h の長さに比例するようにとり直せば次の ことがわかる: p(g(t。), h(t))=l+at+o(t)
(a キ 0)
K の作用は等長であるから, p(g(t。), h ( t ) )=p(k(t) —i,x,g(t1)). at+o(t) となり矛盾である.故に, fi(t1) ..LK• g ( t 1 l -
注意 2.5
従って, l=l+ (終)
上の証明で使った Gauss の定理の証明には若干の微分幾何学の知
識が必要である.しかし,後に応用される場合は,測地線が 1 助変数部分群を 使って与えられており,その場合に補題 2.4 を直接証明するのは容易である.
変分完備性と K—横断的測地線の指数 定義
K の M への作用が変分完備仁⇒ J g K ( O )nJ g K ( I )c 冗g(L(K)) が M にお
ける任意の測地線 g について成り立っ.
8 2
第6章
補題 2.6
[証明]
K の M への作用が変分完備仁⇒Jげ (0) nA9(l)c 冗u(L(K)).
[=
[--->O(v)=a•([Y, X]
第6章
90
Bott—Morse の理論
+Z) は全射 t.④(凡暉x) →a ・凡を与えているから,
O ( A g ( O )nJfxKl コ a• 凡 故に,
O は同型 Ag(O) nJ;xK:::c:a ・凡を与え,
かつ Ag(O) nJfxK は補題の形
のベクトル場 V から成ることが示された. 補題 3.12
( 1 )
作用µ,:
(終)
(GxG)xG • G¢=
• オ((a,b),g)=agb-1
に関して,
( U ,V)Egxg=L(GxG) で与えられる局所 (GxG) ー運動 P,(U, V) は, f ; , ( U ,V)(y)=U•y-y•
V ,
yEG
をみたす.
( 2 )
a=g(O) で消える局所 (KXK) —運動を g (仁⇒ g ( t )=ae•X) に制限した
ものは次の形のベクトル場 V から成る:
VEl.=tnAda-1t
v(t)=(ae'x),(Ade-•X(V)-V), ( 1 ) P , ( U ,V)
[証明 J
は 1 助変数運動 eaU, y•e-aV を a で微分してえられ
る.
e a U .y•e-aV =eaU.y•e-aV• y —'y=e"Ue-aAdyV. y より,
(1.,(U, V)(y)=(U-Ady(V))•y=U•y-y·V•y ー '•y=U•y-y•
V .
( 2 ) (1) で, U, VEf とすれば局所 (KxK) —運動がえられ,それが a=g(O) で消えるための必要十分条件は,
V-V)=y•(Ade
(G,K) を対称対とするとき,
の作用は変分完備である.即ち, の (KXK) ー軌道に接する,
V=Ada-1(U) 司 n
V=y• (Ady-1)(Ada)V-yキV
V•y-y•
=y•(Ad(y-1a)
定理 3.13
即ち,
y= g ( t )=ae'x について,
Ada-1f=fa である.このとき,
U•y-y·V=(Ada)
V=O,
U•a-a•
Ag(O)
• X(V)-V)
(終)
(3.9) で与えられる KxK の G へ
nJfxK(l)={t=O で消え,
t=l で g(l)
g に沿った (KXK) ー横断的 Jacobi ベクトル場}の
元は局所 (KXK) ー運動で与えられる. [証明]
g(t)=ae•x,
後半を示す.そのとき,補題 2.6 によって変分完備性がえられる. g(l)=aeX=b とおく.
A u ( O )nJfXK(l)cAg(O)nJlxK
ル場 v(t) を補題 3.11 の形に表わすとき,
b=g(l) で KbK に接するための条件
は,補題 3.5 により,
(*)
のベク卜
b-1-v(l)=Ade-X(Y)-Y+Z 辻 =f+Adb-1(f)
ァ3 対称空問における変分完備性 ここで,
YEla,
ZEPan9x, Adb-'=(Ade-X)(Ada→)であるから,
b-'·v(l)=B サ Ade-X(B2),
と書くことができる. ー方,
9 1
B固,
B手 Ada → ( f )
B , ,B2Et+Ada-1(t)=fa=(Pa).L==>(Z,B,)=(Z,B2l=O.
[X,Z]=O ⇒ Ade-X(Z)=Z を使って,
( Z ,b-'•v(l))= ( Z ,Ade-X(B2))=(Ade-X(Z),Ade-X(B2))=( Z ,B2)=0 また,炉 =f.L より, (Z, Y)=O および (Z,
=(Z,Y)=O.
Ade-X(Y))=(Ade-x(z),Ade-x(Y))
(*)を使って,
O=(Z,b 1 v ( l ) ) = ( Z ,Ade-x(Y)-Y+Z)=(Z,Z)= 従って, v(t)=(ae•X)·(Ade-•X(Y)-Y),
Y E f a . 補題 3.12
• Z=O
によって, v(t) は局
所 (KXK) ー運動で与えられる.
(終)
K の P への随伴作用の変分完備性 K の随伴作用 Adx:
=f.L=T,,c,>(G/K)
g•
g(xEK) は直交変換で,
Adx(f)cf であるから,
P
についても Adx(p)cp である.
次に,随伴作用
オ,=Ad:Kxp —• P が変分完備であることを証明しよう. P はユークリッド空間と同じ構造をもつから,その中の測地線は直線で
g(t)=A+tX ( A ,X 祠 の形に一意的に表わされる. AEV の K —軌道 AdK(A) の A における接空間は,
d
の接ベクトル 2戸Ade•X(A)) .って,
方,
•
I•=o= [ X ,A]=adX(A)
Yj _ [ X ,A]x1 十叩>x叶叩>x1>½ 如 +x叶叩+叫叶 (X1 士叩土叩土 x,) をみたすから,定理 7.2 において }.,~4 であり,系 7.3 より (1) がえられる.
1 ( 2 ) G2 の基本 Weyl 領域ジは ,百 (x2+ 叩)>凸 >x2 与えられ,ジでは,
(x叶エ叶年 =0) で
ー Xi 一叩十 2x3>X1 ― 2x叶叩>(その他の兌十 (G2) の root (終)
の値)が成り立ち,定理 7.2 において, ).,~2 である. Hopf 代数の応用
補題 7.5 の状態を抽象化して, Hopf 代数の議論をしよう. 定理 7.6
A * ,B*
を体 K 上の連結 (A°=B0=k,
な有限型準 Hopf 代数,/:
( 1 )
B* •
N=Bi=O(i--->(J>a,_.(J>a(U』 =a は明らか.
また,
(J>>--->(J>(un)=a のとき (J>=(J>a が示される.
t 次の (II,G) ー型安定コホモロジー作用素 (J> n と X に対して与えられて,
0 の自然性から, (終)
:.Hn(X; II) • Hn+'(X;G) は各
o* あるいは懸垂 u*:
Hm(SX;) • Hmー l(X;) と
可換なものとして定義された.この定義から容易に次の定理がえられる. 定理 4.3
t 次の旧, G) ー型安定コホモロジー作用素 0 と u*佑 =an-1 をみた
す元佑 EHn+'(II,
n ; G) の列屈; n=l,2 ,3 ,…}とは 1 対 1 対応にある.
K ( I l ,n+l) が nー連結なことから, ファイバー空間
ァ4 ::r ホモロジー作用素と Eilenberg-MacLane 空間のコホモロジー
1 6 9
p
i
. ! J K ( I I ,n+l)=K(II,n) —• P K ( I I ,n+l) —• K(II,n+l)
( 4 . 4 )
に関するコホモロジ一懸垂 c の性質がえられる:
( 4 . 5 ) u:H叫II, n+l;G)--+H 位, n; G) は i~2n-1 のとき同型, i= 2n のとき単射である.
A ' ( l l ,G)=Hn+ 切, n;G ) , n>t
記号
( 4 . 6 ) t 次の (II,G) —型安定コホモロジー作用素とが (11,G) の元は 1 対 1 に 対応する.
以上の様に,
コホモロジー作用素は Eilenberg-MacLane 空間のコホモロジ
ーと密接な関係にあり,後者を調べることによって前者の性質もわかる.
安定コホモロジー作用素については次の定理がよく使われる. 定理 4.7
安定コホモロジー作用素〇は,
ファイバー空間における転入てお
よび懸垂 c と可換 (tz;o て =-rotz;, 〇ou=uotz;) である.即ち,次の図式は可換:
a
p*
Hn(F;II) —• Hn+i( E ,F;II) • -Hn+l(B;I I )
’•
lG)ヱ打n+t」(B;
Q )
平方作用素と H*(II,
補題 4.7 [証明]
c=P*→。8
a-=炉op*)
Q )
Q )
a Hn+t(F;G}-->Hn+t+l(E,F;
G)
n ;Z 2 )
u1EH1(Z2,t ; Z2) について, U、2Elmu かつ u(u月 =O. 前半は,
II=G=Z2, n=t のときの (4.4) に関するスペクトル系列
品 =H*(Z2,
t+l; Z2)@H*(Z2,t ; Z2)=辺込 =Z2
において,次数の関係から,
r キ t+l かつ r B G f . • K(Z,3) ( 4 ) G —• c_!__ ( 5 ) K(Z,2) ―ぶ__!__.c
( 3 )
CG しま 3—連結)
Z ,2 ) > G ( 6 ) QC-->K( ( 7 )
!JGー QG— K(Z,2)
(.QC は 2ー連結)
( 8 ) K(Z,1)-------->!JG ー !JG これらは道のファイバー空間で与えられ,
(1) を除くとファイバーはすべて
閉道空間であるから,
( 5 . 3 ) '
(5.3) の (2) ~(8) は主ファイバー空間である.
以後, G はコンバクト 1 ー連結単純 Lie 群で,その(有理)型は
( 5 . 4 )
(3=2m げ 1,
2m 叶 1,
…, 2mけ 1),
であるとする.また, P は素数とする.
m1=I2mげ 2 であるから, を転入的にとり直すとき,
定理 5.8 によって,
X2m,+1
'r(X2m汁 1) =/=O となるのは m;=P かつて (X2,,;汁 1)=
U2p+2 のときのみで,この場合には x;m,+1 の代りに j*u2p+1 を使うことにすれば, H*(G; Zp)=A(j*u3, 工;m1+h …,ヰ,け1l®B* が次数 または B*=Z p [j*u2p+2JョA
dimG=I:2mげ 1 であるから,補題 5.6(1) によって, i=l
H*(G; Zp)=A(j*u3,x;m,+b …,x;m け1) がすべての次数で成り立つ.生成元の記号を書きかえて,定理がえられる. [y/=0 の場合]
同様に,次数 m1 ならば Z"[エ心 @A(x年 1) は除外してよいから, 上と同様である. p~ml の場合は,定理 5.8(1) を若干拡張する必要がある.即
ち, H*(G; Zp)=Zp[X2p]@A(x,.) の場合も考える.
定理 2.24 によって,
X 2 p
を転入的にとれる. -r(x叫 =0 ならば,/*(豆が =X2p となる元2p があるから,定 理 2.25 によって,
H*(G; Zp)=Imj*@Z;[砂]@A(年')の形になるが dimG
と合わない.従って,
•
U2p+1
r ( X 2 p )=/=O である.
0 でない係数を無視して,
-r((3叫 =u か 2 となるから,定理 2.25 によって, H*(G; Z,) は次
数 (x15)=x,2@x9+x げ®xs,
c { > ( x 2 1 l=xs"@x,1+x9"@x9
XmX 2 3 ,x 2 7 )
S q " x , s = X 2 3 , Sq'X2a=X21
c / > ( X 2 3 )=叩唸x11+x.2@x5
1 9 6
[証明]
第7 章
コ 1/ パクト Lie 群,例外群のコホモロジ一
補題 6.23 の生成元の外に X21=Sq4Xz3 とおく.
同型であることと定理 6.18 より, 核を考えると,
i* は Hopf 代数の準
ip(x 叫ー x/@x9 Iま i*®i* の核に入る.
i* の
「 ( x 1 5 )=x/@x9+ax げ®叩十 bx5@x げ (a, bEZ2) と書けるこ
とがわかる. Cartan 公式を使って, る (Sqぽ ,s)=x げ @x9+ax げ ®x.+bx9@x/
がえられる.
Sqぼ 15 は分解的でぶ心:5, X9 の多項式で書けるから,
は対称 ~l+a=b.
召 (Sq伝叫
b=l のときは x,s を x,5+x げX9 でおぎかえることにす
れば ¢(x15)=xげ ®x.+x げ®叩となる.これに Sqs, Sq4Sqs を施して,