Nihonjin No Shiranai Nihongo Episode 1 [PDF]

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日本人の知らない日本語 / Nihonjin no Shiranai Nihongo (2010) Episode 1



© Nihongo Script, Takashi Nakajima http://www.nihongoscript.com/ [email protected] Watch the Episode http://www.dramacrazy.net/japanese-drama/nihonjin-no-shiranai-nihongo-episode-1/



[バス / The Bus] (A foreigner listens to music.) ハルコ:



すいません。



ボブ:



What?



ハルコ:



耳、シャカシャカ。音、小さく。わかる?おばあちゃん、荷物重い、あな た立つ。おばあちゃん座る。いい?



ボブ:



No.



老婆:



いいわよ、いいわよ。



ハルコ:



おばあちゃんは黙っておいて。(to Bob) あの!



ボブ:



Excuse me! Please. I’m tired and I need a nap, OK? Ask these guys to give up their seats. Please, give me a break.



ハルコ:



英語でベラベラまくしたてたらビビって引き下がるとでも思ってん の!?なんか文句あるんだろうけど、 おばあちゃんに席を譲ってあげるな んて、どうってことないじゃない!てか、それが日本のルールってもんじ ゃないの!?あんたもさ、日本に来たなら日本のルール受け入れなさい よ!「郷に入っては郷に従え」よ!



ボブ:



ゴウ?



ハルコ:



郷は郷よ!(to the elder woman) おばあちゃん、座って。



(The people applaud.) [通り / The Street] ハルコ:



光文学院。よし!



(The foreigner is running and shouting.) ハルコ:



さっきの?ええっ!



[光文学院 / The Japanese Language School] 渋谷:



初日から遅刻か?ふざけた奴がいるもんだよ。



鹿取:



でもよかったです。



渋谷:



なにが?



鹿取:



新しい先生が来てくれるおかげで、他の先生方の負担が減りますから。



渋谷:



はあ、おまえ優しいよ。



鹿取:



ああ、そんな…。



渋谷:



優しいよ、カトリーヌ先生はよ!



鹿取:



カトリーヌじゃなくて鹿取です…。



渋谷:



優しい。



ハルコ:



来ないで!来ないでよ!



(The foreign man is running and shouting.) 渋谷:



廊下を走るな!



鹿取:



先生、鼻血。



渋谷:



えっ?



ハルコ:



ちょっと、ちょっと!警察、警察に電話して!来ないでよ!これ以上近づ いたら不法侵入で訴えるわ!



ボブ:



(to Takasu) おれ、遅刻かよ?



高鷲:



大丈夫だ、ボブ。教室に入れ。



ハルコ:



え、あ、日本語しゃべれんだ。



高鷲:



部外者は出てってくれ。不法侵入で訴えるぞ。



ハルコ:



いえいえ、教師、教師!もう、秋元先生に頼まれて来たんだって。ほら。 秋元先生は?



高鷲:



校長なら昨日入院した。



ハルコ:



はっ? 入院って来週じゃなかったの?



高鷲:



早まったんだ。



ハルコ:



え?



(The teachers come.) 渋谷:



あっ、いた!(to Haruko) なんなんだよ君は?



ハルコ:



いやいやいや、今日からこの予備校で働く…。



鹿取:



予備校?



高鷲:



ここは外国人に日本語を教える日本語学校だ。



ハルコ:



またまた、その真顔ね、超ウケますよ。どいてください。



(Haruko opens the door and sees the foreign students.) ハルコ:



えっ、ウソ…。



高鷲:



嘘じゃない。



ハルコ:



本当に?



高鷲:



本当だ。



ハルコ:



ええっ、日本語学校!?



鹿取:



カリスマ店員嘉納ハルコ…。



渋谷:



本当に予備校と勘違いしてきたの?



ハルコ:



いや、普通、先生をやってほしいって言われたら家庭教師とか、塾とか、 予備校じゃん?



渋谷:



じゃあ、日本語教師の経験は?



ハルコ:



いや、ゼロでしょ。



高鷲:



帰っていいぞ。



ハルコ:



ちょっ、待ってよ!



鹿取:



カリスマ店員なんですよね?



ハルコ:



「だった」よ!辞めてきたんだから。



高鷲:



教室に戻るぞ。



渋谷:



はい。



ハルコ:



今さら帰るわけにはいかないんだって!こっちにもいろいろ事情があん のよ。



高鷲:



どんな事情だ?



ハルコ:



え、それは…。ね…。とりあえず見せてみなさいよ!ん?なんだ、これ小 学生レベルじゃん。私ね、こう見えても高校の教員免許持ってるんで。



高鷲:



んなもんここでは何の役にも立ちません!



ハルコ:



授業見てから言ってくれます!?



ハルコ:



わたし、かのうはるこ。みんな、よろしくね。え?わたし、はるこ。せん せい。わかる?



ジャック:



わかってますんで、授業を進めてください。



ハルコ:



え?



高鷲:



全員簡単な日常会話はできる。



ハルコ:



ちっ、先に言ってよ。じゃあ、ものの数え方について質問のある人?先生 がなんでも教えてあげます。



ダイアナ:



ストローは?



ハルコ:



立って言って。



ダイアナ:



た。



ハルコ:



立って言って。



ダイアナ:



た。



ハルコ:



た?ああ、立ち上がって言ってください。



ダイアナ:



ストローは一個?



ハルコ:



ストローは一本って数えるの。細くて長いものは「本」って数えるのよ。



王:



はい!



ハルコ:



なに?



王:



じゃあ、ヘビも一本か?



ハルコ:



ヘビは一匹、生き物だからね。



王:



中国、長いものは全部「条」って数えるよ。川もヘビも。



ハルコ:



「条」…。かもしれないけど、日本人は、生き物かそうじゃないかで区別 するの。



ジャック:



犬は一匹ですが、象や馬は「一頭」と数えます。



ハルコ:



そう!他に大きさで数え方が変わるもの、知ってる人?



ダイアナ:



ブラジャー。



ハルコ:



ブラジャー?



ダイアナ:



A とか B とか。



ハルコ:



いや、それはサイズでしょ。



ルカ:



モビル・スーツは?



ハルコ:



モ、モビル…?



高鷲:



モビル・スーツは「一機」だ。



王:



じゃあ、人間も一機?



ハルコ:



いや、人間は一人、二人。だって、ものじゃないじゃん?



エレーン:



違う、人間は一匹です!ここに書いてあります。男一匹って。



ハルコ:



本当だ…。



王:



じゃあ、マグロも一匹?



高鷲:



マグロはその形によって数え方がある。海を泳いでる時は「一匹」 。だが 釣り上げると「一本」 。それを市場で切り分けると「一丁」になり、さら に切り分けられたものは一塊という意味で「一塊」 。それがスーパーでパ ック詰めされると短冊に似ていることから「一冊」 。そして人の口に入る ときは「一切れ」と数える。



生徒:



へー。



ハルコ:



へー。



ジャック:



知らなかったのですか?



ハルコ:



(to Takasu) あなたが余計なこと言うから…。出てってくれません?



高鷲:



どうなっても知らねえぞ。



ハルコ:



知らなくて結構です。(to the students) 他に質問ある人?



ポール:



マグロってどんな字だっけ?



ハルコ:



え、漢字ってこと?マグロ、マグロ…。あっ、ええっと、魚偏に有って 書いてマグロ。



金麗:



ブー、それ、チョウザメよ。



ハルコ:



マグロだって。



金麗:



中国では「チョウザメ」って意味だよ。



ハルコ:



チョウザメ?この字が?



王:



鮭っていう漢字も、中国では「フグ」っていう意味だよ。



ハルコ:



鮭がフグ?



ジャック:



日本と中国では、なぜ意味が違うのですか?



ハルコ:



いや、さあ…。



金麗:



漢字、中国のもの。日本人勝手に変えて、ずるい。



ハルコ:



私に文句言わないでよ。



金麗:



さっさと元に戻しなさいよ。



ハルコ:



なんでそうやって上から目線なわけ?



マリー:



殴りこみですか?



ハルコ:



殴りこみじゃありません。



王:



みんな、ハルコ、よくね。マグロもチョウザメもおいしいから。どっち でもいいね。



ジャック:



質問してもよろしいですか?



ハルコ:



は、はい。



ジャック:



お刺身を食べるときに使う、お醤油を入れる四角くて仕切りのあるお皿 の名前はなんですか?



ハルコ:



四角くて、仕切りのあるお皿…?いやあ、名前って言われても…。



ボブ:



なあ、こうやってラーメンを茹でるやつって、日本語でなんて言うんだ よ?



ハルコ:



ラーメンを茹でるやつ…。



ボブ:



持つところがひとつの大きい鍋は?2 つのもあるだろ?



ハルコ:



ええっと…。



ボブ:



縦長の鍋の名前は?四角い包丁は何て言うんだよ?



金麗:



ひょっとして知らないの?日本人なのに!



ジャック:



あなた教師ですよね?



生徒:



早く教えてよ。



ハルコ:



…。バカにしないでよ!



[病院 / The Hospital] 秋元:



ごめんなさいね。てっきり日本語学校だって言ったつもりだったんだけ ど。



ハルコ:



聞いてないよ。



秋元:



ねえ、しばらくうちで頑張ってみない?販売員の仕事辞めちゃったんで しょ?



ハルコ:



まあ…。



秋元:



約束は守るから。高校教師の仕事は必ず探してあげる。



ハルコ:



ほんとになれんのかな、私?



秋元:



採用試験一度落っこったぐらいで諦めちゃうんだ?



ハルコ:



諦めてはないけどさ…。



秋元:



だったら高校教師なるための勉強のつもりで頑張ってみない?



ハルコ:



いや、勉強って言ったって、相手は外国人だよ。



秋元:



あの時の子供たちと一緒よ。ほら、児童館であなたが先生になりたいと 思ったきっかけ。



子供:



ほんよんでくれてありがとう、せんせい。



ハルコ:



先生?私が…。



秋元:



日本語教師ってねえ、ただ日本語を教えればいいってもんじゃないのよ。 生徒のサポーターにならなきゃいけないの。



ハルコ:



サポーター?



(A nurse comes.) 看護婦:



秋元さん、お熱測りましょうか?



秋元:



はい。



ハルコ:



じゃあ。



秋元:



あ、嘉納さん、ね、ご飯でも食べてもう一度考えてみて。



[ラーメン屋 / The Ramen Restaurant] (Haruko enters.) ボブ:



いらっしゃいませ。



ハルコ:



あっ…。ラーメンひとつ。



ボブ:



ラーメン一丁。



店長:



はいよ!



渋谷:



あっ、カリスマ!



ハルコ + 渋谷: なんでここに? 高鷲:



ハモるな、バカたち!



ハルコ:



何してんすか?



高鷲:



「何をされてるんですか、高鷲先生?」



ハルコ:



何をされてるんですか、高鷲先生?ああっ、これ!いやいや、持ちすぎ です。



渋谷:



全部生徒がくれたんだよ。



ハルコ:



日本語教師って、お給料安いんですね?



高鷲:



カリスマやってた方がいいかもな。



店長:



ボブ、てぼ持ってこい、早く持ってこいよ。てぼだよ、てぼ。



ボブ:



てぼ?



店長:



いつになったら日本語覚えんだよ?一生どんぶり洗っとけ、バカ。



ハルコ:



あんな怒鳴らなくてもいいのに。



高鷲:



優しい人だ。



ハルコ:



どこがよ!?



高鷲:



日本語が不自由で、しかもアルバイトする時間が限られてるボブを雇っ てくれてるんだぞ。



渋谷:



留学生が働いていいのは 1 週間で 28 時間まで。 法律で決められてるんだ。 しかも、ギャンブルや水商売は絶対に禁止。それを破ったら最悪、強制送 還。



ハルコ:



強制送還!?



渋谷:



おかしいと思だろ?そりゃあ勉強が第一だってのはわかるけどさ、いく らなんでもひどすぎますよ。それは!



高鷲:



おれに言うなよ。



ボブ:



お待たせいたしました。



(Bob serves the Ramen.) 高鷲:



ボブ、ボブ、ボブ。



ボブ:



はい?



高鷲:



あそこの麺を茹でるやつが「てぼ」だ。



ボブ:



ああ。



高鷲:



てぼ。



ハルコ:



あれがてぼか…。ちょっ、は?



高鷲:



ああいう、教科書には載ってないけど、生活には必要な言葉をなんとい うか知ってるか?



ハルコ:



いや、ちょっと。



高鷲:



サバイバルだ!



ハルコ:



サバイバル?



渋谷:



生徒にとって慣れない日本での生活はまさにサバイバルってことなんだ よ。



高鷲:



わかったか?生徒はお前を馬鹿にしたわけじゃないんだ。必要にせまら れて質問しただけだ。食ってくためにな。



店長:



まだ汚れてんだろうが!よくすすげよ!だから駄目なんだよ、外国人 は!面倒くさがるわ、大ざっぱだわ。ったく。突っ立ってねえで洗いなお せよ、バカ!



ハルコ:



ちょっと!



高鷲:



やめろ!



ハルコ:



だって。



高鷲:



余計なことしてボブがクビになったら責任取れんのかよ?



ハルコ:



はあ!?



渋谷:



悔しいんだろうけどさ、 「郷に入ったら郷に従えって」ことだよ。



高鷲:



どうも、ごちそうさまでした。



店長:



へーい。



ハルコ:



あ、ちょっと、お金。



高鷲:



日本で夢をかなえようと努力している生徒を邪魔するなら、学校へはも う来るな!行くぞ、渋谷。



渋谷:



あ、はい。



ハルコ:



は?



渋谷:



あ、大丈夫、大丈夫。お釣りはいいよ。ごちそうさま。



(Takasu and Shibuya leave.) ハルコ:



あ、これ…。お釣りって…。



[光文学院 / The Japanese Language School]



(Katori admires Shibuya’s photo.) ハルコ:



この本借りてくよ。



鹿取:



えっ、い、今の見てました!?



ハルコ:



ああ、何を?



鹿取:



ああ、なんでもないです。学校の本は持ち出し禁止です。



ハルコ:



じゃあ、黙っといてよ。



鹿取:



規則ですからそういうわけには。



ハルコ:



私(わたし)も黙(だま)っとくからさ。じゃあね。



鹿取:



…。あ、あの、なんでそんなに本を?



ハルコ:



これ?リベンジ。



[教室 / The Classroom] 渋谷:



集団失踪か!?



高鷲:



バカ、生徒が失踪なんてするか!



渋谷:



けど、全員遅刻なんてありえませんよ。ああ、どうするんですよ、こん なこと教育機関に知れたら…。



高鷲:



どうした?



鹿取:



何も知りません!



高鷲:



ん?



鹿取:



別に、脅されたわけじゃ…。



[寿司屋 / The Sushi Restaurant] (The students buzz.) ハルコ:



はいはいはい!注目!昨日、中国と日本じゃ漢字の意味が違うという話が あったよね?



金麗:



なんでチョウザメがマグロなのよ。



ハルコ:



それはね、簡単に言うと勘違いだったの。



金麗:



勘違い?



ハルコ:



昔中国から日本に漢字が入り始めた頃ね…。



日本人 B:



なあ、この魚なんだと思う?



日本人 A:



え、見たことないな。でも、描写からして、かなりでかい。



日本人 B:



でかくて、珍重される魚っていったら…。



日本人 A + B: マグロ!! 日本人 A:



マグロか…。



日本人 B:



マグロ…。



金麗:



超適当!



ハルコ:



はっ、そんな文句ばっかり言うなら、大昔に行ってきたら?だから、文句 言っても始まんないの。それよりね、これ。これの名前を知りたがってた 人は…?



ジャック:



はい、ジャックです。



ハルコ:



ジャックね、この四角い醤油を入れるお皿は薬味と醤油を入れるから「薬 味醤油皿」っていいます。



ジャック:



そのまんまですか?



ハルコ:



でもね、このよく使うお皿の方が、面白いよ。これは専門用語で「むらち ょこ」っていうの。



ジャック:



むらちょこ?



ハルコ:



「むらさきを入れるおちょこ」を略して「むらちょこ」 。むらさきはお醤 油のことで、ちょこはこれ。



ダイアナ + ルカ:へー。 ポール:



すげえじゃん。



エレーン:



はい!お茶は「あがり」です!



ハルコ:



よく知ってるね。でもね、惜しい。詳しく言うと、 「あがり」は食事の後 飲むお茶で、食事中に飲むお茶は「出花」 。



エレーン:



出花?



王:



じゃあ、食事しないで飲むお茶は?



ハルコ:



それはただの冷やかしじゃん。



(The students laugh.) [通り / The Street] 渋谷:



あっ、ここです!



高鷲:



え?



渋谷:



ここ。



[寿司屋 / The Sushi Restaurant]



(Takasu and Shibuya come in.) 渋谷:



あの、すいません。うちの生徒たち…。



店主:



ハルコちゃんに頼まれちゃってな。



渋谷:



え?



店主:



奥。



渋谷:



奥?



店主:



厨房。



高鷲:



失礼します。



生徒:



いらっしゃいませ!



高鷲:



何やってんだ、お前ら!



渋谷:



あっ、カリスマ!



ハルコ:



いらっしゃーい。



ボブ:



なあ、これどっちだよ?



ハルコ:



持ち手が一つの方が北京鍋で、二つの方が広東(かんとん)鍋。



マリー:



パルコ、これは?



ハルコ:



ハルコだって。これは「寸胴」 。



マリー:



寸胴?



ハルコ:



人間もウエストがくびれてないことを寸胴体型っていうのよ。



ダイアナ:



寸胴ですね。



王:



ありがとうございます。



ハルコ:



お礼言ってどうすんのよ。



高鷲:



ちょっと来い!



ハルコ:



なによ!



高鷲:



お前な、道具の名前教えんなら教室でやればいいだろ。



ハルコ:



言葉だけ教えたって身に付かないでしょ!みんな慣れない日本で生活し てるんでしょ?生きてるんでしょ?サバイバルなんでしょ?



渋谷:



それでわざわざ?



ハルコ:



任せてよ。人の扱いには慣れてるんで。こう見えてもカリスマなんで。



ボブ:



なあ、この中華包丁よく切れるな。



ハルコ:



おおざっぱだな。親方、お手本見せてあげて。



(The shelf cut the cucumber quickly.) (The students shout.) ボブ:



なあ、そろそろ寿司食わせろよ。



ハルコ:



その前に、ちょっとこっち来て。



ボブ:



なんだよ?



ハルコ:



はい、洗って。



ボブ:



やだよ。



ハルコ:



だから外国人は嫌だって言われるんだよ。はい。ほら、もっと力入れて。 ちゃんと洗ったらすぐ濯ぐ。



ボブ:



ぐす?ぐすぐす?



ハルコ:



すぐ濯ぐ。



生徒:



すぐ濯ぐ。



ハルコ:



隅々まで、すぐ濯ぐ。



生徒:



隅々まで、すぐ濯ぐ。



ハルコ:



はい、これが終わったらね、みんなお待ちかねのお寿司だよ。ボブ、頑張 ってね。



ボブ:



おう!



高鷲:



お前、なにウルウルしてるんだよ。



渋谷:



こういうことなんすね。



高鷲:



どういうこと?



[ラーメン屋 / The Ramen Restaurant] 店長:



ボブ!やればできんじゃねえか。おい、鍋持ってこい。



ボブ:



北京と広東、どっちですか、大将?



店長:



おまえ、包丁使えるか?



ボブ:



中華包丁なら、少しやった。



店長:



今日から作る方やってみろ。



ボブ:



はい、がんばろうな。



店長:



ばか。タメ口きくなよ。



ハルコ:



よかったじゃん。



ボブ:



ありがとうございました、先生。



ハルコ:



先生…。



ボブ:



でもさ、そのファッションは先生っぽくねえよ。



ハルコ:



は?うそ?



ボブ:



郷に入ったら郷に従えだよ。



ハルコ:



その意味わかって言ってんの?



[光文学院 / The Japanese Language School] ハルコ:



おはようございます。どう?先生っぽくシックにきめてみたんだけど。



鹿取:



どのへんがシック?



渋谷:



いや、いいよ。カッコイイよ、ハルコ先生。



鹿取:



え?



高鷲:



やる気のない奴は帰れ。



ハルコ:



やる気があるから来たんじゃない。



渋谷:



そうですよ、高鷲先生。先生も見たでしょ、昨日。



高鷲:



こいつはな、3 ヶ月で辞めるんだぞ。



渋谷:



え?



高鷲:



ここで 3 ヶ月我慢したら、高校教師になれるんだろ?だから来たんだよ な?おれたちはな、生徒を無事に卒業させなきゃいけないっていう責任が あるんだ。腰掛のお前とは違うんだよ。



ハルコ:



誰が腰掛よ!?



高鷲:



だったら責任取ってみろ!



ハルコ:



やってやろうじゃないの!



高鷲:



高校教師の職をかけて!



ハルコ:



は?



鹿取:



高鷲先生!



高鷲:



冗談だよ。誰もこんなペーペーに責任取れるなんて思ってないよ。口ば っかり達者なカリスマ店員だもんな?



ハルコ:



責任取ってやろうじゃないの!



渋谷:



ハルコ先生。



ハルコ:



いいわよ。クラス全員を卒業させられなかったら、高校教師諦めますん



で! 高鷲:



無理すんな。



ハルコ:



無理じゃないわよ!約束よ。



鹿取:



あのう、うちの学校に卒業試験があることは…?



ハルコ:



は、卒業試験?



渋谷:



クラス全員を卒業させることはおれたちにも難しいんだよ。



ハルコ:



え?



高鷲:



言い忘れていたが、その試験を作るのはこのおれだ。ついでに言ってお くが手を抜かないのがわしのポリシーじゃ!約束だからな、カリスマ先 生!



ハルコ:…。



The End



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