Lie群と Lie環
 9784000106474, 4000106473, 9784000110075, 4000110071 [PDF]

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Lie群と Lie環 9784000106474, 4000106473, 9784000110075, 4000110071 [PDF]

本書の目的は、初学者を対象に、Lie群・Lie環やその表現論の基本的な考え方と手法を伝えることである。初刷出版後に見つかったいくつかの誤りのみを2刷で修正した。

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岩波講座現代数学の基礎



L i e群と L i e環 1 小林俊行・大島利雄著



岩波書店



v



まえカミき



本書の目的は,初学者を対象に, L i e群・ L i e環やその表現論の基本的な考 え方と手法を伝えることである. i e理論の創始者である SophusL i eの没後 本書が出版される 1999年は, L .L i eの後を承けた ζ の 1 0 0年間,すなわち 2 0世紀全般 1 0 0年目にあたる. S i e群・ L i e環やその表現論比関数解析,徴分方程式,保型形 にわたって, L



式,徴分幾何,代数幾何,



トポロジー,組合せ論,数理物理学などと結びつ



いて相互に発展し,現代数学の多くの分野を結びつける重要な鍵になってい る.本書は,専門家を目指す学生だけでなく,とのように広範な分野にわた る読者を想定して書かれた行列群の具体例を多く用い,できるだけ少ない 予備知識で重要な結果や本質的なアイディアに到達できるように,様々な新 しい工夫を試みた. e群”とは,現代風にいえば\多様体の構造をもっ群 本書の題目にあるもi である.例えば, Euclid 空間 ~n は加法群とみると Lie 群となる.また,一



般線型群 GL(n ,~)〆や直交群 0 (η)も Lie 群の例である. L i e群を局所的に考



えた代数構造が L i e環である. L i e群・ L i e環に関する研究を大きく 2つに分けると, 1つは“内部”の研



究,すなわち, L i e群や L i e環あるいは等質空間自身の構造や性質の研究で あり,もう 1つは“外部”の研究,すなわち,作用の研究(変換群論),特に ベクトル空間への線型な変換の研究(表現論)である. もちろん,これらは表 裏一体となって発展してきたのである.~ さて,数学の他の分野と L i e群や L i e環が結びつくのは,その“表現”を通 i e群や L i e環の“内部”に相当す してという場合が多い.従(って本書では, L i e理論と同時に,“外部”に相当する表現論を重視して執筆した.特に, るL



いまのととろ適当な入門書がない B o r e lWeil理論やユニタリ表現論などの



vi一一一ーまえがき



基礎的な考え方も紹介した 本書は,辞典としてではなく,読み通すととを前提に書かれている.初学



3章まであせらずにじっくりと通読するのが好ましい 者は,第 1章から第 1 が,興味に応じて,いくつかの章を抜き出して読むことも可能である.例え ば以下は,それぞれほぼ 1学期の講義の分量に相当する内容であろう.



• 1→( 2)→ 3→ 4



コンパクト群の Peter-Wey Iの定理



, 3)→ 5→ 6→ 7 ・ (1



L i e群 , L i e環,等質空間



・ (3 , 4 , 6 , 7)→ 8→ 9



古典群の有限次元表現論



•( 5)→ 6→ 1 0



多様体やファイパ一束への群作用



• 2→ 1 0→ 1 1



Fourier 解析とり(n ,~)の既約ユニタリ表現



・8→ 1 0→ 1 2→ 1 3



B o r e lW e i l理論



本書では,本講座の多くの分冊が何らかの形で引用されている.とれは, 本書を読むために多くの予備知識が必要であるという意味ではなく,より広 い視野で L i e群論や表現論を理解しようという動機になってほしいという希 望からである.



,6章を 本書の執筆は,第 1章から第 4章までと第 2分冊を小林が,第 5 大島が担当したまた,青本和~,飯田正敏,岡田聡ー,落合啓之,示野信



一,杉浦光夫,関口英子,谷口健二西山享,橋本義武,山本敦子の諸先生 方(五十音!||買)は,原稿の一部あるいは全部に目を通して貴重など意見をくだ さった. これら多くの方々の力でとの本はできたのであり,との場を借りて 厚くわ礼を申し上げます. 最後に,本書の出版に際し,多大な励ましとど助力をいただいた岩波書店 編集部の方々に心から感謝を述べたいと思います.



1 9 9 9年 2月 小林俊行・大島利雄 付記.初刷出版後に見つかったいくつかの誤りのみを 2刷で修正した誤りを ご指摘くださった有川英寿,土居正明,野崎亮太,真野元,吉野太郎の各氏に 感謝します.



V J . J .



理論の概要と目標 野山に咲く花の形や天然に産する鉱物の美しい結品には対称性を備えてい るものが多い.そもそも,対称性とは何だろうか? 1つの図形を動かして,もとの図形とぴったり重ね合わせられれば,その



図形にある種の対称性を感じる.例えば,正方形を重心のまわりに 9 0度回 転させると,もとの正方形にぴったり重なる. とれは正方形の対称性を表し ている.ぴったり重ね合わせる動かし方は,もとの図形の自己同型を与える 変換である. このような変換の合成は,再び変換を与える. もとの図形を忘 れて,変換の合成法則だけを抽象したのが群の概念である.例えば,正方形 を9 0度回転させるという変換 T を 4回繰り返すと,恒等写像になる.従っ て , T で生成される群は有限巡回群 z I 4 ' 1 lである.正方形と正六角形の対称 性の違いは,変換群の群構造に現れている. もっと対称性が高い図形を考えてみよう.例えば,円板は重心のまわりに 任意の角度の回転をさせてもぴったり重なる.従って,連続なパラメータを もっ(円板の)変換の族が定義できる.さらに c o o級に回転させることもでき る . とれを正確に定式化すると,位相群や L i e群やその作用という概念に到 達する.大まかにいうと,位相群は「連続性」が定義できる群であり, L i e 群は「微分」が定義できる群である. さて,線型変換は最も簡単な変換である.群がベクトル空聞に線型変換と して作用しているとき,その作用を表現という.従って,表現は最も簡単な 作用といえる.逆に,群 Gの空間 X への作用を与えたとき, X 上の関数空



i e群を理 間を考えることにより群 G の表現が得られる.そこで,位相群や L 解する上で,その内在的な構造論と同時に,変換群としての作用や表現論を 展開することが重要である.



i e群や L i e環に 第 1分冊の主テーマは,「位相群とその表現論」および「 L



viii一一一理論の概要と目標



関する一般論」の 2つである. e t e rWeyl 第 1章から第 4章までは,位相群とその表現論を主題とし, P







の定理を 1つの頂点として組み立てられる. 乙の定理は,



トーラス群 T に対



する古典的な F o u r i e r級数論を,可換とは限らないコンパクト群 G に拡張し た結果である.そとてう第 2章では, F o u r i e r級数と F o u r i e r変換を,まず古 典的な解析の立場で簡単に紹介する.次に,表現論的な解釈として,調和振 動子 eA~t は可換群 T および R の既約ユニタリ表現であり,可換群 T や R



のユニタリ表現 L 2 ( 1 ')や L 2 ( J R)の既約分解が F o u r i e r級数(変換)によって与 えられるということに注目する.特に,調和振動子 { e v = I n t:ηεZ}の完備 と T の既約ユニタリ表現の分類(定理 2.3)が表裏一体となって 性(定理 2.4) e t e rWeylの定理の柱になる. いることが,第 4章で述べる P



R nの変換群としてアフアイン変換群 GL(n,IR)~く IR”を考えると, 次に, ] L 2 ( I R n)は既約ユニタリ表現になる さらに一般に, I R ncGcGL(n,I R )1 > < 1 R n となる群 G のユニタリ表現 L 2 ( J R n)の既約性が「群の作用のエルゴード性」 .2 ) . この判定条件は, Hardy空 という幾何的な条件によって判定される(§ 2



聞が定義できる根拠を与え,また, G L ( n , I R)の無限次元既約ユニタリ表現 論(第 1 1章)の準備としての役割も担う. さて,



o u r i e r級数論を可換とは限らないコンパク トーラス群 T における F



ト群 G に一般化するには, (i) 調和振動子 ev=T~t に対応する「良い関数」を群 G 上定義する



(i i ) Lebesgue積分に対応する「積分」の概念を群 G 上で定義する i)に対応するのは既 という 2点が必要になる. とれが第 3章の主題となる. (



約表現の行列成分であり,( i)に対応するのは Haar測度である. さて,変換群に関して積分するという概念比独楽(コマ)に絵を描いて回 転させたときに平均された色模様を想像すればわかりやすいだろう. しかし, 初学者にとっては,群上の積分の数学的なイメージがつかみにくいかもしれ ない.そこで,第 3章では, Haar測度の種々の具体例を通して群上の積分 に慣れることに重点をおき,その後, Schurの直交関係式(§ 3 .3)や指標の基 本的性質(§ 3 .4)など,行列要素と不変積分に関わる基本定理を解説する.な



理論の概要と目標



ix



% : > ' ,L i e群やその等質空聞に対する不変積分は,徴分形式を用いて具体的に .4 ) . 定義することができるは 6



第 4章では, P e t e rWeylの定理をいくつかの側面から掘り下げて解説す る.具体的には,正則表現 L2(G)の既約分解,行列要素による連続関数の一 様近似定理ヲー L2−ノルムに関する P a r s e v a lP l a n c h e r e l型の定理, F o u r i e r変 換と逆 F o u r i e r変換に対応する写像の明示公式,*ー環としての代数構造など e t e rWeylの定理を用いて,「コンパクト群が L i e群の構 である.さらに, P



L ( n , I R )の部分群として実現できる乙 造をもつための必要十分条件はそれが G e t e rWeylの定理は S t o n e W e i e r s t r a s s とである」という定理を証明する. P



の定理を使う方法(§ 4 .2)とコンパクト作用素を用いる方法(§ 4 .3) の 2種類 の証明法を解説する.いずれも解析学の長い歴史の中で育まれてきた重要な 考え方が多く盛り込まれている. i e群の一般論を展開する. L i e群の導入の仕方は大きく分 第 5章では, L



けて 2通りある. 1つは,



c w級の群j寅算が定義された c w多様体として Lie _



群を定義する導入法( §1 .4)である. もう 1つは一般線型群 G L ( n , I R )の部分 群あるいはそれと局所同型な位相群を L i e群の定義とする導入法(§ 5 .1)であ i e群を内在的にとらえ,後者は L i e群を ( I R nの)変換群としてと る.前者は L



らえた考え方である.第 5章では後者の定義から出発し,最終的に前者の定 義に一致することを証明する.その根幹は,「 G L ( n , I R )の閉部分群は



c wー部



分多様体の構造をもっ」という vonNeumannの定理と「有限次元の L i e環 i e群の多 は忠実な表現をもっ J という Ado岩揮の定理である. とのとき, L



様体としての座標は行列の指数写像で定義される. L i e群 G を多様体とみたとき,単位元の接空間 g:=TeGには L i e群の積



構造を反映するブラケット積[ 'l ii~ 定義される.ブラケット積は, Jacobi 律を満たす歪対称双線型写像['



: lg×g→ gであり,



gを L i e群 G の L i e環



という(§ 5 .3 ) . G= GL( η, I R)ならば g竺 M(nぅI R)であり,ブラケット積は [X,Y]=XY-YXで与えられる.連結 L i e群 G が複素 L i e群の構造をもっ



必要十分条件は, L i e環 gが複素 L i e環であることである(§ 6 .2 ) . i e環で一意的に決定されるというのが L i e理論 L i e群の局所的な構造は L



x



理論の概要と目標



である. L i e理論によって, L i e群という幾何的な対象を L i e環という代数的 な対象を通して研究することができる.



i e群の大域的な構造も L i e環によってかなり統制するととができ 一方, L る連結なL i e群の普遍被覆空聞は自然に L i e群の構造をもち,しかも両者 のL i e環は同型である.同型な L i e環をもっ連結 L i e群は,単連結な L i e群



. 1 ) . の中心部分群によって分類できる(§ 6 任意の連結 L i e群は,それに含まれている極大なコンパクト部分群とホ モトピ一同値である. §5 .5では,この定理を簡約 L i e群(例えば GL(n,C)) の場合に Carもan分解を用いて証明する.次に,コンパクト L i e群の構造は, 極大トーラスと呼ばれる可換部分群を用いて調べることができる.「任意のユ ニタリ行列は対角化可能で、ある」という線型代数のよく知られた結果は,「連 結コンパクト L i e群の任意の元は極大トーラスの元と共役である」という定 理に拡張される(§ 6 .5).コンパクト単純 L i e群の普遍被覆がコンパクトであ るという Weylの定理は,極大トーラスの性質と SU(2)の埋め込みを用いた 手法で証明される(§ 1 0 .5では L i e群の deRhamコホモロジー群を用いた別 証明も与える).また,極大トーラスは Weyl群と共にコンパクト L i e群の表 現論で重要な役割を果たす(第 8ぅ 9章 ) . 第 6章のもう 1つの主題は等質空間である. L i e群 G が多様体 X に推移 的に作用しているとき, Gのある閉部分群 H による右剰余類の集合 G/H (等質空間)と X との聞に全単射対応が存在する.等質空間 G/Hには L i e環



i e群 の指数写像を用いて多様体の構造を定義するととができる.そして, L の 2種類の定義が同等であったのと同じように, G/Hに(内在的に)定義さ れた多様体の構造と ( Gが変換群として作用している )X の多様体の構造が 一致する. この定理は,第 2分冊て守は同変ファイパ一束に対して拡張され



§ (1 0 .3 ) ,L i e群の様々な表現の構成に用いられる.



岩波講座現代数学の基礎



L i e群と L i e環 2 小林俊行著



岩波書店



v



理論の概要と目標 物質をどんどん細かく見ると,分子や原子(あるいは素粒子)になる (i) L i e環において原子にあたるのは,単純 L i e環と Rである.



1である. ( i i ) L i e群において原子にあたるのは,単純 L i e群と R と 3 ( i i i ) L i e群の作用において原子にあたるのは,等質空間である. ( i v ) 表現で原子にあたるのは,既約表現である. そこで,単純 L i e群(環),その既約表現,等質空間上における既約表現の 幾何的実現を第 2分冊のテーマとする. これらは, L i e群論, L i e環論,その 表現論で最も基本的な対象である. それでは,本分冊の主な構成を述べよう.



単純 Lie群 ( i)のイデアルとなる列 任意の有限次元 L i e環 g に対し, g(i+1)が g



f J= g ( O ) コ g(l)つ…コ gCm)= { O }



を選んで, g C i )I g < i+1)が単純 L i e環あるいは R となるようにできる.そこで, 「単純 Lie 環がどのくらい存在するか? J という問題に直面する.実は,(~



上の)単純 L i e環は有限個( 22個)の例外型 L i e環を除くと,それぞれが無限 個の単純 L i e環からなる古典型の 1 0系列 s[(n,~), sp(n ,~),



s が (2 n ) ,s o ( ホ2 n ) ,s o ( p ,q ) ,s u ( p ,q ) ,s p ( p ,q ) ,



s [ ( n ,< C ) ,s o ( n ,< C ) ,s p ( n ,< C ) に分類される( E.C a r t a n ,1 9 1 4 ) . §7 . 1では,これらの L i e環をもっ古典群 を行列群として具体的に与える.そ ζ では,古典群を単に羅列するのではな , く 4つの観点からそれぞれの解説を加え,古典群の理解が深められるよう l i f f o r d代数を用 に試みたまた, SO(n)の三重被覆群であるスピノル群は C



.2 ) . いて構成される(§ 7



vi



理論の概要と目標



有限次元既約表現の分類 P e t e rWeylの定理(第 4章)より,コンパクト群の任意の既約ユニタリ表



現は有限次元である.それでは,有限次元既約表現はどのくらい存在するの であろうか?



i e群の有限次元既約 第 8章と第 9章の主題は,コンパクト L



表現の同値類を分類する



ζ



と ( CartanWeylの最高ウェイト理論)である.



第 8章では,最小限の予備知識でユニタリ群 U(n)の有限次元既約表現を η) のP e t e r 分類し,その指標や次元公式も具体的に求める.本書では, U(



e t e rWeylの定理( F o u r i e r級数論)を Weylの定理と n次元トーラス F の P a r t a r トW eylの最高ウェイト理論を 比較するという解析的な手法を用いて C η)と可換群 1 [ ' nの橋渡しとなるのが W eylの積分公式 証明する.非可換群 U(



であり?積分公式における密度関数が対称式と交代式を結びつけるというの が証明のからくりである. 乙の証明法を一般化することによって,第 9章では,コンパクトな古典 L i e群の有限次元既約表現を分類する.その過程で,コンパクト L i e群の極大



トーラス, Weyl群,ルート系などを具体的な計算とともに解説する. U(n) に対する見事な計算が,一般のコンパクト L i e群における美しい理論に昇華 してゆく場面を十分に鑑賞してほしい. 同変ファイパ一束とその切断 i e群が変換群として作用しているファイパ一束であ 同変ファイパ一束は L i e群の表現論の初学者にとって,その幾何的 り,基礎的な概念であるが, L



なイメージがわかりづらい ζ とが多いように思われる. 0章では,「切断を理解する」ことに視点をおいて,同変ファイ そとで第 1



バ一束を初等的なレベルから解説する.特に,等質空間上の同変ファイパ一 束の不変元を解釈するととによって,等質空間上の不変測度(§ 6 .4)や不変 Riemann計量の存在に関する判定条件を与え,また,等質空間や L i e群のコ i e群の基本群が有限 ホモロジ一群の計算を行い,さらに,コンパクト単純 L .5)の別証明を与える(§ 1 0 .5 ) . 群であるという Weylの定理(§ 6



理論の概要と目標一一一 vii



誘導表現による無限次元表現の構成 コンパクトではない L i e群の既約ユニタリ表現は,有限次元とは限らない. 無限次元のユニタリ表現をどのように構成すればよいのであろうか?



その



1つの解答は誘導表現による構成法である.大まかにいうと,誘導表現とは 「小さな群の表現から大きな群の表現を構成する」という操作(函手)である. 1章のテーマは,等質空間上の同変ファイバ一束を用いて誘導表現を構 第1



成し,誘導表現に関わる重要な事項を典型例を通して学ぶととである. さて,誘導表現の既約分解と表現の制限の既約分解(分岐則)はいずれも 表現論の基本課題である.コンパクト群の場合には「両者は表裏一体の概念 r o b e n i u sの相互律が成り立つ(§ 1 1 . 1).その応用例として, である」という F



L 2 ( S 2 )= £2(80(3)/S0(2))の既約分解を計算する.この結果は古典的な球 面調和関数の表現論的な解釈にもなっている. 誘導表現は既約ユニタリ表現を生み出す泉でもある. GL (η,~)などの簡 約L i e群のかなり多くの既約ユニタリ表現が L 2−誘導表現によって構成でき 1 .2 では, GL(n ,~) のあるユニタリ表現の既 る(ユニタリ主系列表現). §1



約性と,群の作用のエルゴード牲という幾何的な条件の関連を調べる. Weylのユニタリ・トリック CartanWeylの理論は第 9章では解析的手法で証明したが, L i e環の最高



ウェイト表現として代数的な手法で証明することもできる.また,コンパク トな複素多様体上の正則な直線束の正則切断の空聞に,既約表現を幾何的 o r e lWeil理論).有限次元表現論における,解 に構成することもできる( B



析的な手法,代数的な手法,幾何的な手法の三者を結びつけるのが Weylの ユニタリ・トリックである.その手法は正則関数の一致の定理と解析接続 2章では, に基づく初等的なものであり,その結果はかなり有用である 第 1 L i e群の表現論における「複素化と実形」の関係を系統的に扱う.さらに等 l i f f o r dK l e i n形にも Weylのユ 質空間やその離散群による商多様体である C 2 .3).例えば,特性類に関する ニタリ・トリックを自然な形で拡張する(§ 1 H i r z e b r u c hの比例性原理が Weylのユニタリ・トリックによって一般化され



札口一←一理論の概要と目標



る .



Borel Weil理論



第1 3章の主題は, B o r e lW e i l理論をできるだけ初等的に解説するととで o r e l W e i l理論は一言て守いうと,複素多様体上て守既約表現の幾何的実 ある. B



現を与える定理である.具体的には,コンパクト L i e群の代表としてユニタ リ群 G=U(n)を取り上げ,群 G の旗多様体や広義の旗多様体の上の正則ベ クトノレ束の正則切断の空間がいつ Oになるかを判定し,さらに Oにならない 場合には群 G の既約表現を定めているとと,逆に任意の有限次元既約表現は B o r e lWeil理論によって構成できることなどを証明する. との結果と証明方 i e群に拡張することができる.そと 法は,ほほ、そのままの形でコンパクト L o r e l W e i l理論は,最近 で本章では一般論を意識した記号の使い方をした B i e群の既約ユニタリ表現の構成へと一般化されている. では非コンパクトな L



Xl







ヅ 、 h\



まえがき



−・・.....



v



−・..



v i i



理論の概要と目標



第 l章



位相群の表現



§1 .1 位 相 群 ・ ・ (a) 位 相 群 ・ ( b ) 位相群の置積,半直積,商群



§ 1 .2 位相群の表現・・.. ( a ) ( b ) ( c ) ( d ) ( e ) (f ) ( g ) ( h ) (i )



群の表現をなぜ考えるか 表現の定義・



G−線型写像・ 部分表現,既約表現 位相群の連続表現 ユニタリ表現・ ユニタリ表現の直和 無限次元表現の位相について Schurの補題 (j) 既約分解,重複度−



§1 .3 種々の表現を構成する操作・ ( a ) ベクトル空間の操作 ( b ) 線型作用素の操作 ( c ) 群の表現の操作・ ( d ) ユニタリ表現の操作 ( e ) 表現の外部テンソル積 (f ) ユニタリ表現と反傾表現,共役表現



§1 .4 Hilbertの第 5問 題 ( a )



]RNの閉集合と位相群



1 1 1 4 9 9 10



12 13 16 17 2 1 22 25 28 32 32 33 35 36 38 39 40 4 1



xii一 一一一目







( b ) H i l b e r tの第 5問題と vonNeumannによる定式化 ( c ) e r_多様体と e r_構造・・・・ ( d ) H i l b e r tの第 5問題の肯定的解決 2







4 1 42 44



市 甘



45



演習問題



46



第 2章 Fourier解 析 と 表 現 論 ・



47



§2 .1 Fourier級 数 ・・.... ( a ) トーラス上の調和解析 ( b ) 表現論から見た F o u r i e r級数論・ §2 .2 Fourier変換とアファイン変換群



48 48 52 53



( ,



( a ) F o u r i e r変換 ・. . ” . ‘.・ ‘・ ・・. ( b ) アファイン変換群と F o u r i e r変換・ ( c ) エルゴード性と既約性 要



54 57 62







6 4



演習問題



64



第 3章 行 列 要 素 と 不 変 測 度 §3 .1 行列要素・・ ( a ) 表現の行列要素 ( b)正則表現・ ( c ) ユニタリ表現の行列要素 §3 .2 群上の不変測度・・・ ( a ) 群上の不変測度・ ( b ) ( c ) ( d ) ( 巴 ) (f )



Haar測度とモジ、ユラ一関数・ 様々な群の不変測度の例 行列群の不変測度 群の不変元・ ユニタリ化・



67 68 69 7 0 7 3 7 4 7 5 7 8 82 86 89 92



§3 .3 Schurの直交関係式



94



( a ) 行列要素の直交関係・



94



目 ( ーb) 行列要素と環準同型



§3 .4 指 ( a ) ( b ) ( c ) ( d )



標・







xiii



98 102



指標の定義と基本的性質 コンパクト群の指標



102



直積群の表現・ 直積群の有限次元既約表現



109



高 句



113



演習問題



i14







第 4章 Peter-Weylの定理 §4 .1 Peter-Weylの定理



105 112



117 118



( a ) Peter-Weylの定理



118



( b ) ( c ) ( d ) ( e )



1 2 1



主定理の証明の方針 P a r s e v a lP l a n c h e r e lの公式 類関数・ F o u r i e r級数論と Peter-Wey!の定理



(f ) コンパクト L i e群の特徴づけ ( g ) 指標による直交射影



§4 .2 Peter Weylの定理の証明 (その 1: S t o n e W e i e r s t r a s sの定理を用いる方法) ( a ) S t o n eW e i e r s t r a s sの定理・ ( b ) 行列要素による一様近似 §4.3 ( a ) ( b ) ( c ) ( d )



f



そ e t の e r 2 v : e 関 y l 数 の 解 定 析 理 をの証明 用いる方法)



122 128 132 133 135 138 138 1 4 1 145



コンパクト作用素と H i l b e r t S c h m i d t作用素・ L 2−完備性 ・−...



145



積分核と積分作用素 積分作用素と一様近似



153



150 157



§4.4 有限群論への応用



1 6 1



( a ) 共役類・ ( b ) いくつかの恒等式



1 6 1 1 6 3











xiv







市 句



166



演習問題



166



第 5章 Lie群 と Lie環



169



§5 .1 L i e群



170



( a ) 位相群 R の行列表現・ ( b ) 線型 L i e群・ ( c ) 部分 L i e群・



170 1 7 1 173



§5 .2 行列の指数関数



175



( a ) 収束ベキ級数・ ( b ) 行列りベキ級数・・



§5 .3 L i e環



176 178



"



182



( a ) L i e群への指数写像 ( b ) 一般の L i e環



1 8 4



§5 .4 L i e群と L i e環の例



187



( a ) 複素数体,四元数体の乗法群 ( b ) 線型 L i e群の L i e環



§5 .5 L i e群の解析性



182



187 189 189



( a ) L i e群が定める L i e環 ( b ) 局所座標・ ( c ) 可換 L i e群と簡約 L i e群



189



§5 .6 L i e群と L i e環の対応



202



( a ) ( b ) ( c ) ( d ) ( e ) (f ) ( g )







接空間とベクトノレ場 不変ベクトル場− 不変微分作用素・ 1パラメータ部分群 徴分表現・ 解析的部分群・ c w L i e群



192 198



202 204 207 209 2 1 1 218 220



市 句



222



演習問題



223







第 6章 Lie群 と 等 質 空 間 の 構 造



次一一− xv 225 226



§6 .1 普遍被覆群・ ( a ) 基本群・ ( b ) L i e環の準同型の L i e群への持ち上げ



226 236



i e群・ §6 .2 複 素 L



240



( a ) 複素化と実形− ( b ) 正則準同型−



240



§6 .3 等質空間・・



247



( a ) ( b ) ( c ) ( d )



243



L i e群の剰余類集合 L i e群が推移的に作用する空間・



247



等質空間の基本群 L i e群とその作用の例



253



・ .



§6 .4 L i e群上の積分 ( a ) 多様体上の積分と徴分形式 ( b ) L i e群上の不変測度 ( c ) 等質空間上の不変測度



i e群 §6 .5 コンパクト L ( a ) 極大トーラス ( b ) 共役類・ i e群の構造 ( c ) コンパクト L



250 256 265 265 267 2 7 1 275 276 278 282



市 句



292



演習問題



292







《第 2分冊の内容》 第 7章古典群と種々の等質空間 §7 .1 いろいろな古典群 §7 .2 C l i 宜o r d代数とスピノル群



xvi一一一一日







§7 .3 等質空間の例 1:球面の種々の表示



§7 .4 等質空間の例 2 : SL(2,R)の等質空間



第 8章 ユ ニ タ リ 群 U(n)の表現論 §8 .1 Weylの積分公式



§8 .2 極大トーラス上の対称式と交代式 §8 .3 U(n )の有限次元既約表現の分類と指標公式 第 9章 古 典 群 の 表 現 論



§9 .1 古典群のルート系と Weylの積分公式 §9 .2 W巴y l群の不変式と交代式 §9 .3 有限次元既約表現の分類と指標公式



第 10章



ファイパ一束と群作用



§1 0 .1 ファイバー束と切断



"



§1 0 .2 ベクトノレ束と主ファイパ一束 §1 0 .3 主束に同伴するファイパ一束 §1 0 .4 群作用と切断 §1 0 .5 G−不変な切断



第 11章誘導表現と無限次元ユニタリ表現 §1 1 .1 F r o b e n i u sの相互律 §1 1 .2 無限次元表現の構成



第 12章 Weylのユニタリ・トリック §1 2 .1 複素化と実形 §1 2 .2 Weylのユニタリ・トリック §1 2 .3 等質空聞におけるユニタリ・トリック



第 13章 Borel-Weil理論 §1 3 .1 旗多様体 §1 3 .2 B o r e l W e i lの定理 §1 3 .3 B o r e lW巴i lの定理の証明 ←



§1 3 .4 B o r e l W e i lの定理の一般化



工Z



、五『







ヅ\



理論の概要と目標



v



第 7章古典群と種々の等質空間



295



66 3 0 9 97 92 09 od 5 o l1 5 −− 9d9dQd9dqd 9aqa



§7 .1 いろいろな古典群 “ ヮ



( a)一般線型群・ ( b ) 複素数と四元数の行列表示 ( c)複素古典群・ ( d ) 古典型コンパクト群 ( e ) 非コンパクトな実古典群 (£ ) 古典型線型群と複素 L i e群 ( g ) 双線型形式と古典群 ( h ) 対称対と対称空間・



§7 .2 C l i 百ord代数とスピノル群・・・・・・・・



. 317



§7 .3 等質空間の例 1:球面の種々の表示−−−−



. 325



( a ) 球面の等長変換群・...........−−−



325



( b ) 一般線型群の球面への作用 − − ・ ・・・・・・ ( c ) 球面の共形変換群・...........・・・



327 328



( d ) 複素数や四元数による球面表示



3 3 1



・・・・・・・・・



§7 .4 等質空間の例 2 :S L ( 2 , J R)の等質空間・・・・・ 332 要







演習問題



・・・・・・・・・・・・・・・・



・・・・



336



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



337



第 8章 ユ ニ タ リ 群 U( η)の表現論 §8.1 Weylの積分公式







• • • •



339



.... • .... • • . .. 339



( a ) 対称群とユニタリ群・..........−−− 339 ( b ) 極大トーラスと Weyl群 • . • . . . .. • . • . 341



z一一←一目







( c ) ユニタリ群に対する Weylの積分公式・



( b ) 極大トーラス上の単項対称式と単項交代式・



§8 .3 U( η)の有限次元既約表現の分類と指標公式



qJ9dQd



( a ) 対称式と交代式−



−A T i o d vUFOvhu



§8 .2 極大トーラス上の対称式と交代式−



347



3 6 1



( a ) 有限次元表現のウェイト ( b ) U(n)の既約表現の指標公式・........



3 6 1



( c ) U(n)に対する Cartan-Weylの最高ウェイト理論



369



( d ) Weylの次元公式



3 7 1 〔



演習問題



第 9章 古 典 群 の 表 現 論 §9 .1 古典群のルート系と Weylの積分公式



qJqd







ρ D け’’ 巧’’ケ’’







366



379 380



( a ) 古典群の極大トーラス



380



( b ) 古典群のルート系



382



( c ) 古典群の Weyl群



387



( d ) コンパクト L i e群の極大トーラス



393



( e ) Weylの積分公式



396



( b ) Weyl群の不変式と交代式・・ ( c ) Weyl群の単項対称式と単項交代式



§9 .3 有限次元既約表現の分類と指標公式・



80dodo



( a ) Weyl群の符号表現



QUQuodnU 3 334



§9 .2 Weyl群の不変式と交代式



402



( a ) 差積の一般化と ρ



402



( b ) CartanWeylの最高ウェイト理論と指標公式



408



要 約



415



演習問題



416



目 次 回



第 10章



ファイパ一束と群作用



§1 0 .1 ファイパ一束と切断



417 418



( a ) 関数とグラフ



418



( b ) ファイパ一束と切断の定義



4 2 1



( c ) ファイパー束の変換関数



424



( d ) 変換関数と切断・



427



§1 0 .2 ベクトル束と主ファイパ一束



428



( a ) ファイパー束の構造群



428



( b ) C 0 0級ファイパ一束と正則ファイパ一束の構造群



428



( c ) ベクトル束・



429



( d ) 主ファイパ一束・



431



( e ) 等質空間と主ファイパ一束



434



§1 0 .3 主束に同伴するファイパ一束



435



( a ) 主束に同伴するファイバ一束



435



( b ) ファイパ一束への群作用



440



( c ) 等質ファイパ一束と群作用



444



( d ) 等質ファイパ一束の例



447



§1 0 .4 群作用と切断



449



( a ) 同伴ファイパ一束の切断の空間



449



( b ) G−同変なファイパ一束の切断



454



( c ) 等質ファイパ一束と誘導表現



455



§1 0 .5 G−不変な切断



458



( a ) 等質ファイパ一束の G−不変な切断



458



( b ) 例 1:等質多様体上の不変測度



459



( c ) 例 2:等質多様体上の Riemann計量



4 6 1



( d ) 例 3:等質多様体上のベクトル場・



463



( e ) 例 4:等質多様体上の徴分形式とコホモロジー



465



要 約



470



演習問題



470



xii



目 次



第 11章誘導表現と無限次元ユニタリ表現 §11.1 Frobeniusの相互律 ( a ) ( b ) ( c ) ( d ) ( e )



表現の制限と分岐則 コンパクト群の誘導表現 F r o b e n i u sの相互律・・ 凶u sの相互律の証明 Frobe L 2 ( S 2)の展開定理・・・



( a ) ユニタリ表現の L 2−誘導表現・ ( b ) GL(n,IR)のユニタリ主系列表現



要 約



第 12章 Weylのユニタリ・トリック



485



507











§12.2 Weylのユニタリ・トリック



481



QOGOT



( a ) L i e環の複素化と実形 ( b ) L i e群の複素化と実形



480



nunU1i p h U F U ru



§12.1 複素化と実形



478



斗 −



演習問題



474



せケ



( c ) 退化主系列表現と F o u r i e r解析". ( d ) 放物型部分群の無限次元既約表現



474



ρ0ρonud 9dd 8 8 99 04 0 44 d9 44 イ佳イせに dva



§11.2 無限次元表現の構成



473



514



( a ) Weylのユニタリ・トリック一一単連結の場合



514



( b ) Weylのユニタリ・トリック一一一般の場合



518



§12.3 等質空間におけるユニタリ・トリック



523



( a ) 簡約型等質空間と複素化 ( b ) C l i 宜o r dK l e i n形と H i r z e b r u c hの比例性原理・・・・



523 525



要 約



528



演習問題



529



第 13章 Borel Weil理論 §13.1 旗多様体



5 3 1 532







次一一− x11i



( a ) B o r e l部分群 (b)旗多様体・ ( c ) 旗多様体の名前の由来



532



§13.2 BorelWeilの定理



539



( a ) 旗多様体上の正則直線束 ( b ) B o r e l W e i lの定理・ ( c ) G=U(2)の場合



§13.3 Borel-Weilの定理の証明



534 536



539 539 540 545



( a ) 表現の幾何的実現 ( b)岩津分解・ ( c ) 0( £ λ)の有限次元性



545



(d) 既 約 性 ・ ( e ) 正則切断の消滅定理



556



§13.4 BorelWeilの定理の一般化



548 5 5 1 557 559



( a ) 放物型部分群と広義の旗多様体 ( b ) 広義の旗多様体上での B o r e lWeilの定理



559



( c ) 階段定理・



562



560



要 約



567



演習問題



567



現代数学への展望



569



参考文献



579



演習問題解答



583



索 引



599



《第 1分冊の内容》 第 1章 位 相 群 の 表 現 §1 .1 位相群



§1 .2 位相群の表現



Xl.V一一一日







§1 .3 種々の表現を構成する操作 §1 .4 H i l b e r tの第 5問題



第 2章 F o u r i e r解析と表現論 §2 .1 F o u r i e r級数 §2 .2 F o u r i e r変換とアファイン変換群



第 3章行列要素と不変測度 §3 .1 行列要素 §3 .2 群上の不変測度 §3 .3 S c h u rの直交関係式 §3 . . 4 指標



第 4章 Peter-Weylの定理







§4 .1 P e t e rWey!の定理



§4 .2 P e t e rWey!の定理の証明



(その 1 :S t o n e W e i e r s t r a s sの定理を用いる方法) .3 P e t e rWey!の定理の証明(その 2:関数解析を用いる方法) §4



§4 .4 有限群論への応用 第 5章 L i e群と L i e環 §5 .1 L i e群 §5 .2 行列の指数関数 §5 .3 L i e環 §5 .4 L i e群と L i e環の例 §5 .5 L i e群の解析性 §5 .6 L i e群と L i e環の対応



第 6章 L i e群と等質空間の構造 §6 .1 普遍被覆群 §6 .2 複素 L i e群 §6 .3 等質空間 §6 .4 L i e群上の積分 §6 .5 コンパクト L i e群



1 位相群の表現



「球面が丸い」とか「直線はまっすぐである J という感覚は,「(球面を)回 転させる」とか「(直線を)平行移動する」といった変換をしてもその図形が 不変であるという性質によって説明できる.「空間の対称性」を数学的にきち んと記述する概念が,群による作用(変換群)である. さて,球面や直線のように距離や徴分が考えられるような空間に対しては, 群による作用にも「連続性」や「徴分可能性」を考えるのが自然である.そ こで,群と位相空間の両方を兼ね備えた概念である「位相群」を,本書の出 発点として最初に説明する.後述する Lie群は,位相群の中で特に良い性質 をもつものであって,群と多様体の両方を兼ね備えた対象である.大まかに いうと,位相群は「連続性」が定義できる群であり, Lie群は「徴分Jが定 義できる群である. 群の作用において最も基本的で重要なのは,線型な作用(表現)である.第 1章では,具体例を通して,位相群およびその表現の基本概念になじむこと



を目標とする.そこでは,表現空聞が無限次元である場合も取り扱う.



§1 .1 位 相 群 (a) 位 相 群 実数 R には,収束の概念(位相空間の構造)があり,同時に加法(群の構造)



2一一一第 1章 位相群の表現



もある. 乙の 2つの構造は次の意味で「両立J している:



J i 思 αn=α,J i 思b n=bならば, J i 且(αn土 b n )= α士b . すなわち,群の演算は連続である. すぐ下の例 1 .2で見るように,一般線型群 GL(n,IR)も行列の自然な位相 η, I R)に共通 に関して,群の演算(行列の積)が連続になっている. I Rや GL(



.S c h r e i e r する性質を公理化して得られる概念が「位相群」であり,これは 0 によって 1 9 2 5年に導入された.本書の主題の 1つである「L i e群Jは,ノル ウェーの数学者 S .L i eにより 1 8 7 0年代に「連続パラメータをもっ変換の族」 として創始された. §1 .4で後述するように,現代的な定義では,「L i e群Jは 位相群の中で特に良い性質をもつものとして特徴づけられる. 定義 1.1(位相群)



G を(抽象)群かつ H a u s d o r f f位相空間とする.次の 2



つの条件が満たされるとき, G を位相群(t o p o l o g i c a lgroup)という. ,y )1-+xyは連続である. (i) 直積位相空間 G×G から Gへの写像(x



( i i )



位相空間 G から Gへの写像 x1-+x-1は連続である



Q



平たくいえば,群としての構造と位相空間としての構造が両立しているの が位相群である.定義 1 . 1における条件を 1つにまとめることもできる(演 習問題 1 . 1参照).



例1 .2 一般線型群 GL(n,IR)が位相群である



ζ



とを示そう. n=2のとき



の証明のアイディアは η を一般にしてもそのまま適用できるので,ととでは n=2の場合に確かめてみよう.



M 附:=((:;):山, dEJ R } とおくと,



ι (2 は M(2ヲ I R )c どJ R 4の開集合である. GL(2,IR)の積および逆元をとる写像をそ れぞれ座標で書くと



((~ ! ) ,(~ ;))日( ~;:!; ~::!:)



§1 .1 位 相 群



( α b) cdj



1 (d .ト→ 一一一ー一 一 一 一 一 adbc



3



-b



ca



となり, α .p+brなどの各座標成分は a ,b ,c ,d , p ,q ,r ,sの連続関数として表さ れるので,確かに定義 1 . 1における連続性の仮定(i ) ヲ (i i)が満たされる.従







R )は位相群である. って, GL(2,J



例1 .3 ベクトル空間はベクトルの加法によって群となる.ベクトル空間に 位相が定義されており,位相群の構造をもっとき,線型位相空間(t o p o l o g i c a l



R上あるいは C上の有 v e c t o rs p a c e )(あるいは位相ベクトル空間)と呼ぶ. J 限次元線型空間 V において E u c l i d空間としての通常の位相を考えると,群 演算



V×V → V , ( x ,y) ← → x+y V→



v ,



xト→ー『 x



は明らかに連続なので, V は線型位相空間である.







例1 .2 ,例 1 .3は L i e群の例でもある. L i e群の定義は §1.4(d)と§ 5 . 1 ( c ) ,L i e群の基本的性質は第 5章 , L i e群の様々な例は第 7章などで述べる. L i e群ではない位相群は本書のテーマからはそれるが,例を 1つだけ与えて おこう. 例1 .4( p進整数) pを 2 , 3 , 5,ーなどの素数とし,自然な射影 ・ →



7 ! . . / p 4 7 ! . .→ 7 ! . . / p 3 7 ! . .→ 7 ! . . / p 2 7 ! . .→ 7 ! . . / p 7 ! . .



旦7 ! . . / p n'//, を7 ! . . pと表す. 7 ! . . pは L i e群ではないが,コンパクト位 の射影極限 l



相群の構造をもっととが知られている. 7 ! . . pの元は p進整数(p a d i ci n t e g e r ) と呼ばれ,数論において重要な役割を果たす(興味ある読者は例えば本講座 J第 2章を見られるとよい). 「数論 1







注意 1 .5 任意のコンパクト群は, Zpの構成法と同様に,コンパクト L i 巴群 (上の例では有限群 Z/pnz)の射影極限として得られることが知られている. とれ は,位相群の理論の中でも,特に美しい結果の 1つであるが,証明は多くの準備 乱g i n[ 3 5] 第 8章参!照).大まかに を必要とするので,ここでは行わない(P o n t r y



いえば!,任意のコンパクト群は,いくらでも精密にコンパクト L i e群によって近



4一一一一第 1章 位相群の表現



似できる.



次の定理は,位相群の定義が自然な概念であることを表している. .6 gε Gを 1つ選ぶ. 定理 1



L 9 : G → G,xト→ gx



( gによる左移動)



R 9 : G → G,xf-+ xg



( gによる右移動)



l f t : G→ G ,xf-+ x-1



とおくと, L gぅ R g ,l J tはそれぞれ G から G の上への同相写像である. [証明]



L gおよび L 91 は定義 1 .1( i)より連続であって, L goL 9 1=Lr'oL g=i d c ( Gにおける恒等写像)



となるので, Lg は同相写像である.同様 ~Rg も同相写像となる.一方, v



は定義 1 .1( i i)より連続写像であり,逆写像 l J t 1= l J tも連続写像なので l J tも







同相写像である.



定義 1 .7 G および G'を位相群とする.写像 ψ:G→ G'が(抽象)群の聞 の準同型であり,かつ連続写像であるとき, ψ を位相群の準同型写像という. さらに v が G から G'への同相写像であるとき, ψ を位相群の同型写像とい う. Gから G'への位相群の同型写像が存在するとき, G とG'は位相群とし







て同型であるという. 次の項の例 1 .8で,位相群の「同型」の最も簡単な例を示す.



(b) 位相群の直積,半直積,商群 (抽象)群に関しておなじみの概念である部分群,商群,直積群,半直積群 などは,位相群に対しでもほぼ、同様に定義される. 乙のとき,位相に関して どのような注意を払えばよいか説明しよう. 部分群 位相群 G の(代数的な意味での)部分群 H は自然に位相群となる.すなわ ち , H における部分集合 U に対して, U cH が開集合仁=争



G の開集合 Vであって U = H nV となるものが存在する



§1 .1 位 相 群 一 一 一 5



と定義することによって, G の部分集合である H に位相を定める. とれを



G における H の相対位相( r e l a t i v et o p o l o g y)という.乙の位相に関して H は位相群となることは容易に確かめられる . Hは必ずしも G の閉集合とは 限らないことに注意しよう. 商 群 さらに, H が G の閉部分集合でもあるとき, H を G の閉部分群( c l o s e d subgroup)という . Hが G の閉正規部分群ならば,商群 G/Hは位相群とな



る.すなわち, π:G→ G/Hを商写像として UcG/Hが開集合仁=争 π1(U)cGが開集合 と定義する乙とによって G/Hに位相を入れる.これを商位相( q u o t i e n t t o p o l o g y)という.この位相に関して,商群 G/Hは位相群となるのであ



る.ここで, H が閉部分群でなければ, G/Hは Hausdorff位相空聞になら ず,位相群としての商群が定義されない. .8 次の 3つの位相群 例1 (i) トーラス ' J I ':=IR/2πZ (i i ) 単位円周 S1:={zE < . Hは直積 G t > < . Hと略して書くととにする. π(



,G t > < . Hの部分群{( e , h ) :hε H}を 群に他ならない. Gの単位元を εと表 L H と同一視すると, H は GKH の閉正規部分群であり,位相群としての同 型( G t > < . H ) / H竺Gが得られる. 半直積群における群演算は一見奇妙に見えるかもしれない. これを次の例 によって理解してみよう. .9(アフアイン変換群と E u c l i d運動群) 例1



Aε GL( η, J R)および b ε ]Rn



を用いて



( 1 . 2 ) と表される



( A , b ) :JRn→



] R n ,



Ax+b



X r +



] R nの変換をアファイン変換( a f f i n et r a n s f o r m a t i o n)という. ]Rn



のアファイン変換全体 A宜 (J R n)は合成に関して群になる. A f f ( J R n)をアファ イン変換群と呼ぶ.合成法則



( A i , b 1 ) ( ( A 2 , b 2 ) x )= ( A 1 , b 1 ) ( A 2 x十 九 ) =Ai(A2x+b2)+b1=A1A2x+A1b2+b1 より,群 A f f ( J R n)はヲ直積集合 GL( η, J R) × R”に群演算を



( A i ,b i ・ )( A 2 ,b z ): =( A 1 A 2 ,bi+A 1 b 2 ) と定義した群に他ならない.すなわち群同型



A f f ( J R n) 竺 GL(n,JR)K l R n (半直積群) が得られたとの同型の右辺は位相群なので, A f f ( J R n)も位相群とみなせる (実は L i e群でもある).アファイン変換群 A f f ( J R n)を GL(n+l,JR)の部分群



第 1章 位 相 群 の 表 現



8



{ ( ~ ~): A







bE ! R n }



EGL



、 、1E11/



l







/ ’



J11E











一 一 、 、 、 EEF Z1 、 、 、fttt







\khIF \ 、ノ Lυ1 Ao



][



E



、 , ’ /\



i11\







− 十 n



R







ー +



n



R



\l/ Z1



R nの元を同一視すると, と!



。 ,A+z



として実現するとともできる. とのとき, JRn+lの第 η +1成分= 1となる元



.2)に対応する. という変換が( 1 アファイン変換群と同様に, A f f ( ! R n)の部分群 O(n)! > < ! R nも定義できる. とこで



ι



O(n):={AEG L ( n , I R ) :1AA= } は直交群と呼ばれるコンパクト L i e群であるは 7.l(d)参照). AεO(n), bε ! R nならば( 1 .2) は! R nの等長変換である.半直積群 O(n)l > < ! R nを Euclid運



動群( E u c l i d e a nmotiongroup)という. n=2の場合の E u c l i d運動群 0(2)I > < J R 2 は初等幾何における平面の合同変換群に他ならない.







上の例で述べたアファイン変換などを群の作用という一般的な概念として 述べておこう. 定義 1.10(変換群)



G を位相群とし, X を位相空間とする.直積空間



G×X から X への連続写像 ( 1 . 3 )



G×X → X, ( g , x)ト →g ・x



が与えられて,任意の zεXに対して



( 1 . 4 )



e・x=x かつ 9 1 ( ・9 2 ・ X )=( 9 1 9 2 ) ・ X ( ' t : / 9 1 , 9 2 ε G )



が成り立っとき, G は X に(左から)連続に作用するという.このとき, G を X の変換群( t r a n s f o r m a t i o ngroup)という .xから X の上への問中日写像



.4)は次の写像 全体のつくる群を Homeo(X)とおくと,条件( 1 G → Homeo(X), 91---+ ( x1---+9・x) が群の準同型写像になっているととと同値である.



例 1.11



(i) G を位相群とすると,直積群 G×G は位相空間 G に (G×G) × G→ G , ( ( 9 i , 9 2 ) , 9 )1---+9 1 9 9 : ; 1







§1 .2 位相群の表現



9



として左から連続に作用する



(i i ) アフアイン変換群 G L ( n , I R )1 > < 1 R nは ! R nに左から連続に作用する(例 1 .9 )



.







§1 .2 位相群の表現 (a) 群の表現をなぜ考えるか 群の表現とは,抽象的な群から全単射線型写像のつくる群への準同型写像 のととである.表現論は群論において中核的な役割を果たす.その理由を理 解するためには,群という代数的な対象が,何を抽象して生まれたのかを遡 って考えるとよい. 例えば,有限集合からそれ自身への全単射写像全体は写像の合成によって 群(置換群)となる.また,ベクトル空間の全単射線型写像全体も写像の合成 によって群(一般線型群)となる.さらに,平面において回転,平行移動,裏



u c l i d運 返しの繰り返しで得られる変換全体もまた変換の合成によって群( E 動群,平面の合同変換群)となる. このように,種々の空間に作用する変換 の全体は写像の合成によって群となる. とζ ろが,まったく異なる空聞にお ける変換が,合成法則(すなわち,群としての代数構造)だけを見れば同じに なっていることがある.群の定義とは,それがどのような空間に作用してい るかを忘れて,これらの例で述べたような変換写像の合成法則だけを代数的 に抽象化したものである. いったん抽象化して得られた群に対して,“ある特定の群がどのような空 聞にどのような変換として作用するか”という問題を研究することは,群の 本来の形を探ることであり,また群論の非常に重要な課題でもある. 変換の中で最も扱いやすいのはベクトル空間における線型変換である.群 がベクトル空聞に線型変換として作用しているとき,その作用を群の表現と いう.非線型な変換が与えられたときでも,「線型化」によって群の表現を構 成することができ,それは重要な役割を果たす.「線型化」の基本的な 2つの 例を述べよう.その 1つは,作用の固定点における線型化で,これは通常の



10~一第 1 章位相群の表現



関数の T a y l o r展開 j ( x )=f ( O ) + x f ' ( O ) +・・・において,



f( 0 )=0(固定点に相



' ( O)が第 1近似の係数であるととに相当する.例えば, L i e群 当)の場合に j



の随伴( a d j o i n t)表現や等質空聞における等方( i s o t r o p y)表現はその典型例で ある(第 5 ,6章参照). もう 1つは,ある空間上に非線型な作用が与えられた とき,それを直接調べるのではなく,その空間上の関数全体への作用を考え るととによって群の表現を定義するという線型化である.例えば,群の正則 表現( §3.l(b)参照)や等質空間上の準正則表現(第 1 1章参照)などはその一 例である.群 G の自分自身への作用(左移動あるいは右移動)は素朴で単純 に見えるかもしれない. しかしその作用には,群の構造そのものが内包され ているのであって,その構造は「線型化Jを通じてより明示的に捉えるとと ができる.すなわち,との作用の「線型化d に相当する群の正則表現の理論 ( P e t e rWeylの定理や関数環 C(G)の*ー代数としての構造)が, もとの群の



性質を浮き彫りにするのである.多様体自身を考えるかわりに多様体上の関 数全体を考えるという考え方は,代数幾何や徴分幾何をはじめ 20世紀の数 学の諸分野を躍進させた重要な観点であり,幾何的な意味での対称性を研究 する変換群論にも群の表現論が深く関わっている 1つの裏付けを与えている. (b) 表現の定義 V を複素ベクトル空間とするとき, V から V への複素線型写像全体を Endrc(V)と書く.さらに, V から V への全単射な複素線型写像全体を GLrc(V)と書く. GLrc(V)は Endrc(V)の部分集合である. S,TεEndrc(V)



とするとき, V→ K x 1 + S ( T ( x ) ) によって与えられる写像を S とTの合成 写像といい, SoTと表す. S,TεGLrc(V)ならぽ SoTεGLrc(V)である.



SoTを S とTの積とし,恒等写像 i d v を単位元とすることにより GLrc(V) は群となる .vが有限次元の数ベクトル空間 e nの場合は, GLrc(V)は一般 線型群( g e n e r a ll i n e a rg r o u p )



GL(n,C ): ' ={ gε M( η, C ) :detgj .O } と自然に同一視される. 定義 1.12(群の表現)



G を群, V を複素ベクトノレ空間とする . cの単位



§1 .2 位相群の表現一一一 1 1



元を εと書くととにしよう.写像 π:G → G Lrc(V)



が与えられて, ( 1 .5 )



π( x) π( y )=π( 勾 )



( ' t : / x ,' t : / yεG)



ε )= i d v π(



( 1 .6 )



を満たすとき, πを群 G の V 上の表現( r e p r e s e n t a t i o n)といい, V を表現 e p r e s e n t a t i o ns p a c e)という.すなわち,群 G の表現とは, G から 空間( r



GLrc(V)への群準同型写像のととである.表現空間を明示したいときは, 単に π と書くかわりに(π,V)と書く.ベクトル空間 V の次元を表現 πの次 j [ ; ( d i m e n s i o n )(あるいは表現 πの次数( d e g r e e))といって dim7 r(あるいは d句作)と記す. dim7r=OOのとき πは無限次元表現( i n f i n i t ed i m e n s i o n a l







r e p r e s e n t a t i o n)と呼ばれる.



なお, dim7r=o oの場合は,無限次元ベクトル空間 V の位相を考慮して 表現を考えるのが自然であり,とれに関しては項( e)以後で解説する. また, V=Cnのとき,準同型写像 π:G→ GL(n,C)を行列表現と呼ぶと ともある. 定義 1 . 1 2では V を複素ベクトル空間としたが,もっと一般に,勝手な体



K上のベクトル空間 V に対して,



G から GLK(V)への群準同型写像を考え



ることができる. これを群 G の体 K 上の表現という.体 K 上の表現も群の i e群であり, 表現論の重要な研究対象である.しかし本書で扱う群は主に L L i e群の表現では K = Cすなわち複素数体上のベクトル空間を表現空間とす



る表現が最も重要であり,しかも扱いやすい.従って,本書では主として複 素ベクトル空間上の表現を考察する. .13(自明な表現) 例1



群 Gのすべての元に,ベクトノレ空間 V の恒等



d v を対応させる写像は G の表現である.これを G の自明な表現 作用素 i ( t r i v i a lr e p r e s e n t a t i o n)という. 1次元の自明な表現を 1とも書く・



例 1.14(自然表現)







群 G を GL(n,C)の部分群とするとき,埋め込み写



像 G− '→G L(n,C)は群の準同型写像であるから G の η 次元表現が得られる.



12− 一一一第 1章



位相群の表現



とれを G の自然表現( n a t u r a lr e p r e s e n t a t i o n)という.例えば、,ユニタリ群



ι



U(n):={ gεGL(n,C): ダg= } (ただしグ=守(転置行列の複素共役))は自然に GL(n,C)の部分群となって いるので η 次元の自然表現をもっ.別の例として複素シンプレクティック群



Sp(n,C): ={ gεGL(2n,C ) :1 g J n g=Jn} I O In¥ (ただし,み:= (I n 0 εGL(2n,C))は自然に GL(2n,C)の部分群とな







っているので, 2n次元の自然表現をもっ.第 7章では,様々な古典群を定義







するときに多くの類似の例を見るであろう.



( c) G一線型写像



"



定義 1.15 ( π, V) ぅ ( が ,V ) 'をそれぞれ群 G の表現とする .vから V'へ の線型写像 T が ( 1 .7 ) が( g)oT=Toπ ( g ) ( V gεG)



を満たすとき,言い換えれば,次の図式



v



_ _ _ ' ! _ _ _



( 1 .8 )



1 v



均)



→V '



°17r'(g)



_ _ _ ' ! _ _ _



→ V’



が任意の gεGに対して可換になるとき, T を(π, V)から(が, V ) 'への G線型写像あるいは絡作用素( i n t e r t w i n i n go p e r a t o r)という.







( πぅ V)から(7 r ' ,V) 'への G−線型写像全体のつくる集合を ( 1 .9 )



と書く.



Homc(V,V ' ) あるいは



Home( π, 7 r ' )



sおよび T を(π,V)から(ダヲ V) 'への G−線型写像とし,



a , bε Cと



するとき,写像 αS十 b T :V→ V'を(αS+bT)(v)= : αS ( v) 十 bT ( り)によって 定義すると, αS+bTもまた G−線型写像になる.従って, Homc(V,V ) 'は複 素ベクトル空間になる. 定義 1.16 ( π'V ) ,( が ,V ) 'をそれぞれ群 Gの表現とし, Tε Homc(V,V ' )



§1 .2 位相群の表現一一一 13



が全単射となるものが存在するならば,(π, V)は(7 r ' ,V) 'と同値( equivalent) な表現であるといい π竺があるいは(π, V) 竺 (7 r ' ,V ) 'と表記する. との“同 q u i v a l e n c er e l a t i o n)の公理 値”の定義は,同値関係( e (i) 反射律: 7 r' . : o : ' π.



( i i ) 対称律: π竺がならばが竺 π. ( i i i ) 推移律: π竺がかつがど「ならば, π竺が.



を満たすので, G の表現全体をこの同値関係で類別するととができる.各同 値類を G の表現の同値類と呼ぶ.なお,連続表現の同値およびユニタリ表現 の同値についてはそれぞれ定義 1 .28,定義 1 .3 1で説明する.







(d) 部分表現,既約表現 ( π, V)を群 G の表現とし, W を V の部分ベクトル空間とする . Gの各元



gEGに女すし,



π( g)W: = {π( g ) w :w εW} とおくと π( g)Wは V の部分ベクトル空間である. ( 1 . 1 0)



π( g)WcW



( V gεG)



が成り立っとき, W を G−不変な部分空間,あるいは簡単に,不変部分空間 ( i n v a r i a n tsubspace)という.



W を G 不変な部分空間としよう. とのとき, π( g-1)WcW も成り立つの g)を施すと W eπ( g)Wとなる.すなわち,条件( 1 . 1 0 ) で,その両辺に π( は



π( g)W=W



( V gεG)



と同値である .wが G−不変な部分空間とするとき, πw:G→ GL(W)を



gHπ ( g ) l wで定めると(πw,W)も G の表現となる.これを G の部分表現 ( s ub r e p r e s e n t a t i o n)という.



g)は商ベクトル空間 V/Wの自己同型 またこのとき,各 gεGに対し π( πv ; w ( g ) :V/W→ V/W, vmodW



f-+



7 r ( g ) vmodW



を引き起こす. πv ; w :G→ GL(V/W)もG の表現を定める. このようにして 得られた表現(πv ; w ,V/W)を G の商表現( quotientrepresentation)という.



14一一一第 1章



位相群の表現



定義 1.17 ( π'V)を群 G の表現とする・{ O} と V 以外に G−不変な部分空 聞が存在しないならば,(π, V)は G の既約表現( i r r e d u c i b l er e p r e s e n t a t i o n )







であるという.既約でない表現を可約( r e d u c i b l e)で、あるという. 定義 1.18 群 G の ( C上の)有限次元既約表現の同値類の全体を く







G 1と書







( π, V)および(σ, W )を群 G の 2つの表現とするとき,直和ベクトル空間 VEBWを表現空間とする G の表現



π@σ:G → GLic(VEBW) を (π@σ ( )g)(v,w):=( π( g ) v, σ( g ) w )( gεG , り εv ,wεW )によって定義す VEBW)を直和表現という. ることができる.(π@σ, 定義 1.19 ( π, V)を群 G の表現とする . vの任意の G【不変部分空間 W に対し, V における W の補空間 Uであって G−不変なものが存在するとき







V)を完全可約( completelyr e d u c i b l e)と呼ぶ. 表現(π,



定義 1 .1 9の設定において,(π, V)は Gの 2個の部分表現(πw,W)と



π日 U)の直和表現に同型であることは明らかであろう. ( 簡単な例を通して以上の定義のおさらいをしておこう.







.20 1次元表現は常に既約である. 例1



例 1.21 GL(n,C)の自然表現は既約である.実際, W を enの{ O }でな い部分空間としよう.りを enの Oでない任意の元とすると, gvε Wとなる 適当な gε GL(n,C)を選ぶことができる .wは GL( η







なので, u ε _q-1W=Wとなる.故に, W=Cnとなる.



qー不変な部分空間 ζ れは







自然表現が既約であるととを示している. 例1 .22(完全可約でない表現)



GL(n,C)の



G=lKを実数の加法群とし,



{1 t¥ π:R→ G L ( 2 ,C ) , t1-+ { 0 1)



によって 2次 元 表 現 川 を 定 義 す る と , W:=C(~)は



G報部分空間



である.従って,(π, c 2)は可約である. さらに,(π, c 2)の G−不変部分空間は{ o } ,w , c 2の 3つのみであることが



§1 .2 位相群の表現



15



簡単な計算でわかる.特に,(π, c 2)は可約であるが,完全可約ではない. 日 ζ の例は,次に述べる可約な表現の一般的な行列表示の典型例でもある.



命題 1 .23(可約な表現の行列表示)



( π'V)を群 Gの有限次元表現, W を



V の G−不変部分空間とする. とのとき, V の基底を適当にとれば, π( g )( gε G)の行列表示は次のようなブロック行列になる.



町 ((g)



*)



0π2(g)



ここで, π1は部分表現(πw,W)の行列表示,汀2は商表現(πv ; w ,V/W)の行 列表示である. [証明] Vm十 n



W の基底 V 1, … , Vm を選び,次に V/Wの基底 Vm+l modW, ・ ・1



modW を選ぶ. ζ とで m=dimW, n=dimV/Wである. とのとき



V の基底{v 1, … , Vm,Vm+l, … , Vm+n}に関して, π( g)を行列表示すればよい.



目 次の補題は有限次元表現ではよく知られた重要な a性質であるが,無限次元 表現では一般に正しくない(定理 2 .7参照). .24 ( π, V)を G の有限次元表現とする. とのとき,既約な部分表 補題 1



{ O} 手 W c V)が存在する. 現(πw,W)( [証明]



( π, V)が既約であれば W = Vとすればよい.可約であればそれ



より小さい部分表現を考える.その部分表現が可約であればさらにその部分



vが有限次元なので, 表現を考える .



ζ の操作は有限回で終わる( 1次元表



現は常に既約である).







次に完全可約な表現の既約分解を与えよう: .25 ( π, V)を Gの有限次元の完全可約な表現とする・このとき 補題 1



( π, V)は既約表現の直和 ( σ i ,W1)E B( σ 2 ,W2)E B…@(σ円 Wr) ( rミ1 )



( 1 . 1 1 )



に同型である. ( 1 . 1 1)を表現(π, V)の既約分解( i r r e d u c i b l ed e c o m p o s i t i o n)と呼ぶ.



[証明]



.2 4より(π, V)の既約な部分表現が存在するので,それを 補題 1



1つ選び,(πW pW1)と表す.(π, V)は完全可約なので, W1の V における



16



第 1章 位 相 群 の 表 現



G−不変な補空間 U 1が存在する. 以下, k=l,2,3γーに関して帰納的に •Uk の既約な G 不変部分空間 wk+l ( ヂ { O})を 1つ選ぴ,



• W1EB… ⑦ Wいl の V における G−不変な補空間を Uk+1 とする. との手続きを W1EB…EBWk+1が V に一致するまで行えば,求める既約分







解が得られる. (e) 位相群の連続表現



次に,群 G およびベクトル空間 V にそれぞれ位相が定められているとす る.すなわち, G は位相群, V は線型位相空間とする. 乙のとき, V を表現 空間とする Gの表現の定義には,なんらがの連続性を仮定するのが自然であ ろ う . 乙の条件を正確にいえば次のようになる: 定義 1 .26(連続表現)



G を位相群, V を複素線型位相空間とする.群の



準同型写像



π:G→ GLc(V) が与えられていて,写像 ( 1 . 1 2 )



G×V → V , ( g , v)ト→ π( g ) v



が直積位相空間 G×V から Vへの連続写像であるとき,(π, V)を位相群 G の V 上の連続表現( c o n t i n u o u sr e p r e s e n t a t i o n)という.特に G は V に連続 . 1 0参照).線型位相空間を表現空間とする位相群の に作用している(定義 1



表現は連続表現のみが重要なので,連続表現を単に表現と呼ぶことにする.日 項 ( c)および( d)で説明した G−線型写像,同値,既約などの概念は,位相 群の線型位相空間上の(連続)表現を考える場合には,その定義にどのような 変更点が必要になるだろうか. . 1 5と異なり,絡作用素と Gまずは,絡作用素について考えよう.定義 1



線型写像を次のように使い分ける. 定義 1 .27(連続表現の絡作用素)



位相群 G の線型位相空間上の表現



( π, V ) ,( πヲ V ) 'が与えられたとする.線型写像 T:V→ V'が(抽象)群のベク . 1 5)であり,かつ, T が トル空間上の(連続)表現として G−線型写像(定義 1



§1 .2 位相群の表現一一一一 17



連続なとき, T を(πヲ V)から(π , ’V ) 'への絡作用素という.







( π,V)から(π , 'V) 'への連続な G−線型写像全体のつくる複素ベクトル空間 を( V や V'に位相の入っていない場合と同じ記号を用いて) ( 1 . 1 3 )



Homa(V,V ' ) あるいは



Homa( π, 7 r ' )



と表記する . vおよび V'に位相が入っていない場合と同じ記号を用いるが, 本書の位相群の表現論では常に写像の連続性を仮定するので特に混乱はない であろう. .28(連続表現の同値) 定義 1



Tおよび y1が連続となるような全単射 G-



線型写像 T:V→ V'が存在するとき,位相群 G の線型位相空間上の(連続) 表現(π,V)と(が 'V ) 'は 同値あるいは同型であるという.







位相ベクトル空間 V の部分空間 W が閉集合であるとき, W を間部分空 間と呼ぶ.連続表現における既約性の定義においては,閉部分空間とならな いような不変部分空間は考察の対象にしないのが,ポイントである.すなわ ち,次の定義をする. 定義 1 .2 9(連続表現の既約性)



( π, V)を位相群 G の線型位相空間 V上



の(連続)表現とする. { O}と V以外に G−不変な V の閉部分空間が存在しな V)を G の既約表現という. いとき,(π,







なお,表現空間 V,V 'が有限次元ならば,任意の線型写像 T:V→ V'は自 動的に連続になり(基底を決めて行列表示すれば明らかである),また V の 任意の部分空聞は閉集合となるから,との項( e)で、定義した絡作用素,表現 の同値性,既約表現の概念は,有限次元表現の場合に項( c) ヲ ( d)で既に定義 したものと一致している.群の無限次元表現を扱う際に位相を考慮するため に生じる種々の変更点は,それが自然なものであるかどうか直観的にはわか りにくいかもしれない.いくらかでも理解の助けになるように,その雰囲気 を項( h)で伝えようと思う. (f) ユニタリ表現



C上のベクトル空間 V に内積(,)が定められているとする . vのノルム を



18一一一第 1章



位相群の表現



l l v l l三 l l v l l v= (v,v)す



(1 .1 4 )



( vεV)



と書く. とのノルムは中線定理 ( 1 . 1 5 )



l l u + v l l 2+l l u v l l 2= 2 ( l l u l l 2+l l v l l 2 )



( u ,vεV)



を満たす.過に,ノルムが( 1 .1 5)を満たすならば,分極公式( p o l a r i z a t i o n i d e n t i t y ) ( 1 . 1 6 )



4 ( u , v )=l l u+ 叶2 1l l u v l l 2 + v 二l ( l l u + v = T り1 2一l l u v 二T り1 1 2 ) によって内積が復元される(証明は省略する). v,wεVの距離を



l v一ω| | と



定義すると V は距離空間となる . vが臣官離空間として完備であるとき,す なわち,任意の Cauchy列が収束するとき, V を Hilbert空間と呼ぶ.本書 i l b e r t空間は主に可分( s e p a r a b l e)なものを考える.位相空間が可分 では, H



であるとは,高々可算個の点からなる調密な部分集合が存在するということ i l b e r t空間においては,基底の個数が高々可算であるというこ であるが, H



ととも同値である.項( f ) '( g)で、用いる H i l b e r t空間の基礎事項について,さ らに詳しく勉強したい読者は,例えば本講座「関数解析 1 」第 2章やそこに 挙げられた参考書を見てほしい.



v,wを Hilbert空間とする.線型写像 A:V→ W が ( 1 . 1 7 ) l l A v l l w=l l v l l v( ' V vεV) を満たすとき, A を等長写像と呼ぶ. ( 1 . 1 7) は ( 1 . 1 8 )



(Av,Au)w=(v,u)v ( ' V v , ' V uεV)



と同値である.等長な線型写像は,もちろん連続かつ単射である .Aが等 長全射であって,かつ,全単射であるとき, A をユニタリ作用素( u n i t a r y o p e r a t o r)という. .30(ユニタリ表現) 定義 1



( πヲV)は群 G の表現とする . vが Hilbert空



間であって,任意の gεGに対して π( g)が等長作用素であるとき,すなわち



< i . 1 9 )



π 1( g ) v l l= I I叶I(VvεV)



が成立するとき,(π, V)を群 G のユニタリ表現( u n i t a r yr e p r e s e n t a t i o n) と



§1 .2 位相群の表現一一一一 19



いう.



π( g)は全単射写像(逝写像は π ( g 1))なので, π( g)に対して「等長作



用素牛=今ユニタリ作用素」が成り立つととに注意しておく . Gが位相群の場 合は,連続な表現(π, V)が (1 .1 9)を満たすときにユニタリ表現と呼ぶ. G = R のとき,{π( t ) :tεJR}は強連続ユニタリ群をなすというとともある(例え







o u r i e r解析 2」例 7 . 1 6参照). 比本講座「実関数と F



定義 1 .31(ユニタリ表現の同値)



( π,V)および(σ, W)が群 G のユニタ



リ表現であるとき,ユニタリな G−線型写像 T:V→ W が存在するならば, ( π, V)と (σ, W)はユニタリ表現として同値,あるいは簡単に,ユニタリ同 値であるという.このとき Tiもユニタリな G−線型写像であるととに注意







しよう.



定義 1 .32(ユニタリ双対 δ ) 位相群 G のユニタリ表現(π, V)が既約(定 義1 .2 9参照)であるとき,(π, V)を既約ユニタリ表現( i r r e d u c i b l eu n i t a r y r e p r e s e n t a t i o n)と呼ぶ.群 G の既約ユニタリ表現の同値類(定義 1 .3 1参照)



の全体を G のユニタリ双対( u n i t a r yd u a l)といい,



Oと書く.







注意 1 .33 ( π, V)および(σ, W)を位相群 Gの既約ユニタリ表現とするとき, π, V)と (σ, W)が連続表現として同値(定義 1 .2 8 ) (



字=争(π, V)と (σ, W )がユニタリ表現として同値(定義 1 .3 1 ) となる.実際, T:V→ W が連続な G−線型写像ならば,後述する Schurの補題 . 4 6よ り , T を適当にスカラ一倍すればユニタリ作用素になるか に関する注意 1



らでトある.



定理 1 .34 群 G のユニタリ表現(π'V)の部分空間 W が G−不変でFあるな らば,その直交補空間( o r t h o g o n a lcomplement)



wム:= {vεV:(v,w)= 0('VwεW)} は G−不変な閉部分空間となる. [証明]



Wムが閉部分空間であることは明らか次に,



G のとき,



( π( g ) v , w )=( v, π( g1 ) w )=0



ω ε W,vεw _ L ,gε



20一一一一第 1章



位相群の表現



となるので, π( g ) vξ W 上である.すなわち Wムは不変部分空間となる.







この定理では, W を閉部分空間と仮定する必要はないが, W が閉部分空 間ならば, ( 1 .2 0 )



V =WEBWム ( H i l b e r t空間の直和分解)



となるととに注意しよう(例えば,本講座「関数解析 1 」第 2章を参照された い).従って( 1 .2 0) は G の表現としての直和分解になる. 定理 1 .34と補題 1 .25より次の定理が成り立つことがわかる. .35 群の任意の有限次元ユニタリ表現は完全可約であり,既約表 定理 1







現の直和と同型になる. ζ の定理の対偶を考えると,例えば例



(C2のどのような内積を考えても)ユニタ



1 .2 2で述べた群 Rの 2次元表現は



P表現にならないととがわかる.



次の命題は,ユニタリ表現を構成するときに有用である. .36(完備化して得られるユニタリ表現) 命題 1



C上のベクトル空間に内



積(?)が定められているとする.対応するノルム|卜||に関して V を完備化 して得られる H i l b e r t空間を?と書く.位相群 G の表現(πヲV)が ||π ( g ) v l l= 1りI I (VgεGぅ ¥ I vεV) を満たすと仮定する. このとき,各 gEGに対して,次の図式



完備化



( g )



v



一 一 一 →



n



0



v







苛( g ) −令



TT



ν



n完備化 T•



V



を可換にするようなユニタリ作用素牙(g ) :v→ V が一意的に存在し,(牙 'V) は群 G のユニタリ表現を定める. [証明のスケッチ]



π( g ) :v→ V は等長写像だから, V上の等長写像牙(g )



に一意的に拡張される.牙(g )の逆写像は牙(g1 )だから,牙(g )はユニタリ作



, g oεG;v , v 0 , v 1EV に対し,不等式 用素となる.一方, g )りー牙 ( g o ) v o I I三||牙 ( g ) vー 牙 (g ) v a l l+ I I牙( g ) v oー 牙 (g 市 。 | | | | 牙 (g



壬l v一向I I + 2 l [ v a v 1 l l+ I I牙 (g )町一牙(g a ) v 1 I I が成り立つ.特に V1εVを十分 Vo に近く選べば, G×V→ V の連続性より



§1 .2 位相群の表現



2 1



G×V→ V の連続性が導かれる. (g) ユニタリ表現の直和



, V . ¥ )入 (ε A)を位相群 G のユニタリ表現の可算個の族とする. H i l b e r t



( 7 ! ) ,



空間れの内積を(,) η



ノルムを|||| η で表す. VA(入ε A)の代数的直和と



してベクトル空間



I l



V i : = ijがりi +… +vm=Oを満たすのがりi=… =Vm=Oの ときに限ることを示せば、よい. w1’ . . . ’ Wm)= W を W の m 個の直和空間として, φε Hom0(W,V)をφ(



主φ







包 j(



Kerφ ヂ {O}と仮定し,矛盾を示せばよい. Kerφ は , W の不変部分空間 であるが,その Oでない既約部分空間の 1つを院もとおく(補題 1 .24より, {O }なので,少なくとも 1つの j( 1三j壬 このような Woは存在する). Woチ



m)に対して射影 p jを Woに制限した写像 P j i w . : 。 Wo→



W



は Oでない・ Wo とW は既約なので,れもと W は同型である.同型写像 : : ;Woを 1つ選ぶと,各 j ( 1三j壬m)に対して p j0 q ε Homa(W,W) q :W .



であるから,とれは恒等写像のスカラー倍である.そのスカラーを c jとお { O}であるから,少なくとも 1つの c jは Oでない.任意の ω ε く と , Woヂ



W に対し, 0=φ( q ( w ) )=I:p i j( p j0 q ( w ) )=I:c j民 (ω)



となるので, p i 1, …, P i mが一次従属ということになり,{φ i :iεI}が基底で あることに矛盾する. ( i i )wの基底を{w 1 , --,wd}と す る 民 主 ImagePijとすると, m



d



v=j ; ; 1 J ; 1C J , k P ; j ( w k ) ( C J , kε q と表せる. 1 l h:=I :C J , kφj i とおくと



π( g ) v= J E k ; ; 1C J , k q > i j( π( g) 叫 ) =工島(π( g) w k )E I :w k(W)



g ) v三d 2が証明された となるので, d=dimWに注意すると, dimI:Cπ (



E



第 1章 位 相 群 の 表 現



32



§1 .3 種々の表現を構成する操作* 1 この節では,与えられたベクトル空間 V や W から,別のベクトル空間



V ,vv,V @ Wなどが構成できるととに対応して,群の表現についても,与 えられた表現から,



共役表現,反傾表現,テンソル表現などの別の表現が自



然に構成できることを説明する. (a) ベクトル空間の操作



V W を C上の有限次元のベクトル空間とすると,新たに,以下のような う



C上のベクトル空間を作ることができる. ( γの複素共役)



v



vv=Homc(V,C) (Vの双対空間) V@W



(1 .2 5 )



dimV



八v = E B八kV k = O SV= るskv k = O



(テンソル積) (外積) (対称テンソル積)



とζ で V は次のような記号を用いて定義される複素ベクトル空間である: 集合として,



V :=v(vεV)という記号で表される元の全体. 集合 V に,加法およびスカラー倍を



v+w:=v+w



( り ? ωεV)



( x + v i " = T y ) ・ v:=(x-vi"=Ty)り(x ,yE J R ) と定めると,



Vは複素ベクトル空間としての構造をもっ. とこで, uは単な



る記号であって, V の実形( realform)日に関する共役をとったわけではな いことに注意しておく(実形については第 1 2章で詳しく述べる). 次の命題は複素ベクトル空間 Vの定義から明らかであろう: *1 とこでの「操作」は圏( c a t e g o r y)における函手( f u n c t o r)として述べられるものであ るが,本書では極度の抽象化は避けた.



§1 .3 種々の表現を構成する操作



33



命題 1 .50 写像 ψ:V→ Vを vf--+vと定義すると, ψ は J R −線型同型であ , り ( 1 .2 6 )



ψ( ω )=百ψ( v ) ( αεc, り εV)







が成り立つ.



上記のベクトル空間の基底を与えておこう.{り1,V2γ・,− Vm}を V の C上の



v i ,v~ , …, v~ } を vv における双対基底とする.すなわち vv と V の 基底, { 自然なベアリングを(,)で表せば,



" I1 ( i=j ) ( v i ,v : )=
ab(x)九b;; Ullllγtαb



= ヰ 子 [定理 4 . 1 1の証明]



b ; 1 X 7 l " ( x )







( i )fEC(G)を任意の類関数とする.定理 4 . 3よ り ,



G上の関数 f k(k=l,2,…)であって, •f kは G の既約ユニタリ表現の行列要素の線型結合で表される • k→ ∞ の と き ん は fに G 上一様収束する



という性質をもつものを選べる.射影 P:C(G)→ C(G)の連続性から, Pfk はPfに一様収束する・ Pf=fだから Pん は fに一様収束する.一方,各



kに対して Pfkは P町(πりは既約表現の行列要素)の線型和で表される.さ . 1 3より P町は指標 b の定数倍である.従って,定理 4 .1 1( i) が らに補題 4 証明された.



( i i)指標の直交関係式(§ 3 .4定理 3 . 4 6)より



{ χ π :πεδ} が L2(G)の正規直交系であるととがわかる.これらが L 2 ( G ) A dの中で完備 であるととをいえばよい. ( i)より{ x 7 r:πεδ}の線型和として表される関



( G ) A c tで調密となる.一方 C(G)は H i l b e r t空間 L2(G)で欄密な 数全体は C . 1 2より C ( G ) A < lは H i l b e r t空間 £ 2 ( G ) A < lで欄密である.故に ので,補題 4 { x 7 r:πEG}が完全正規直交系を与えることが証明された.







132一一一一第 4章 P e 七e rW e y lの定理



( e ) Fourier級数論と Peter-WeyI の定理 Peter-Weylの定理を,最も簡単なコンパクト群の 1つであるトーラス群 G='ll':=lR/2πZに適用すると,§ 2 . 1で述べたように, F o u r i e r級数論にな る . との節で述べた定理をよりよく理解するために, G = ' l l 'を例として,乙 の節のいろいろな定義を復習しながら,定理をたどってみよう. まず,整数 nに対して



ヘ tmod27r



χn:' ] [ ' → C



f-+



e~nt



とおくと, b はトーラス群 Tの既約ユニタリ表現である.逆に Tの任意の 既約ユニタリ表現は Tがコンパクトなので定理 4 .1( i)より有限次元であり, Tが可換なので結局 1次元表現となる( § < l . 2系 1 .4 3).従ってこのような表 現は必ず χnという形で表されることがわかる.すなわち,



'ii'~ { χ n :n εZ} である.表現 b は 1次元表現であるから, b の指標および(正規直交基底 に関する)行列要素は b 自身に一致する.故に, ・定理 4 . 2を G = ' l l 'に適用すると,



{ χn:nεZ }は L 2 ( ' l l ')の完全正規直交系である(定理 2 .4 ) . .定理 4 . 3を G = ' l l 'に適用すると, トーラス T上の任意の連続関数は,



E : αn e v ' = I n t(有限和)の形の関数で nEZ



一様に近似される. ことがわかる. さらに, f ε L 1 ( ' l l ')に対し等式( 4 . 5)に従って "



1



,2, 了



=士 lJ(t)e-v-lntdt



χ− nU):= /f ( t ) xn ( t ) d t J1f



L , 7 ! JO



とおくと, χ nU)はfの F o u r i e r係数 J ( n )(等式( 2 . 1)参照)に他ならない. i f > xn の定義式( 3 . 4 0)に戻って計算すると



瓦 :π(χ一n であるから,定理 4 . 8をこの場合に適用すると



§4 .1 P e t e rW e y lの定理



133



f ( t )= I :J(n) 戸 叫 ( L2−収束) nεz



llfll~"(1f) = ふ|穴n)l2 となる.すなわち,定理 4 . 8を G = ' l l 'に適用すると, F o u r i e r級数の逆変換 公式および P a r s e v a lの公式が得られるわけである(定理 2 .2 ( i i ) ,( i v)参照).



(f ) コンパクト L i e群の特徴づけ § 4 .3で証明する Peter-Weylの定理( L i e群とは限らない一般のコンパクト γ・ ・ な 群の場合)を用いると,任意のコンパクト L i e群は, U(n),O(n),Sp(n)



どのように一般線型群の部分群として実現されることが証明できる.すなわ ち,次の定理が成り立つ. 定理 4.14 コンパクト位相群 G に関する次の 2条件は同値である. (i) G は一般線型群の部分群と(位相群として)同型である.







( i i ) GはL i e群である. 注意 4 .15



(i) GL(n,JR)cGL(n,dimG;+1ま



たは Gi+1の連結成分の個数は Giの連結成分の個数より真に小さくなる.故 e}となる.と に,降下列( 4.15)は有限回で止まり,ある jに対して Gj={



のとき表現の直和 汀



1 E 8…@ π j :G→ GLc( 日E 8V 2E 8…⑦巧)



π 1E 8…@町) = を考えると,その核 Ker(



nKeni={ε}となるので,



m⑦



・・@町は単射である.故に G は一般線型群 GLc( 町@…@同)の部分群とし 町@… E 8 1 / j)は H a u s d o r f fなの て実現される . Gはコンパクトであり, GLc( 1E 8…E 8 1 T jは G から Image( π 1E 8…@町)の上への位相同型を与 で,連続写像 π i e群 G は位相群として,(相対位相による)位相群 Image( π 1E 8 える.故に, L



一@句)と同型となり,定理の証明が完結した.







§4 .1 P e t e r W e y !の定理一一 135



(g) 指標による直交射影 P e t e rWeylの定理の応用として,§ 3 .4で述べた定理 3 . 5 0(指標による射



影)を無限次元表現の場合に拡張しておとう.いくつかの定義を復習してお . く



π, V):コンパクト群 G のユニタリ表現 (



( r ,W )εG : : : . G 1 1 1 , .=



2 :



Imageφ :V の T−成分(§ 1 .2定義 1 .4 8 )



昏ε Homa(W,V)



P T :v→ V,り f->dimr/ ゎ( g) π( g ) vd g§ (3 .4定理 3 . 5 0 ) JG



次の補題は定理 3.50の証明において( dimV 2 ,・ ・ ・ } .



( i i ) 仏k は有限次元ベクトル空間て守ある ( k= 1 ,2, … ) . ( i i i ) { 入k: k=1 ,2,…}の集積点は Oのみである(入kが無限個の場合). ( i v ) 入チ μならばれと冗は互いに直交する. (v) V=日E f l : l プV i k (Hilbert空間の直和分解).







k2 :1



日=KerTは V の閉部分空間であり,無限次元になるととも有限次元にな ることもありうる.



第 4章



150



P e t e rW e y lの定理



(b) L 2−完備性 コンパクト作用素のスペクトル分解を使って,次の補題をまず証明しよう. 補題 4.32 G をコンパクト群とする. (i) G の任意のユニタリ表現(π, V)には,有限次元の既約な部分空間



W が存在する. (i i ) G の任意の既約ユニタリ表現は有限次元である.







前節の系 4.23においては「Gが GL(n,C)のコンパクト部分群である」こ とを仮定して補題 4 .3 2 ( i i)を証明した. とζ では,この条件を仮定しない一 般的な設定で別証明を与える. . 3 2の (i ) 比 補 題 4.34の証明の鍵となる. なわ,補題 4



注意 4 .33 H i l b e r t空間の有限次元部分空間は常に閉集合であるので,補題 4 .3 2 ( i)における W はG の閉部分空間となる.



[補題 4.32の証明]



V の元りでノルム



l l v l l=1となるものを 1つ選び,射



影作用素



P:V→ V , u1-+ (u ,v) v を定義する. ImageP=C りなので, P は有限階の作用素であり,



(Pu,w)= ( u , v ) ( v , w )= ( u ,( w , v) ) り =( u ,Pw) ( V u ,VwEV) なので, P は自己共役である.補題 3.28を適用すると,



P := I7 r ( g ) 1 a Poπ ( g ) d g JG



は(π, V)から(π'V)への G−線型写像である.また各 gεGに対し π( g )10 Poπ( g) が有限階の作用素であることに注意すると, βc(V)は B(V )の閉



部分空間なので P はコンパクト作用素でもある.さらに Fの随伴作用素を



(P * ) と書くとヲ



( P ) *= か ( g) *0 P*0 ( π( g ) 1) * d g = か( g)1oPoπ( 例



( πはユニタリ表現)



§4 .3 P e t e rWeylの定理の証明(その 2 )一一一一 151



であるから, P は自己共役でもある.定理 4 . 3 1を P に適用し,そこで使わ れた記号を用いる.特に,日= Kerf 5である.まず, KerPC KerP



すなわち, 日ムり



( 4 . 2 1 )



を示そう. uε%とする. Pu=Oであるから, 0=(Pu,u )=/(P π( g ) u, π( g ) u ) d g JG



=I(P π( g)u,P π( g ) u ) d g ・ . " ( P =P2=P*P) JG



であり,



G→



v ,



gI-+P π( g ) u



は連続写像であるから



P π( g ) u= 0 ( V gεG) が成り立つ.特に, g=εとして Pu=Oが示された. これは u . . l vを意味す



V o. . l vが示された. V=円E B(2 . : E l lV > . k)は直交する部分空聞による直和分解であるから,( 4.21)



る.故に



¥kd



I



より u ε2 . : E l l V i kがいえた特に, Ker(P 九 i d) 手 0となる



Fの固有値九手



k ; : >1



0が存在するが,定理 4 . 3 1よりその固有空間は有限次元である.さらに,



Pε Homc(V,V)より Ker(P一九 i d)は G−不変な有限次元部分空間であると d)を既約分解して,その既約成分の 1 とがわかった.従って, Ker(P 入ki



つを(πw,W)とすると, W が求めるものである.よって( i )が示された







( i i) は (i )より明らかである.



補題 4.32を用いて, Peter-Weylの定理 4 .1および定理 4 . 2の証明を完成 させよう.残っているのは完備性の証明,すなわち次の補題だけである: 補題 4.34 定理 4 . 1の設定の下で, R(G)は L2(G)の調密な部分空間で ある. [証明]



L2(G)における R(G)=



E B φ π( V⑧ vv)(( 4 .2)参照)の直交補 {7r,V)EGt



空間を U とする. U={O}をいえばよい .u ヂ { O}として矛盾を導とう.ユ



152



第 4章



P e t e rWey !の定理



ニタリ表現の部分表現なので, ( (L×R)u,U)は G×G のユニタリ表現である. 簡単のため,右正則表現 R のみに注目すると(関数空間 R(G)の記号と混乱し Ru,U)は G のユニタリ表現である.補 ないように注意してほしい),特に (



題4 .3 2 ( i)に従って, U の G−不変な有限次元部分空間 W で ( Rw,W )が既約



1 ,・ ・ ・ 刈n } なものをとる. T=Rw,n=dimWとおく .wの正規直交基底{ w を選び,



π j)と書き表す.すなわち,



7 を行列表示して T = (



T ( g ) w j=乞 π i ( g ) w ; ( gEG, 1壬j壬n ) である. 一方,



W1, … ,



Wnは G上の関数であり, T=Rwであるから, n ,



W j ( g )= ( R ( g) 叫 ) (ε )= ( T ( g) 叫 ) (e )= 2 二T ; j ( g) 叫 (ε ) ( gεG, 1壬j壬n ) が成り立つ. ところが 句iE φ φ π (7r,V)EGJ



( V⑧ vv) ( 1壬V iVj壬n ) ヲ



であるから,その一次結合として



W jE E B < P π( V⑧ vv) ( 1豆V j壬n ) (7r,V)EGJ



である しかるに W jεW eU であるが U上







φ π( V⑧ vv)



(7r,V)EGt



なので(叫,叫)= 0となり{叫}が正規直交基底であることに矛盾する.故に



U={O}でなければならない.従って補題が示された.







以上から,一般のコンパクト群に対して Peter-Weylの定理 4 .1( i ) '( i i) お . 2の証明が,完結したことになる.上の証明で使われた議論の中 よび定理 4



で,次の結果は有用なので命題としてまとめておこう: 命題 4.35 G をコンパクト群とし,線型写像 T:L2(G)→ L2(G)はコン パクト自己共役作用素であって,かっ左正則表現 L に関する G−線型写像



V gε G))とする. このとき,入ヂ 0ならば, (すなわち, ToL(g)=L(g)oT(



§4 .3 P e t e r W e y !の定理の証明(その 2)一一一 1 53



Ker(T一 入i d)は G の有限個の有限次元既約表現(π i ,V i) , ・ . .' ( πN,i う v)の行列



要素の線型和で張られる.すなわち,入チ 0ならば N



、 −



Ker(T一 入i d )c E B φ( 可v ;⑧ v ; v ) J



が成り立つ .Tが右正則表現に関する G一線型写像(すなわち, ToR ( g )=







R ( g )oT ( V gε G))の場合も同じ結論を得る・ (c) 積分核と積分作用素



前項で証明した L z同完備性(定理 4.2)から連続関数に対する近似定理(定 o u r i e r級数に 理 4.3)を導きたい.このために,まず,第 2章で解説した F



よる近似を復習しよう.ん) = ( ! ,e円 引2(τ)=



l f( t ) e日 n t d t とおく. f ε



J1f



L z ( 1 ')に対しては N



~



fεLz(1') =今「 J i 叫 《 L f(n)e~nt は f ( t) にL z−収束する」 川→ ~n=-N



が成り立つのであった一方,連続関数 fεC(1')に対しては ( 4 . 2 2 ) N



~



fεC(1') =今「 J i 叫 《 I : f(n) 巴~nt は f ( t)に一様収束する」 H → ~n=



N



という“主張”は正しくない.従って, L 2−収束するという結果の類似として, 一様収束するという結論を引き出すととは一般にはできない.我々の目標は .34(L2−収束)から定理 4 . 3(一様収束)を引き出すことであるが,それ 補題 4



, にはー工夫必要である そ ζ で



fEC 2 ( 1 1 ')と仮定すれば主張( 4.22)が成り



.1)を思い出そう(なお, D i r i c h l e tの定理(注意 2 . 1)より, 立つという事実( §2



fは c i( 1 1 ')でもよい). ( t)を εv ' " = T n tの有限個の線型和で一様近似させるという 与えられた関数 f のは,必ずしも( 4.22)の形でなくともよい.すなわち,二重数列 αN ( η)( nε Z , N εN, l n l壬N)を考え, ( 4 . 2 3 )



「. F m 芝 川 昨 日 耐 は f( t)に一様収束する J J V→ 00n=



N



P e t e rW e y lの定理



154一一一第 4章



J



とすればよいのである. α N ( n )= ( η)ならば( 4 . 2 2)の主張になるわけだか ら,( 4 . 2 3) は (4 . 2 2)より弱い主張である.さて, αN(n)はどのように見つけ



(n)の性質を調べよう. ればよいのだろうか.まず, αN rf



N



f ( n )= f f ( t ) e~ I n t d t= /(Jim Z αN (k) ε 、 − I k tJe− 、 ntdt ~



f



~\



I



J 1 f ¥1'→ 0 0k=-N



J 1 f



=Jim 1'→



~



N 2 :αN(k)/re− 、一1(k-n)tdt



00k= N



F



ι







J 1 f



= J i 九州(n ) なので



各 n を止めると J~。 αN(n)= れη)



J



が成り立つ・ f ε c 2 ( ' I T ')なら αN ( n )= ( 叫(VN)とおけば( 4 . 2 3)が成り立つ.



( 4 . 2 3)を満足させるような αN(n )は一意的ではなく,古典的な近似法( F e j e r 核など)として種々の作り方が知られている.その抽象的な枠組みは次のよ うに説明できる. ステップ( 1 )



fε C ( ' I T ')を c2級の関数 { FN:N= 1 , 2,…}で一様に近似す



る . N



A







ステップ( 2 ) FN(t)を F o u r i e r級 数 の 有 限 和 玄 再 (n) ε 、二T ntで一様に n= N



近似する.そこで, αN(n ) = 岳(n)とおけば( 4.23)が成り立つ. )において, ステップ( 1



fを近似する c2級の関数列{FN}のとり方はもちろ



o u r i e r級数の様々な近似法が存在する. ん一意的ではなく,それに応じて F



i e群ではな 一般のコンパクト群 G についても同じ考え方を適用しよう. L いコンパクト群上の関数には「微分可能な」という概念はないが,上記の c2 級の関数 F ( t)の代わりに,適当な積分作用素で f ( t)を「平滑化J した関数



) )を用いるのである.この項では,積分作用素として定 (後の記号で TKf(x i l b e r t空間の聞の線型写像(とれが「平滑化」に相当する)の性質 義される H を,その積分核の性質を通して調べる.



G をコンパクト群とし, dgを G の正規化された Haar測度とする(ただ い以下の議論の前半では, G が群である必要はなく,コンパクト位相空間



§4 .3 P e t e rWey !の定理の証明(その 2)一一一一 155



にB a i r e測度が定義されていることのみを使う). L2(G×G)に属する関数



K(x,y)を与えたとき,線型写像 TK:L2(G)→ L2(G)を



: = l a



( T K f ) ( x )



K( 夙 ,y y )



で、定義する.まず TKが矛盾なく定義されていること,すなわち TKfEL 2 ( G ) を示そう. CauchySchwarzの不等式より



( y ) d y l 2~la IK(川) 1 2叫 げ ( 州 | ( む f)(xW=ILK(川) f であり,従って



l l T K f l l L 2 ( G ) 三l l K l l ρ (G×G ) I I fl l L 2 ( G ) となるから, TKfεL2(G )が示された. さらに,作用素ノルムの定義( 4 . 1 8) よ りl l T K l l三l l K l l β (G×G )となる.故に TKは有界な線型作用素である. K (x,y) は積分核( i n t e g r a lk e r n e l ) , TKは K を積分核とする積分作用素( i n t e g r a lop 四



e r a t o r)と呼ばれる.



f k}を選ぶ・ { f i ( x ) f j ( y } ) は L2(G×G)の正 次に, L2(G)の正規直交基底 { 規直交基底となるから,



α り:= / K (x,y ) f i ( x ) f j ( y ) d x d y εC "G ×G



とおくと, H i l b e r t空間 L2(G×G)における収束の意味で



K(x,y)=乞 αi j f i ( x ) f j ( y ) が成り立つ.特に



llKll~2(GxG)



= 乞 |α η 1 2



であり,また



T K f j ( x )=乞 αi j f ; ( x ) であるから, H i l b e r tSchmidtノルムの定義( 4 . 1 9)より



第 4章



156



P e t e rW e y lの定理



( 4 .2 4 ) llTKll~s



=乞 l l T Kf jll~2(G) = I :(玄|内 1 2 )=l l K l l i 2 c G×G )0 で定義される GL(2,C)の閉部分群となる. x>Oのとき logxは zの連続関 数であるから,やはり



ζ の写像も



R と GL(2,C)のある閉部分群との位相群



としての同型写像を与えている.そとで次のように定義しよう.



(b) 線型 Lie群 ノ定義 5.1(線型 L i e群 )



GL(nq の閉部分群を GL(n,C)からの相対位相 ヲ



によって位相群とみなして線型 Lie群と定義する.より一般に,との線型



L i e群と位相群として同型な位相群も線型 L i e群と呼ぶととにする.







開でない部分群



GL(n,C)の部分群 G に関して,聞という条件をつけたその条件をはず n}が, GL(n,C)の元 gに収束しでも, gは G の元で すと,「 G の元の列{g ない」ということが起こってしまう.つまり,相対位相では Gが完備でなく なって不都合である.このような部分群は考えなくてよいのであろうか? 位相群 R の例に戻ろう.実数入を 1つ選んで,



( 5 . 4 )



Io V : : : f t



n



¥



R→ GL(2,q , tf-+ g(t)=Iν0 e戸Dt )



という表現を考えてみよう.まず,乙の写像の単射性を調べてみる. 実数 s , tに対して e . . f 二Ts= e . . f 可t ,e . . f 寸 λs=e V : : : f ≫ t となっているとすると, 整数 m,nによって s-t=2πm , 入 ( s-t)=27rnと表せるととになる.すなわ ち,入m=nとなる.入を無理数にとっておけば,これが成立するのは m =



. 4)は単射になる. n=Oのときのみであるので,( 5



/ 2としておく. ( 5 .4)は単射準同型なので, そこで,入を無理数,例えば ,



− ー 第 5章



172



L i e群と L i e環



その像である GL(2,C)の部分群とは,群として同型である. このとき{ ev=T2"-'n}n~I,2,



という複素数列は有界なので,収束部分列をも



っ.例えば,部分列{eF12 介 入n j }j = I ,, 2 が収東部分列であったとする. mj= 町+ I 叫とおくと, 1 e v = r 2 山 H 1-eFI"2 内 I=1 e v = r 2"同一 1 1であるから,数 刊 問J} は, 列{e v = I 2



3→ ∞ の と き に 1に収束することがわかる・ち= 2 πmj



とおくと, g( ち)が j→∞のとき GL(2,C)の単位元に収束するととを意味 している.一方 mj>Oは整数であるから,



hは Oには収束しない. これは,



( 5 . 4)の逆写像が連続ではないこと,すなわち( 5 . 4)は像の上への位相同型で はないととを意味している. → Oとなる整数 P) が存在 また,上のことは, j→∞のとき,|入mj-pjlー ラP ) であるから,任意に実数 μ を選んだと するととを示している.入mj正



き , q j( 入mj pj)が μ に収束するように整数釣をとることができる・ち= I1 ¥ 2 πmjqj ととると, g ( t j)はg oo=( ε 日 2 叩)に収束する この元 g o oは一 般には( 5 . 4)の像に入っていないととが,以下のようにしてわかる. g ( t )=ふと書けたとしてみよう・ e F I " t=1 ,e F I " ' t=e F I " 2 叩である.最



初の式は,ある整数 pによって, t=2πpと書けることを意味している.次 の式より q=入 p一μは整数であることがわかる.例えば,入= v ' 2 ,μ=./3 とすると, q 2=2p2-2V6°p+3であるが,これを成立させる整数 p,qは存在 しない. とのような不都合を避けるにはどうしたらよいであろうか? 位相は,集合の元どうしが近いかどうかを測るものであるととに戻って考 えれば,あまり離れていない元どうしについて, どの程度近いかどうかがわ かれば十分である. 例えば, Rの元 t oに対し,(t o 1 ,t o +1)という開区間を考えてみる・ ( t o 1 ,t 0 +1)に( 5.4)を制限して考えれば,( 5.4)が単射ならば離れている点が埋 め込み写像によっていくらでも近づいてしまうようなととは起こらない.す なわち,埋め込まれた像全体でなくて,もとの R について局所的に考えれ ば,( 5 . 4)による埋め込みの像によって R の任意の点の近傍へ位相を定義し



§5 .1 L i e 群 一 一 ー 173



たものは,もとの R における位相と一致している. 一方,一般に位相群 G とG の元 gに対し, G→ G,x→ gxという写像は,



G の点 X oの近傍から g x oの近傍の上への同相写像になるから,任意の点,例 えば単位元の近傍のみで位相を定めておけば, G全体での位相が定まること になる.そ ζ で,以下のように位相群の局所同型,および GL(n,C)の部分 L i e群や,より一般の L i e群を定義しよう.



( c) 部 分 Lie群 定義 5 .2(局所同型)



位相群 G とH に対し, Gの単位元の近傍 V , と H



の単位元の近傍 U を適当にとると, V から U の上への同相写像



L が存在し,



x,yε Vに対し xyε V 苧今巾) i ( y)εu ,



( 5 . 5 )



xyεV =今 巾) i ( y )= 巾y )



となっているとき,位相群 G とH は局所「司型( l o c a l l yi s o m o r p h i c)であると







いう. 定義 5 .3( L i e群 )



位相群 G が GL( η, q の部分群であって, G の単位元



の近傍 V を適当にとると, ( 5 . 6 ) V の位相は GL(n,C)からの相対位相に等しい



( 5 .7 ) V を間部分集合として含む GL(nぅq の単位元の近傍 U が存在す る.すなわち,



εVが j→∞のとき uεUに収束すれば、 uεV



Xj



および ( 5 . 8 ) G の連結成分の数は,高々可算個 という条件が共に満たされるとき, G を GL( η, q の部分 Lie群(Liesubgroup)という. η, q の部分 Lie群と局所同型となるような位相群 適当な η に対し, GL(



で,連結成分の数が高々可算個のものを Lie群 (L i egroup)と呼ぶ. L i e群 G の部分 L i e群 G と は , G の部分群であって, GL(n,C)を G に読 みかえて,上記の部分 L i e群の条件( 5 . 6) ∼ (5 . 8)を満たすもののととをいう.







第 5章



174



L i e群と L i e環



位相群 G cGL(n,qに対し,( 5 . 6) と (5 . 7)の条件は, G の単位元の近傍 V を適当にとると,( 5 . 6)かっ ( 5 . 9 ) V は GL(n,C)の閉集合 となる



ζ



とと同値である.実際,( 5 . 9)ならば U=GL(n,C) として( 5 . 7) が



, vに対し, U に含まれる GL(n,C) 成立する.逆に( 5 . 6) と (5 . 7)を満たす u の単位元の間近傍 Uoをとると, VパUoが (5 . 9)を満たす. 定義 5 . 3の (5 . 8)以外の条件の下では,部分 L i e群や L i e群の定義におけ る条件( 5 . 8) は ( 5 . 1 0 ) G は第二可算公理を満たす



.5(b)で示される. という条件と同値であるととが,§ 5 L ( n , < C )への単射連続準同型が存在 注意 5.4 多様体の構造をもっ位相群で G



するものを線型 L i e群,あるいは,部分 L i e群と定義する場合もあるが,それは ζ ζ では採らない. 閉でない部分群として述べた例は,定義 5 . 3の意味で G L ( 2 , < C )の部分 L i e群 となっている. G L ( n , < C )の部分群 Gが部分多様体となっているなら, Gは自然に部分 L i e群



とみなせる.定理 5 . 2 7で,との逆が成立することが示される. GL(n,< C )に離散位相を入れたものは L i 巴群ではない. これは( 5 . 8)以外の定義



5 . 3の仮定を満たしている. L i e群の部分 L i e群が, L i e群となるととは定義からわかる. 線型 L i e群は GL( η, q の閉部分群として実現されるので,明らかに( 5.9) i e群となる. および( 5 . 1 0)を満たし, GL(n,C)の部分 L 連結成分 位相空間 X に空でない真部分集合 Yで聞かつ聞となっているものがない とき, X は連結であるという . Yが聞かつ聞であるならば Y の元はその補 集合 X¥Yの元の収束先にならず,また, X¥Yの元も Y の元の収束先にな , Y とX¥Yの 2つの空聞に分かれてしまう. らないので,位相的には X は



X の部分集合 Y が相対位相で連結となるとき, Y を連結部分集合という. さらに, X の元 zを含む連結部分集合すべての合併を, zを含む X の連結



§5 .2 行列の指数関数



175



成分という.連結部分集合の閉包は連結で,また共通元をもっ連結部分集合 の合併も連結であるから, zを含む X の連結成分は, zを含む最大の連結部 分集合で聞となる



ζ



とがわかる.また, X は,その連結成分たちの互いに素



な和集合として表せるとともわかる. 注意 5.5 連結成分は一般には開集合とは限らない.例えば, R の中の有理数 の全体に相対位相を入れた位相群(( 5 .7)を満たさない)では,各有理数が連結成 分となる.一方, L i e群の場合は連結成分がすべて開集合となる(補題 5 .3 0 ) . 定義 5 . 3から( 5 .8)の仮定を除いた位相群の連結成分,あるいはそれと局所同 相な位相群の連結成分は,定理 5 .2 7の証明から弧状連結なことがわかるので,元



zを含む連結成分とは, G内の連続曲線をたど、って zから到達可能な元全体の集 合であるといっても同じである.



.6(単位元成分) 命題 5



位相群 G の単位元を含む連結成分 Goは , Gの



正規閉部分群である. これを G の単位元成分( i d e n t i t ycomponent)という. [証明]



連結集合の直積や,連続写像による連結集合の像は連結となると



x ,y )1----+x y1の像は連結で単位 とに注意しよう.すると写像 Go×Go→ G, ( 元を含むから G。に含まれる.すなわち, Goは部分群である.



gεGに対して, G→ G, x1----+gxg 1 は同相な群同型写像であるから, gGog 1 も Goと同様の性質をもっ.従って, Go=gGog・ 1



I



定理 5 .27で示されるように, L i e群は多様体の構造をもっ.多様体論では 多くの場合,連結な多様体を考える. L i e群論でも多くの場合ヲ連結な L i e 群を考えるが,それのみでは不便なととがあるので,必ずしも連結性は仮定 i e群論では扱わない. しない.ただし,商群 G/Goが複雑なものは普通は L せいぜい簡単な有限群か, Zのようなものの場合のみである.



§5 .2 行列の指数関数 前節では, R から GL(2,C)への連続な準同型の 3種類の例を考察した. 行列の指数関数を用いると,それぞれ



176



第 5章



L i e群と L i e環



) , 叶 ’



t(o 1 00



) , 位 (円。 ) v = r 入 /



1 0 0 -1)



pt . ¥ 0



と表せる. L i e群 R から一般の L i e群への連続準同型は,常に指数写像で表 i e環の概念が得られる. され,その積の構造を考察することから, L



行列の指数関数の定義から始めて,その性質を詳しく調べてみよう. (a) 収束ベキ級数



( x 1 ,・ ・ ・ , X n)が,点 x 0=(x~ ,-··, x~ ) で実解析的,あるいは, 実 η 変数の関数 f



c w級とは,点 XOのある近傍 Uト(x0):={xεJ R . n :l x 1-x~I があると,その核 H:=iP1 ( e)は Gの閉正規部分群となり,等質空間 G/Hは G'とc w級微分 gHgi )=φ( g) φ( H ) i P ( g1 )=φ( g) φ( g )1 同相になる.なお, gεGならば φ( =eより, gHg1cH がわかる . Hは正規部分群であるから, G/H×G/H → xyHによって G/Hには群構造が入り, G/Hは L i e → G/H, (xH,yH)ト 群として G'と同型になる.一般に次の定理が成り立つ. 定理 6.34 H を L i e群 G の閉正規部分群とすると,等質空間 G/Hは自 然に L i e群とみなせ,その L i e環は g/均である. この G/Hを商 L i e群とい



§6 .3



等質空間一一~253



. う [証明]



w級の c wー多様体となるので G/Hは,群構造をもち,群作用が c



L i e群である.自然な射影の原点での微分は, L i e環の準同型を引き起こす が,それは全射で核がちとなるから, G/Hの L i e環は g/均と同型になる 目 (c) 等質空間の基本群 最後に,基本群の計算に役立つ定理をあげておこう.



i e群で H をその閉部分群, Hoを H の単位元成 定理 6.35 G を連結な L 分とする. (i) G が単連結ならば, G/Hの基本群は H/H0に等しい.



(i i ) H が連結ならば, G/Hが連結仁=争 G が連結. ( i i i ) H を連結と仮定し, p:δ→ G を G の普遍被覆写像とする. H':= p-1(H)とおき,その単位元成分を H~ とおく.



( 6 . 2 6)



π1(G/H)~ 7r1(G)/(π1(H)/π1(H~ )).



特に, H が単連結ならば π1(G) 竺 π1(G/H)となり, G/Hが単連結なら ば π1(G)竺 π1(H)/π1(H~ )である.



[証明]



との定理は,ファイパー束のホモトピ一群に関して成立する長完



全列



)→ π1(H)→ π1(G)→作1(G/H) ( 6 . 2 7) → 町 ( G/H →π ( 。H)→ π ( 。G)→ π ( 。G/H)→ 1 から得られるが,ととでは直接の証明の概略を述べる. ( i)曲線族の持ち上げ連続関数 F:[ 0 , 1] × [O ,1 ]→ − G/Hが F ( s , O )=eH



f :[0,1] × [O ,1 ] − → G,すなわち, F を満たすなら,それの Gへの持ち上げ f は連続で π( F(s,t))=F(s,t ぅ )F ( s ,0 )=eとなるものを構成しよう G/Hには( 6.23)の引によって座標が入る.



ψ9(U)=gexpUHcGであ



ぅ h) ト → gexhは , G の開集合の上への微分同相となって るが, U×H → G, (X いることに注意しよう. xεgexpUHに対し, u 9 ( x )Ee x pU ,h 9 ( x)ε Hを x=g u 9 ( x ) h 9 ( x)によって定める.



254一一一第 6章



L i e群と等質空間の構造



ψ g ν( U) コF ( [ O ,1 ] × [O ,1 ])とできる.次に N を 有限個の gνζGを選んで U 「ν 1 l /1 十分大きくとり, Iv:=I 一一一 |とおいたとき,各ん: =I i×I Jがどれか LN 'NJ のψ Y v ( U)に含まれるようにする.各んに対しこのような ιを選んで 9ij と







z の小さなものから, z が同じときは jの 小 さ 机 の か ら 定 義 す る い 境 界 ( { 干 ) 吋 n ( s ,t )をん上で帰納的に定義する.すなわち, おき, F



( 1 i×(午))ですでに定義されているものの定義域をん同げればよい ただし i=lのときは,



tεLに対し



F(仰 ) = 川 (ψ ょ J ( 川 ) 九j ( f f ( o ,~ ) j



と定めておくと,いずれの場合も 川



/∼/ η(叫 ( F ( s ,t)))川 F~ s



イー 1 イー] ¥¥



t十 三 了 三 了 ) )



(s ーと~ ~ t と1のとき}



' 川



F ( s ,t )= ~ 山



η(叫(



I



I :



,"'



:



I'""



F (財) l F l二万二, t-s+す二)) h9ij



s ( − 干 三



t 二千のとき)



によってん上で F が定義できる . Fは各 I i J上で連続だから,[O ,1 ] × [O ,1 ] 上で連続となる.



I



\~彩 ¥







¥ s



図6 .6 F ( s ,t) の H−成分の定義



N



§6 .3 等質空間一一一−255



閉曲線の持ち上げ 単位元を始点とする G/H内の閉曲線を cとする.今示 したことの特別の場合として, F ( s ,t ):=c ( t)とおいて cの持ち上げ c :[ O ,1 ] →



= εを満たす. J j ! Jの Gが存在することがわかる.すなわち, poc=c,c(O) 持ち上げ c'との差を考えよう.写像[ 0 ,1 ] → H,t i +( c ( t ) )1 c ' ( t)は原点を始 点とする H 内の連続曲線であるから, Ho内に留まっている.従って,終点



c ( l) とc ' ( l) は , H の同じ連結成分に属することがわかる.よって, cの持 ち上げ方によらず H/Hoの元 c ( l ) H 0が定まることがわかった. 一方, G/Hの単位元を始点とする閉曲線 Co とC1 がホモトープならば,そ ,1 ] − → H, s1-+F ( s ,1)は のホモトピ← F の持ち上げ Fを考えると,写像[O



H 内の曲線となるので, c o ( l) とc 1 ( 1)とは H の同じ連結成分に属する.よ って ( 6 . 2 8 )



π1(G/H)→ H/Ho



という写像が定義できるととがわかった 全射性 H の各連結成分 γ ε H/H0に含まれる点 h と,単位元を始点と



. c はpo c ' Yの持ち上げ してんを終点とする G 内の曲線弘を固定しておく. γ であるから,( 6 . 2 8)は全射である. ( i)単射性 c ( l)εh y H oとする. c ( l)を始点,



hを終点とする H 内の曲



線 F を用いて ( 0壬2 t三1のとき) ( 1壬2 t壬2のとき) とおくと,明らかに poc∼cとなる.一方 G は単連結であるから, c , . . . . ,c ' Yと



c∼p0h となる.よって( 6.28) が なり,そのホモトピーを pで写せば‘, po 単射となることがわかった ( i i )H が連結で G が連結でないなら H は G の単位元成分 Goに属する.



Goおよび G¥Goは開集合で pは開写像であるから, Go/Hは G/Hの中で聞 かつ閉集合てや空て守も全体でもない.すなわち G/Hは連結でない.一方 Gが 連結ならば,連続写像による Gの像として G/Hも連結となる.



(iii) δ/H''::::'.G/H であるから, (i)より π1(G/H)竺 H'/H~ である.一方



256



第 6章



L i e群と等質空間の構造



H'=p一1(e)H~ であるから,



H' / H~



' . : ' .p 1( e )/( p 1( e )円 H~ )



となる.



q :H →



H~ を H~ の普遍被覆写像とすると, π1(H) =(poq)-1(e ), π1(H~ ) = q , 1 ( e)で



P I H 0 )1 ( e) 竺( poq) 1 ( ε) I q 1( ε)となるが, π 1(G)= あるから p 1 ( e )nH~ = (



I



pl ( e)であるから定理の等式が成り立つ.



( d) Lie群とその作用の例 2次元の Lie群 R上の 1次元の L i e環は可換 L i e環で,定理 5.34,定理 5.35より対応す る連結 L i e群は R とJR/Zのみである.そこで, R上の 2次元の L i e環で可換 でないものを考えてみよう.その基底を{H,X}とおくと,[f l ,f l ]=. I R [ H ,X] ,一 X]= となるので, X が [f l ,f l]の生成元であるとしても一般性を失わない. [H



exと書けるが,



H をスカラー倍して C=2としてよい. よって 2次元 L i e



環は可換 L i e環であるか,あるいは [H,X]= 2X によって定義される L i e環 fl=lRX+lRHのいずれかに同型である. l fは中心 が{O}なので随伴表現が忠実な表現となり, gC f l [ ( 2 ,J R)とみなせる.それと は異なる表現であるが H=(l 0 ) X=(O 1) 0 -1 ’ 00 という対応で, f l [ ( 2 ,J R)の部分 L i e環とみなせる.



(h x rn (h 2 n 0 rn (h x rn+l- (h 2 n + l o-h o h2n I ' ¥o-hI -¥ o より







っ = ( ; 干 )



0 -h



I



I



がわかる. ふ し 守 二 は h=Oのときは 1と定義される hの整関数であ る.像は



§6 .3 等質空間



257



ι



) : α> 0 , bEJ R }



( 6 . 2 9) 凡 : = ( ( ;



という対角成分が正で行列式が 1の実上三角行列のなす L i e群である.特に L i e環からの指数写像は Rの上への



c w級微分同相となり,乃は明らかに単



連結である.



g= ( ~



a~1 ) ε 九州の中心の元であったとする



Ad( が = 0より



α=1 , Ad(g)H=0より b=Oがわかるので,中心は単位元のみからなる. 従って gを L i e環とする連結 L i e群は九と同型なものしかない. 以上および可換 L i e群の場合の定理 5 . 3 5により, 2次元の連結 L i e群は, J R 2 'J R× (J R / Z ) ,( J R / Z ) 2,九のいずれかと同型になる 2次元球菌への Lie群の作用 Z ー 、 、 、Z α



z 、 、 、z fttt



BE ﹄ , ノ 一



22



11



\ /tIt



zz i α c



一 一



、\



B11ノ 12







\111ノ



\ /Ilt



o G ’, αc



++ υ L



C上の 2次の一般線型群 GL(2,C)は,自然に c2に作用している:



この作用での軌道分解は c2の原点とそれの補集合 cヘ{O}となる.また,こ の作用は C によるスカラー倍の作用と可換なので, Riemann球面 I P ' 1 C= (C2¥{0})/C×への GL(2,C)の作用が誘導される. ここで,



e x竺GL(l,C)=



C¥{O}で, C2¥{ O}に対し,その 2元(z 1 , z 2 ) , (z;,z~ ) がある CεC×によっ て( z ; ,z ; )= ( C z i ,Cz2)という関係にあるとき同値(z 1 ,z 2) ∼( z ; ,z ;)と定義し 2)を て同一視したものが I P ' 1 Cである.このような同一視を考慮したいi,z I P ' 1 Cの「司次座標(homogeneousc o o r d i n a t e)という. I P ' 1 Cの 敵 座 標 で ザ 0の部分を日とおくとラ(z 1 ,z 2)∼(三 1 )より z=



三L という対応で U oは{(z,l):zεC)}という集合,すなわち複素平面 C と Z?



同一視できる.一方 Z2=0の部分は同次座標で(1 , 0)という 1点なので,そ



oI I れを∞と書いて無限遠点、(p o i n ta ti n f i n i t y)という. これにより I P ' 1 C=U {∞}竺 CI I { o o}であって, I P ' 1 Cは複素平面に無限遠点を付け加えたものと みなせる. との同一視による GL(2,C)の作用は



258



第 6章



L i e群と等質空間の構造



白川 と表せる. l P ' l < Cの Z 1ヂ0の部分 U o oも , ω=三三によって複素平面と同一視される. Z 1 l P ' 1 < C=U oUUo は開被覆であって, U onU o oはそれぞれの原点を除いた集合 P ' l < Cは 1次 で ω=土という座標変換で対応づけられている. これによって l z



元のコンパクト複素多様体となる. 以上の考察により, l P ' l < Cは GL(2,< C )の等質空間となる.∞の等方部分群 は,(2 , 1)ー成分が Oとなる GL(2,< C )の部分群 B となる. また, GL(2,< C)の スカラー行列は, l P ' l < C上に恒等写像として作用するので,部分群 S L ( 2 ,< C ) に制限しでも作用は推移的である.ょっでラ等質空間として 1 P ' 1 < C~ GL ( 2 ,< C )I B竺 S L ( 2 , < C ) / B ,



長 : = ( ( ; : ) εGL間 } ,



B :=BnS L ( 2 ,< C )



である.



S L ( 2 ,< C )の部分群 B の l P ' l < Cへの作用は



( ; よ) z= z 1



α +α b



となる. P=BnSL(2,JR)の単位元成分は B の実形で,( 6 . 2 9)で与えた九 に一致し, Pf 九三{土ん}である. との P oの作用を考えると, l P ' l < Cは , 4つ の凡軌道 { P o九九0 ,P 0 i ,oo}に分解する



ζ



とがわかる.それぞれ,上半平



二Ty:xε J R ,y>O},実軸 R,下半平面 H_:=-H +,無限遠 面 H+:={x+v 二Tの等方部分群は単位元のみからなるから,写像九→ 点である. i=v'



< C , g→ g iは , I もと H+ との



c w級微分同相となるととに注意しておく.



次に S L ( 2 , J R)の作用を調べてみよう.各 R軌道は S L ( 2 , J R)軌道のいず れかに含まれることに注意しよう.実数 a , b , c , dが ad be=1を満たすなら a・l-1+b b dα c+も− 1 ぼ」戸トー= ムとなるので, S L ( 2 ,J R ) icH+ がわかる こ cv-1十 d c2+d れらから, S L ( 2 ,J R)による作用は H+,H,lRU{oo} 竺J R / Zの 3つの軌道へ







§6 3 等質空間一一一 259 目



の分解を与えることがわかる.



iの等方部分群の元は, b d一αc=O, c2+d2=1, ad bc=lを満たすので r (cos(} - sin8¥ 1 S0(2)=pe:=( s i n ( } cos(} ):(} εJR~ がその等方部分群となり,∞の等 方部分群は BnS L ( 2 ,JR)=Pである.よって H十~ S L(2,JR)/S0(2) 竺



f 弘 JR/Z~JR U{oo}~ S L ( 2 , J R ) / P



が得られる.



L ( 2 ,J R)の元 gに対し g i=p ( g ) iとなる p ( g) εf もが一意に決まり, なお, S H+ と乃の同一視から p ( g)は gの c w級関数となることがわかる.このと きk ( g ): = p ( g) 一l gはiを動かさないので 80(2)の元であるととがわかる.以 上により次の



c w級微分同相が得られる.



ζ れは



S L ( 2 ,J R)の岩津分解にあた



る . ( 6 . 3 0 )



九× 80(2)~ S L ( 2 ,J R ) , ( p ,k )f-+p k .



従って, S L ( 2 , J R)は連結で,その基本群は 80(2) 竺J R / Zの基本群に等しく,



Zである ζ とがわかる. G=SL(2,JR)の普遍被覆群を δとすると,



δはJ R 3と同相で,普遍被覆写



像p :G→ G の核は Z と同型になる. との G は線型 L i e群ではないことが以 下のようにしてわかる: π:G→ GL(N,JR )という任意の表現を考える.こ れは s l ( 2 ,J R)の N 次元表現を引き起とす.複素化すると s l ( 2 ,< C )の N 次元 の< C −線型の表現となる.すぐ後で示すように S L ( 2 ,< C )は単連結であるから,



L ( 2 ,< C )の複素解析的表現に持ち上がり,それを制限すれば G の表 これは S i e群ならば単射な π 現となる.すなわち K e r π コKerpとなる . Gが線型 L が存在するはずであるから矛盾である. 注意 6.36 まったく同じ議論で単連結複素 L i e群の実形が単連結でなければ, その実形の普遍被覆群は線型 L i e群ではないことがわかる. U(2)は < C 2上の標準内積(( z i ,z 2 ) ,(z~ , zm=z 1 Z I+z2 互に関する正規直交基 底のなす集合に推移的に作用している. l P ' l < Cの同次座標は,この内積での大 きさが 1のものが選べるから, U(2)は l P ' l < Cに推移的に作用していることが わかる.スカラー行列が自明に作用しているので, SU(2)に制限しでも推移



第 6章



260



L i e群と等質空間の構造



的である. 乙のとき∞の等方部分群は



i



l



I 0¥ " " ' I B nSU(2)= d i a g( α, b ):=Iα 0 b) : α = εペ b=e-•Y , 。 εJR~



となり, とれは 80(2)と同型な L i e群なので 80(2)cSU(2)とみなして 80(2) l P ' 1 C竺 SU(2)I がわかる. 3次元球面への Lie群の作用 U(2)の c2への自然な作用は, 3次元球面 83={lz1l2+lz212=1:( z 1 ,z 2)ε



3上推移的なので,任意の(z 1 ,Z 2)ε c2}を不変にしている.この作用は S S 3に対し g ( l ,0 )=( z i ,Z 2)となる gεU(2)がある. detg=θ ε とおくと百= gd i a g ( l ,e 0)εSU(2)に対して g ( l , O )=( < z 1 , z 2)が満たされる.すなわち,



F に SU(2)が推移的に作用している. gESU(2 )が( 1 , 0)を動かさないとする. S 3の元(0 ,1 )は gによって(1 ,0 )



と直交する元に移されるから,それは(0, α)の形をしている. とのとき gの 行列式は αとなるので α=1がわかる.すなわち gは単位行列となる.よっ て 83=S U ( 2 ) ( 1 ,0)という対応で,次の



c w級微分間相が得られる(例 3.26



の (3 . 3 0)参照): 8 3竺 SU(2)



さて 8 3¥{ ( 1ぅO)}→ J R 3ヲ(x 1十 i y 1 ,X 2+i y 2 )f-+ ( 1 X 1 一 )1 ( y 1 ,X 2 ,Y 2 )



により, 8 3から点(1 ,0)を除いた集合は J R 3に同相となる cを(0 ,1 )を始点 とする 8 3内の閉曲線とする. cを少し変形すれば cとホモトープな( 1 ,0)を 通らない閉曲線どが存在することがわかる.どは 83¥{(1,0) } 竺J R 3において Oにホモトープなので, P でも同様である. これは 83が単連結なことを意 味している.よって SU(2)は連結かつ単連結であるととがわかった 83は , C2¥{O }を正の実数の作る乗法群 JR~ で移るものを同一視した空



間とみなすこともできる.とれにより GL(2,C)が 8 3に作用していると 3の開部分集合 s gは みなせる. C23( z i ,z 2)で Z 2チ0の部分に対応する 8







§6 .3 等質空間



2 6 1



(子三と)によって JR.2 ×仰)と岡本民残りの閉集合 s~ fi(三~ ’ “l z 2 I



) o



l z 1 I’ / によって J R / Zと同相である. との 83上に絶対値 1の複素数倍による作用を



考えたとき,その作用での商空聞が JP'1C であり, sg が叫に s~ が∞に対



応することがわかる. S L ( 2 ,J R )3gの 83上の作用を調べてみる. g=p k e



( い



~ a~1 ) 吋



0 ( 2 ) ,p=(



と表すと s ;の座標を用いて g ( J = T ,1 )=( α2-J=T+αb ,e v = T 0)となり,



s g竺



R ) ( l ,0 )~ SL(2,J R)/凡も容易に得ら S L ( 2 ,JR)が得られる.また S~ =SL(2,J れる.以上をまとめて ダ=



s gIIS ! , ,s g~ SL(2,JR), S ! ,~ SL(2,JR)/Po



と 80(3) SU(2) SU(2 )は lP'1c~s2 に作用しているが, 32 に自然に作用する Lie 群は



80(3)である. ともに 3次元のコンパクト L i e群であるととに注意し,両者 の関係を調べてみよう.そこでヲ SU(2)の 3 2への作用を別の方法で構成し てみる. SU(2)の随伴表現は実 3次元のユニタリ表現であるから,そこにおけ る2次元球面を不変にするはずである. ( 6 . 1 6)の記号を使って印(2)の基 底を { JH, X Y , J(X+ Y)}と定めると, ad(JH),ad(X-Y),ad(J(X+ Y))は,歪対称となり自然に a d ( s u ( 2 ) )=o ( 3)がわかる.よって Ad(SU(2)) は,。(3)に対応する GL(3ぅJ R)の解析的部分群,すなわち 0(3)の単位元成分 )。である. 。 (3 一方, zが SU(2)の中心に属する元とすると, Ad(z)JH=JHよ り , zは 対角行列であることがわかり,さらに Ad(z)(X-Y)=X-Yより zはスカ ラー行列であることがわかる.すなわち zは



ιまたは− ιである.よって



ι



i e群 Ad(SU(2) ) 竺 SU(2) / { 士 }・以上により, SU(2)と局所同型な連結 L は , SU(2)あるいは SU(2)/{土ん}と同型なことが結論される. 80(3) コ 0(3)。であるが,両者を比べてみる. xyz−空間内の単位球面上の



262



第 6章



L i e群と等質空間の構造



点( x,y,z)は , z軸の周りの回転により z=Oに移り,次に z軸の周りの回



, 0 , 0)に移る. よって 0(3) 。 が3 2に推移的に作用していることが 転により( 1 ,0 ,0 )を動かさない 80(3)の元は z軸の周りの回転のみであ わかる.一方( 1 2竺S0(3)/S0(2)となって,定理 6 .3 5 ( i i ) ることが容易にわかる.よって 3 より 80(3)が連結であることがわかり, 0(3) 。 = 80(3)が結論される.以上 から



A d s u c 2 l :SU(2)→ 80(3) は連結 L i e群 80(3)の普遍被覆写像とみなせる.特に 80(3) 竺 SU(2) / { 士I 2 } の基本群は Z/2Zである.



Cartan分解



C )の基本群を計算しよう・" SL(2,IR)のときのように岩津分 最後に SL(2,< J の分解を用いて考察してみよう. 解を用いてもよいが,日j



ermite行列の全体をμ :={XEM(n,< C ):否= X}, 補題 6.37 n次の H そのうちで正値のもの全体を仏:={XEμ:(Xv,Xv)>O, ' v ' v E C n ¥ { O}}と おく. このとき



e x p :I : j→ p十 は全射な c w級微分同相となる.



H e r m i t e行列を H i l b e r t空間 e n上の線型変換と見ると,



[証明]



e nは固



有空間の直和に分解し,その固有値は実数である.すなわち, H e r m i t e行列 を与えることは, H i l b e r t空間 e nの直和分解とその直和成分上に異なった実 数の固有値を与える



ζ



とに対応し,また正値 H ermiteは,その固有値がす



べて正, ということに対応している.指数写像は,その固有空間の上に制限 すれば,単に固有値の指数関数倍という写像である.実数上の指数関数は 実数から正の実数の上への全単射であるととより, e x p :j I :→ ' l+は全単射で あることがわかる. これが c w級であるととは明らかなので,あとはとれの



J a c o b i行列式が expX(Xε j : I)で消えないことを示せばよい. g ( ( n ,< C )上の内積(,)を§ 5 .5の補題 5 . 4 0のように定める. ( 5 .5 1)より Xεpならば, ad(X)はとの内積に関してが( n , < C )上の H ermite変換となる ことがわかる.特に ad(X)は対角化可能で,その固有値はすべて実数であ c ,



§6 .3 等質空間一一一一 263



る .



(1-e 吋(X)¥ 定理 5 . 5 4より d e t ( de x p) d e t(−一一一一 l であり, dexpxの固有値 x ¥ ad(X) ) 1-eλ は ad(X)の固有値入によって一一一ーと表せる.入が実数であることから, 入



dexpx は固有値 0をもたない. よって d e t ( d e x p x) ヂ. o 1 g ε GL(n,C)に対し X : =- exp1 ( t g g)ε j : I , u:=geX とおく. 2



I



百u= extgge-x=εxe2xex=ι ? すなわち u ε U(n)がわかる.一方, g=uex(uEU(n), X ε j : I)と書けてい るとすると,百g=e2X となるので, Xεpは gにより唯一つに定まる.よっ て次の定理を得る.



w級微分同相である. 定理 6.38 次の写像は GL(n,C)の上への c U(n)×P竺 GL(n,C ) , ( u ,X)f-+ uex.



[証明]



との写像が c w級の全単射であるととはすでに示した.一方



X =~(叫)切g), であるから,逆写像も



=〆



u



c w級である.



I



pはその成分を座標と見て r n ; n 2 と問中日;なので,定理 6 . 3 8より GL(n,C)は U(n)とホモトピ一同値であることがわかる. GL(n,) ; 1(L~ ); 1we =



(L~,9);1仙 = WL(g'g),すなわち L~,WL =WLとなるから,この WLは左移動で 不変な k形式となる.逆に左移動で不変な k形式 ωは W eから上記のように



R ( g )= (R る ; )1 w eにより,右移動で不変な k形 して一意的に定まる.同様に W 式が定まる.



Gの次元を m とする.八mTevGは 1次元となるが,その Oでない元 W eを 固定して, m 形式 WLとWRを定める・ WLは左移動で, WRは右移動で不変



268一一一一第 6章



L i e群と等質空間の構造



な m 形式で,条件 w L ( e )=wR(e)=叫により唯一つに定まる.すると l w L I は左不変な, l w R Iは右不変な測度となる.その測度をそれぞれ d L g , d R gと 書くことにする このとき,



f刊 (G), g 0EG に対して fa!d L g=la(!0



Lg0)L~0dLg = f c J(gog)dLgな ど か ら f f ( g o g ) d L g= /f(g)dLg ( ¥ f g 。 ,ε G), ( 6 . 4 1 )



"V



もほ



fa!( g g o ) d R g=fa!(仙g ( V g oE G) が成立することがわかる. 両方の不変測度を比べてみよう.そとで w R ( g )=c ( g ) w L ( g)とおく・ W R ( g )= (R~ ); 1wei w L ( g )=(L~ ); 1we であるから (L~ ) e(R~ ); 1 は,八mTevc 上で c(g)倍



として作用するととがわかる. I ( g ) x = g x ' g 1とおくと, J ( g)は G上の cw 級写像で, dJ(g)e=Ad(g)となっている. (L~)e(R~ ); 1 は, Tevc 上に dJ(g)e から引き起とされる写像 I ( g : ) を八mTevcに持ち上げたものである.従って c ( g )= < l e tAd(g)がわかる: 定理 6.41



w R ( g )= detAd(g)wL(g), dR g= l d e t A d ( g ) l d L g .







また, g oEC に対して, L~0dRg =L~JI < l e tA d ( g ) l d L g )=Id e tA d ( g 0 g ) l d L g =IdetAd(g ) 。< l e tAd(g)I d Lg=I < l e tAd(g 。 ) l d R gとなる・ dLgについても同様 である:



系 6.42 L~0dRg =IdetAd(g 。 ) l d R g , R : 0 d L g=Id e tAd(g ) 。I1 d L g ( V g oEG).日



G上の写像 J :g r + g 1に対し, JVWLは G上の右不変 m 形式となる.一方 d f eは TeGに− 1倍として作用するので,(JVwL ( )ε)=( l ) d i m G w L( ε )となる. よって右不変 m 形式の一意性により次の定理がわかる. 定理 6.43



d L ( g1 )= dRg=Id e t A d ( g ) l d L g・



系6 .44 L i e群 G のモジュラ一関数 A は







§6 .4 L i e群上の積分一一一 269



L l ( g )= l d e t A d ( g ) l 1 a i r e で与えられる.特に G がユニモジュラーとなる(すなわち両側不変な B 測度をもっ)ための必要十分条件は I d e t A d ( g ) I= 1 (VgεG) [証明]



C 6 .4 2 )



I J( g α一1)dLg= I f ( gα− 1 ) i d e t A d ( g ) l1 d R g



JG



(−.定理 6 . 4 1 )



JG



= /f ( g ) Id e t A d ( g αWldRg (\・右不変性) JG



=IdetAd( α) | 一1I f ( g ) d L g (.−定理 6 . 4 1 ) JG



より,( 3.17)と比べて L l( α)=IdetAd( α) Iiがわかる. 最後の必要性は,不変測度の一意性(定理 6 . 5 0)に帰着される.



I



定理 6.45 連結成分が有限個の L i e群 G がユニモジ、ュラーとなるための 必要十分条件は Thacead(X)= 0 (VXεLie(G)) [証明]



L i e群 G の単位元成分を Goとおく. < l e tAd(e 1 x )= < l e te a d ( t X )=



e tTr e a d ( X)であるから, I < l e tAd(e x )I=1(VXεLie(G))の必要十分条件は, 配



Thacead(X)=0(VXELie(G))となる. Ad(g)は G上の cw級関数である から, これは detAd(g)=1(VgεGo)と同値である.一方, これが成立すれ ば,有限群 G/Goから正の乗法群への準同型が存在するととになるが,それ は恒等的に 1を対応させるものしか存在しない.







なお,連結成分が無限個ある場合は,定理 6 . 4 5は一般には正しくない(演 習問題 3 . 3参照).



i e群はユニモジュラーである. 定理 6.46 連結なベキ零 L [証明]



十分大きな kに対して ad(X)k=0(VXεLie(G))となるので,



ad(X)の固有値はすべて Oである.よって定理 6 . 4 5に帰着される. 定理 6.47 簡 約 L i e群は,ユニモジ、ュラーである. [証明]



簡約 L i e群の L i e環を gと し , gの表現 π : g →~'



X r-+T h a c ead(X)







第 6章



270



L i e群と等質空間の構造



を考える. . 3 9より gは gの中心 3と,有限個の単純 L i e環均zとの直和になっ 定理 5



3 )={ O}に注意しよう.一方,もし π( 私 )= lRならば,弘 n ている.まず π( Ker7r は阪の余次元 1 のイデアルとなって, ~i が単純であることに矛盾す



る.よって, π( 弘 ) ={0}がわかり, π( g )={O}となる.







コンパクト L i e群は簡約 L i e群であるから(例 5 . 3 8参照),次の系を得る § (3 .2系 3 . 1 4に別証がある).



i e群はユニモジュラーである. 系 6.48 コンパクトな L







この系と定理 6 . 5 0から以下を得る. 系 6.49 コンパクトな L i e群 G上には,



Idg=1を満たす両側不変測度 JG



が唯一つ存在する.乙れを G 上の正規化された Haar測度という.







最後に不変測度の一意性を,証明しておく: 定理 6 .50 L i e群上の左不変な B a i r e測度(左 Haar測度)および右不変な B a i r e測度(右 Haar測度)はそれぞれ dLgおよび dRgの正の定数倍に限る.



[証明]



μ を左不変な 同様なので,左不変の場合のみを示す.そこで, d



B a i r e測度とする.左不変性より, U を G の十分小さな単位元の近傍とする



とき ( 6 .必 )



j fd μ =c j fdLg



( V JEc + [ u ] )



となる定数 C の存在を示せばよい.ただし, c+[u ]は台が U に含まれ,非 負実数の値をとる G上の連続関数の全体である. 適当な局所座標系をとり, O < i : :《 1に対し,仇 εc+[u ]をゆε( e )>0で , その台が単位元の ε近傍に含まれているように定める.必要なら定数倍して







dLX=lとしてよい



ε f(g)=JG If(gx)ゆε ( x)dLxとおき,積分 I,=I ε fd μ を考える. JG 的) -f ( g )= fa(!(gx)-f (州 であるが,



fの台はコンパクトであるから, zがゆε の台に含まれていると



§6 .4 L i e群上の積分一一一 271



きの l f ( g x ) f ( g ) Iの最大値を M,とすると, M,は ε→ Oのとき 0に収束す る l f , ( g)一的)|三が仰)山=比であるから, はある一定のコンパクト集合に含まれ,



E→



Oのとき,



Lの台



ε f は fに一様収束することがわか



a i r e測度であるから,!出ε I=fa!d μ となる る dパ B



ν=gx, z=y1gとおくと,



dLXと d μ の左不変性から



I,=!ala六gx) < f J , ( x)dLxdμ(g) =f afa!(y) 仰



切) dLydμ(g)



=!ala供( g 1 y ) d μ ( g) j(y)dLy



= か (



z 1) d μ ( z )fa!( g) d L g



と変形される よって,



f討とすると,



la ( !山



> 0であるから,極限



z 1 ) d μ ( z)の存在がわかり,その値を C とすると fa!d μ =Cfa!dLg ! 叫 ゆε(



と な ;ι



I



(c) 等質空間上の不変測度 等質空間 M:=G/Hには,写像



G×M, (g,xH)円 九 ( xH):=gxH によって Gが左から作用しているが,この G の作用で不変な G/H上の測



G −)不変測度と呼ぶ.そのようなもの 度が存在する場合,それを G/H上の C がいつ存在するか,また存在する場合にはどのように表せるかを考えてみよ 0 .5(b)では,同変ファイバ一束の不変元という立場で不変測度の解釈 う . §1



を与える. g= L i e ( G ) , ~ = Lie(H , ) π:G→ G/Hを自然な射影とし, p=π( ε )とお



く .r yの gにおける補空間 qを 1っとり, qの原点の開近傍 U を十分小さく とれば ( 6 . 4 4 )



φx :U→ M, X 1--+ xexH



272



第 6章



L i e群と等質空間の構造



は , M の点 xHのある開近傍色 ( U)の上への



c w級徴分同相を与えていた



m=dimMとする.群の場合にならって,八mTPvMの元 W eを固定し,民 ( U) 上の k形式 W xを 仙 ( x e x )= (T : e x) 戸Weと定義しよう.民 (U)に台をもっ f ε



C(M)の元に対してか|凶|と定義することによって, φx(U)上 の 測 度 印 が定義できる.



x,yε Gに対して V= < P x ( U )nφy(U)手必のとき ( 6 .4 5 )



d μ x ( q )= d μ y ( q ) ( V qεV)



が成立しているなら, d μ x ( q )( xEG)によって M 上の測度が定まるので,そ



μ とおくことにする.定義からす ( d ん) =d μ 9I x(¥fgEG )がわかるの れを d μ は M 上の不変測度となる. で , d そ乙で条件( 6 . 4 5)を見てみよう. q=xexp=yeYpとなる X,Yε Uが存 在している・ x '=x e x ,y '=y e Yとおくと, q=x'H=y'Hである.山 ( q )=



) , :戸Weであるから,一般に条件



( T



( 6 . 4 6 )



gH= 伊 = 今 ( 引 い = s( づ ) ; 1we



が成り立てば,( 6 . 4 5)は満たされる.ただし, である.一方 h= gl g 'とおくと



εは 1または



1のいずれか



hEHとなるがヲ上の左辺は(T : ) p (T l ) ; l=



( 7 : ) ; 1が八mTPvM上に+ 1倍,または− 1倍として作用するととと言い換 えられる.とれを ( d T h ) p :TPM→ 耳M の条件に直すと,以下が成立すれば,



M 上に不変測度が存在するととが示された ζ とになる: ( 6 .4 7 )



I d e t ( d T h ) p l= 1



( V hEH).



なおこの H の表現



( 6 .4 8 )



H→ g [ ( T P M ) , h f +( d T h ) p



を M の点 pにおける等方部分群 H の等方表現( i s o t r o p yr e p r e s e n t a t i o n) と いう. この等方表現を L i e環を用いて表そう・ d 7 r eは全射でその核は



0である



ので, TpM は g /りと自然に同一視できる .H の元 h に対し Ad(h) ~c~ よ



, り Ad(h)は g/均上の線型変換を誘導するのでそれを Adg / 町( h)とおく.一 方T hπ( e t x )=h e t xH =h e t xh 1H =e t A < l ( h ) XH =π( e tAd( 収 ) ( V t ε J R , xεg) と なることより ( d T h ) p=Adg/~ ( h)がわかる.よって次の補題を得る.



§6 .4 L i e群上の積分一一一一 273



補題 6.51



d e t ( d T h ) p=



detAda(h) detAdH(h).



ただし, hεHに対し, A da(h)(=Ad(h)):g→ g ,AdH(h)(=Ad(h)iり:均→







りとおいた.



定理 6 .52 L i e群 G の等質空間 G/H上に不変調u 度が存在するための必要 十分条件は



( 6 .4 9 )



I < l e tA d a ( h ) I= I < l e tA d H ( h ) I 何hEH)



である.また, G/H上の不変測度は,存在すれば定数倍を除いて一意に定







まる.



系 6.53 コンパクト L i e群の等質空間 M には,不変測度ゆが存在する.



d μ は , 条 件 んdμ=lで一意的に定まる とれを正規化された M 上の不変







測度という.



例6 .54 L i e群 G を例 6 . 3 3のように G×G の等質空間とみると, G上の 両側不変測度の存在条件(系 6 . 4 4)は,定理 6 . 5 2に帰着される. [定理 6 . 5 2の証明]



定理の条件が成立すれば, M 上に不変測度が存在す



μ を G/H上の不変測度, dH(h)を ることはすでに示したそこで, d 度としよう. の左不変調j



H上



i



杭 町 ( G)に対してヲ写像 G/H→ J R , gH→手(凶 H)= ゆ(仲 h )



Cc(G/H)の元手を定めることに注意しよう. I( ) ゆ=



I lゆ(劫)dH(h)dμ(x)



JG/HJH



とおくと,とれは G 上の左不変測度 d a ( g)を与える.ただし,



z ε G/Hに



対し,否は xH=xを満たす G の任意の元である.



'=gh~l とおくと,( 6.42 )より 条件の必要性 h。ε Hをとり, g



l ゅ(h0gh;1)da(g)= /ゆ ( g h ; 1 ) d a ( g )=Id e tAda(h ) 。I I( ) ゆ 1



JG



であるが,一方,同様に



JG



274−一 一 第 6章



L i e群と等質空間の構造



l ゆ( h0gh~1)da(g) = / l ゆ( h。否hh~1 )dH(h)dμ(x) JG JG/HJH



=



I



l ゆ(否hh~1)dH(h)dµ(x) JG/HJH



= / / ldetAdH(h ) 。I iゆ (砧) dH(h)dμ(x) JG/HJH



= IdetAdH(h。 ) | 一l J( ゆ ) ,ゆがいずれも 0でなければ I( ゆ ) > 0であるから,この d μ となる dμ,dH(h) の存在は,条件( 6 . 4 9)を意味する. μ とd μ'および, P,P'εCc(G/H) 不変測度の一意性 G/H上に不変測度 d



が存在して,



I Pdμ=I Pd〆 ~o, G/H JG/H



ると仮定しよう 削)と同様, I '( ゆ ) =



l



/ P'dμ ヂ P'd μ'が成立してい JG/H JG/H



ι



か ( 劫) dH(h)d 内)とおく 補



ψ,VεCc(G)を t f=p,ψ I =P'となるようにとると, I( ψ)= I '( ψ)ヂ 0 ,J( ψ' ) チI '( ψ')となる. これは G 上の左不変測度が定数倍を除いて



題 6.55より,



I



一意的であるととに矛盾する. 補題 6.55 写像



ι(G)→ C(G/H),



l



f1-+了( gH)= 的



h)



の像は Cc(G/H)となる. [証明]



πを Gから G/Hへの自然な射影とすると,了の台は fの台を π



で写したものに含まれるから,像が



ι(G/H)に含まれることがわかる.



pε Cc(G/H)と し, p の台を K とおく . Gの各点 g に対して相対コンパ



gをとるとヲ π( U g)は開集合であって, クトな開近傍 U



Uπ ( U g)コK である gEG







N



から,ある有限個の π( 日I ) , … , π( U g N)の合併が K を含む・ K =u 1 u 品とお く と , K はコンパクトで, π( K) コ K を満たす.



: ( c)で , ¢ > (g )=1( V g ε K)となるものを 1っとると,ゆ(x)>O(Vxε ゆεc π( K)となる.そとで



§6 .5 コンパクト L i e群一一一 275



( P( π( g ) ) I e f > ( g) 士 一 一



(gεKのとき)



l0



( gr tk のとき)











f ( g )= ~ゆ(π (g ))、



と定めれば,



f= Pを満たす.



定理 6 . 5 2の証明から容易にわかるように 系 6.56 等質空間 G/H上に不変測度 da/Hが存在するならば, G,H上の むを適当に定数倍して調節することにより,次の式が成り立 左不変測度 da, つようにでbきる.



J a



g)da(g)= 」。(砧) dH( 川da刷 (Vれ か (



ι(G))



特に, Gがコンパクトなら,正規化された不変測度に対し上式が成立する. とこで,







G/Hに対し否は,否H = x となる



Gの元の 1っとする.







§6 .5 コンパク卜 Lie群 コンパクト群の表現の指標は,コンパクト群の各共役類の上で定数である から,共役類の代表系がうまくパラメトライズできれば有難い. U(n)の場 合を考察してみよう.内積(?)の定義された n次元の複素ベクトル空間 e n の線型変換で,その内積を不変にするもの,すなわちユニタリ変換の全体 は , n次ユニタリ群 U(n )であるが,



e nの正規直交基底を固定して考えれば,



U(n)は GL(n,C)の元 gで , tgg=Inを満たすもの全体のなす L i e群とみな )の元とする. u を gの固有ベクトルとすると, gはユニタリ せる. gを U(n であるから,その固有値入は絶対値 1の複素数となる.また Cuの直交補空 間の元 uに対し,(u ,g v )= ( g1 u ,v )= ( X u ,v)= 0であるから, gは Cvの直 交補空間を不変にしている. このととは,



e nの正規直交基底として,



gの固



有ベクトルからなるものがとれることを意味している.正規直交基底の聞の 変換はユニタリ行列であるから,適当な g。ε U(n)によって 9099;1は成分が 絶対値 1の対角行列となる



ζ とを意味している.従って



L i e群と等質空間の構造



1﹄1IEIJ



、 C﹂



R







ζ﹂



R



八 、



n







\11Elf’ J



AMA



ε



, \ f tt 1 ﹄1



一 一



ん E



E



、 八



aFb



nf







d , rtt IEt 、 , ,= と



﹁お



o d e



第 6章



276







ト ﹂



( 6 . 5 0 )



U(n)= L Jg ' T l n g一 1 gEU(n)



すなわち, U(n)の元の共役類の代表元が止の中にとれるととがわかる. 1 つの正規直交基底のベクトノレたちの置換はユニタリ変換であり,また,重複 度込みの gの固有値の集合は g o g g ; l という変換で不変であるから, ' T l nの元 が U(n)の中で共役となるのは,その対角成分が順序を除いて等しいときで あることがわかる.以上のようにして,



uい)の元の共役類,および,その



代表元がわかる.



U(n)の有限次元表現の指標 χは , t 上での値で決まるが,それはその表 現を ' T l nに制限したもののトレースである.一方 ' T l nはコンパクトな可換群で



i ,… , mn)によって あるから,表現は完全可約で,既約表現は η 個の整数(m パラメトライズされるに→ C ,d i a g( α i ,・ ・ ・ , a n )f + α ; n 1. . α Fという 1次元表現



( m 1, … , mn)によって χ( d i a g( α i ,… , an))= である.よって,適当な非負整数 c



I :c(mi,・ ・ ・ ,mn) α ; n 1. . α?と表せることがわかる. この事実は,第 8章で見る ように U(n)の表現を調べる上できわめて重要である.



GL(n,C)の元の共役類は,その J o r d a n標準形でわかるように, U(n)よ りはるかに複雑である. しかし,一般のコンパクト L i e群の元の共役類につ いては, U(n)と同様な事実が成立する.



i e群とし, g=L i e ( G )とする. との節では, G をコンパクト L (a) 極大トーラス 定義 6 .57 コンパクト L i e群 G に含まれる連結で可換な間部分群を G のトーラス( t o r u s)という.包含関係において極大な G のトーラスを極大ト ーラス( maximalt o r u s)と呼ぶ.コンパクト L i e群の L i e環についても,可 換な部分 L i e環をトーラスそのうちで極大なものを極大トーラスと呼ぶ.日



§6 .5 コンパクト L i e群一一一 277



T を G のトーラスとし, tを T の L i e環とする.定理 5 . 3 5 より, l= dimTとおくと T竺 T l zで , expt=Tとなる



ζ



とに注意しよう.



は , T=expt,t= 定理 6.58 G の極大トーラス T とgの極大トーラス tと )により 1対 1に対応する. L i e ( T [証明]



tを gの極大トーラスとする. T=exptは G の連結な可換部分群



となり,その閉包 Tは G のトーラスになる



. rを Tを含むトーラスとし,



t=Lie(T)とおく .tは可換で tを含むので, tの極大性から t=tがわかる− T=exptであるから, T=T=Tがわかる.従って, exptは G の極大トー ラスとなる.



i e ( T)を含む gの極大トーラス 逆に T をG の極大トーラスとするとき, L を tとおくと, TCexptであるから, T=exptとなり, L i e ( T )=tは gの極



I



大トーラスである.



随伴表現(A d ,g)はコンパクト L i e群の R上の表現であるから,とれがユ ニタリ表現となるような g上の内積が存在する.その 1つをし)とする.



Ad(g)はユニタリであるから, C上で対角化可能で,その固有値はすべて絶 対値 1の複素数となる. XEgに対し A d ( e t x )=e t a d ( X )( tεJR)はユニタリな ので, ad(X)は C上で対角化可能で,その固有値はすべて純虚数である.



gの元 X に対して ( 6 . 5 1 )



Z u ( X ):={Yεg:[ X ,Y ]= O } , Za(X): ={ gεG: Ad(g)X=X}



とおく・ 9の部分集合 U に対しでも同様に



( 6 . 5 2 )



Z9(U): ={Yεg:[ X , Y ]= 0 ,¥ : I XεU}, Za(U): ={ gεG: Ad(g)X=X, ¥ : I XεU}



とおく. 補題 6 .59 gのトーラス tに対し, Z 9(X)=Z 9 ( t )となる XEtが存在す



9(X)=tとなる. る.特に tが極大トーラスであれば, Z [証明]



tの基底を{X1, … ,X z}とすると, Z g(の=



nKerad(Xi)である.



d ( X ; )( i=1, … ,l )は互いに可換であるから,同時対角化可能である. 一方, a 2 X 3十…+ ε lー1 X 1とおけば,そ よって, 0< ε《 1に対して X=X1十εX2十ε



278一一一第 6章



L i e群と等質空間の構造



れが条件を満たすことがわかる.なお, tが極大トーラスならば, t = Z g ( t )







となることに注意.



(b) 共 役 類 定理 6.60 コンパクト L i e群の極大トーラスは,互いに共役となる. [証明]



T とT をコンパクト L i e群 G の極大トーラスとし t ,t 'をその



L i e環とする. gTg-1= T'となる gεGの存在をいえばよいが定理 6 . 5 8よ り,とれは A d ( g ) t = t 'と同値である.



. 5 9により, X,X'を Zg(X)=t ,Z g ( X ' )=t 'となる gの元とする. 補題 6 コンパクト L i e群 G上の連続関数



G→ J R , g. , . _ .( A d ( y) X ,X ' )



( 6 . 5 3 )



は最大値をもつので,(Ad(g ) 。X,X ')が最大であったとする. X":=Ad(g ) 。 ,X d I とおくと, Y句 に 対 し て ー (A d ( e 1 yg ) 。X , X ' ) I =0が成立するので d t l t = O



(ad(Y)X ぺX')=0 (VYεg). 一般に, X1,X2,zεgのとき(Ad( ε 勺Xi,Ad(e1z)X2)=(Xi,X2)( tεJR)と なるが,との両辺を tで微分して t=Oとおくと



( 6 .5 4 )



( [ Z ,X 1 ] ,X2)+( X 1 ,[ Z ,X 2 ] )=0



が得られる.



ぺX'])=0がわかる . Yは gの任意の よって([XぺY],X')=Oより,(Y,[X X']=Oが結論される. X" εZ g ( X ' )=ゼであるので, 元で、あったので,[Xぺ



Zg(X つコゼである.一方, Z g ( X " )=Z g ( A d ( g ) 。X)=A d ( g 0 ) tは gのトーラス ) 。t=t 'が得られる. であるから, Yの極大性より Ad(g







系 6.61 tをコンパクト L i e群 G の L i e環 gの極大トーラスとすると ( 6 . 5 5 )



g= U A d ( g ) t . gEG



[証明]



任意の gの元 X に対し, J RXは可換で,それを含む極大トーラ



< l ( g ) t=ゼとなる gεGがある. スゼ cgが存在する.前定理から A







定理 6.62 T を連結なコンパクト L i e群 G の極大トーラスとする . Gの



§6 .5 コンパクト L i e群ー←− 279



任意の元は適当な Tの元に共役となる.すなわち G = U g T g 1 . gξG



[証明]



次の



c w級写像が全射となる ζ とを示せばよい. P:GxT→ G, ( g ,t ) ← → gtg 1



( 6 . 5 6 )



G とT はコンパクトであるから,留の像はコンパクト,すなわち閉集合にな る.像が開集合であることを示せば, G は連結であるから全射であることが 従う.



g 。εG,tεTに対して, g J g ; ; lが像の内点であることを示す. Tを 9 0 T g ; ; 1 。=eと仮定してよいことがわかる. G':={gεG: に置き換えて考えると, g gt=tg}とおくと,連続性から G'は G の閉部分群となるのでコンパクト L i e 群であり, T は U の極大トーラスでもある.



t: =L i e ( T ) ,g ': = L i e (G')とおく. g'={Xεg: Ad(t)X=X}となって, 系6 . 6 1より P ( G ' ,T)=



Ug t e x p ( t ) g 1= U t e x p ( A d ( g ) t )=t e x p ( g ' )



gEG'



g εG '



である. ψ( G,T) つ gP(G',T)g1( gεG )であるから,写像



( 6 . 5 7)



φ:g E B g' → G, (X,Y). , . _ .exteYe-x



の像が tを内点にもつことを示したい.それには . pの原点での微分が全射で あることを示せば、よい. 一方,(d L t ) e :g c : : = . T e G→ T1Gという同一視により, φの原点での微分は



( 6 .5 8 )



d < P o :g E B g ' → g , (X,Y) ← → Ad(tt1X+Y X



となる.



Ad(t)は C上対角化可能で、,



dは固有値 1の固有空聞に他ならない.



d ( t)は商空間 g / g'上の線型変換を引き起こすが,それは固有値 て , A d ( t )1 ーi dは , g / g'上で可逆となる. たない.すなわち, A 射である



ζ



とを意味する.



よっ



1をも



とれは d < P oが全







i e群は,その L i e環からの指数写像が全射 系 6.63 連結なコンパクト L となる. [証明]



. 6 2の記号を使うと,任意の zεGに対し, x=gtg-1とな 定理 6



280一 一 一 第 6章



L i e群と等質空間の構造



るgεGとtεTが存在する . zεtを用いて t=ezと表すと x = e A c t ( 9 ) z .







群のすべての元と可換な元 zに対し, zと共役な元は zのみであるから, 次のことがわかる.



i e群 G の中心は, G の任意の極大トーラス 系 6.64 連結なコンパクト L







に含まれる.



定理 6 . 6 6を示すため,次の D i r i c h l e tの定理を引用しよう.あとからと れより強い定理 6 . 7 0を示す. 定理 6.65 1, 入i ,・ ・ ・ ,. . ¥ nは Q上一次独立な実数であるとする.入=(入1 ,・ ・ ・ , 入n)とおくと,射影 ]Rn→ F による L,k 入の像は桐密となる.







kεz



定理 6.66 連結なコンパクト L i e群 G のトーラス A に対し, A の各元と 可換な G の元 gが与えられたとき, g とA<を含む Gのトーラスが存在する.



. A 。 ,を . Aの単位元成分とする .. Aは可 換群で, .A,。は A を含む G のトーラスである • . Aはコンパクトであるから, 連結成分の数は有限個で, A /瓦。は可換な有限群である. よってが ε . A . 。とな [証明]



瓦を"£



gnAの閉包とし,



nEZ



る正整数 kが存在する. X,YεLie(A0) を , gk=exかつ { e n Y :nEZ}の閉包が . A 。 , となるように選



. 6 5からヲ び , e z=get(Y x)となる ZεLie(G)をとる・ Y の存在は定理 6



z



の存在は系 6 . 6 3からわかる.互を{ε tZ:t εJR}の閉包とすると,互はトーラ スである.互ヨ e k z=e yであるからラ互コ A oであり,従って g=ezet(x Y)ε



AA0=Aとなる.







系 6.67 コンパクト連結 L i e群 G のトーラス A の中心化群 { gεG:gz=



} ) は連結である. zg( V zεA [証明]



. 6 6より A の中心化群は, A を含むすべてのトーラスの合 定理 6



併であることがわかる.







系 6.68 コンパクト連結 L i e群の極大トーラスの中心化群はそれ自身に 一致する. 以下は,定理 6 . 6 5の証明で使うが,それ自身興味ある結果である. .69 1 ,. . ¥ 1 ,・ ・ ・ ,. . ¥ nが Q上一次独立な実数であるならば 定理 6







§6 .5 コンパクト L i e群 1



r



N



/ Jdx斗 im士"£ J ( k ) 入



" ' I I ' "



i







00



H



k=l



2 8 1



( V JE C(r)).



任意の ε> 0に対して e m 1 x 1 + ・ ・ + m n x n ( m 1, … , mnεzn)の適当な



[証明]



有限一次結合 ε f( x )=乞 C m 1 ,・ ・ ・ , m ne v = r z " ( m山十十叫, x n)をとると l f ( x ) -f ε ,( x ) I< ε( VxE1 1 ' n)とできることが, F o u r i e r級数論,あるいは定理 4.3からわかる.



とのとき,



1 1ζ N1( オ ! (以)− f ( ,以 ) ) \ >α n



が成り立つ.任意の α に対し, kαεZであるから,(χ π必 π £ }2 ( G )=1となる α が士 1となる αが唯一つ存在し,残りの九はすべて Oで ためには,整数 k



ζ



住外



となる. この符号は常に+となる



九 一D







Tむ



χπ



( 8 . 4 3 )



一 一 ’



なければならない.故に,



とを示そう. ( 8 .43)の分母を払うと



A α( t )=士D(t) χ π( t )



3 ) ' ( 8 .4



となる.等式( 8 .43)'の両辺はそれぞれ t 1,ら…, t nの多項式である.絶対値 1 の任意の複素数 t 1,九…, t nに対して( 8 .43)'が成り立つので,正則関数の解析 i ,t z, … ,t nの多項式としても恒等式( 8 .43)'が成り立つ. 接続の原理より, t



( 8 .43)'の左辺を乞 με



αμ t μ という形の Laurent多項式に展開し,降ベキの



z n



順に整理する(すなわち,有限集合{με z n:μ α ヂO}を辞書式I J ; 慎序(定義 8.30) で大きいものから小さなものへという順序に並べる)と, αi>…> αnである Tb



n α n



α2 ’ Tb l α 1 ’ Tb



, . . 2



α( t )の定義(定義 8.25参照)より から,〆その第 1項は A



である.一方,差積 D(t)= T I ( t it i)を降ベキの順で整理すると,第 1 1三4く 3 三n



項は t~ lt~



…t n 1



2



である.また, X i r ( t )=乞(d i r nVμW= I :m μ t μ( ( 8 .40)参照)を降ベキの



z n μ E z n 順で整理すると,入=(入i ,・ ・ ・ , . A n)が最高ウェイトであるから,第 1項は, με



m>.t~1t;2 ・ ··t~n



となる. よって,等式( 8 .43)'の両辺を比較して 土t~lt~2 …t~n = m>.t~1 怖- 1t;2+n 2 …t



を得る. mλ主1だから,等式( 8.43)の符号は+であり,



368



ユニタリ群 U(n)の表現論



第 8章



αj=入j+n-j ( 1壬j壬n )



( 8 . 4 4 )



最高ウェイト入の重複度 m λ =1



が成り立つことも同時に示された



p=(n-1,n-2, … ,1 ,0)εz n



( 8 . 4 5 )



とおくと



α=入+ ρ が成り立つ.以上をまとめて次の定理を得る. 定理 8 .36(Weylの指標公式)



( π, V)をユニタリ群 U( η)の有限次元既



nをその最高ウェイト(定義 8.31参照)とする.このとき, 約表現とし入 εz ( π, V)の指標 b の極大トーラス T上での値は, t=( t 1, … ,t n)に対して



2 : sgn( σ) t "( λ +p ) χπ (t)=~



( 8 . 4 6 )



1壬包く j三n



竺 W )の z n(~f)への作用は通常の定義(( 8.31 )参照) となる.ただし 6n( で与えられるものとする.恒等式( 8 . 3 4)を用いて次の形に書き直すとともで



η



u u



TLU



−−,,,



・ 、 八



11﹄titi



nnn



λ



、’ A qA , i 4u ・ ’ 八 、 む ’



nnHn



22 ・2 一 一一一



UH4



++・十



U4



・ 2 、 、 八2 、2 A1 4 AqA. i ’n ’ ’



4iu



Il −− 一 一一一



一η nn 十+一+ −− I l 、 A 1 Aqa・、 A n 4 ι ι ι ・ 、 上 ι 4 /I titti−−1\



e , d ×



一円



1 /\=







H一 一 く吋



( 8 . 4 7) χ π( t )=







き る .



χ π( t )は t = ( t i , ・ ・ ・ ,t n)の多項式となるが, この多項式を Schur多項式( Schur







p o l y n o m i a l)という.



等式( 8 . 4 7) を πが自明な 1次元表現の場合(入= 0)に考えると, vand e r Mondeの行列式の有名な公式(例 8 . 2 7)の別証明が得られる.同様に,( 8 . 4 6 )



において入= 0を代入した公式を系として書き留めてお ζ . う



系 8.37 山



g i ( t iー ち )= 2 : sgn(w)t~~)t~討見(n) J壬n



wE6n



§8 .3 U(n)の有限次元既約表現の分類と指標公式



[証明]



369



( 8 . 4 6)において入= 0 , w =σlとおけばよい. sgn(w)=sgn( σ)







に注意すると,系が得られる.



(c) U(n)に対する Cartan-Weylの最高ウェイ卜理論 . 3 6よりユニタリ群 U(n)の有限次元既約表現の最高ウェイトによっ 定理 8



てその表現の指標が決定される.一方,コンパクト群の有限次元表現(の同 .48).故に, U(n)の有限次元既約表現 値類)は指標によって決定される(系 3



は,その最高ウェイトによって分類できる.次の定理は, U(n)の有限次元 既約表現(あるいは既約ユニタリ表現)の分類を与えるものである. ( 8 .4 8 )



z n



( Z n)+・={入=(入I, … ヲ 入n)ε : 入1注入2 主…主入n}



とおく. .38(Cartan Weylの最高ウェイ卜理論) 定理 8 (i) ( π, V)を G=U(n)の任意の有限次元既約表現とし,入=(入I, … ,A n )



εz nをその最高ウェイトとする.







ζ



のとき,入 ε( z n)+であり,最高ウ



エイトの重複度 m λ三 d i m i :Homr(X> ., π I r)は 1である. (i i ) 逆にヲ任意の入 ε( Zn)十に対して,入を最高ウェイトとする有限次



元既約ユニタリ表現が存在し,それは表現の同型を除いて一意的である. すなわち, a~ct



' . ど ( Zn)+



という全単射が存在する. [証明]



( i) 入1きんき…這九であることは補題 8 . 3 2で示した. m入 = 1で



. 3 6の証明中の( 8 . 4 4)で示した. あるととは,前定理 8



(ii)任意のコンパクト群 G に対して δ ~cf が成り立つ乙とは既に定理 4 . 1で示した. ( 8 . 4 9 )



π ε8 1に対して, πの最高ウェイト入 εz nを対応させる写像 G1→ z n



を考える. . 3 6により, U(n)の有限次元既約表現の指標が最高ウェイトのみで 定理 8



決定されることから,入を最高ウェイトとする有限次元既約表現は同型を除 いて一意的であることがわかる.故に( 8 . 4 9)は単射である.



3 7 0一一一第 8章 ユニタリ群 U(n)の表現論 写像( 8.49 )の像を(zn )~とおく. (i )より(zn )~ C( Z n + ) が成り立つ. ( i i) を 示すためには,(zn )~ =( z n + ) が成り立っととをいえばよい. (Zn)+¥(Zn )~チ



必として矛盾を示そう. まず,入 E( z n + ) に対し, A λ 十 ρ( t )ER ( T ) s g nであるから,定理 8 .24より



A λ +p ( t )= 机 ( t ) D ( t ) となる机(t )εR(T)iが存在する.入 +p= (入1+n-l, 入2+n-2,・ ・ ・ , A n)は 入1+n-1>入2+n-2>…>入n を満たすから,



AA+pヂ0となることに注意しよう.



さて,仇(t )は T上の対称式であるから,定理 8.19より あ(t )=仇(t ) ( V t ε T) となる G上の類関数あ εC(G)Adが唯一吐つ存在する. 一方, με (Zn )~とし, μ を最高ウェイトとする有限次元既約表現を πμ と



書く.上記と同様に G 上 の 類 関 数 高 εC(G)Adを考える.このとき,定理



8 . 1 9とWeylの指標公式(定理 8 . 3 6)より ψ μ =χ π μ



となる.伝と高の £ 2−内積を計算しよう. ( め = 訂 あ (t ) 而J D ( t ) l 2 d t ( ・ . 系8 . 1 2 ; Weylの積分公式) (川)£2



1 -L A H(t)-;r;:;ct)dt



=



ρ



Ii l0



={



(入= μ)



( ・ . ・ 補 題8 .2 9 ) .



(入ヂ μ)



Zn)+¥( z n凡なる入が存在するならば,類関数 < i i > .( ヂ 0)は もし,入 ε(



{お: με (zn )~} = { χ π :πεδ} のすべての元と直交する. これは,



{ x " :πεδ}が £ 2 ( G ) A d の完全正規直交



系であるという定理 4.11 の主張に矛盾する.故に,(Zn )~= ( z n + ) であるこ z n + ) に対し,入を最高ウェイトとす とが示された.すなわち,任意の入 ε( る U( η)の有限次元既約表現の存在が証明された.







注意 8.39 この章では, P e t e rWeylの定理({χ π: πεδ}の L 2 ( G ) A < lにおける



§8 .3 U(n)の有限次元既約表現の分類と指標公式一一一一 3 7 1



完備性)と多項式の初等的な計算を主な道具として,ユニタリ群 U(n)の既約表現 の分類( C a r t a nWeylの最高ウェイト理論)や指標公式の決定ができる ζ とを証明 した.次の章では,より一般の群に対してとれらの結果を拡張する. 一方, P e t e r W e y lの定理をまったく使わないで,半単純(あるいは簡約) L i e環 の表現論として C a r t加 −Weylの最高ウェイト理論を代数的に証明するとともで きる.第 1 2章 ( Weylのユニタリ・トリック)において, L i e群の(解析的な)表現



i e環の(代数的な)表現論のつながりを説明する. 論と L さて,上記の定理 8 . 3 8では,既約表現の分類は与えたが,表現を具体的にど う構成するかを与えていない.第 1 3章では,最高ウェイトを与えたときに,既



o r e lW e i lの定理を解説する.標語的に書けば, 約表現を幾何的に構成する B C a r t a n W e y l理論: 。最高ゥヨトをとる(Z n ) + n ) + B o r e lW e i l理論:。表高構成(z となる.



( d ) Weylの次元公式 有限次元表現(π, V)の指標を b とすると



x ( "ε)= τ ' r a c e π( e )=dimeV であるから,指標の具体的な形がわかれば\表現の次元もわかるはずであ る . との項では,入を最高ウェイトとする U(n)の有限次元既約表現れの次



. 3 6)において t=d i a g ( l, … ,1 ) 元の公式を求めよう. Weylの指標公式(定理 8 をそのまま代入すると



山)



=



%



となるので,計算には少し工夫が必要である. α= (α1,・ ・ ・ , a n)εz n ,t = ( t 1 , ・ ・ ・ , t n)に対して



L sgn( σ) t σα F( α, t )=



Sn



σ







I I ( t ; ー ち )



1三a く3 豆n



A α( t ) D ( t )



=一一一



とおく.交代 L a u r e n t多項式 A α( t )は差積 D ( t)で割り切れる(定理 8.24) の



372一一一第 8章



ユニタリ群 U(n )の表現論



で , F( α, t )は九一・, t nの多項式となる.従って極限 ( 8 . 5 0 )



H( α):=



l i m F( αパ )



→ (1 ,1 ,, 1 )



が存在する.定理 8 .36(Weylの指標公式)より







治λ ( t )= F( 入+ ρt )



( t= d i a g ( t i ,・ ・ ・ ,t n)εT)



であるから, ( 8 . 5 1 )



dim町 =H ( 入+ ρ )



が成り立つ.そこで H( α) を α= (α1γ ・ 1αη )の具体的な公式として計算すれ ばよい. 補題 8.40 (i) 向= α 3となる i , j(ifj)が存在すれば F( α, t )= 0( V tET)・特に,



H,(α) = 0となる. α)は α h・ , a nの斉次多項式であり,その次数は N : = ( 臼 ) H( である.



[証明]



トn 1) (



( i)αi=町となるふ j( iヂj)が存在すれば交代式 A α( t )=0とな



るので明らか. ( i i)まず,



XjεRを止めて



ti=exp(sxi)( 1壬j壬n)とおき, s→ Oの極限



として( 8 . 5 0)の右辺を計算しよう.



ち=l+sxi+o(s)(s>O)であるから, D ( t )= /I T /( t iー も) = sN 主Zく j o ; , n



I T (xi-xi)+o(sN) ( s→ 0 )



1三t く j三 n'



となる. a y l o r展開したときの S N の 一方, fα = 町 主 ( 川 ) 的 ) を sについて T



係数は



住町



) Xj)N



である.故に,



§8 .3 U(n)の有限次元既約表現の分類と指標公式一一一 3 7 3



乞 s g n( σ ( )L :ασl(j)XjI H( α)=



n)εznは次の不等式を満たす. 義9 ( 9 . 4 3 ) 入1 き入2 主…~入n



(Gが An 1型のとき)



( 9 . 4 4 ) 入lE:入2 主…~.入n~O



(Gが Bn型のとき)



( 9 . 4 5 ) 入l ~入2 主…~入n ~o



(Gが en型のとき)



( 9 . 4 6 ) 入1主入2 主…主入η 1孟 | ん |



(Gが Dn型のとき)



また,最高ウェイト入の(π, V)における重複度は 1である.



(i i ) 逆に入 εz nが (9 . 4 3) ∼ (9 . 4 6)の不等式を満たしているならば,入を 最高ウェイトとする G の有限次元既約表現が存在し,それは表現の同型 を除いて一意的である.すなわち,それぞれの古典群に対し



G 竺 G1c:'主。={入=(入l, … ,> n)εzn:入は( 9 . 4 3) ∼ (9 . 4 6)を満たす}







という全単射が存在する. 定理 9.47(Weylの指標公式)



定理 9 .4 6( C a r t a nWeylの最高ウェイト



理論)によって与えられた最高ウェイト入に対応する G の既約表現引の指 η とすると, χ π入の極大トーラス T上での値は 標を χ



A λ +p ( t )



π ( 入t )=一一一一=



D ( t )



I :sgn( σ ) t ' 7 .(λ+p) w



D ( t )



( t ε T)



によって与えられる(右辺は T 上の 1価関数になる).古典群に対して x " ( t )



410



第 9章



古典群の表現論



を具体的な式で書くと以下のようになる.



E :={ε=(ε 1 γ・ , ・e n : ) εj =土1( 1壬j三n)} とおく.



I : _sgn (σ) t;(i~n-lt:誌 n 2・ ・ ・ t ) 九 (An 1型)







σヒむ n



日 ( t ; ー ち ) ︶ 一 12







n 、 八 、



l ’



STb



/ at\ n z︵ 向 σ



︶ 一 32



AA



2



4u



n +







、、 y’ ︵ 2 2︵ i σ ’ ︶ 一 12



+ ー



n



n



、 A , E /1、 \→よ qσ











4tu



P L V ︶ σ ︵



QU



ub



n



n



ε



σ



(Bn型)



z d z d



1壬tく3三n



ム ( ( 叶 ) − + 士 ) ) 色 色 村 一 夫 ) ( t j



1



L Lsgn(σ)s 1·εnt:(~~l +n)t:(~~2 十 n-1). ・ t す + I) (Cn型)



σ ε' 5 neEE



、 (



ι( ( 叶 ) ( ぃ 士 ) ) 立 (



t i



1豆



I : : _ sgn (σ) t:(i~l +n



~ σモ 桔n



(Dn型)



) *



九:(~~2 +n-2 ) .·t:{~)



E 乏怠j



εl’ ・en=l



/1







I



1¥¥



I I I l t ; +γ 卜 l tj +~ 1 1



1壬i 与えられる.



λ:=入i-i( 1三i~ n)とおく.



I I



(An l型)



( 入s 入1 )



1 壬もく 3三n



I Ik l 2 2 n n !



( B n型)



I I ( > : i-5 : 1 )(九+ 5:1+2n+1)白 ( :Xk + η +~)



三tく 3壬n



k=l¥



, C ,I



I I(2k)! ( λ一入j )( λ+入j+2n+2)I I( 入k+η +1 )







2 n n !



1亘z くj ; , , n



( C n型)



k=I



I I(2k)! I I



2 n 1



( 入z 一入j )(入汁入1+2n)



1壬z く3 壬n



(Dn型)



I I(2k)!







注意 9.50 スピノノレ群 S pin(2n+l)(Bn型)や S p i n ( 2 n )(Dn型)に対しでも, 定理 9 . 4 6,定理 9 . 4 7 ,定理 9 . 4 9における S0(2n+l)や S0(2n)の場合と同様 の結果が成り立つ.唯一の変更点は,( 9 . 3 9)に応じて,入の定義域を入 ε z nから



( 9 . 4 7 )



z n または



入ε



z n



÷ 川 ,



入ε +



1 )



に拡張する点である. 条件( 9 . 4 7)は次のように理解することができる. L i e群の全射準同型



( 9 . 4 8)



ψ:Spin(m)→ SO(m)



と合成するととにより,直交群 SO(m )の任意の表現は, K e r ' i / J={土 1 }上で自明 な Spin(m)の表現とみなすことができる.逆に, Spin(m)の任意の有限次元既 約表現(πヲV)に対して,



1は Spin(m)の中心の元なので π( −1 )=cidv(cEC)







412 一 一 第 9章古典群の表現論



c h u rの補題).このとき, 7 r ( 1 ) 2=i d v より c=士1である.上に と表される( S . 4 8)を通じて SO(m)の表現とみなされる.最高 述べたように, c=lのときは( 9 ウェイト入



ξ e r rに対応する Spin(m)の有限次元既約表現をぬと書くと, z n ++c1, . ぅ1 )白川(ト i d 入ε z n 仁=〉ゎ( 1 )=i d



入ε



( c=1 ) ( c=1 )



が成り立つ.



Weylの次元公式(定理 9 . 4 9)は表現の既約性を判定するのにも便利な道具 である.前章では, U(n)の対称テンソル表現 Sk(C)や外積表現八k(e)の 既約性が, Weylの次元公式を用いて簡単に証明できることを見た(例 8 . 4 3 ) . ユニタリ群以外の古典群に対しでも, Weylの次元公式を用いて既約性が簡 単に証明できることがある. ことでは 1つだけ例を述べる.



1 ( c 2 n)は Sp(n)の表 例 9.51 1εNとする. U(2n)の対称テンソル表現 s 現としても既約である. [証明]



( l ,0, … , 0)εz n(lεN)を最高ウェイトとする Sp(n)の既約表現の



次元は,定理 9 . 4 9のC C n型の)公式より



( l十 2n 1 ) ! l ! ( 2 n 1 ) ! となる. これは s 1 ( c 2 n)の次元に一致する.一方, Sp(n)の自然表現 c2nの



l次対称テンソル表現 s 1 ( c 2 n)は,最高ウェイト(l ,0, … , 0)をもっ (U(n)の 場合の例 8 . 3 5 と同様) 故に,任意の lεNに対してヲ対称テンソル表現



s 1 ( c 2 n )(lεN)は Sp(n)の既約表現である.



I



CartanWeylの既約表現の分類定理を,正ルート , 1 + ( g ,t )のとり方によら ない形で整理することもできる.そのために,次の定義をする.



πぅV)を G の有限次元表現とする 入ξ L 1 ( V ,t ) が , 定義 9.52 (



') ( l ; / X ε L 1 ( V ,t ) ) (入うめき(入,X を満たすとき,入を最端ウェイ卜( e x t r e m a lweigh 七)という.また χεL1(V,T ) に対しでも同じ用語を用いる.すなわち,入 =d χのとき, χεfを最端ウェ



§9 .3 有限次元既約表現の分類と指標公式一一−413







イトと呼ぶのである. このとき,定理 9 . 4 6は次の形で書き直される. 定理 9.53 G を連結な(古典型)コンパクト L i e群とする.



(i) ( π, V)が G の有限次元表現であるとき, χ ε L1(V,T)に関する次の



2条件(イ),(ロ)は同値である.



V)の最高ウェイトである. ( イ ) χ は(π, ( ロ ) χは優整形式かつ(π, V)の最端ウェイトである.



( i i ) 任意の χεfに対し, χを最端ウェイトとするような G の有限次元 既約表現が唯一つ存在する.



( i i i ) G の任意の有限次元既約表現(π, V)の最端ウェイト全体の集合は, 1つの最端ウェイトの W −軌道である.



( i v ) G の有限次元既約表現(π, V)と (I r ' ,V) 'とが同型な表現であるため



i i ) の必要十分条件比共通の最端ウェイトをもつことである(なお,( i より, V とV'の最端ウェイト全体の集合が一致することとも同値であ る















例9 .54 G=S p(2)の場合を考えよう.正のルートは次の集合である.



L 1 + ( g ,t )= { ! 1 f 2 ,! 1+f 2 ,2 f 1 ,2 f 2 } . あるいは,極大トーラスの指標の形で書けば,座標(α, b )ε']['2 に対して,



, 1+(何)=(十 α叫 が ) (i) 入 =( 2 ,0)を最高ウェイトとする既約表現町, oは 1 0次元表現で,随



C )と同型になる. この表現 π(日)の 伴表現の複素化 Ad:G→ GLc(g⑧JR< ,0) ヲ (0 ,2 ) ,( 2 ,0 ) ,( 0 , 2)}である.指標は 最端ウェイトの集合は{( 2 治2 0( α, b )=α2+b2+α− 2 十 b2 +αb+α b 1+α一l b+α一l b 1+2 となる.ウェイト(0 , 0)の重複度が 2であり, f 也のウェイトの重複度は 1である.



(i i ) 入= ( 2 ,1)を最高ウェイトとする既約表現 πれ は 1 6次元表現であり, その指標公式は例 9 .2 9の計算を使うと



414



第 9章



古典群の表現論



D ( a 2 , b 2) D( α, b )



町 (α, b )=一一一一=



α− 4 b 4( α 2 が ) (α4-l)(b4-1 ( )α 2 b 2-1) α2b2 ( α b ( )α2-l ) ( b 2 -l ( )αb-1)







= α− 2 b 2( α+b ( )α2+1)(が+ 1 ( )αb+l) となる.最端ウェイトは次の 8つのウェイトである.



{ ( 2 ,1 ) ,( 1 ,2 ) ,( 1 ,2 ) ,( 2 ,1 ) ,( 2 ,1 ) ,( 1 ,2 ) ,( 1 ,2 ) ,( 2 ,-1)} ( i i i ) 入= ( 4 ,2)を最高ウェイトとする既約表現 π 4 . 2は 81次元表現であり,



その指標公式は



D(a3, が )



( α, b )=一一一一 D( α, b )



一 α6 b6 ( α 3ーが)(α 6-l ) ( b 6 1 ( )α 3が 1 )







2 b2 ( α b ( )α 2 1 )( b 2「 1 ( )αb-1) α−



=α2b-2( α 2+αb+b2 ( )α 4 f α 2十 l)(b4+b2+1 ( )α 2が+ αb+l) =a 4 b 2+α 4+α3 b 3+2 a 3 b + 3 a 2 b 2+4a2+ 4 α b+5+







となる.最端ウェイトは次の 8つのウェイトである.



{ ( 4 ,2 ) ,( 2 ,4 ) ,( 2 ,4 ) ,( 4 ,2 ) ,( 4 ,2 ) ,( 2 ,4 ) ,( 2 ,4 ) ,( 4 ,-2)} 以 上 3つの表現のウェイト(m,n )の重複度(指標公式の α m b nの係数)を,



. 1に表示してみよう.図( i ) う (i i) う (i i i)では,優整形式に対応する不 次の図 9



図9 . 1 ( i)π( 2 , 0)のウェイトと重複度,( i) π( 2 ,1 )のウェイトと重複度, ( i i i )1 l '(い)のウェイトと重複度



要 約



415



等式 m ~n~O を満たす(m,n)の領域を網かけて守表し,①で最端ウェイトを 表す.従って,網かけ部分に含まれる①が最高ウェイトである.また,図 ( i)では( 0 , 0)以外のウェイトは Lie環のルートに対応するので,正のルート



D



を*で表した.



古典型の L i e群 だ け で は な し す べ て の 連 結 な コ ン パ ク ト L i e群(例えば



.53が成り立つ.証明 古典群と局所同型な群や例外型の群)に対しても定理 9 は,今まで述べてきたアイディアと手法をそのまま用いて行うことができる ので,本書ではこれ以上深入りをしない.



《要約》 9 . 1 古典群 U(n),SO(m),Sp(n)に対して,行列の中で具体的に極大トーラス i e環の複素化のルート分解, Weyl群を求めた. を与え,ルート系, L



9 . 2 対称群 6”が古典群の W巴y l群の部分群として含まれることは, S 0(2n)



ゃ S0(2n+l)や Sp(n)が U(n)を部分群として含み,極大トーラスを共有するこ とを反映している. 9.3



A型の群に対する差積の類似として,



f 也の古典型の群に対しでも極大ト



( t)が局所的に定義できる.適当な被覆群を考えれ ーラス上の Weyl群交代式 D ばD ( t)は 1価関数になる.



9 .4 [ D ( t ) l 2は W巴y lの積分公式の密度関数になる また D G t)は,極大トー ラス上の Weyl群不変式と交代式を結ぶ関数でもある. 9.5 上記の D ( t)の性質によって,非可換群である(古典型)コンパクト L i e群 e t e rWeylの定理ム極大トーラス上の F o u r i e r級数論を結びつけることが のP



できる. 9.6 連結コンパクト L i e群の有限次元既約表現に対し,最高ウェイトが唯一



つ定まり,それは優整形式になる. 9.7 優整形式を与えると,それを最高ウェイトとするコンパクト L i e群の有



限次元既約表現が一意的に定まり,その指標および次元公式を具体的に求めるこ とができる. 9.8 (用語) Weyl群,ルート系,



J レート分解,



A n ,B n ,C n ,Dn型のノレート系,



416一一一第 9章



古典群の表現論



Weylの積分公式,最高ウェイト,優整形式,最端ウェイト, Weyl群の不変式, 交代式,有限次元既約表現, CartanWeylの分類理論, Weylの指標公式,次元 公式, Weylの分母公式



演習問題 9.1 T ' = ' = ' ' l r nを S0(2n)の極大トーラス(例 9 . 3参照)とし, f , e gを (9 . 1 6)で定 義した tの開集合とする. G=0(2n)とおく このとき次を示せ



( 1 ) gεG, X ε f , e gが Ad(g)X=Xを満たすならば gεTとなる



〔 2 ) Za(T)=T. 9.2 T を連結コンパクト L i e群の極大ドーラスとする.全単射 l e'='='G/Na(T) を示せ(( 9 . 1 9)参!照)



9 .3 G=U ( 2 ) ,8 0 ( 5 ) ,Sp(2 ぅ ) 80(4 )のとき, T' = ' = '1 1 ' 2の開集合主ぷ定義は ( 9 . 2 1)参照)の連結成分の個数を求めよ. 9 .4 S0(2n+l)の外積表現ポ( c 2 n十 1 )( 1三k三n)は既約である



ζ



とを示せ.



9 .5 S0(2n)の外積表現川( c 2 n )( 1三k f ( g 0 1 g ) ( g oE G) とのとき,次の定理は,切断の空間 I ' ( G×HF)への群 Gの作用を C(G,F)H という(扱いやすい)空間の上で記述しようというものである. 定理 10.42 (i) C(G,F)Hは C(G,F )の G−不変な部分集合である.特に群 G の



C(G,F)Hへの自然な作用が定義できる. ( i i ) 定理 1 0 . 3 5における自然な同型 ( 1 0 .3 2 )



I ' ( G×H F ) ' . : : : : 'C(G,F)HcC(G,F)



は群 G の作用を保つ. ( i i i ) H が多様体 F に



c o o級に作用しているときは自然な同型



r o c ( G×H F ) ' . : : : : 'C00(G,F)H が存在しこの同型も群 Gの作用を保つ. ( i v ) G,Hが複素 L i e群 , F が複素多様体であり, H の F への作用を定



義する写像 H ×F→ F ,( h ,v) ト→ σ( h) りが正則写像であるならば,定理







1 0 . 3 6における全単射



( G×H F ) ' . : : : : 'O(G,F)H



は,群 G の作用を保つ. とこで左辺は正則なファイパー束(定義 1 0 . 3参 照 )G×HF→ G/Hの正則な切断全体,。 ( G,F)は G から F への正則



な写像全体を表す.







§1 0 .4 群作用と切断一一



[証明]



457



( i)「g oεG ,fεC(G,F)H= 争 f ( g 0 1 ・ )EC(G,F)H」を示せばよ



い.ただし・は変数(εG)を表す・



9 ε G, hEHとすると



f ( g " Q 1 g h )=σ( h ) 1f ( g " Q l g ) よ り , f ( g r ; l ・ )εC(G,F)Hが示された. ( i i )sεI ' ( G×HF)とfEC(G,F)Hが定理 10.35における関係式( 1 0 .2 4 )



s( τ v ( g ) )=[ g ,f ( g ) ] E G×HF ( V gεG) を満たしているとき g oεGに対して L 9 0 sεI ' ( G×HF)とf( g r ; l ・ )εC(G,F)H が対応する関係式 ( 1 0 . 3 3 )



( L 9 0 s )( τ v ( g ) )= [ g ,f ( g 0 1 g ) ] ( V gεG)



を満たしていることを確かめればよい.



( L 如 s ) ( w ( g ) )=go・s ( g 0 1 w ( g ) )



( τ v ( g " Q 1 g ) ) =go・s =go [g ・" Q l g ,f ( g " Q l g ) ]



=[ g o g " Q 1 g ,f ( g " Q 1 g ) ]



=ι f ( g " Q l g ) ]



より,等式( 1 0 .33)が成り立つ. ( i i i) ヲ (i v)の証明は( i)とまったく同様で、あ







る.故に定理が示された



特に, F がベクトル空間であるときは,切断の空間 I ' ( G×HF)もベクト



' ( G×HF)を表現空間とする G の表現が定義される. と ル空間となるから, I σ) の表現を誘導表現( inducedrepre悶itation )といい, Ind~ (σ), Ind(H↑G,



などと書くこともある(切断の種類は,連続な切断,



c o o級の切断,



£2− 切断,



…など興味の対象によって様々な場合を考える). との場合にもう一度,話 の流れを整理しておくと, H の F への表現



ι G の等質ベクトル束 G ×HF→ G/Hへの作用



品 GのI ' ( G×HF)への表現(誘導表現)



458



第 10章



ファイパ一束と群作用



となる.誘導表現は小さな群の表現から大きな群の表現を作る最も基本的な 1章でもう少し詳しく述べよう. 手段である.誘導表現については,第 1



§1 0 .5 G−不変な切断 (a) 等質ファイパ一束の G−不変な切断



引き続き前節 §10.4(c)の設定を仮定する. 等質ファイパ一束 G×HF→ G/Hにおいて, o:=eHEG/Hにおけるファ イパーは,次のように F と同一視できる.



(G×HF) 。 = { [e, 叶 : り



εF}c::F



ι



そこで写像 T。を



r 0 : I ' ( G×HF)→ F , sr--+s ( o ) によって定義する.



G−不変な切断の全体を I ' ( G×HFf, H−不変な F の元全体を pHと表す. とれは,群の表現に関する不変元の記号( §3.2(e))と同様の記法である. と のとき,次の定理が成り立つ. 定理 10.43 任意の等質ファイパー束 G×HF→ G/Hに対し,



r 0 :I ' ( G×HF)G→ pH は全単射である. [証明]



C(G,F)Hの G−不変な元全体を C(G,F)GxHと書く.定理 10.42



より,次の同型が成り立つ.



I ' ( G×HF)G 竺 C(G,F)G×H



n



n



I ' ( G×HF) 竺



C(G,F)H cC(G,F)



従って,



冗 : C(G,F)→ F , f r +f( ε ) とおいたとき, ( 1 0 .3 4 )



ι:C(G,F)G H → pH ×



§1 0 .5 G−不変な切断一一一− 459



が全単射であることをいえばよい. これを示そう.



fEC(GF)G×H とすると,定義より ヲ



( 1 0 .3 5 )



f ( g ( ) 1 g h )=σ( ht1f(g) ( ¥ : / g o , ¥ : / gεG ,¥ : / hεH)



が成り立つ.特に, g o=g=eとおいて, σ( ht1f(e)=f( ε )となる.従って



f ( e)ε pHである. ( g ):=u( ¥ : J gεG)と定義すると, 逆に, uEFHとする・ fEC(G,F)を f f ( g ( ) 1 g h )=u=σ( h) 一1f( g ) ( ¥ : / g o ,¥ : J gεG ,¥ : / hεH) となるから f ε C(G,F)G×H である. との対応は互いに逆を与えているから( 1 0 .34)は全単射である. 上の証明より,切断 s :x→ G×HFが G−不変なら sは自動的に連続写像 となるととに注意しよう. ∼ ( e)では,様々な設定において「 G−不変な切断」を記述した 以下の項( b) 0 . 4 3が具体的にはどのような幾何的な意味をもつのか概観しよう.個 定理 1



々の証明はスケッチ程度にとどめる. 以下, G を L i e群 , H をその間部分群とし,等質空間 G/H上の様々な等



, l Jを G,Hのそれぞれの Lie環 , 質ファイパ一束の例を考える. g Ad9; 。 : H→ G L J 1 1 . ( g/) 均



を等方表現とする(§ 1 0 .3(d)参照).また,以下の項( b) ∼ ( e)では,等質空 間 G/Hの多様体としての構造が本質的であることを強調して,等質空間の かわりに等質多様体という用語を使おう.



(b) 例 1:等質多様体上の不変測度 不変測度をあるファイパー束の切断の不変元と解釈することによって,等 質多様体上の不変測度の存在条件が容易にわかる.最初に結果を述べよう. 定理 10.44 等質多様体 G/H上に G−不変な測度が存在するための必要 十分条件は等方表現 Ad9; 町 : H→ G L J l l . ( g/均)において



I detAd9; 町 (h ) I=1 ( V h ε H) が成り立つことである.







系 10.45 H がコンパクトならば等質多様体 G/H上には G−不変な測度



第1 0章



460



ファイパ一束と群作用



が存在する. [証明]



H → JR~ , h r +[ d e tAd9; 。 ( h)[は連続準同型写像であるから, H が



コンパクトなら,その像は乗法群 JR~ のコンパクト部分群(これは{ 1 }しか







ない)でなければならない. 特に, G{ /ε , } G×G/diag(G)に上の定理を適用すると次の系を得る



系1 0 .46( L i e群上の Haar測度) (i) L i e群 G上には,常に左不変な測度が存在する. ( i i ) L i e群 G に両側不変な測度が存在するための必要十分条件は,随伴 表現 Ad:G→ G L f f i . ( g)において [ d e t A d ( g ) [= 1 ( ' V gEG) が成り立っととである.







(



上の定理や系は§ 3 .2(群上の不変測度)や§ 6 .4 ( L i e群上の積分)などでも 証明を与えたが,「等質ファイパー束の G−不変な切断」という観点から見る



L 非常に簡単な原理に基づ、いていることがわかる. とれを説明しよう. [定理 1 0 . 4 4の証明]



等質多様体 G/H上の接ベクトル束 T(G/H)は,等



方表現 Ad9;り: H → GLffi.(g /~)



に同伴した等質ベクトル束 G×H ( f J/均)と同型である(.命題 1 0 . 3 3)から,そ の余接ベクトノレ束 TV(G/H)に関しては g均 / T v ( G / H ) : : : , :G×H (



t



が成り立つ( γ 定理 1 0 . 2 3 ) . n=dimG/Hとすると,例 10.13で述べたよ うに, n次の徴分形式は 八n(Tv(G/H))竺 G × E 八n(g /~) v



の切断に他ならない.ととで八n ( g/ 均 )v竺Rであり, hεHはスカラー倍 h ) ) 1で八n ( g/ 均 ) V 竺R に作用している.体積要素(測度)は「n次 ( d e tAd9;~ (



R :v>O } の微分形式の絶対値(チ 0)」であることに注意して, H の l R +={vEJ への作用を R + , vr-+ I detAd9;~( h)[ 1 v (hεH) h :l R+ → l



J R + → G/Hの切断が G/H上の体積 で定義すると,等質ファイパー束 G×H



§1 0 .5 G−不変な切断ーー−4 6 1



要素(測度)に他ならない.定理 1 0 . 4 3より l R + ) G : : : , :J R ! I ' ( G×n であるから, G/H上に G四不変な測度が存在するための必要十分条件は J R !チ







乱すなわち, I d e tAd9;~( h) I=1('VhεH)が成り立つことである.



( c) 例 2:等質多様体上の Riemann計 量 多様体 X の各点 zに対し,正値対称な双線型形式



( ,) x :TxX×TxX→ J R , ( u ,v) ト → (u ,v ) x が与えられており,任意の



c o o級ベクトル場 Y,Zε文 (X)に対し,



X→ J R , が X 上の



Xr +



( Y , , ,Z x ) x



c o o級関数となるとき,(,)を X の Riemann計量と呼ぶ.



V を R上の有限次元ベクトル空間とし, ? 十 (V):={B:V×V → JR:Bは正値対称双線型形式} とおくと, P+(V)は 2次の対称テンソル S 2(VV)の開集合とみなせる. 多様体 X 上の Riemann計量とは,ファイパ一束?十(T X)→ X の



c o o級



0 . 3 3の の切断に他ならない.特に, X が等質多様体 G/Hのときは,命題 1 証明と同様にして, P+(T(G/H))→ G/Hは等質ファイバ一束



G×HP+(g/均)→ G/H と同型であることがわかる.ただし, H は P+(g /~)に次のように作用する.



hEH, B εP+(g/~)に対して (h・B)(u川 ) :=B(Ad9;~( ht1u,Ad9;。( h)一1v)



( u , vεg/ 均 ) .



従って,次の定理が成り立つ. 定理 10.47 等質多様体 G/H上に G−不変な Riemann計量が存在するた めの必要十分条件は, g/均に適当な内積が存在して Ad9; 。 : H→ G L f f i . ( g/均)がユニタリ表現 となることである.







注意 10.48 通常,ユニタリ表現というときは, C上のベクトル空間に H e r m i t e 内積が与えられて,表現がその内積を保つという意味であるが,ここでは R上の ベクトル空間の内積を保つという意味でユニタリ表現という用語を用いた



462一一一第 10章



ファイパ一束と群作用 等質多様体 G/H上の G−不変な Riemann計量とは,



[定理 1 0 . 4 7の証明]



I ' ( G×HP+(g/り ) ) G の元のことに他ならない.定理 1 0 . 4 3より I'(G × HP+(g /~)) G 竺 (P+(gj~ )) H



である.右辺 ( P + ( g j r y ) ) Hは Adg/ 。 : H→ G L R ( g / r y)がユニタリ表現となるよ



I



うな g/均上の内積に他ならない. よって,定理が証明された.



H がコンパクトなら,内積を平均化するととによって,常にユニタリ内積 を与えることができる(定理 3 . 2 9参照).従って,次の定理を得る.



系 10.49 H がコンパクトならば, G/Hには G−不変な Riemann計量が







存在する.



群 G=SL(2 ,~) を上半平面



例1 0 .50( P o i n c a r e計量)



1 l={z=x+v 二ly:y>O }



に一次分数変換を用いて次のように作用させる: g =(~~) εG に対して g:冗→勾,







z+b zf--> 一一一・ cz+d



複素数 z=x+v 二f yの虚部 uを Imzで表せば,



( αd-bc)



Imαz+b cz+d



1



一一 − −lcz… −一一一一 + d l 2・ ・ " - l c z十 d l 2… T







T







U U N



となるので, Imz>Oならば Im竺 立 > 0 ,すなわち, z凶 な ら ば 竺 笠



cz+d



e冗である.



cz+d



容易にわかるように G は%に推移的に作用する.



v = r ε 1lにおける等



方部分群 K を求めよう.



αv-1+b 一一戸====−一一= Cも − l+d



一一



v-1 牛=争 r







φ



α=d b=一C 司







(b )(



α c o s( } 叫 c d =lsin(J c o s ( }



Jヨ (0)



となる( 2番目の字二争は αd-bc=1を用いる).従って J 二Tにおける等方



部分群は K=S0(2 )で与えられる.故に,上半平面従は G=SL(2 ,~) の等 質多様体として



1 l竺 G/K= SL(2 ,~)/S0(2)



§1 0 .5 G−不変な切断ーー−463



と表される. K=S0(2)はコンパクトであるから,系 1 0 . 4 9より,チtには SL(2 ,~)ー不変な Riemann 計量が存在する.



実際, Poincare計量と呼ばれる次の Riemann計量:



d s 2= d x 2十 d y 2 ・ y







は%上の SL(2 ,~)ー不変な Riemann 計量であり,負の定曲率空間のモデル



となる重要な例である. この空間の幾何について詳しく解説した教科書とし て岩波講座『現代数学への入門』「双曲幾何Jを挙げておとう.







(d) 例 3:等質多様体上のベクトル場 0 . 3 3より等質ファイバ一束 等質多様体 G/H上のベクトノレ場は,命題 1



G×Hg/均→ G/H の切断である. G−不変な実ベクトル場全体を x(G/H)Gと書く.定理 1 0 . 4 3 をF =g/ryに適用すれば次の定理が得られる. 定理 10.51 任意の等質多様体 G/Hに対して



( 1 0 . 3 6 )



文( G/H)c~ ( g jり ) H







が成り立つ. 例1 0 .52( L i e群上の左不変ベクトル場)



H={e }のとき, x(G/{ε})°~



主 (G)°は群 G 上の左不変ベクトル場全体を表す.一方,等式( 1 0 . 3 6)の右辺



/{ O }) { e }~ gであるから, H={e}の場合の定理 10.51は , L i e環の定義 は(g の同値な言い換え: 左不変ベクトル場全体 ~g



(定理 5 . 4 3参照)







にf 也ならない. 例1 0 .53( L i e群上の両側不変ベクトル場)



G1を L i e群 , G=G1×G1( 直



i a g ( G 1 ): = { ( g , g)εG1×G1:gεG1}とする. 積群)う H =d



G/H= G1×Gi/d i a g ( G 1 ) ~



微分同相



G 1 , ( g i , g 2 )diag(G1) ト →9 1 9 2 1



であるから, x(G/H ° ) の元は G1上の両側不変なベクトル場に他ならない.



i e環を g l とすると, 一方, G1の L



464一一一第 1 0章



ファイパ一束と群作用 (gj~ ) H = ( g 1E 9g i fd i a g ( g 1 ))d同(G1 )竺 g~l



となる. ここで, g { 1={Xεgi:Ad(g)X= X( V gεG1)}・特に, G1が連結







{ lは L i e環 g lの中心に他ならない. ならば g 例1 0 . 5 3より,特に次の命題が成り立つ( G1を改めて G と書く).



命題 10.54 連結な L i e群 G上の両側不変なベクトル場の作るベクトル







i e環 gの中心と線型同型である. 空聞は, L 簡単な例で,定理 1 0 . 5 1の計算を実行してみよう.



e i s e n b e r g群 例 10.55 H



I1α c¥



) G ={g( α, b ,c ): =Io1 b 卜α, b , cεJR~ I ¥001/ I I



をJ R 2に



JR2 →眠(~)~( x:;:c)



g ( a , b , c ) :



と作用させる.群 G は艇に推移的に作用し,原点 t ( O ,0 )El R 2における等 方部分群は H={g( α, 0,0 : ) αεJR }となる・従って,徴分同相写像 G/Hc : : : . J R 2 が得られる.



G,Hの L i e環 g , r yを







I /Ozx\ g = ~h(z,y,x)=I 0 0 y 卜x , y , zεJR}' 。={叫ん 0 ,0 ) :zεJR} I ¥000/ I と表すと,







J R 2 , h ( z ,y, 川~(~)



と同一視できる. この同一視によって Ad9 ; 町 : H→ G L 1 1 1 . ( g / r y)を書き表すと,



Ad9 パ となるから



−465



§1 0 .5 Gー不変な切断←ー tt﹀EEJ



R



、︶



α



ε



〆 ’ ’ 町 、 、



v v



\ 、E﹄Fノ



ftlE











zuu







、 、 一 一 \、EF



zu



に ﹂



hB﹃



Z



\ / 11



tinU



1/ \ 、BEEPEEB G I R ,,



/I11 \



AMqA



/ \ 、 B﹄ ノ



。 RR



、 、 、



εε lfF 1 zuzo



、 、



/ittt \ / ftE1 \ rlJ l k r l J l k



∼一∼一



,,,,,r



H ︶ , LH



︵muu



である.故に, J R 2上のベクトル場の中で, H e i s e n b e r g群 Gで不変なベクト



δ



ル場全体は 1次元である(一一 ε X ( J R 2)のスカラー倍となる).



θz







(e) 例 4:等質多様体上の微分形式とコホモロジー 例1 0 .1 3と定理 1 0 .2 3より,等質多様体 G/H上の p次の微分形式は,等 質ファイパー束



G×H 八P((g /~) v)→ G/H の切断である.定理 1 0 . 4 3を F=八p ( ( g/) 均v)に適用すれば次の定理が成り立 てλ



定理 10.56 任意の等質多様体 G/Hに対して, p次の G−不変微分形式の



£P(GjH))Gは(八P ( g/り ) V ) Hと線型同型である.ただし, H はベクトル 空間 ( 空間八p(g/ry)V に双対等方表現の外積八p(Ad~1Q )として作用する.







との定理は,等質多様体のコホモロジーの計算に役に立つ. 多様体 X の deRhamコホモロジーの定義を手短かに復習しよう .x 上 の p次微分形式全体のなすべクトル空間を £P(X)と表し,外微分を



d :£P(X)→ £ P + l ( X ) と書くと, p次の d eRhamコホモロジー群は



( 1 0 .3 7 )



HP(X;JR)=



K e r ( d :£P(X)→ £ P + l ( X ) ) Im a g e (d :[P-l(X)→ £ P ( X ) )



として定義されるベクトル空間である(本講座「微分形式の幾何学 1」参照).



X):=d i m 1 1 1 .HP(X;J R)を X の p次の Betti数という.コンパクト群 またち ( が多様体に作用しているとき,次の補題が成り立つ.



i e群 G が多様体 X に( C o o級に)作用している 補題 10.57 コンパクト L



P ( X ) G( C£ P(X ) ) と表す. とする G−不変な p次微分形式の空間を £



466一一一第 10章



ファイパ一束と群作用



(i) d ( £ P ( X ) G )C£P+1(X)Gが成り立つ. ( i i ) H P(X;~)の定義式( 10. 37)において右辺の £i(X)を £ i ( X ) G( j= p-1,pヲP十 1 )に置き換えても同じコホモロジーを与える.







証明は難しくないが,省略する(ヒント: G上の積分で平均するととによ り,射影 £ P(X)→ £P(X)Gを考えよ(§ 3 .2補題 3.27参照)). 特に,コンパクト L i e群 G が多様体 X に推移的に作用する場合は, £ P ( X ) G が定理 10.56より有眼次元になるので,コホモロジーの計算が著しく簡単に i e群の低次の B e t t i数の消滅定理(系 1 0 . 5 9 ) なる.以下で述べるコンパクト L



がその応用例である. i e群 G の随伴表現 Ad:G→ GLm:(9)が既約である 次元が 2以上の連結 L



とき, G を単純 L i e群というのであったι G=SU(n)( n註2 ) , SO(n)( n三 5 ) ,S p ( n )( n三1)などはコンパクト単純 L i e群の例である. i e群 G の L i e環とする. 補題 10.58 gを連結コンパクト単純 L (i) G は複素 L i e群ではない. ( i i ) 9 < C:=9⑧I R(['.は複素単純 L i e環である.



[証明]



( i)もし G が複素 L i e群の構造をもては\随伴表現 Ad:G→



GL(g)は複素解析的な表現である.従って,任意の行列要素(§ 3.1)は複素 多様体 G上の正則関数となるが,一方, Gは連結かつコンパクトなので,



v i l l eの定理よりそれは定数関数となる.とれは, 複素関数論における Liou Ad(g)=Ad(e)=i d 9( ¥ : J gε G)を意味する.故に G は可換な Lie群となって



しまうが,これは G が単純 L i e群であるととに矛盾する. ( i i)随伴表現 Ad:G→ G Lc(gc)を既約分解して 9c=町@… EBVNとなっ < Cのイデアルなので, j−成分へ たとする . N三2として矛盾を示そう.町は 9 j :9 < C→ 巧 は 複 素 L i e環の聞の準同型写像となる・ P i(X+-J=fY)= の射影 p



Pi(X)+v 二Tpj(Y)( X ,yEg)であり, 9c=g+-J=fgだから P iOl手0であ る .



ζ



とで Lは自然な埋め込み g →9 < Cを表す. 9は単純 L i e環だから, O L



でない L i e環の準同型写像 P i0 i :9→巧は単射でなければならない.特に



v ;



d i m ! R ~d i m ! Rgが成り立つ. d i m ! R9c=2d i m ! Rgだから,もし N ヂ1とす



ると, N=2かつ P i ol ( j= 1 ,2)は gから同への全単射でなければならな



−467



§1 0 .5 G不変な切断一一



ぃ.特に,



v ;が複素 Lie環であることから G は複素 Lie群の構造をもつこ I



)に矛盾する. とになるが,とれは( i 系 10.59(コンパクト L i e群の B e t t i数 )



G を任意のコンパクトな単純



L i e群とするとき,その B e t t i数は, b 1 ( G )= b 2 ( G )= 0,ん( G) チ0







を満たす. 例えば,系 10.59 によって, n~2 のとき



H1(SU(n);~) = H2(SU(n);~) = { O } , H3(SU(2)ヲ~)手{O} が示されたわけである.特に n=2の場合に系 10.59の雰囲気を味わってみ ( 3.30)で見たように SU(2)と 83(3次元球面) よう. 乙のときは,例 3.26の は微分間相であり,確かに b1(S3)=b2(S3)=0,b3(S3)=1が成り立っている. [系の証明]



4つのステップに分ける.



ステップ( 1)等質多様体 G×G /diag(G)に対して定理 10.56を適用する と , G ×G/diag(G)~ G (微分同相)



であるから



£ P ( G ) G×G竺(八P(gvEBgv/diag(gv)))G竺(八P(gV))G ( 八1 ( g V )) G= ( 八2 ( g v ) ) G= {0}を示せば, H1(G;~) =H2(G;~) = { O}が補題 1 0 .57より成り立ち, b 1( G)=b 2( G)=0が証明されたととになる.



)( 八1 ( g v )) G= {0}を示そう. ステップ( 2 Ad:G→ GLIR(g)は既約であるから,その双対表現 Adv:G→ G L I R ( g v )



も既約である. ( g V ) Gおよびその任意の部分空聞は G−不変であるから,既約 性より ( g v ) G= {0} または



( 「g v ) G= ぽ か っ dim!Rgv= 1」



が成り立つ. dim!Rg>1より,後者は起こり得ない・故に,(gv)G= {0}であ る・八l ( g V )=9 vであるから(八1 ( g v )) G={ 0}が示された



)( 八2ゆっ) G = { 0}を示そう. ステップ( 3 G の表現としての同型 g V⑧ g Vc : : ' .S 2 ( g V ) E B八2 ( g V)より ( g v⑧ g v ) Gc : : :( S 2 ( g v ) ) GE B( 八2 ( g v ) ) G



468



第 10章



ファイパー束と群作用



が成り立つ. ( g v⑧ g v ) Gc : :Homa(g,g v)であり,補題 1 0 . 5 8より Ad:G→ GLc(g⑧I R q



と Adv:G→ GLc(gV⑧I R qは共に既約表現であるから, Schurの補題より d i m J RHoma(g,g v) 三 dimeHoma(g⑧J RC,g v⑧I R q豆1



が成り立つ 一方, Gはコンパクトなので g Vには G−不変な内積が存在する(定理 3 . 3 1 および注意 3 . 3 0)から, d i m l R ( S 2 ( g v ) ) G= 1である.故に,(八2 ( g V ) ) G={ 0 } が示された ステップ( 4 )B を gの K i l l i n g形式とすると, w:f l×g×g→ J R , ( X ,Y ,Z )r--+B ( [ X ,Y ] ,Z)



は八3 ( g V)の元を定め,さらに任意の gεGに対し w(Ad(g)X,Ad(g)Y,Ad(g)Z)= w(X,Y ,Z)



となるから ω引八 3 ( g v ) ) Gである.後述する系 1 0 . 6 2より H3( G;J R )¥ o0が示 された 以上で系が証明された 系1 0 . 5 9と若干の位相幾何の結果を用いると,定理 6 . 7 7の非常に短い別 証明が得られる. とれを紹介しよう.なお,以下ではヲ単純 L i e群のかわり i e群と仮定しでも結果は同じである. に半単純 L i e群の基本群 G は有限群である.特 系 10.60 任意のコンパクト単純 L



にコンパクト単純 L i e群の普遍被覆群もコンパクトである. [証明]



Hurewiczの同型定理より,基本群町( G)の Abel化 π1(G) / [π1(G),



i e群だから,基本群 π1(G)]はホモロジー群 H1(G;Z)と同型である . Gは L π1(G)は可換群である(定理 6 .6).故に, 7 r 1( G) 竺 H1(G;Z)という同型が成



り立つ.一方, G はコンパクト多様体だから π1(G)は有限生成な群である. … , Pm( 重複を許す)と自然数 有限生成可換群の基本定理より,適当な素数 P1, kによって H1(G;Z)c : :Z k f f i ( Z / p 1 Z)⑦… f f i(Z/pmZ)



と表される.普遍係数定理(例えば,本講座「位相幾何」定理 7 . 5参照)より H1(G;JR)c : :Hom(H1(G;Z),lR)ffiExt(H0(G;Z),JR ) 竺J R k



§10.5 G−不変な切断一一−469



が成り立つ.系 1 0 . 5 9より, dim1R(H1(G;JR))=0であるから k=Oが示され







た.故に Gの基本群は有限群である.



定理 10.61 G を任意のコンパクト L i e群とし, G/Hを任意の対称空間 (定義 7 . 2 8参照)とする. このとき, G/Hの deRhamコホモロジーに関し て次の同型が成り立つ:



HP(G/H;J R ) ' . : : : : ' .(八P(g/~) V)H.







証明は本書のレベノレを超えるが,大筋のみ説明しよう. [証明のスケッチ]



G はコンパクト群なので,系 1 0 . 4 9より等質多様体



G/Hには G−不変な Riemann計量が存在する. ωを G−不変な徴分形式とす ると, ωはとの Riemann計量に関して調和形式( harmonicform)となること が知られている(調和形式については,本講座「微分形式の幾何学 2J 第 4章 参照).特に,



d :£P(G/H)G→ £ P十 i(G/H)G は 0写像である乙とがわかる.定理 1 0 . 5 6と補題 1 0 . 5 7より,定理 1 0 . 6 1が



I



成り立つことがわかる.



系1 0 .62(Cartan Eilenberg) 連結なコンパクト L i e群 G の deRhamコ ホモロジ一群は次の式で与えられる.



HP(G;J R ) ' . : : : : ' .( 八P ( g V ) ) G ( p= 1 ,2, … ) . [証明]



L i e群 G を対称空間として( G×G)/diag(G)と表し(例 7 . 3 1参







照)ヲ定理 1 0 .6 1を適用すればよい.



例 10.63 n次元球面 s nを等質多様体として s nc : :O(n+l)/O(n)=G/H と表すと,これは対称空間としての表示である. このとき g/り竺 ]Rn に H = O(n)は自然表現として作用する.従って



nn



nunu =﹂ f



pp



目 、 、 〆 ,a 、 ‘



f z a



、、



flzd11



RO



n



一 一



o



/ Z



、、白‘,,,, n



R目、、、



A ハ



p



R



一 ∼



n c u



p



H が成り立つ.







470一一一第 10章



ファイパ一束と群作用



《要約》 10.1 ファイパ一束は局所的には直積位相空間の構造をもっ.その切断は関数



概念の一般化を与える. 10.2 切断の記述には,( i )変換関数を用いて局所的な関数の族として表す方



法 , ( i i)構造群を用いて(変数を増やして)大域的な 1つの関数として表す方法が



ある 10.3 等質ファイパー束は底空聞に L i e群が推移的に作用する同変ファイパー



束である.逆も成り立つ. 10.4 等質ファイパ一束の G−不変元は, 1点のファイバーの不変元と 1対 1



に対応している. これを用いて,等質多様体のコホモロジーや不変測度などが計 算できる.







10.5 (用語)ファイバー束,切断,変換関数,構造群,主ファイパ一束,同



伴ファイパー束,同変ファイパ一束,等質ファイパ一束,誘導された作用,誘導



表現



演習問題 1 0 .1 G= G L(n,J R)の自然な作用で不変な J E . n上のベクトル場は Euler作用



素 E=む よ の ス カ ラ ー 倍 に 限 る と と を 示 せ ; ~1



OX;



1 0 .2 J P ' n < C ,J P ' n l ! J [をそれぞれ Cあるいは四元数体 E上の n次元射影空間とす



1 , s 2 ,s 3をそれぞれファイパーとするファイ る.このとき,次の図式のように s ノぐ一束( Hopfファイパー束)の構造が定義される ζ とを示せ. S4k 1



~81



C



H



F



8 } /



10.3 連結なコンパクト単純 L i e群上には,両側不変な Riemann計量が必ず



存在し,それは正のスカラー倍を除いて一意的であることを示せ. 1 0 .4 S L ( n ,J R)上の両側不変なベクトル場は 0に限る



ζ



とを示せ.



1 0 .5 3次元の H e i s e n b e r g群 G( 例1 0 . 5 5)上の両側不変なベクトル場の次元



演習問題一一← 4 7 1



は 1であることを示せ. 10.6 定理 1 0 . 6 1を用いて射影空間]p i n eのコホモロジー群を計算せよ(位相幾



何を既習の読者は,例えば本講座「 Morse理論の基礎」第 4章の手法と比較する と面白いと思う).



11



誘導表現と 無限次元ユニタリ表現



L i e群 G とその閉部分群 H に対して,一方の表現から他方の表現を得る 操作: (表現の制限)



Gの表現=今 H の表現



(誘導表現)



H の表現=今 Gの表現



を考える.結果を先に述べると,この 2つの操作は必ずしも既約性を保たな いが,ユニタリ性は常に保つ(ように構成できる). とれらの性質を詳しく調 べるのが本章の目標である. まず,既約性について述べよう.制限の既約分解は分岐則と呼ばれ,特 別念場合は物理における「対称性の破れ Jの記述に対応する.一方,分岐 則も誘導表現の既約分解も等質空間上の調和解析と密接な関係にある.い ずれの既約分解も表現論の中心課題の 1つである.この章ではラ G がコン パクトの場合に,「両者の既約分解が表裏一体である」という美しい関係



e n i u sの相互律)を証明する.誘導表現の意味(第 1 0章)をよく理解すれ ( 針 。b e t e rWeylの定理(第 4章)から F r o b e n i u sの相互律がすぐに導かれる ば , P ことがわかるだろう. F r o b e n i u sの相互律の応用例として, S0(2)の自明な



1次元表現を S0(3)に誘導した表現 L2(S0(3)/S 0 ( 2 ) )~ L 2 ( S 2)の既約分解



2上の球面調和関数の群論的解釈にもなっている. を計算する. この結果は 5 次にユニタリ性について述べる.等質空間 G/Hに G−不変測度が存在す



474一 一 一 第



11章 誘導表現と無限次元ユニタリ表現



る場合は,誘導表現がユニタリ性を保つととが容易にわかる(定理 1 1 .6).不 変測度が存在しない場合には,ユニタリ性を保つためにパラメータを少しず 1 .2 3 ) , §1 1 .2(a)で、はその幾 らす(いわゆる“ρのずらじっ必要があり(定理 1



何的な意味を解説する. 誘導表現は,既約ユニタリ表現を生み出す宝庫でもある.例えば,単連結 ベキ零 Lie群の任意の既約ユニタリ表現は,適当な部分群の 1次元ユニタリ



表現からの L 2−誘導表現として構成できることが知られている( Kirillovの軌 道法による分類).一方,簡約 Lie群に対しでも £2−誘導表現によって重要な 既約表現を構成するととができる.本章の後半では,



ζ れを



GL(n,JR)のユ



ニタリ主系列表現を例にとって解説する.既約性の証明では,(非コンパクト な)部分群への制限を用いる.そ ζ では,(コンパクト部分群に関する分岐則 とは正反対に,



]RNの正則表現 L 2(JRN)における F o u r i e r変換(連続スペクト



ラムのみで分解される分岐則)が現れ,第 2章で解説した「アファイン変換 群の作用のエノレゴード性」という幾何的な判定条件が重要な役割を果たす.



§1 1 .1 Frobeniusの相互律 (a) 表現の制限と分岐則



G を位相群, H をその部分群とする.群 G の表現(π, V)が与えられたと き , π( h )( hε H)は群 H の表現を定める. との表現を(πIH,V)と書き,表



V)の H への制限( restriction)または簡約( reduction)という.群 G も 現(π, 明示したいときは, πIH のかわりに Rest~π や R田t(G ↓ H)(π)という記号



を使うとともある. π, V)が群 G の表現として既約であっても,制限(πIH,V)は部分群 H の (



表現として既約とは限らない.(πIH,V)が H の既約表現に分解できるとき (例えば(πIH,V)が有眼次元であって完全可約の場合),制限 πIHの既約分解 を与える公式を分岐員J i( branchinglawまたは branchingr u l e)という.以下, 分岐則のいくつかの例を挙げよう.例の証明はスケッチ程度にとどめる. 例 11.1(テンソル積表現)



§1.3(e)で述べたように,群 G'の 2つの表







§1 1 .1 F r o b e n i u sの相互律←ー



475



現(π 1 ,V i ) ,( π 2 ,V 2)のテンソル積表現(π1@ 1 ! " 2 ,V i⑧九)は,直積群 G:=G' ×



i図巧)を部分群 H :=diag(G')に制限し G'の外部テンソノレ積表現(πl図的' V × G'↓diag(G' ) ( π1図π2) たものに他ならない.すなわち, π1⑧π2竺Rest(G'







である. f~lj 1 1 .2(指標と極大トーラス)



G を連結なコンパクト L i e群 , T をその



極大トーラスとする.指標の理論(系 3.48)と極大トーラスの共役性(定理 6 . 6 2)により G の有限次元表現は Tへの制限だけで決定される.すなわち, π?がを G の有限次元表現とするとき,分岐則 π I T とが I Tが一致する ( Tの表



現として同型である)ことが, π とがが G の表現として同型となるための必







要十分条件である.



例 11.3(制限 U(2)l 1 1 ' 2 ) 入 (i,. > . . 2) ε ! ' L . 2入 (1主入2 )を最高ウェイトとする G:=U(2)の有限次元既約表現を π λ 1 '" 2 と書とう. π λ I, λ 2は入1 一 入2+1次元の



表現であり,定理 8 .38(CartanWeylの定理)より 。竺{(π λ l, λ 2 ,c " 1" 2 + 1) : 入1きん;入I , 入2は整数} となる(例 8.42も参照). Gの極大トーラス



IIt 0¥ H 0t2 ):lt1I= lt2I= 1l~



:=







の 1次元表現を各(α, b )ε ' . 2 ?に対して χ α, b :T → Cヘ



I t , 0\



i J ¥0 t 2J i



ム t~t~



1->







と定義する . Tは可換群なので既約ユニタリ表現はすべて 1次元であり, T~ ( {χ山



q :α, bEZ}



λ l 入 ,2の制限 π λ l, λ 2I Tの分岐則は となる.以上の記号の下で, π π λ I > " 2 I T=χ λ 1 ," 2E D χ λ 11 , λ 2 + 1E D χ λ 12 入 ,2+2E D…@ χ λ 2+ 1, λ 1 1E D χ λ 2, λ 1



で与えられる. U(2)の表現の代わりに, SU(2)の表現として上の例を書き直してみよう. SU(2)には各次元に同値類を除いて唯一つの既約表現が存在し, (11.1)



SU(2) 竺{(σ川 cn+1 : ) η =0 ,1 , 2 γー }



と表される. U(2)の既約表現 π λ 1, λ 2を SU(2)に制限した表現 π λ 1 , " 2l s u ( 2) は



第1 1章



476



誘導表現と無限次元ユニタリ表現



SU(2)の表現としても既約であって π λ川 2 l s u ( 2)ど σ λ 1ーλ 2



となる.



l



_ fftO¥ l また SU(2)の極大トーフス目:= ~ 0 t1):l t l= 1~の 1 次元表現を ηε



Z に対して Xn:=X n , o l r 1 と定義する. χa,blT1 =χ α



b



( α, bεZ)



となることに注意しよう.以上の記号の下で σmεSU(2)の制限 σ m l T 1の分岐 則は ( 1 1 . 2 )



σ m l T 1=χmEBχm-2EB E B χ− m







となる. 例1 1 .4( ClebschGordanの公式)



r 1 ( 2)の有限次元既約表現 1 f > . 1 , > 2と



πμ,,μ2 入 (1主入2 ,μ 1主的)のテンソノレ積の分解は π λ 1+μi, λ 2 + μ 2⑦ π λ 1 + μ 1 l, 入2 + μ 2 + 1E B…@ π λ 1+μ2,λ2+M



( 入1一 入2~ μ 1一μ2のとき)



π λ l, 入2 Q91 了μ i,μ2 竺



7 f λ 1 + μ 1, 入2 + μ 2 E B π λ 1十 μ 11 , λ 2 + μ 2 + 1②…@ π λ 2 + μ 1,λ 1十 μ2



( 入1 入2壬μ1一μ2のとき) で与えられる.との公式を Clebsch Gordanの公式という.



m =入1一 入2, n=μ1 仰とおくと,上の既約分解に対応する表現空間は c ( m + 1 ) ( n +1 )= cm+n+iE Bcm+n 1E B…E B C l m n l十 l



と分解する. 1 .1)の記号を用いて, SU(2)の表現として ClebschGordanの公 また,( 1



式を書くと σm0 σ η



=σm+nE B σm+n 2E B…@ σ l m n l



となる. [ 例1 1 .4の証明のスケッチ]



SU(2)の場合に示す.簡単のため m = 3ぅ



η =2のとき



σ 3Q9σ 2=σ 5E B σ 3E B σ 1



§1 1 .1 F r o b e n i u sの相互律一一−477



を示そう.コンパクト Lie群の有限次元表現は,指標で決定される(系 3.48). 従って Trace( σ3⑧ σ 2 )=Trace( σ 5E B σ 3E B σ 1 )



( 1 1 .3 )



をいえばよい.指標の性質より,等式( 11.3) は ( 1 1 . 4 ) Trace( σ 3 )Trace( σ 2 )=Trace( σ5)+Trace( σ 3) +τ ' r a c e( σ 1 )



と同等で、ある.そこで,等式( 11.4)の両辺の値が極大トーラス目上一致し ていることをいえば十分である. これを示そう. x=diag(t,t-1)εT1 とする と



( τ ' r a c e( σ 3 )Trace( σ 2 ) ) ( x ) 十 r3)(t2+1+r2) = (t3+t+t 1



= (t5+t3+t+t 1+t3+t5)+(t3+t+t 1+t3)+(t+r1)



=官邸e( σ 5 ) ( x )+τ ' r a c e( σ 3 ) ( x )+Trace( σ 1 ) ( x ) となる.故に σ3⑧ σ2=σ 5 E l 1 σ 3E B σ 1が示された. m,nが一般の場合もまった



I



く同様である. 例1 1 .5(主系列表現の K-type分解)



§1 .2例 1 .41で述べた例を考える.



すなわち, G = SU(l, 吋 (



~



! ) :



l a l 2-l b l 2= 1, 山 c}



の L2(s1)上の表現 π を , ベ ; ; ) ε Gに 対 一 π( g ) :L2(s1)→ L2(S1),ル)



~ 1( 出 )



( l z l= 1 )



と定義するのである . Gのコンパクト部分群



r



In-I 工f 8



K :=~ k o:=(~ 0



( ¥



\ 、



e-Ao ): } ( εJR/2πZ↑



の 1次元表現 Xn(nEZ)を χ η :K → C, ×



k o~



e.;=InO



と定義する. πの K への制限 πIKは



( π( k 8 ) J ) ( z )= f(e2F1°z) ! ( εL2(S1), l z l= 1 )



478一一一第 1 1章



誘導表現と無限次元ユニタリ表現



によって与えられる.特に,



f( z )=z nのとき π( ん ) ! =χ叫ん)!



が成り立つことに注意しよう.従って, F o u r i e r級数論(第 2章)あるいは Peter-Weylの定理(第 4章)を K 竺 3 1に適用することにより, πI Kの分岐則 は



πI K" . : 'L f f i X 2 n nεZ



で与えられるととがわかる.対応する表現空間は H i l b e r t空間としての離散 直和(定義は §1.2(g)参照) £ 2 ( 8 1) 竺L : E l l C z n nEZ



に分解される . Kは簡約 L i e群 G=SU(l,1 )の極大コンパクト部分群であ る.一般に簡約 L i e群 G の表現を極大コンパクト部分群 K に制限して既約 分解した公式(分岐則)は K-type分解と呼ばれ, Gの無限次元表現論に有







用な手法を提供する. (b) コンパク卜群の誘導表現



との項ではヲ誘導表現の最も簡単な場合としてコンパクト L i e群の誘導表 現を定義する.標語的に書くと「小さな群 H のユニタリ表現から大きな群



G のユニタリ表現を構成する」のが誘導表現である. §1 1 .2ではコンパクト という仮定を落とした一般化を説明する. H をコンパクト L i e群 G の閉部分群とする . Hもコンパクト群だから, G/Hには G−不変な測度 d μ が存在する(§ 1 0 .5系 1 0 .4 5 ) .



( r ,W)を群 H の既約な(有限次元)ユニタリ表現とし, Q:.同変ベクトノレ束 W:=G×H W→ G/H を考えよう(§ 1 0 .3参照). 全射 G×W → W, ( g ,u )r--+[ g ,u]を用いて, x=gHεG/Hにおけるファ イパ



−Wx={[g,叫: uE W}に内積



( 1 1 . 5 )



( 旬 川 ] ,[ g ,u'Dwx:=( 民 u')w ( u ,u'εW)



§1 1 .1 F r o b e n i u sの相互律ー←−479



を導入する. ( 1 1 . 5)の右辺が矛盾なく定義されているととを確かめよ と う . hε Hとするとき gHとghHは G/Hの同じ点を表 L,また[g,u] [ g h , r ( h) 一l u] は W の同じ点を表すが, ( r ,W )は群 H のユニタリ表現である



ことを用いると, ( [ g h , r ( h t 1 u ] ,[gh,r(ht1u'Dwx=( r ( h )1 u , r ( h )1 u ' ) w=( u, ザ )w



となる. これは,( 1 1 .5)の右辺が x=gHとなる gのとり方によらずに定義 できるととを意味する. 次に, W → G/Hの切断の空間 I'(G/H,W)に内積 ( 1 1 . 6 ) ( s i , s 2 ):= / ( s 1 ( x ) , s 2 ( x ) ) w xd μ ( x ) ( s 1 , s 2 ε I'(G/H,W)) JG/H



を定義する.写像 G/H→ C , xr--+( s 1 ( x ) ,s 2 ( x ) ) w xは G/H上の連続関数で 1 . 6)の右辺の積分は収束する.この内積 あり, G/Hはコンパクトだから( 1 に関して I'(G/H,W )を完備化して得られる H i l b e r t空間を L2(G/H,W ) と 書く. d μ は G−不変な測度であるから



( 1 1 .7 )



s i ,s 2 ) ( V gεG) ( L ( g ) s i ,L ( g ) s 2 )=(



( g ) :I ' ( G /H,W)→ I'(G/H,W)(gEG)は Gの自然な が成り立つ. ここで L



表現(§ 1 0 .4定義 1 0 . 4 0)を表す. ( 1 1 .7)より,線型写像 L(g)は I'(G/H,W) の完備化 L2(G/H,W )のユニタリ作用素として一意的に拡張される.拡張 したユニタリ作用素も同じ記号 L ( g ):L2(G/H,W )→ L2(G/H,W )で表そう. このとき,命題 1 .36より次の定理が得られる.



1 .6 (L,L2(G/H,W ))は群 G のユニタリ表現である. 定理 1 定義 1 1 .7( £ 2−誘導表現)







G のユニタリ表現 ( L,L2(G/H,W ) ) を , Hの



ユニタリ表現 ( r ,W )の L2−誘導表現( £ 2 i n d u c e dr e p r e s e n t a t i o n)といい,と の表現を £2-Ind(H ↑ G)(r )あるいは £2-lnd~T と書く.







§1 1 .2では G,Hが非コンパクトな場合に上の定義を一般化する(定義 1 1 .2 4参照).



L 2−誘導表現の特別な例を見てみよう. 例1 1 .8 ( r ,W )が H の自明な 1次元表現のとき



480一一一第 1 1章



誘導表現と無限次元ユニタリ表現



L2(G/H,W ) : : : = _L2(G/H) であり, £2-lnd~T は L2(G/H) における自然な表現,すなわち,



L ( g ) :L2(G/H)→ L 2 ( G / H ) , J ( x)← →f ( g1 x ) と同一視される.



{ε }かつ ( T ,W )が H の自明な 1次元表現ならば, L2(G/H,W) 特に, H= -:::=_L2(G) であり, £2-lnd~ Tは L 2(G)における G の左正則表現に他ならない.



日 L 2−誘導表現に対し,表現空間を I ' ( G / H ,W)(連続な切断), I ' 0 0 ( G / H ,W) (Coo級の切断)として G の 表 現 を 定 義 し た と き , と の 表 現 を そ れ ぞ れ



lnd~T, C凡 lnd~T と表し,(連続な)誘導表現, cooー誘導表現という.な お , I ' 0 0 ( G / H ,W )は C 0 0 ( G / H ,W)とも書く.また, Ind~T は考えているカ テゴリーによって違う意味で用いる文献もあることを注意しておく.



( c ) Frobeniusの 相 互 律 表現の制限(分岐則)(項( a))と誘導表現(項( b))の聞には,次の双対性が成 り立つ. 1 .9(Frobeniusの相互律( r e c i p r o c i t ylaw)) G をコンパクト L i e 定理 1



群 , H をその閉部分群とする.任意の(π, V)ε δ および任意の ( T,W ) ε立 に対して,



HomH( πIH,T ) : : : = _Homa( π, L2-IndiT) が成り立つ.特に,重複度に関する等式



[ πIH:T ]=[ L 2 I n d i T:π] が成り立つ.







§4 . 1系 4 . 1 9より,コンパクト群の任意のユニタリ表現は既約表現の離散 直和に分解( §l.2(g)参照)される.従って,定理 1 1 .9から次の系が成り立 つ . 系 11.10 G をコンパクト L i e群 , H をその間部分群とし, ( T,W ) εi i とする. とのとき, L 2−誘導表現 £2-IndiTは次のように G の既約表現に直 和分解される.



§1 1 .1 F r o b e n i u sの相互律一一−481



L 2 Ind~T ' : : ' _L ( j )[ πIH:7 ] π πεG







注意 11.11 有限群もコンパクトな L i e群であるので,定理 1 1 .9や系 1 1 . 1 0 は成り立つ なお,有限群の場合は,任意の関数は連続であり, coo級でもあり,



L 2でもあるので,関数解析の微妙さは現れない.そこで有限群に対しては,誘導 表現を群環の係数拡大として代数的に定義し,係数拡大の普遍性から相互律を証 明するとともできる(有限群における F r o b e n i u sの相互律の代数的な取扱いに関 しては,本講座「群論」定理 2 . 6 2参照). 1 .9および系 1 1 . 1 0は , G が任意のコンパクト群( L i e群で 注意 11.12 定理 1



なくてもよい)に対しでも成り立つ.証明も同様である.実際,証明の主な道具 である P e t e rWeylの定理と等質空間 G/H上の G−不変測度の存在定理は,いず れも( L i e群とは限らない)任意のコンパクト群に対して成り立つからである. 誘導表現における各既約成分の重複度は考えている関数のクラスに依存し ないことを見ょう.表現空間の包含関係



C00(G/H ぅW)c I ' ( G / H ,W)cL2(G/H,W) に応じて,各(π, V ) "ε δ に対して



Homa( πぅC 0 0 I 吋i T)C Homa( π, I n d iT )C Homa(π, L2-Indi7) が成り立つ.実はとれらは同型である.すなわち次の定理が成り立つ. 定理 11.13 Gをコンパクト L i e群とする.定理 1 1 .9の設定において



Homa( π, cooーI ndiT)=Homa( π, IndiT)=Homa( π, L2-IndiT) が成り立つ.







( d) Frobeniusの相互律の証明 定理 1 1 .9( 肝obeniusの相互律)および定理 11.13の証明を • Peter-Weylの定理(第 4章 )



・同伴ベクトル束の切断の解釈(第 1 0章 ) をもとに行おう.



W = G×H W→ G/Hの切断の空間 I'(G/H,W)を主束 G→ G/Hに引き 戻して書き直した定理 10.42をさらに詳しく調べよう.まず



482一 一 一 第 1 1主 義



誘導表現と無限次元ユニタリ表現



C(G,W):=G から W への連続関数全体



とおくと, ( g i ,9 2 ,h)εG×G×H に対して ( g 1 ,9 2 ,h ) :C(G,W )→ C(G,W), F(x)f--+ r(h)F(g)"1xg2)



と定義することによって,直積群 G×G×H の表現が C(G,W) 上に定まる. 一方,テンソル積 C(G)@Wには直積群 G×G の両側正則表現 L×R とH の表現 7 の外部テンソノレ積表現として表現 ( L×R) 図 T が定義される. とのとき,次の補題は定義より明らかであろう. 補題 11.14 G×G×H の表現として同型 C(G) ⑧ W 竺C(G,W)が成り立 つ 特に,







i : H → G×G×H, h f +( 1 ,h ,h)によって



日 i(H)を G×G×H の部分



ー不変元の空間の聞の同型 群と見たときの i(H) (C(G) ③W) ι ( H)竺 C(G,W) ι ( H ) が成り立つ.右辺は



{Fξ C(G,W):F(gh)=r(h) 一i F ( g )( l : : / gεG, l : : / hεH)} に他ならないから, I'(G/H,W )と自然に同一視するととができる. 以上をまとめて次の補題を得る: 補題 11.15 Gの表現として次の自然な同型が成り立つ. ( 1 1 .8 ) I'(G/H,W ) 竺 C(G,W ) ι ( H )' . : : ' .(C(G ) ⑧W) ι ( H )cC(G ) ③W







補題 1 1 . 1 5における G の表現の同型対応は,関数(切断)のクラスを £2や



c o o級に変えても次のように成り立つ. 命題 11.16 次の自然な可換図式において, 3つの自然な写像竺は G の 表現としての同型を与える. ( 1 1 .9 )



L2(G/H,W )竺(L2(G ) ⑧ W) ι ( H )



u ( 1 1 . 1 0 )



I'(G/H,W )竺( C(G) ⑧ W) ι ( H )



u ( 1 1 . 1 1 )



[証明]



u u



C00(G/H,W )竺(C 0 0( G)@W)'(H)



( 1 1 . 1 0)は補題 1 1 . 1 5で述べた( 1 1 . 1 1)もまったく同様にして確



1 1 .9)がユニタリ同値であることを示そう. G,Hの正規化さ かめられる. (



§1 1 .1 F r o b e n i u sの相互律一一一− 483



れた Haar測度をそれぞれ dg,dhと し , G/H上の G−不変測度 d μを



I



I(



f(g)dg= j(gh)dh)dμ(gH) "U/H 、 J" , JG



と正規化しておく(系 6.56あるいは系 1 0 . 4 5参照). G上の Haar測 度 内 に i l b e r t空間を L2(G)と書くと, dgは両 関する 2乗可積分関数全体のつくる H



, L2(G)を表現空間とするユニタリ 側不変なので G の両側正則表現 L×R は 表現を定める. 1 . 8)において五 εC(G,W) ι ( H ) 次に, BiEI'(G/H,W) (i=l,2)が同型( 1



に対応しているとする. とのとき /( f 1 ( g ) ,f2(g))wdg= / (/ ( f 1 ( g h ) ,f2(gh))wdh)dμ(gH)



JG



J G / H¥ Jfl







= / (/( r ( h )1 f 1 ( g ) , r ( h ) 1f2(g))wdh)dμ(gH) J G / H¥JH ,



となる. とこで



i



dh= 1を用い,また右 H−不変な G上の関数 ( f 1 ( g ) ,f 2 ( g ) ) w JH



を G/H上の関数とみなすと = / ( f 1 ( g ) ,f2(g))wdμ(gH) J G / H =L / H ( s 1 ( x ) , s 2 ( x))叫ゆ(x )



が成り立つ.故に( 1 1 . 8)における G−写像



ーC(G)③ W cL2(G)⑧ W



I'(G/H,W)



は等長写像である.内積( 1 1 . 5)に関する完備化をとってユニタリ同値( 1 1 .9 )



I



が得られる. [定理 1 1 .9の証明]



P e t e rWeylの定理(第 4章)より, G の両側正則表現



( L×R ,L2(G) ) は ( 1 1 . 1 2 )



L2(G)竺乞申 v " ⑧v " v ( π, V ) " εG L×R ' . : : : ' .



2 申 :



π図 πV



(",V")EG



と直積群 G×G の既約表現に直和分解される. ( r ,W)E Hとすると,同



484一一一第 1 1章



誘導表現と無限次元ユニタリ表現



型 (1 1 .g)より G のユニタリ同値 (L2(G) ⑧ W)'(H )竺



( 1 1 . 1 3 )



~



γ



(に⑧昨⑧ W ) ι ( H ) ( 7 r , V 7 r ) E G



I : E l lv ; ,⑧ (V7rVIH⑧ W)H ( π, 九 )εG



~



l :岳民⑧ HomH( にIH,W)



( 7 r , V 7 r ) E G



が得られる. ととで( 11.13)の最初の式には群 G は左正則表現 L によって, ( 1 1 . 1 3)の最後の式には群 G は各直和成分の(π, V 7 r)ε δ によって,それぞれ



に )ε δ を止めて考えると ユニタリ表現として作用している.故に,(π? Homa(凡(L2(G) ⑧ W)'(H) ) 竺 HomH( に IH,W)



が成り立つ.命題 1 1 . 1 6のユニタリ同値写像( 1 1 .g)より, H o m a ( V , , ,L 2(G/H,W ) ) 竺 HomH( に IH,W)



( 1 1 . 1 4 )



あるいは表現の記号を用いて Homa(n,L2-lnd~T) ~ HomH( πIm7 )



が成り立つことが示された. これで定理 1 1 .gの証明が完結した. [定理 1 1 . 1 3の証明]



I



最後に, L2−誘導の場合の同型( 11.14)から,他の関



o o級切断)の結果を導こう. 数空間(連続切断あるいは c C00(G/H,W)cI ' ( G / H ,W)cL2(G/H,W) であるから,同型( 1 1 . 1 4)における対応 Homa(凡 L 2(G/H,W))~ HomH( に ImW ),戸←→ ψ



において,任意の ψεHomH( に IH,W)に対して ( 1 1 .1 5) 手 (u)εC 0 0 ( G / H ,W) (Vuε に )



が示されれば Homa(凡 C 00(G/H,W))=Homa(凡 I ' ( G / H ,W)) =Homa(凡 L 2(G/H,W))



が得られ,定理 1 1 . 1 3が得られる. ( 1 1 . 1 5)を示そう. まず,ユニタリ同値( 11.12)は行列要素をとる写橡( Peter-Weylの定理(定 理4 . 1)参照)



§1 1 .1 F r o b e n i u sの相互律一一−485



色:



v 1 r⑧ 昨 → L2(G),



u⑧f f +. P 7 r ( u⑧f )



τ(π(g)川)



色(凶 J ) ( g ):=丙函



によって定義されていたことを思い出すと, ψεHomH( にI HW )および u ε ヲ



v 1 rに対して手(u)EL2(G/H,W)は次で与えられる: ( 1 1 . 1 6 )



G→ w , gf-+ 宇 (u )(g)・= /di亙~ψ(π(g i ) u ) .



写像 G×v 1 r→ v 1 r ,(g,u)f--+π ( g一i ) uおよび伊:に→ W は c o o級写像なので, も その合成である宇(u)



c o o級写像である.故に,手(u)EC00(G/H,W )が成



り立つことがわかる.以上から定理 1 1 . 1 3が証明された.







(e) L 2 ( S 2)の展開定理 円周 3 1上の古典的な F o u r i e r級数論を,群 3 1のユニタリ表現 L 2 ( S 1)の 既約分解の公式 L 2 ( S 1) 竺E プCeinx nEZ



と解釈し(第 2章),さらにとの群論的解釈を推し進めてコンパクト群 G に 対する L2(G)の展開定理( P e t e rWeylの定理)に到達した(第 4章 ) . さて, 2次元球面 32は L i e群の構造をもたない.従って, P e t e rWeylの 定理を直接 3 2に適用するととはできない.一方, F o u r i e r級数論の類似であ る球面調和関数を用いた L2(S2)の展開定理が古くから知られている. 乙の 項では, F r o b e n i u sの相互律の応用例として, L 2 ( S 2)の展開定理を群論的に 説明しよう. L i e群 SU(2)の随伴表現 Ad:SU(2)→ G L J R ( s u ( 2) ) は



( ( v 二Tx y+v 二T z¥ l l -y+日 一 日x }:x,y,zεJRJ ~J R 3



加 (2)竺{



の球面 x 2十 ν2+z2=1を不変にする. 乙の作用は推移的であり,点そ 1 , 0 , 0)ε d i a g ( tぅr i ) :l t l = l}で与えられるから,微分 J R 3における等方部分群は T ={



同相 SU(2)/T~S2 を得る .T の自明表現を 1 と書くと,例 11.8 より, ( 1 1 . 1 7 )



L 2 ( S 2) 竺L 2 ( S U ( 2 ) / T ,1 )



4 . 8 6←一一第 11章



誘導表現と無限次元ユニタリ表現



が成り立つ.さて, σ kを SU(2)の k+l次元既約表現とすると,例 1 1 .3で ↓ Tに関する分岐則の公式( 1 1 . 2)より 計算した制限 SU(2) I1 ! k=0‘2‘4 …)



[ σk l T: 1 ]=
. . 2 -_ ! _ n 1)ε( v=1JR)2ならば,( 1 1 .3 3 ) ¥



2 2 J で定義した P正ー線型写像は,群 P正のユニタリ表現(主系列表現の P正への制



限 ) ( L 2 -I n d (PRI GR ( )χ( ε l, ε 川 1 , v 2 ) ) J p ; ,L 2 ( G R / P l l l . , G l l l .×F l RX(ei, ε 川 I , ρ λ) )



から



( σ(e 1 , e 2 ) ,(λ 川山 L 2(M(n1,n 2 ;J R ) ) ) の上へのユニタリ表現の同型写像(ノルムのスカラー倍を除く)を導く.







P J t .−既約な G J l l .の表現は G J l l .−既約で、もあるから,上の命題 11.32より,次 の定理を示せば, G J l l .の(退化)ユニタリ主系列表現 L 2 -Ind(九↑ G J l l . ( )χ( ε 山



) , (v1,vρ)



の (G J l l .の表現としての)既約性が示されたことになる. 定理 1 1 .33εI, ε2εZ/2Z, 入1 ε __!_n2+v=TlR, 入2 ε 2 きP J t .のユニタリ表現(σ( ε 1, 叫



_ ! _



n 1+ v 士T J Rのと



(d) 放物型部分群の無限次元既約表現 この項の目標は定理 1 1 .33を証明することである.証明のアイディアは,



498一一一第 11章



誘導表現と無限次元ユニタリ表現



アファイン変換群 A f f ( J R n )=GL(n,J R )1>O } は GL(m,JR )の単位元を含む連結成分である(この記号は後述の( 1 1 .3 9)と合



i e群 G L ( n i , l R ) ×G L ( n 2 , J R )はベクトル空 わせた).写像 ψ によって,直積 L 間 M(n1,n 2 ;J R )に線型に作用するから,半直積群(§ l .l (b)参照)



( G L ( n i , l R) × GL(n2,J R ) )I >



2 )



であるから,命題 11.40と補題 1L41より(σ( c i’ ε 2 ユニタリ表現として既約で、あることが示された.故に定理 1L33が証明され















最後に, G J R = G L ( n , I B . )の(退化)主系列表現の既約性の笹明の流れをまと めておこう.



(退化)主系列 £2-Ind(Pn~ ↑ GR )(χ)の既約性(定理 11.29, k=2) 合 放物型部分群 P J tへの制限(分岐則)の既約性(定理 11.33)



合 G L ( n i , J R )×GL(n2,JR)ハ J R n 内の作用のエルゴード性(命題 1 1 .38) 2番目の官の鍵は, F o u r i e r解析における「エルゴード性とアフアイン変換



群の表現の既約性」(§ 2 .2定理 2.14)である.



《要約》 11.1 同伴ベクトノレ束の L 2−切断のなす H i l b e r t空間上に L 2−誘導表現が構成



される. 1 1 .2 体積バンドノレの平方根に対応する“pのずらし”によって,ユニタリ性



を保つように L2−誘導表現 L2-Ind(H↑G)を構成できる. 11.3 G/Hに G−不変測度が存在するととと“ρのずらし"=



0となることは同



値である 1 1 .4 コンパクト群の表現の分岐則(部分群への制限の既約分解)と誘導表現の



既約分解には,相互律が成り立つ. 11.5 G L ( n , J E .)の無限次元表現(主系列表現)を L2四誘導表現によって構成す



る.主系列表現のユニタリ性や既約性は幾何的考察によって証明される. 1 1 .6 (用語)分岐則,誘導表現, F r o b e n i u sの相互律,体積バンドルと ρの



ずらし,放物型部分群,ユニタリ主系列表現,退化主系列表現,エノレゴード性,



504



第 11章



誘導表現と無限次元ユニタリ表現



o u r i e r変換, Hardy空 間 アファイン変換群, F



演習問題 11.1 U(n )の対称テンソル積表現 S N ( < e つを部分群 U(k) ×U(n-k )に制限し



たときの分岐則を求めよ. 1 1 .2 例 1 1 .3の記号の下で, T上の有限 F o u r i巴r級 数



@ αn X n= E B( χn E B・ ・ @ χn )



』 ー ー 一 ー 匂 _ _ _ _ ,



nεz



nEZ



a n個



が, SU(2 ) のある有限次元表現の極大トーラス T1~1l' への分岐則として得られ



るために,数列 αηεNが満たすべき必要市分条件を求めよ.







11.3 p>lとする. S0(2)の部分群 H を



、 件



I I' 2 j



l



Hp 寸 kl~ ): j=O,l, ,p-lド叩,



IcosO sinO¥ k ( O ):= c o



l由 。



目 。 )



と定義し, HPの 1次元表現 σl ( l=0 ,1 , … , p-l)を I '>~- 、、



σ 1 :H"→



2./=flj官



e x , k l一三ι )>-+e ¥p I



"



とおく. S0(2) 竺 {χn :nεZ}と表すとき,次の既約分解の公式を示せ.



L2-lnd(Hp↑S0(2) (σ 1 )~ I : E l l恥 nεz



+l



11.4 G i l ! . =G L(n,R) の 放 物 型 部 分 群 凡1丹,, n k ; l l ! .(定義 1 1 .26)の閉部分群



N n 1 , n 2 , .・ , n k ; l l ! .を







{1 n 1



民 い2' -,n同:ニ|



I η



|という形の実行列全体







¥*



I n kI



と定義する. このとき次を示せ.



( 1 )L n 1,略, n k ; l l ! .×N n j ,吋' , n k ; l l ! .→ P n 1, 句 , ,n k ; l l ! . >( l , n) 目的は(全射な)微分同相を 与える(とれを Levi分解という).



( 2 )P n 1 , n 2 , ., n k ; l l ! .は 2 k個の連結成分をもっ. 11.5 G l l ! . : = G L ( n , R)の放物型部分群九=凡1,., n 同に対し, M i l ! .:=九円 O(n)



演習問題一一一 505



とおし



( 1 ) Mll!.~O(n1)xO(n,) ×…× O(nk ) を示せ ( 2)包含写像 O ( n ) c G L ( n , I R : .)により,微分同相写像 O ( n ) / M l l ! . c : . ヰG l l ! . / P l l ! .が誘 導されることを示せ. 1 1 .6 演習問題 1 1 .5の設定において, Lν を ( 11.24)で定義した九の 1次 元



ε =χc , v l M l l ! .とおく. このとき, O(n) ー同変な直線束として 表現とし χ G i l ! .×F Rχぃ → G l l ! . / P l l ! . と O(n)×M i l ! .χ ε→ O ( n ) / M l l ! .



は同型であるととを示せ. 11.7 G L(2,I R : .)の主系列表現 π( ε 1, ε 2







Eχ此(ε1+ε2 となる



ζ



とを示せ.







0 mod2 ) , I : E l l χ 2 k + 1 ( c 1+ε 2三 1 mod2 ) kζZ



12



WeyIの ユニタリ・トリック



1変数の正則関数は C竺 J R > . 2の曲線に制限した値で一意的に決まる(一致 の定理). との対応の逆は解析接続で与えられる.例えば,実軸上の三角関 1 1 数 cosxを正則関数 cosz=1--z2+-z4−…に解析接続し,虚軸に制限 6 1 2 0 1 1 すると cos(v!=f y )=1+ーが + − y 4+…= coshyという双曲関数が得られ 6 1 2 0 る.同様に,実軸上で単項式 f を考え, C上の単項式 Zn に解析接続し,そ



e r =cosnB+.J"二lsinnBと



れを単位円周上に制限するといosB+v' 二ls i n いう関数を得る.



この考え方を L i e群の表現論に適用したのが, Weylのユニタリ・トリッ クといわれる手法である.その証明は初等的であり,その結果は強力かつ有 用である. L ( n , l R ' .)の問には自然な連続写像が 例えば, SL(n,C)の部分群 SU(n)とS 存在しない. しかし Weylのユニタリ・トリックによって,両者の有限次 R ' .)の有限 元表現論はまったく同等であることが証明される.従って, SL(n,J



次元既約表現の分類は,コンパクト群 SU(n)の既約表現の分類(第 8章)と 同一である.また, SL( η'J R ' .)の有限次元表現が完全可約であるということ も,コンパクト群の表現の完全可約性(第 3章)から導かれる. ユニタリ・トリックは Weylの論文( 1 9 2 5年)によって明示的に述べられ た 約 10年後には, S L ( n , l R ' . )などの有限次元表現の完全可約性に(コンパ



508一 一 ← 第 1 2章



Wey !のユニタリ・トリック



クト群の表現論を使わない)代数的な証明を与えようという方向の研究が C a s i m i rとvand e rWaerdenによって始まり,半単純 L i e環の代数的な表現



論の発展につながった.ユニタリ・トリックの素朴なアイディアは,現在に 至るまで様々な場所で拡張され,解析的な表現論と代数的な表現論を結び、つ ける橋渡しの役割を果たしている. 本章では,ユニタリ・トリックをできるだけ初等的に解説する.群が単連 結ではない場合には,位相幾何的な条件が必要になる.最後に,等質空間や C l i 旺o r d K l e i n形に対する Weylのユニタリ・トリックの拡張を紹介する.



§1 2 .1 複素化と実形



ι



この節では,§ 6 .2(a) や §7.l(f) や §9.l(a)などで少し触れた「複素化と 実形」について系統的に解説を行う.



(a) Lie環の複素化と実形 係数体 R上の L i e環を実 L i e環 , C上の L i e環を複素 L i e環と呼ぶのであ



v = nを作ったように,実 Lie環から



った.実数の組(α,めから複素数 α+



複素 L i e環を作ろう.現代風にいえば、係数体の拡大てeある.まず,



Oを実 Lie



環とする.複素ベクトル空間 ! J c・=均⑧J R C= [JEBv=lfJ



の元を X+V=TY,X'+V=lY'( X,Y,X',Y'εり)と表すと [X+v 二T Y ,X'+v 二lY']:=( [ X , X ' ] [Y,Y'])+v=l([XぅY’ ] + [Y , X ' ] )



と定義するととにより恥は C上の L i e環となる.。は自然に ! J cの部分 L i e 環とみなせる. L i e環の複素化と実形) 定義 12.1(



りを実 L i e環とするとき,複素 L i e環



J c r n : Cを均の複素化( c o m p l e x i f i c a t i o n),逆に均を ! J cの実形( r e a lform) 。c:=[



Oが複素 Lie環 gの部分 Lie環であって, g=り+ v 工T [ J , J fnJ 二l [ J= { O }



という.より一般に, ( 1 2 . 1 )



が成り立っときも, gをりの複素化,りを gの実形という.







§1 2 .1 複素化と実形一一一 509



例 12.2 次の L i e環はいずれもが(n , I C )の実形である. g l ( n ,~),



u ( n ) , u ( p ,q ) ( p十 q=n,p,q主1 )







例 12.3 次の L i e環はいずれも . s l ( n , I C )の実形である. .sl(n ,~),



. s u ( n ) , . s u ( p , q ) (p+q=n,p , q主1 )



さらに η が偶数(= 2m)ならば . s u * ( 2 m) も. s [ ( n , I C )の実形である.







i e環はいずれも叩(n , I C )の実形である. 例 12.4 次の L



.sp(nぅ~),



. s p ( n ) , . s p ( p ,q ) ( p十 q=n,p , qき1 )







1 9 1 ]1 2 .5 次の L i e環はいずれも . s o ( n ,I C )の実形である. s o( η, ) . s o ( pぅq ) (p+q=η,p , qき 1 ) さらに, nが偶数(= 2m)ならば . s o * ( 2 m) も. s o ( n , I C )の実形である.







複素ベクトル空聞には,(同型を除いて)ベクトル空間としての実形が唯一 つ存在する.従ってヲ可換な複素 L i e環にも( L i e環の同型を除いて)実形が i e環に対しては,上の例で見たよう 唯一つ存在する.しかし,可換でない L



に , 1つの複素 L i e環にいくつかの異なる実形が存在する



ζ



とがある.一方,



i e環もある.半単純でない一般の複素 実形が 1つも存在しないような複素 L L i e環では,実形が存在する方が珍しいことを示唆する例を 1つ挙げよう.



1 9 1 ]1 2 .6(実形の存在しない L i e環 )



入εC ×を 1つ選び, g=Ce1+Ce2+



Ce3を [ e i ,e 2 ]= e 2 , [ e i ,e 3 ]=入e 3 , [ e 2 ,e 3 ]= 0



という関係式によって定義される 3次元複素 h 環とする



入+ ~\t~ なら



ば , gには実形が存在しない. gに実形 g ] Rが存在するとして矛盾を導 ζ う . [glii,glii] ~rn:C= [ g , g ]=Ce2十 Ce3より,[g r n : , g l i i] は R上 2次元のベクトル空間である.その I R −基底 h , f 3



を選び,さらに f i ε g r n :を選んで" { ! 1 ,f 2 ,f 3}が g r n :の I R −基底とする. 乙のと き , { f 1 ,f 2 ,f 3 }:={ p e 1+qe2+re3,α e 2+b e 3 ,c e 2+d e 3 }



と書くと, p( αd-bc )手0が成り立つ.必要ならば fムんをとりかえて pαbチ O と仮定してよい・ a d k ( f 1 ) f 2 E [ g J R , g r n :] 竺J R 2だから, a d 2 ( f 1 ) f 2=α a d ( f 1 ) f 2+β! 2



510− 一一第



12章 W e y lのユニタリ・トリック



となる α, PεRが存在する.尚子 0より p 2=αp+β, p 2入2=αp 入 +β I 1¥ となり, pを消去して− az=(入+ 2+一) β を得るが, α, βεRなので,入+



+



\ 入j



¥ l Rならば α=グ= 0で、なければならない こ れ は 仰 に 矛 盾 す る 故 に gには実形が存在しない. 日 次の命題は定義から明らかである. 命題 12.7 実 L i e環。が複素 L i e環 gの実形ならば d i m l l ! .均 =d i m c 9 ・







との命題を,例 1 2 . 2,例 1 2 . 4,例 1 2 . 5に適用すると d i m l l ! . g [ ( n , R ) = d i m l l ! . u ( n )= d i m l l ! . u ( p , q ) =dimcgl(n,C)=η2



)=d i m c s j : J ( n ,CC)=2n2+n d i m l l ! . s p ( n , R )=d i m l l ! . s p ( n )=d i m l l ! . s p ( p (q



q )=dimcso川=~(ηz-n)



d i m l l ! . s o( η)= d i m l l ! .叫



となる. さて,上記の例 1 2 . 2∼例 1 2 . 5では,定義 1 2 . 1の条件( 1 2 . 1) を 1つずつ 検証することも容易であるが,対称対( §7.l(h)参照)を用いた次のような観 点で統一的に理解するとともできる. これを説明するために,まず,複素数



C において,複素共役 zf-+zと実数 R は { zεC:芝= z }= R



という対応関係があったととを思い出そう. とれを L i e環に一般化するので ある. 複素 L i e環 gの実形。が与えられたとき, gの任意の元は



x+ゾ三TY



(X,Y ε~ )



と一意的に書けるととに着目して,次の写像 σを定義する.



σ:g→ g , X+.J=fYf---+X-.J=fY σは複素共役写像である.すなわち σ( αX)=百σ( X)( α ε c,xεg)が成り立



つ . さらに σは



σ [ (W,Z])= [ σ( W) グ (Z ) ]



( ¥ i W ,¥ i Zεg)



を満たすので, gを(複素構造を忘れて)実 L i e環とみなしたときの自己同型



§1 2 .1 複素化と実形一一一 511



写像を与える.また,明らかに σは対合的( i n v o l u t i v e),すなわち σ 2=idg が成り立つ.逆に,このような σ(すなわち,複素共役な対合的自己同型写 像)が与えられれば'.',



gの部分 L i e環



ぜ := { W εg:σW=W} は gの実形を与える.実際, σは実 L i e環としての自己同型写像であるから



f は gの部分 Lie環である.さらに, gの R上の部分ベクトル空間を g一σ: = { W εg:σW=-W}



と定義すると, σ 2=idg より g=gσ +g 一 σ( R上のベクトル空間の直和)とな る.さらに σ が複素共役なので



ぜこ二 g σ ,wf-+ . J=Tw は全単射写像となる.以上から, σ g が gの実形であることが示された.命題 としてまとめておこう. i e環とする.「gの実形。」と「gの複素共役な対合 命題 12.8 gを複素 L



的自己同型写像 σJ とは 1対 1に対応している.その対応関係は次の式で特 徴づけられる. 均= { W εg:σW=W}







例1 2 .9 g=g [ ( n ,C C )として,例 1 2 . 2を命題 1 2 . 8によって復元してみよ . う (i) σ1W:=W



( i i ) σ2W:=-W* (ただし W * は W の転置行列の複素共役) ( i i i) σ3W:=−



ι , ι(p+q=n) qW ホ



q



とすれば, g " 1~g[(n,R), g " 2~u(n)ヲ g勾竺 u(p,q) である. σI , σ2 , σ3 はすべ て複素共役であり,しかも g [ ( n ,C C )の ( R 上の L i e環としての)自己同型写像 i e環はすべてが(n , C C )の実形である. になっている.故にこれらの L







(b) L i e群の複素化と実形 次に L i e群に対して複素化や実形の概念を定義しよう. L i e群の複素化と実形) 定義 12.10(



L i e群 G の部分 L i e群 H に対し,そ



i e環 g と均が複素化と実形の関係にあるとき,複素 L i e群 G を L i e群 H のL



512



第1 2章



Wey !のユニタリ・トリック



の複素化, L i e群 H を複素 L i e群 Gの実形という.







例 12.11 次の L i e群はいずれも G L ( n , < C )の実形である.



G L ( n , J R ) , U ( n ) , U ( p , q ) (p+q=n ,p , q主1 ) また, nが偶数ならば, U * ( n ) ( §7 .l ( e)参照)も G L(n,< C )の実形である.日



( n ,< C )の実形である. 例 12.12 次の L i e群はいずれも O 。 (n ) , O ( p , q ) (p+q=n,払 q主1 ) また, nが偶数ならば, O( ホn ) ( §7 .l(e)参!照)も 0( ηヲ< C )の実形である.







p ( n ,< C )の実形である. 例 12.13 次の L i e群はいずれも S Sp( η, J R ヲ ) S p ( n ) , S p ( p ,q ) (p+q=n ,p ,qき1 ) .







例 12.14(上三角行列)



G ={(xり) 1 豆 i,j~n ε GL (η, 0 )



=j+l







1航可)可)



と定義すると,



u :,…?むは互いに直交する単位ベクトノレであるから,



これ



を縦に並べた行列



j三 k ( g)・=(苛む…可)



はユニタリ行列である.



u ;は互7 , g ; ; ' i, ・ ・ ・ ,g :の線型結合で表されるから,



k



550一一一第 1 3章



B o r e lW e i l理論



は gを下三角行列で変換した形として 凶



1



I



~ー 1



k=gl



~2



凡 一



¥*



\11EEEEESFFJ



O



/ ゐ ー1



I



と表される.



( 1 3 . 2 0 )



α三 α( g )



: =d i a g( α i ( g) , … ,a n ( g ) ) εA



n一 三 n ( g ): = α1k-1g



EN 一



とおくと, g=k αn ーが成り立つ.以上から写像( 1 3 . 1 8)は全単射写像である ととが示された. さらに



Ge→ U ( n ) , Rr-+k ( g ) Ge→ A ,



gト→ α( g )



Ge→ N ,



gr-+n _ ( g )



はそれぞれ c o o級である.以上より定理 13.21が証明された. 注意 1 3.22 定理 1 3 . 6を用いれば,写像( 1 3 . 1 8)が全射であるととを



Ge=GB =G(T AN)=(GT)AN =GAN という式から簡単に示す ζ とができる.一方, GramS c h m i d tの直交化を用いた 上記の証明は,岩津分解の具体的な計算方法が明示されているという利点がある.



定義 1 3 .23(岩津分解)



Ge=U(n)・A・N の分解を Ge=GL(n,< C )の岩



j 畢分解 Owasawad e c o m p o s i t i o n)と呼ぶ.







系1 3 .24 GL(n,< C )は U( η) とJ R n 2の直積に微分同相である. n(n-1)



[証明]



微分同相 A × N_ 竺 ]Rn × C~'C::lRn2 と定理 13.21 より系が成り







立つ. 上記の系 1 3 . 2 4は , Cartan分解(定理 6 . 3 8 )



GL( ηヲ < C )' C :U(n)×expp ( p= {Hermite行列}) 3 . 1で岩津分解と Cartan分解 からも導かれる・ n=2の場合に,演習問題 1 の関係を比較する.



§1 3 .3 B o r e lW e i lの定理の証明



5 5 1



さて, L i e群 A の L i e環 αを R”と同一視し,全単射写像 exp:α→ A の逆 写像を l o gと表し,



( 1 3 . 2 1 )



H:Ge→



] R n ,



gf +l o g( α( g ) )



と定義する. ( 1 3 .2 0)の記号を用いて α( g )=d i a g( α i ( g) , ・ ・ ,a n ( g ) )ε Aと表せ ば



( 1 3 . 2 2 )



H(g)=(logα1( g) , … ,l o gan(g ) ) ε]Rn



である. 定義 13.25 式 (1 3 . 2 1)によって定義された写像 H:Ge→ ]Rn( ' C : :a)を岩



r o j e c t i o n)という.なお, l o gをとらずに ;畢射影( Iwasawap Ge→ A , gf + α( g )= e x p ( H ( g ) ) を岩津射影と呼ぶこともある. exp(H(g))を♂( g) とも書くことにする.







岩津射影を具体的に計算するのには,次の命題が便利である. 命題 13.26 1ぎk壬n とする. gεGeに対して,



α k ( g)α k + l( g)… α n ( g ) ) 2= d e t ( ( g * g り )h 乱 ( [証明]



3三n



g=kan (kεU(n , )α εA ,n ε N)と表すと, g * g=ηと がk * kαη = n~a2n εN+B



が成り立つ. よって定理 1 3 . 4の証明において,正方行列の右下の(n k+l) 次の小さな正方行列に制限して議論すれば命題が成り立つことがわかる.







(c) 0( 乙λ)の有限次元性



£λ)<∞を示す. これは, E→ X, E'→ X をそれぞ この項では dime0( れコンパクト多様体 X 上の有限次元ベクトル束とするとき,楕円型線型偏 微分作用素



P:I ' 0 0 ( X , E)→ I ' 0 0 ( X ,E ' ) に関する次の定理の特別な場合 ( X =旗多様体ヲ E= λ ιぅ E' =ム ⑧ T*o,1x,



P=, 否 KerP=O( ι 入))である. 定理 1 3 .27(Hodge de Rham Kodairaの定理)



KerPも CokerP



も有限次元である. この項では定理 1 3 . 2 7を用いずに dime0( £ λ)<∞を初等的に示そう.







552一 一 第 1 3章



B o r e l W e i l理論



証明の方針を大まかに述べよう



。はλ)の元は局所的に ~n(n-1 ) 変数



の正則関数を定める. d i m O ( . C λ)<∞を示すための鍵は, n=2の場合の 式 (1 3 . 9)と同様にとの多変数正則関数の無限遠での漸近挙動を与える公式で ある.無限遠での評価は岩津分解を用いて行う.その準備から始めよう.



補題 13.28



FεC(Gc)が



F(g α η ) =χ λ( α 一 )1 F ( g ) ( V gεG e ,V α ε A,Vn_εN_) を満たすとする.



C: =s u pI F ( k ) I k E U ( n ) とおく ( U(n)はコンパクトなので, C F(gp) とおくと, F(g )は P上の正則関数であって



F ( g ) ( p b )=λ χ( b )1 F ( g ) ( p ) (VpεRVbεB ) を満たすから, F(g )ε C J ( . C λ IP/B ) _ とみなせる.ことで £ λ IP/B は B 主束



P→ P/B に同伴した複素直線束 P×s_C λ→ P/B を表す.よって, F は Geから C J( ι λ IP/B )への写像を与える.なお, C J( ι λ IP/B )は有限次元であり,



Fが連続であるととも簡単にわかる(より精密な結果を定理 13.45の証明の 中で示す).すなわち, FεC(Gc,C J( ι λ IP/B ))である.従って,線型写像 ( 1 3 .3 2 )



C J ( . C λ)→ C(Gc,C J ( . C λ IP/B ) ) ,



FI->F



が得られた F ( g ) ( e )= F(g)であるから, F三 Oならば F三 Oすなわち, ( 1 3 . 3 2)は単射である.故に次の補題が示された.



J ( . C 入IP/B ) 補題 1 3 .36 ( 1 3 .3 1)を満たす適当な複素閉部分群 P があって C ={0}ならば C J ( . C λ )={0 ・ } [命題 1 3 . 3 5の証明]



B~ ={(~ ~ ):a,bEe x 'cEc }







558一一一第 13章



B o r e lWeil理論



とおく. 1三4豆n-lなる iを止めて,単射な準同型写像



IIi-1



仇:



GL(2,C)→ GL(n,C ) , At-+I



A



¥Q



0¥ I I nー ; I 1



を定義する. ここで I jは GL(j,C)の単位行列である.



p ( i ):=B ー ・ 机 (GL(2,C)) *







* ** **



i+l







の形の GL(n,C)の元全体



ι



* * ' i+l



とおくと, p ( i)は GL(n,C)の複素閉部分群であり,怖は双正則写像 p(il/B 己 GL(2,C)/B~ 竺 lP'1C



を誘導する.さらに



ピ: B~ → Cヘ(~~) t-+ 川+1 とおくと, GL(2,q ;B~ '::::!.p(i)I B ( c : : : ! .l P ' 1 C )上の正則直線束の同型 GL(2,C)×B'_( [ ' . X ,



' : : : : ! .



ι λ lp(i)jBー



が得られる.命題 1 3 .15(n=2に対する B o r e l W e i lの定理)より,入;<入i+l ならば O ( l P ' 1 C ,GL(2ぅq×B'_e x ' ) ={ O}が成り立つ.従って, 0( £ λ lp(i)jB )=



{ O}となり,補題 13.36から 0( £ λ )={ O}となる. i( 1三t壬n 1 )は任意であるから命題 1 3 . 3 5が証明された 以上で B o r e lWeilの定理(定理 1 3 . 1 2)の証明が完結した



§13.4 Borel-Weilの定理の一般化一一一 559



§13.4 Borel-Weilの定理の一般化 B o r e lWeilの定理は,既約表現を複素多様体 Gc/B _上で具体的に構成す る定理と解釈できる.一方,系 1 3 . 1 4における次元公式は,複素多様体上の 正則直線束に関する結果であり,証明の道具として表現論を用いたと解釈す ることもできる(結果の記述には表現論が現れないととに注意する). との節 では,後者の解釈を推し進めて, Grassmann多様体などさらに一般の複素多 様体(広義の旗多様体)上の正則直線束の正則切断の空間を,表現論を通して 理解しよう.



(a) 放物型部分群と広義の旗多様体 自然数 n を k個の正の整数 n i ,n 2 ,・ ・ ・ ,n kに分割する.



n=n1+η2十 … +n k との分割に応じて Gc=GL(n,C)の部分群 L n 1, 九, n k 'N n 1, 句 , ,n k 'P n 1 , n 2 ,・ , n k を次のように定義する.



体 全



百 7



ん 付



素 複 の 形 の



’ / ’ \ 12111



内 7i







J



、、.



EEEEBEEt1



1



ri



r ’ ’ ’ ’



一 一



札 1 , n 2 ,



07h



L n 1 , n 2 ,・ ・ , n k:=_ G L ( n i ,C) × GL(n ゎ q×…× G L(nk,C)



, n k:=B_・Lni,n2, , n k= N, n i , n 2 , , n kLni,n2, , n k



n 1 , n 2 ,. , n kを Geの放物型部分群, L n 1 , n 2 , -. , n kを 凡l,九州の 定義 1 3 .37 P n 1 , n z , -, n kは P n 1 , n 2 , ・, n kの閉正規部分群であり Levi部分群と呼ぶ.また N P n 1 , n 2 , -, n k= L n 1 , n 2 , ・ , n k N n 1, 町 , ,n k (半直積) をP n 1 , n 2, , ・n kの Levi分解(L e v id e c o m p o s i t i o n)という.







例1 3 .38 §1 3 .1( a)の記号と比較すると L 1 , 1 ,. , 1=TA, N 1 , 1 ,. . , 1=N _, P 1 , 1, ・ i=B ーが成り立つ.



例1 3 .39 n=4のとき,







560



第1 3章



B o r e lW e i l理論



体体 全全







体 全



一冗一克







のの



F ,、、,,ノ , CC , 、 、



τA ︵4 a︵



LL GG



J



、Ill−﹄/,,



− − \ Ititti



− − E﹄ 1555J 11It −−,/’ \11Et UAU * 、 nU ハ 一AUnunu *



のの 形形 のの



O **0 0 *** O **0 0 *** * nuQvnu * * * *



\/ / tzliEIE1



404



一一一一







LH



一 冗



、、,,ノ



A吐



C



L G



の 形 の



ψ A γ



A リハリハり1i



←小



A



Unu−−* ハ り*



nu







114ψAT



\ tttttEttt







9a



一 一



m



定義 1 3 .40(広義の旗多様体)







定理 1 3 . ( 6と同様に議論するととによって,



c / P n 1川 , 2, ・ n kは U( η) / (U ( n 1) ×U ( n 2)×り・× U(nk ) ) と微分同相で 等質空間 G あり,コンパクトな複素多様体の構造をもつことがわかる. とれを広義の旗 e n e r a l i z e df l a gm a n i f o l d)あるいは一般化された旗多様体という. 多様体( g



例1 3 .41( Grassmann多様体)







e nの m 次元複素部分空間全体の作る集合



である Grassmann多様体 G r m ( t e n) と G L ( n , < C ) / P m , n mは双正則同型とな r m ( t e n)は,広義の旗多様体の 1つの例である. る.従って, G







( b) 広義の旗多様体上での BoreトWeilの定理 各 1壬j三kに対し, G L ( n J ,< C )の複素解析的な有限次元表現 町 : GL( ηj,< C )→ GLc(巧 ) が与えられたとき, V:=ViRV';⑧…⑧九上に定義される外部テンソル積表現 π1図π2図…図町:



L n 1 , n 2 ,・ , n k→ GLc( 町⑧九@・・・@九)



を考え,これを P n 1 , n 2 ,・ ・ , n kの表現 π に次のように拡張する. n



﹄E 12E1 ﹃ ﹄ / , ,



A 白 。



一O A K、



n











\ ittiti−E1







( 1 3 . 3 3 )



A



P



7 r :







GLc(V),



同町(A 1)⑧町(A2)⑧…⑧町 ( A k )



§1 3 .4 B o r e l W e i lの定理の一般化一一一→ 561



ただし A Jε GL( 町 ,< C )( 1壬jぎk)である. X :=Gc/Pn 川,, n k とおき,主東 Ge→ X に同伴した正則ベクトル束(系 1 0 .2 5 ( i i i)参照)を ( 1 3 . 3 4)



ν: = Ge×P n 1,吋,, n kV → X



とおく. §13.2(a)で定義した正則直線束ムは n i=町=… =nk=lかっ



νに他ならない → X の正則な切断全体を O(X , ν )とおく. ν →Xは 正則ベクトル束 ν



dimV i= dimv ;=…= dimVk=lとした場合の



Ge-同変なベクトル束で、あるから, Geの自然な表現が O(X, ν)上に定義さ れる.乙の項の日標は Geの表現論を用いて O(X, ν)を理解するとと(いつ Oになるか,正則な切断の次元はどうなるかなど)である.



1壬j壬k)に対して(句, V j)が G L ( n J ,< C )の複素解析的な表 さて,ある j( 現として既約でないときは, GL( 叫 ぅ< C )の複素解析的な表現の完全可約性 (Weylのユニタリ・トリック;§ 1 2 .2命題 1 2 . 3 0参照)より



同= 1 j 'E BV J ' とGL( 叫' < C )の表現に直和分解できる・このとき, L うを V j ,V J 'にとりかえ



' , V "を同様に定義すると, て X 上の正則ベクトル束 V



ν=ν 'EBV"は Ge一 同



変なベクトノレ東の直和になる.従ってその正則な切断の空間も直和分解され る.すなわち



。,ν ( X



)= O(X,V ' )E BO(X,V " )



ν



は Geの表現の直和となる・ との手続きを繰り返せば, O(Xぅ )を調べるた めには,すべての j( 1語3 壬k)に対して(何?巧)が GL( 町 ,< C )の複素解析的 な有限次元既約表現(同じととであるが, U ( n J)の既約表現)の場合だけを考



1壬 えればよいことがわかる.従って,以下ではそのように仮定し,各 j ( j壬k)に対して(πj>V j)の最高ウェイトを



入(j) = (入?l ,>._~lγ ・ 1 入印) ε znj とする.最高ウェイトの性質より ( 1 3 . 3 5 )



入?l 量入~)主



主入印



562一一一第 1 3章



B o r e lW e i l理論



が成り立つことに注意しよう.入(j) ( 1壬j三k)の成分割|慎に並べて



( 1 3 . 3 6)入:=(入( 1) , 入 (2) , … , 入 (k)) =(入i l ) '. ..,入日,入;2),・ 1 入~~,.・?入ik)' , 入可) εz n とおく. このとき,正則ベクトル束 ν → X の正則な切断に関して次の定理 が成り立つ.



3 .42(広義の旗多様体上の B o r e lWeilの定理) 定理 1 η



n=町+…+同を



の分割とし,各 j( 1壬j~ k)に対し(町, v ;)を CL(叫, q の複素解析的な



有限次元既約表現でその最高ウェイトが入( j) εz n jであるとする.式( 1 3 . 3 3 ) によって P n 1,川の表現(π, V)を定め,( 13.36)によって入 εznを定義する.



νを Pn1,町,, n kの既約表現(π, V)に同伴 Lた X =Ge/ P n 1 , n 2 ,., n k上の正則ベ 3 . 3 4)参照). とのとき クトノレ束とする(( 1



f{O} (入は優整形式でない) O(X , ν)={ |入を最高ウェイトとする Gの既約表現 (入は優整形式)



ν)の次元は( 13.4)と同じ公式によって与えられる. 特に, O(X, ζ



とで,( 1 3 . 3 5)より,入 εznに対して



n t e g r a l ) 宇=争入1主入2 ~…三九 入が優整形式( dominanti 位 入 昭 三 入 「1 )( 1豆町三 k 1 ) である.







注意 1 3.43 定理 1 3 .1 2 ( B o r e l W e i lの定理)は,定理 1 3 . 4 2において n,=



向=…=叫= 1 , k=nとした場合に対応している.



(c) 階 段 定 理 定理 1 3 . 4 2の証明を,すでに証明した形の B o r e lWeilの定理(定理 1 3 . 1 2 ) に帰着させるために「階段定理」(定理 1 3 . 4 5)を証明する.そのアイディア は , §13.3(e)の議論を発展させたものになっている.広義の旗多様体上の



B o r e l W e i lの定理(定理 1 3 . 4 2)の証明は,定理 1 3 . 4 5の証明が終わったとき



§1 3“4 B o r e lW e i lの定理の一般化



563



完結する. 前項( b)の設定を引き継ぐ.記号を簡単にするため,



P :=P n 1, 町 , ,n k’ L:=L n 1 , n , ,・ , n k とおく.入 εz n( 定義は( 1 3 . 3 6)参照)の定める Bーの指標をめ: B → C×と ーおよび P→ P/B に同伴した正則直線 書く. 2つの B −主束 Ge→ Gc/B 束をそれぞれ ι λ: =Ge×B Cλ → Gc/Bー



ムI P / B :=p×B C λ



→ P/B_



と書こう・ L ¥ I P / B という記号は,正則直線束仏→ Gc/B ーを底空間 Gc/B ー ーに制限した乙とを強調している.正則直線東ム I P / B ー→ の部分多様体 P/B



P/B ーは P−同変であるから,その正則な切断の空間 O(P/B ? ー£ λI P / B J上に



P の表現が自然に定義される. 定理 1 3 .44(放物型部分群に対する B o r e lWeil型定理)



p=P n 1 , n 2 ,・ , n k



の表現 O(P/B _, ムI P / B ) _は (1 3 . 3 3)で定義された(π, V)と同型である. [証明]



P n 1, 町 , ,・n k=L n 1 , n 2 , ・・ , n k N n , ,句 , ,n k=LN( L e v i分解)なので, L と



N に分けて証明すればよい. , 町n 2 ,・ , n kの表現として同型であることを示そう.包 ステップ( 1)群 L=L 含写像 LcP は双正則写像 L/(B_nL) ~P/Bーを誘導するので, B



nLを



構造群とする主束 L→ L/(B 什 L)に同伴した L−同変な正則直線束



( 1 3 .3 7 )



L×(B nL) ( [ ' .λ → L /(B パL )



はヲム I P / B → P/B と同型な正則直線束になる. ととで, C λ は B の指標 めをB



nL に制限した 1次元表現を表す(記号が増えて見にくくなるのを



避けるため,同じ記号を用いる).特に L の表現としての同型



( 1 3 . 3 8 ) O(P/B_,C λI P / B) 竺 O(L/(B_nL ) ,L×(BnL) ( [ ' .λ) が得られる.さらに, L竺 G L(ni,C)×…× GL(nk,C)という直積分解に対応



3 . 3 7)の正則直線束は,各 j( 1三j三k)に対する正則直線束 して,( 1



GL(nj,C)×(B n G L(町 ,q )Cλ → CL ( 町 ,C )/(B_nGL(nj,C ) ) の k個の直積に同型である.



ととでの C λ はχ λ をB n GL(ni>C)に制限し



564一一一一第 13章



B o r e l W e i l理論



た表現を表す.従って, G L(nj,C)の表現可を



町 : = O(GL(nj,C)/(B nGL(nj,C)),GL(nj,C)×以 I B _ n G L ( n j , C )C) ←







と定義すると,



( L/(B_nL ) ,L×(BnL)Cλ )c : : : ' .町⑧同⑧…⑧巧



という Lの表現としての同型が得られる. GL( 町 , q に対する B o r e lWeil



3 . 1 2)より, の定理(定理 1



V j 'は最高ウェイト入(j)をもっ既約表現,すなわち



( 句 ,V j)と同型である.故に



O(P/B_,C λI P / B)c : : : ' .O (L/(B 一円 L ),L×( BnL)Cλ) は L の表現として,外部テンソル積表現(π, V)= (π l図π 2図…図町, V i@日⑧ … @V k)に同型であるととが示された. ステップ( 2)群 N = N n i , n 2 ,・ , n kの表 Z 昆として同型であることを示そう.



( 1 3 . 3 3)より群 N は V に自明に作用する.一方,群 N は P の正規部分群で ーに自明に作用する.さらに, あり,しかも B に含まれるので等質空間 P/B 群 N は Ker( χ λ :B → C×)に含まれるので,正則直線束 £ λI P / B → P/B ーに 「 ムI P / B)にも自明な表現として作用す 自明に作用する.従って, O(P/B る .



3 . 4 4が証明された. 以上から,定理 1 3 . 4 2の証明の 1つの鍵は定理 1 3 . 4 4(放物型部分群に対する B o r e l 定理 1 Weil型定理)であり,もう 1つの鍵は次に述べる誘導表現に関する階段定理 である. 定理 13.45(複素角平析的な誘導表現に関する階段定理)



Geの表現として,



次の自然な同型が成り立つ.



( 1 3 .3 9 ) O(Gc/B , £ λ) 竺 O(Gc/P,Gc×pO(P/B, £ 入 IP/BJ) 日 この定理は(複素角軌庁的な)誘導表現に関する階段定理(i n d u c t i o nbys t a g 田 ) と呼ばれる. B_cPcGcの包含関係に応じて, Bーの表現 χ λ から P の表 現 O(P/B, £ > . I P / B Jを構成し,次に P の表現 O(P/B_,ム I P / B)から Geの _, ムI P / B) )((13.39)の右辺)を構成した結果は, 表現 O(Gc/P,Gc×pO(P/B



B の表現 χ λ から一気に Geの表現 O(Gc/B ? ー£ λ )( ( 1 3 . 3 9)の左辺)を構成 したものと一致する;標語的にいうと Bー→ P→ Geと順に昇ることと B →



§1 3 .4 B o r e lW e i lの定理の一般化一一一 565



G と一気に昇る結果が一致するというのが階段定理という用語の由来である. 3 . 3 9)の右辺は,定理 13.44より O(X,V)と同型であるから,定理 同型( 1 1 3 . 4 5と定理 1 3 . 1 2(通常の B o r e lWeilの定理)から,定理 1 3 . 4 2(広義の旗 多様体に対する B o r e l W e i lの定理)が導かれることがわかる.そこで定理



1 3 . 4 5の証明をしよう. [証明]



最初に誼明の方針を述べる.



( 1 3 . 3 2)で定義された単射な Ge-線型写像( §13.3( e)参照) ( 1 3 . 4 0 )



0λ ( ι)→ C(Gc,V), Fr-+F



の像が



O(Gc,V)P:={ F :Ge→ V:Fは (1 3 . 4 1)を満たす正則関数} に一致するととを示せばよい



( 1 3 .4 1 )



とこで( 1 3 . 4 1) は



F ( g p )=π( p )1 _ F ( g ) ( ¥ : J gεG e ,¥ : I pεP)



と定義される関数等式である. これを 2つのステップに分けて示す.



)( 1 3 .4 θ)の像が O (Gc,Vtに含まれていることを示そう.ま ステップ( 1 ず , V=O(P/B , £λIP)の元は, P 上の正則関数 h :p→ Cであって,



( 1 3 . 4 2 )



h ( p b )=χ λ( b )1 h ( p ) ( ¥ : I pεP ,¥ : l bE B )



を満たすものと同一視されることに注意する.任意の gEGc,pEP,p 'ε P に対して



F ( g p ) ( p ' )= F ( g p p ' )= F ( g ) ( p p ' )=( π( p )1 _ F ( g ) )( p ' ) が成り立つから,( 1 3 . 4 1)が満たされる.



F :Ge→ V が正則写像であるととを示す・ V は有限次元である 次に . ことに注意してその基底 h 1 , h 2 , ・ ・ ・ , h 1(J=dimcV)をとる. h i( 1三z 三J ) を (1 3 . 4 2)を満たす P 上の正則関数とみなすと,一次独立性から, P の J個 i ,b … , qJを選んで J×J行列 の点 q



A:=( 九 (q J ) 1豆川三 J が可逆であるようにできる . Aの逆行列の(i ,j) 司成分を ( A i)りと書とう. 各9 ε Geに対して, V の基底 h iを用いて



F ( g )=



t .ai(g)hi 向( (g)εc, 三z壬J) 1



566一一一第 1 3章



B o r e lW e i l理論



と表す. F:Ge→ V が正則写像であることを示すためには,各 α zが Ge上 の正則関数であることを示せばよい.定義より



F ( g q 1 )=F ( g ) ( q 1 )=2 :a i ( g) ん(釣) であるから,



α1 ( g )=



J



LF(gq1)(A1)11 ( 1三l壬J )



となる . Fは gεGeの正則関数であったから, αl( g )( 1三l壬J)も gεGeの )が示された 正則関数であることが示された以上よりステップ( 1



3 . 4 0)は C J (Ge,V )Pの上への写像である ステップ( 2)写像( 1



ζ



とを示そう.



FECJ(Gc,vyを任意にとる.各 gEGcに対して F ( g )E vは , P上の正 則関数であって



f l g ) ( p b )=χ λ( b ) 一1 F ( g ) ( p ) ( ' r i pEP ,V bεB ) を満たすものと同一視される.さらに Fは



F ( g p ) ( p )= F ( g ) ( p p ) ( V p ,' r / p 'εP) を満たす.そこで Ge上 の 関 数 F を



F:Ge→ C , gf-+ F ( g ) ( e ) とおけば, F は Ge上の正則関数であって



F ( g b )= F ( g b ) ( e )= F ( g ) ( b )= χ λ( b ) 一l f f ' ( g ( )ε )= χ λ( b )1F(g) を満たす.故に FE0( £ λ )であって, F は (1 3 . 4 0)における F の像になって いる.よってステップ( 2)も示され,以上で定理 1 3 . 4 5が 証 明 さ れ た







最 後 k,との章で述べた B o r e lWeilの定理およびその一般化を,証明の 筋道と主な証明の手法と共にまとめておとう.



pie上の B o r e lWeilの定理( §13.2( c ) ) ( ロ ) , ( ノ 、 )



ι



(通常の) B o r e l W e i lの定理(定理 1 3 . 1 2 ) (ぺ品



放物型部分群の B o r e l W e i lの定理(定理 1 3 . 4 4 ) (イ)品



広義の旗多様体上の B o r e lWeilの定理(定理 1 3 . 4 2 )



演習問題一一一 567



とこで,言E 明に用いられた主要な手法(イ)?(ロ入(ハ)は次で与えられる. (イ)



3 . 4 5 ) (複素解析的な誘導表現に関する)階段定理(定理 1



(ロ)



U(n)の有限次元表現に関する最高ウェイト理論(第 8章)



(ハ)



3 . 6),等質ファイバー束(第 10章) 旗多様体の幾何(定理 1



《要約》



13.1 旗多様体はコンパクトな複素多様体である. 13.2 簡約 L i e環の表現が最高ウェイトをもっという代数的な条件は,その表 現が旗多様体上の正則切断の空聞に実現できるという幾何的な条件に対応する.



1 3 .3 B o r e l W e i lの定理により,ユニタリ群(任意のコンパクト群)の既約表 現を複素多様体上の正則直線束の正則な切断の空聞に実現できる.



13.4 旗多様体上の等質正則直線束の正則な切断の空間は{O}か既約表現の 表現空間である.



1 3 .5 GraRsmann多様体などの複素等質空間上の正則ベクトル束の切断の空 間の次元が,表現論を用いて計算できる.



1 3 .6 B o r e lW e i lの定理の証明には, ] p > l(['.の旗多様体への種々の埋め込みが 重要な役割を果たす.



13.7 (用語)旗多様体, B o r e l部分群,岩津分解,岩津射影,正則直線束,最 高ウェイト,広義の旗多様体, G rassmann多様体,正則切断の消滅定理,正則切 断の次元公式,放物型部分群,誘導表現の階段定理



演習問題



13.1 Gc=GL(2,C), A={diag( α I, α 2 : ) αhα2>O } , A+={diag( α i ,a 2 : )α 1ミ 向>



0 }とする n=(~



~) εGe の



C a r t a n射影 ψGe→ A+ ただし g E K ψ(g)K 岩津射影



α:Ge→ A



ただし gεKα( g)N



第1 3章



568



B o r e lW e i l理論



を計算せよ.



13.2 岩津射影によって定義された関数九 ( n + )( ( 1 3 . 2 5)参照)は,任意の k( l~ k壬n 1)に対して



P k( η十 ) ミl + [ z k k + 1 [ ' ( " I n+ εN+) を満たす ζ とを示せ.ただし Zij は n十の(i , j)成分とする.



13.3 複素 GrasRmann多様体 G r k ( C n)上の正則ベクトル場のつくるベクトル



r k ( C n ) ) の次元を求めよ ( kによらない!). 空 間 九010(G 1 3 .4 X h o バGrk(Cη))は sl(nヲq と同型念 Li巴環である乙とを示せ. 1 3 .5 広義の旗多様体 GL( η’ C ) / P n 1 , n 1 3 .6 G r a R白mann多 様 体 G rk(C η )の標準直線束( c a n o n i c a ll i n 巴b u n d l e)を乙 =八k旬 ( k ) T ; 0 1G r k ( C n ) )→ Grk(Cη)とする. ( 1)β→ G r k ( C n)は , P k , n k の 1次元表担



χ: 九 , n k→ C X ,



fA 0 \ l C B)



ι ι



d e tA) 一山(detB)k



1-+ (



に同伴した正則直線束 GeX p kn kχ→ GcfP k , n k と同型な正則直線束である ととを示せ.



( 2 )G r k ( C n)上の正則直線束をテンソル積 β加=乙⑧…R乙によって定義す る



とのとき dimeO (Grk(Cn) ,乙加)= 0(m主1 )を示せ.



( 3 )



dimeO ( G r k ( C n ) ,( £ ' ) 蜘 ) =



O Kn )C:百二引n~~~l l ! ) ' ’ ' ' C~J[' i ! )C ! Xn )



が成り立つことを示せ. ととで C は β の双対直線束を表し,(£')⑧間二(£')R ⑧(£')と定義する.



569



現代数学への展望



L i e群論や L i e環論およびその表現論は,解析,幾何,代数を問わず,現 代数学のほとんどすべての分野と何らかの関わり合いをもって,多種多様な 方向に発展している.



ことでは,本書の内容に直接関わる分野に絞って,さ



らに学習を進めるための参考書や今後の課題の案内をしよう.



( 1 ) Lie群 本書では, GL(nぅI R)の部分群あるいはそれに局所同型な位相群を L i e群の 定義として採用し,一般論を展開したとの定義を採用した理由は,必要と



R)の なる多様体論の予備知識を最小限に抑えるためである.なお, GL(nぅI i e群と L i e環の対応( L i e理論)を議論する場合に 閉部分群のみに限定して L 3],佐武[ 3 7] 参 は,収束などの証明が若干簡単になる(例えば,伊勢竹内[ 1 i e群の精密な構造論については Hochschild[ 1 1]が詳しい. 照).また, L 一方,「



c o o級の群演算が与えられた多様体J を Lie群の定義として採用し,



robeniusの定理を用いて L i e理論を展開する方法もあ 積分多様体に関する F る .



.Warnerの教科書[ 5 5]がすっきりと書かれている. との流儀てやは, F



L i e群論のいくつかの定理は Riemann幾何を用いて証明することもでき i e群に対して指数写像が全射になる J とい る.例えば\「連結なコンパクト L う定理 6.62は,「距離空間として完備な Riemann多様体は測地的に完備で ある」という HopfRinowの定理からも証明できる. Riemann幾何の側面



9]、が詳しい. を強調した教科書としては, Helgason[ i e群”という概念も提唱されている.大森[ 3 2]では,無限次 無限次元の“L i e群”に対する L i e理論の研究が扱われている. 元“L



570一一一現代数学への展望



( 2 ) Lie環 本書では, L i e群を調べる手段として L i e環を導入した(§ 5 .3 ) . 一方, L i e群が背後に存在することを使わずに, L i e環を独自の研究対象と することも可能である. との方向の延長線上には,一般の体上の L i e環論や 無隈次元 L i e環論などもある. 代数的な立場からの L i e環論には,入門書から本格的な教科書まで多くの 和書や洋書([ 3] う [1 2] ぅ [1 4 ] ,[ 2 5 ] ,[ 3 6 ] ,[ 3 8] ぅ [4 0] ぅ [4 5 ] ,[ 5 0]など)が存在し ている.そこで,本書では,代数的な L i e環論よりはむしろ,解析的あるい は幾何的な考え方を重視する方向で執筆した. 本書の内容と相補うような L i e環論の基礎項目をいくつかあげると, i e環,可解 L i e環,半箪純 L i e環の基本的な性質, Engel ( 2 1 ) ベキ零 L の定理, L e v i分解, Ado岩揮の定理 ( 2 2 ) 抽象的ルート系とその分類,ルート系から複素半単純 L i e環を再 構成すること ( 2 3 ) L i e環のコホモロジー などがある.かいつまんで説明しよう. ( 2 1)の内容のうち,前半部分の基礎的な結果は,佐武[ 3 8 ],S a r n e l s o n [ 3 6] ,S e r r e[ 4 0]が読みやすいだろう.さらに,進んだ内容として, Bourbaki [ 3 ] , Jacobson[ 1 4],松島[ 2 5],東郷[ 5 0]などでは, L e v i分解(放物型部分代 数に対して第 1 1章,第 1 3章で例示した)や Ado岩津の定理(本書では§ 5 .6 で用いた)なども解説されている. . 1では,連結な古典型 L i e群の極大トーラスに対するルート系 ( 2 2 )§9 (同等なととであるが,古典型複素半単純 L i e環の Cartan部分代数に対す るルート系)を求めた逆に,これらのルート系の満たす性質を公理化し て,抽象的ルート系や Weyl群を(L i e群を用いずに)論じるとともできる. 特に,「既約」な抽象的ルート系は古典型( A川 Bn,Cn,Dn型)と 5つの例外型



( G 2 ,F4,E 6 ,E 1 ,Es型)に分類できる.分類の証明は,線型代数だけを予備知 識として行う



ζ



とができ,多くの教科書で取り扱われている.例えば,[ 3 ] ,



[ 9] ヲ [1 9] ヲ [2 5 ] ,[ 3 5 ] ,[ 3 6 ] ,[ 3 8 ] ,[ 4 1 ] ,[ 4 9 ] ,[ 5 0l などを参照されたい.



現代数学への展望ー一一 571 逆に,与えられた抽象的ルート系から,それをルート系としてもつ複素半 単純 L i e環が存在することが知られている.ルート系の分類を使えば,これ を示すためには, 5つの例外型のルート系に対応する例外型 L i e環を構成す ればよい.東郷[ 5 0]は,この方針で存在定理を示している.また,横田[ 6 1 ] は,例外型 L i e環のみならず例外型 L i e群をも構成することをテーマとした 類書のない本である.一方,ルート系の分類を使わない存在証明もいくつか 知られている. C h e v a l l e y ぅH a r i s hChandra,S e r r eによる存在証明について は,松島[ 2 5 ] ,Jacobson[ 1 4 ] ,Humphreys[ 1 2]を参照されたい. S e r r eによ



q ( g)の構成の る存在証明は,神保 D r i n f e l dによる量子群(quantumgroup)U 基盤にもなっている. ( 2 3)本書で表現論や幾何的な性質として解説していた結果のいくつか はL i e環のコホモロジーによっても解釈できる.例えば,「コンパクト単純 L i e群の普遍被覆空間はコンパクトである」(定理 6 . 7 7 ,系 1 0 .60)という位 相幾何的な結果や「コンパクト L i e群の有限次元表現は完全可約である」 ( 系3 . 3 2)という表現論の結果はいずれも,半単純 L i e環の 1次元のコホモ ロジ一群の消滅定理から説明できる. L i e環のコホモロジー群については, B o r e l , W a l l a c h[ 2 ] , Knapp[ 1 7],松島[ 2 5 ] , Vogan[ 5 2]などの教科書が詳 しい. L i e環のコホモロジ一群は,等質空間の(位相的)コホモロジー群の計 算や,簡約 L i e群の無限次元既約表現の分類の手段の 1っとしても用いられ る .



( 3)等質空間



§7 .3 ,§7 . 4で例示したように,等質空間の例には豊富で多種多様な幾何が



f . ) /80(2)などの Riemann対称空間は 関連している. P o i n c a r e平面 SL(2,i 古くから研究されており,その構造論は, Helgason[ 9]や伊勢−竹内[ 1 3]の教 科書で詳しく扱われている. さらに広いクラスである簡約型等質空間(§ 1 2 .3)には,必ず不変な(擬) Riemann計量が存在し,さらに,不変な複素構造やシンプレクティック構造 などの種々の幾何構造をもつものが多く存在する([ 2 3]やそとにあげておい



572



現代数学への展望



た文献を参照). とれらの幾何構造は,特別な場合には,幾何的量子化によ る表現の構成にも関係している. また,戸田一三村[ 4 9] はL i e群やコンパクト対称空間のコホモロジ一群や ホモトピ一群などの位相的な性質について書かれた本格的な教科書である. ( 4 ) Lie群や Lie環の表現論



数学の様々な分野から群や表現が自然な対象として現れる.本文中でも強 調したように,本来,表現論は“内部”で閉じているわけではなく,表現論 以外の分野との接触も重要で、ある. しかし,話を簡単にするために,表現論 “内部”の中心課題を次の 2つに大別しよう: ( 41 ) 既約な表現(の同値類)を分類し「それを理解せよ.



キ( 5 )



( 42 ) 与えられた表現を既約分解せよ.



= 争 (6 )



( 4 1)には,既約表現の構成,分類のパラメータ(指標やその他種々の不変



量)の発見と計算,ユニタリ双対。の分類,同値な表現の聞の絡作用素の構 成などの問題が含まれる. ( 4 2)の基盤にあるのは, L i e群 G の任意のユニタリ表現は既約ユニタリ表



現に分解できるという定理([ 4 8]参照)である.一般のユニタリ表現の既約分 解では, L i e群 T の正則表現 £ 2 ( 1 1 ')の既約分解( F o u r i e r級数展開,§ 2 . 1) の ように既約分解が可算直和となる場合もあれば, L i e群 R の正則表現 £ 2 ( J R ) の既約分解( F o u r i e r変換,§ 2 .2)のように既約分解が“i 車続直和”となる場合 もある. ( 4 2)の特別な場合として ( a ) 誘導表現の分解(例.等質空間上の P l a n c h e r e l型定理など)今( 6 1 ) ( b ) 制限の分解(分岐則)(例.テンソル積の分解やか対応など)=争( 62 )



が挙げられる. 本文で取り上げた話題と関連づけながら,( 41) ヲ ( 4-2-a) う ( 4-2-b)をそれ う (6 1 ) ,( 6 2)で概説しよう.主に簡約 L i e群に限って話を ぞれ次の項目( 5) 進める.



現代数学への展望一一一 5 73



( 5 ) Lie群の既約表現の分類 ( 5 1)有限次元既約表現の分類 i e群の既約表現は最高ウェイトというパラメータによって分 コンパクト L



類できる(第 8ぅ 9章). Weylのユニタリ・トリック(第 1 2章)によって,乙 の分類は,複素半単純 L i e環の有限次元既約表現の分類と本質的に同等で、あ る.複素半単純 L i e環の Cartan w~yl の最高ウェイト理論を( Lie 群を用い ずに)代数的に証明した教科書としては, Humphreys[ 1 2 ] , Jacobson[ 1 4 ] , Knapp[ 1 9],松島[ 2 5 ] ,S a r n e l s o n[ 3 6],東郷[ 5 0]などが読みやすいだろう. i e環の有限次元既約表現論は様々な一般化の出発点に 有限次元半単純 L i e群の(無限次元)最高ウェイト表現論,量子群の表現論, Kac なってる. L i e環について MoodyL i e環の表現論などもその例である. Kac MoodyL



は,『岩波講座現代数学の展開』「無限次元 L i e環」で取り上げられる.また, Weylの分母公式(系 9 . 4 8)をモンスター L i e環に対して一般化するととによ



って,ムーンシャイン予想が解決されている( R .Borcherds,I n v e n t .M a t h . , 1 9 9 2 ) . ( 5 2)無限次元既約表現の分類 i e群には無限次元の既約表現が多く存在する コンパクトでない簡約 L § (1 1 .2 ) .1 9 7 0年代後半から 1980年代初頭に(位相を類別しない立場での)



無限次元既約表現の分類が完成した現在では,大別して次の 3種類の方法 が知られている. ( a ) 行列要素の漸近挙動に注目した Langlandsによる解析的な分類法 ([ 5 4 ] ) ( b ) Voganによる r n i n i r n a lK-type理論と L i e環のコホモロジーを用い 2 ] ) る代数的な分類法([ 5



−柏原による旗多様体 X 上の 1 フー加群 ( c ) B e i l i n s o nB e r n s t e i n ,B r y l i n s k i 7] ) と X 上の Kc−軌道の幾何に基づく分類法 の理論([ 4



これらの相互の対応についても 1980年代半ば頃より研究が進められている. ( 5 3)既約ユニタリ表現の分類



Gがコンパクト群の場合は, G のすべての既約ユニタリ表現は正則表現



574一一一一現代数学への展望



L2(G)の既約分解に現れる(第 4章の P e t e rWeylの定理).群 G がコンパク



トでない場合は, G の既約ユニタリ表現は必ずしも正則表現 L2(G)の既約分 解に現れない. とういう事情もあり,ユニタリ双対。の分類は非常に困難な 問題となっている. V.Bargmannによる SL(2,I R)の既約ユニタリ表現の分類( Ann.Mαt h . う



1947)以来,約 50年の問に Gelfand-Na i m a r k ,V a k h u t i n s k i,土 J 1,平井, D i x m i e r ,D u f i o ,S p e h ,B a r b a s c h ,Voganなどによって,実ランク 1の単純 L i e群や S L ( n ,I R ) ,S L(n,< C ) ,SL(n,l H I ) ,SO(n,< C ) ,S p ( n ,< C )などに対しては



O ( p ,q ) ,S p ( n ,I R)などの単純 ユニタリ双対の分類が完成している.一方ヲ S L i e群の既約ユニタリ表現の分類は未解決である. ( 5 4)既約表現の構成と B o r e lWeil理請の一般化



簡約 L i e群の既約ユニタリ表現の構成法の両輪をなすのは,“放物型誘導 表現”と“コホモロジー的放物型誘導表現”である.その最も簡単な場合を, 1章(主系列表現)と第 1 3章 ( Borel-Weil理論)で解 本書ではそれぞれ,第 1 1 .24)に基づく.後者 説した.前者についての一般論は, £2−誘導表現(定義 1



についての一般論は,本文では扱わなかったのでここで簡単に触れておく. i e群の旗多様体上の正則直線束の正則切断の空間を記述する コンパクト L B o r e lWeil理論は 1950年代に確立した 2種類の一般化を考えよう. 1つめの一般化として,正則切断の空間のかわりに D o l b e a u l tコホモロジ



一群を考える.とのとき,正則切断の場合の Borel-Weilの定理と同様に, D o l b e a u l tコホモロジ一群も既約または Oになり,それを明確に決定する



ζ



とができる( B o r e lWeilBott理論). 2つめの一般化として,非コンパクトな複素多様体での B o r e lWeil理論



を考えよう.例えば, Poincare平面従上の正則関数全体 0(冗)は無限次元 i e群 SL(2,IR)は一次分数変換によって%に作用しているので, である. L



0 ( 1 i)上に SL(2,I R)の表現が定義される.もっと一般に,冗上の同変な正 則直線束£→討の正則切断の空間 0(£)にも SL(2,IR)の表現を構成できる. Harish-Chandraはこの例を一般化し,非コンパクトな Hermite対称空間上



の同変正則直線東の正則切断の空聞に正則離散系列表現と呼ばれる既約ユニ



現代数学への展望



575



タリ表現を構成した( 1 9 5 5 ;[ 1 8 ] ) . この 2つの一般化の方向を合わせて,非コンパクトな複素等質多様体(広 義の旗多様体の開部分集合)上に Dolbeaultコホモロジ一群を表現空間とす i r i l l o v K o s t a n tの軌道法の観 る表現を考えることができる. この表現は, K



点、からは余随伴軌道の幾何的量子化に対応し, Langlands,堀田,岡本など の貢献の後に, Schmid,Wong(1992)によって構成が正当化され,一般に無 限次元の(ほほ、既約な)表現となる.一方,この表現の構成を代数的に与える 函手(コホモロジー的放物型誘導)は Zuckermanによって構成され,さらに, 適当な条件の下でユニタリ性が保たれることを VoganとWallachが証明し 9 8 4 ) . [ 2 0 ] ,[ 5 2] ぅ [ 54]は代数的な観点からの本格的な専門書であり,概 た (1 3] ヲ [5 3]などにもある. 要は[ 2



なお,パラメータが十分“正”の場合には,現在これらの理論はほぼ一段 落したといえる.一方,パラメータが特異である場合は,コホモロジー的放 物型誘導表現が Oになるかどうかさえ,一般的にはわかっていない. この部 分は,ユニタリ表現の分類問題にも関係しており,今後の研究を待たねばな らない. ( 6)既約分解



( 6 1)部分群からの誘導表現の既約分解について 第 2章の F o u r i e r級数論や第 4章の P e t e rWeylの定理を,正則表現の既 約分解の定理とみなし,次の一般化を考える.議論を簡単にするため,等 質空間 G/H上に G−不変測度が存在するとしよう. T εi iを群 G に誘導し た表現は, G/H上の G−同変ベクトル東の切断の空間に実現される.誘導表 現の既約分解は等質空間 G/H上の大域解析の問題ともいえる.最も基本的 な場合は T が自明な 1次元表現 1の場合である. このとき,以下の場合に



L 2 -Ind~ ( l) ' : ' -L2(G/H)の既約分解を具体的に与える定理( Pla町 here l型の定 理)が得られている: ( a ) G/Hが群多様体 G'×G '/d i a g (G')の場合



G '= ' ] [ ' , I R( P a r s e v a l P l a n c h e r e lの公式;第 2章 ) , G'がコンパクト群の



576一一一現代数学への展望



とき( Peter-Weylの定理;第 4章 ) , G'がベキ零 L i e群のとき( K i r i l l o v , i e群 G'のとき( Harish-Chandra,1 9 7 6 ) 1 9 6 7 ) , G'が簡約 L ( b ) G/Hが対称空間の場合



G/Hが Riemann対称空間のとき( Helgason), G/ H がベキ零対称空 e n o i s t ) , G/H が半単純対称空間のとき(大島関口[ 2 9 ] , 間のとき( B Delormeなど).



一方, G/Hが対称空間ではない場合や T が 1次元でない表現の場合には L2 lnd~ (r)の Plancherel 型の定理はほとんど未解決である ( G がコンパクト



である場合を除く).



( 6 2)部分群への制限の既約分解(分岐則)について GコH が両方とも簡約 L i e群である場合に, πEGを部分群 H に制限した



表現 πIHの既約分解(分岐則)を考えよう.分岐則を求める問題にも非可換調 和解析,代数的表現論,複素幾何,組合せ論など多くの問題が関わり合って いる.例えば, πが主系列表現などの場合は, Mackeyの古典的理論( [ 1] 参 照)を適用することにより,制限 πIHの分岐則は等質空間上の P l a n c h e r e l型 定理と同値な問題になるととがわかる.一般には,分岐則を求める問題は非 常に困難であり,現在に至るまで,特別な場合にしか理論が発展していない. その中で重要な対象を 2つ述べる. ( a ) 任意の πεδ に対し, G の極大コンパクト群 K への制限 πIKは分岐



則が離散的かつ各既約成分の重複度が有限となる( HarishChandra). こ の結果は,「代数的」ユニタリ表現論の幕開けを告げる重要な定理で、あっ た 分 岐 則 πIKは K type公式と呼ばれ,そとから得られる情報は,無 『



限次元表現の研究に有用で、ある. Hecht Schmid(1976)により解決され l a t t n e r予想や正則離散系列表現に関する Hua,K o s t a n t ,Schmidの たB



公式などが K-type公式の一例である. ( b ) S e g a l S h a l e W e i l表現を簡約 d u a lp a i rに関して制限したときの分岐



則は, Howe対応と呼ばれ,。−l i f tなど保型形式に重要な手法を与える. 歴史的には,分岐則が離散的になる場合を手始めに, 1970年代から現在 e r g n e , Adams他多くの研究者によって具体 に至るまで Howe,柏原 V



現代数学への展望一一一 577



的な分岐則が求められている. 1990年代に入って,非コンパクトな部分群に関する分岐則が離散的かつ各



既約成分の重複度が有限となるための判定条件が,小林[ 24]によって求めら れた(極大コンパクト部分群の場合は自動的に判定条件が満たされる). ( a ) や ( b)で述べた場合以外の未知の離散分岐則の例も多く含まれる.分岐則が 離散的になると,ユニタリ表現論の研究に有用であるだけでなく,等質空間 上の解析や局所対称空間のトポロジーなどにも応用できることが最近わかっ てきており,今後も興味深い研究課題であると思われる. 本書で、は論じなかった話題のうち,例えば, V−加群の表現論への応用や無 限次元 L i e環論などは,『岩波講座現代数学の展開』で取り上げられる予定で ある.また,量子群,代数群のモジ、ユラー表現,最高ウェイト表現,等質空 l i 鉦o rdK l e i n形と不連続群ヲ L i e群上の解析,既約ユニタリ表現の分 間の C



類問題などの最近の発展を概観するには,概説記事を収録した[ 33]も参考に なるだろう.ベキ零 L i e群の表現論については CorwinG r e e n l e a fの教科書 [ 6]を挙げておこう.



i e群論やその表現論についての考え方をできる 本書のひとつの目標は, L i e群(環)論や だけわかりやすし広い範囲の読者に伝える乙とであった. L



表現論では,新しい理論が次々と生まれており,さらなる未知の世界が広が っていることを子感させる.我々は,大海原に出帆したばかりである.



579



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582一一一参考文献



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Okayama-Kyoto(AdvancedS t u d i e si nPureM a t h e m a t i c s ,2 6)ぅ紀伊国屋書店, 2 0 0 0 .



583



演習問題解答



第 1章 1.1 問題文の条件を ( i i i)と書とう. ( i)かつ( i)=キ( i i i ): ( i i)より GxG→ G×G, ( x , y )> +( x , y 1)は連続であり, ( i)より GxG→ G, ( x , z ) > + x zは連続な



ので,



ζ れを合成すると



GxG→ G, ( x , y ) > + x y1が連続であるととがわかる.



( i i i )=キ( i )かつ( i):連続写像 G→ G×G, y > + ( e , y)と連続写像 G×G→ G, ( x , y ) > + x y1 を合成すると,写像 G→ G,y > + e yi=y iが連続であることが x , y )> +( x , y1 )> + x ( y 1 ) 1=xyも連続である. わかる.従ってまた G×G→ G, (



1.2 g=eで示ぜば十分である.写像 G×G→ G, ( x ,y )> +xy1は連続だか e1=εよ り, ら , e



v v 1 cU となるような eの開近傍 V が存在する. hεVと



α =bとなる すると, hVは hを含む開集合だから hVnVヂのとなる.よって h α, bεVが存在する.このとき, h=bα→εvv1cUであるから, VcUが示さ れた



1 .3π が連続である



ζ



とは, G/Hの商位相の定義から明らか.次に, V を



V)= G の開集合とするとき, π(V)が G/Hの開集合であるととを示そう. π一切 (



U Vhであり,各 hξHに対して VhはGの開集合だから,その合併集合とし



宅 二π 1(V)もG の開集合である



故に,商位相の定義から π( V)は G/Hの開集



合となる. 1.4 ( 1 )T ( g 1 g 2 ) f = T ( g 1 ) ( T ( g 2 ) / ) , T(e)f=fは明らか. ( 2)反傾表現の定義



より直ちにわかる. ( 3 )hεv v ,u 'EV',gεG, vEVとすると T( πv ( g ) h③ π’ ( g ) u ' ) ( v )=( πv( g ) h ( )。 ) ( が( g) u ' )



=が ( g ) ( h( πl ( g) 四) u ' ) =(が ( g )oT(hRu')oπ ( 'g) () む =( T ( g ) T ( h⑧ u' ) () 。



となり, T が G−線型同型であることが示された. 1 .5 各既約表現 π( 1; : ;i三k)の重複度 n;の直和として πが既約分解された



とすると, Schurの補題より



584一一演習問題解答



Enda(V)' . C : ' .M (n1,C)EB・・・ E B M ( n k , < C )



となる.従って,( 1) と ( 2)が同時に示された



第 2章 2 . 1 乗法群 JR~ := f f ε J R :e >0}で不変な R の可測集合(正確には H ニ JR~ に 対する条件( 2.18)を満たす可測集合)は測度 Oの集合の差を無視して 0 , l R + , l R, J R のみであることと定理 2.14の証明で使われた議論を用いれば!よい. 2.2 正の整数 p に対して C(p):={(m,n)ε Z ? :m とη の最大公約数は p} と



( O ):={ ( O ,O )}とおく. このとき, わき,また C



l



L 2 ( 1 l ' 2 )'.C:'. L : E I J( L : E I J . n)という対角行列のときは ad(X)E;i=入 (z 一 入i )E り , となるので,



= 主 主 (λ



(X,X)



入i ) 2=2nTr 蹴



xz 畑配巴 X)2



g ε GL(n,< C )に対し, ad(gXg1)=Ad(g)ad(X)Ad(g)1となるので X が対角化 可能ならやはり上の式が成立する.よって,連続性から上の式は常に正しい. 仰 } =~ ( (X+Y ,X +Y} 一 (X-Y,X-Y})を使うと(川得られる



( 2 )g ! ( n , < C )の実形 { J oの元 X に対する a < l ( X)は E n d J R ( g 0)の元であるが,複 ndc(g)の元と見ても行列表示は同じなので明らか. 素化して E 6.7 ( 1 )g ! ( n , < C ) = s ! ( n , < C ) E B < C l nに注意すれば,前問と補題 6 .7 2からわかる. ( 2 )(')は非退化だから, Xεs!(n,< C )に対し ( X ,Y ) '= ( ψ( X ) ,Y) ( ¥ I Yε s ! ( n ,< C ) ) を満たす ψ( X)が定まり, ad(Z)X= 乱d ( Z ) r p ( X ) ,¥ : / X ,Z ε s ! ( n ,< C )となる ζ とが わかる.すなわち vは C上の随伴表現( a d ,s ! (n ,< C ))からそれ自身への < C −線型作



! ( n ,< C )は単純であるから, S c h u rの補題より, ψは恒等写像のスカ 用素である. s ラー倍;となる.



演習問題解答



5 9 1



6.8 ( 1)肌( 2)の元は U(2)の元で対角化可能なととに注意すれば,問題 6.7 からわかる.



( 2 )X EV ならば X の固有値土 v=r 入はー π<入< πを満たす.vに属する 対角行列に巴xpを制限すると単射で像はーん以外の U(2)の対角行列であること がわかる.土



ι以外の U(2)の対角行列と可換な行列は対角行列に限る



ζ



とと( 1 )



に述べたことから,補題 6 . 3 7の証明と同様にして e x pは V から SU(2) \ { の上への 1対 1の



c w級写像であることがわかる.一方,定理 5.54より,



ι}



ad(X)



の固有値に 2πJ 二Tの 0以外の整数倍に等しいものがなければ,(d exp)xは全単 射となることがわかるが, ad(X)の固有値は, Oと土 v=r2入である.



第 7章 7.1 (2)A,Bε M ( n , < C )のとき, ( A+Bj)*= A− jB*=A_t B jを用いる. キ







( 1)も同様.



7 .2 O(p)の連結成分の個数は 2個(命題 7 .7)であり, C a r t a n分解より O ( p ,q ) 竺 ( O(p ) × O(q ) )×R四(微分間相)となることからわかる.



7.3 nに関する帰納怯で示す. n=lのときは明らか. gεO(n)とする ge,= 引ならば gε1×O(nー1 )となり,帰納法の仮定が使える. g e , チe , ならば, ei-



g e 1を法線とし原点を含む超平面を α とし, αに関する鏡映を sとする. とのと g e 1=e1となるから s gε1×O(n-1)・帰納法の仮定より s gは高々 n-1個の きs 鏡映の積で表される.



7.4 (l)x+ = α+e 1・ b( α εc : : ,bεC) : ; と表す.ただし α, bは e z,…ダπ の積の . 3 4参照)である. α・e1=e1・ α,b ・ e 1= e i・ bを用いると, x+・e1= 線型和(補題 7 x+ から b=Oが得られる.同じ議論を e iのかわりに e z, … ,e nに対して)|慎に適 e i・ 用すれば x+ が 1のスカラー倍であることがわかる.



( 2 )x =α+e 1・ b( α εc ; : ,bξc,;)とおいて α・e1=-e1・ α,b ・ e 1=e i・ bを用いれ ば ( 1)と同様に示される.



7 .5 S L ( 2 ,I R)の随伴表現(§ 7 .3参照)を考えると A d ( S L ( 2 , J R ) )cSO ( 。2 ,1 )



ι



がわかる. L i e環の次元より全射が成り立つととが示される. KerAd={土 }は 明らか.



592一一一演習問題解答



第 8章 8.1 系 8.12に J ( t)三 1を代入し, t 1=eF18J ( 0三鳥壬 2 π)の座標で書けばよ



レ \ 8.2 U( 手0)を Na(T) 目不変な八k e c n)の部分空間とする .uは ']['n_不変でも



9 仏とウェイト分解することができる.とこで Ll(U,T)c あるから, U = E εLl(U,T)



L l八 (k ( I C n ) ,T)は U のウェイトの集合である.一方, Uが 6n−不変であることか らL l ( U ,T)は 6n−不変でもある.



ところが, 6nは L l八 (k ( I C n ) ,T)に推移的に作用



するから L l ( U ,T)= L l八 (k ( I C n ) ,T)でなければならない.さらに八k ( I C n)の各ウェ イトの重複度は 1であるから, U=八k( I C")でなければならない.故に八



)は



k(l [ ' . n



既約である. 8.3 ルート系(例 9 .7 も参照)の表示より,随伴表現 Ad:G→ G L ( g R 1 1 1 . I C )



は Ji-Jn=( 1 , 0, … ,0 ,-1)を最高ウェイトをする既約成分を含む.一方,入=



( 1 ,o , .. , . 0 ,-1)を最高ウェイトとする U(n)の(あるいは SU(n)の)既約表現の次 元は, Wey!の次元公式よりがー 1である. d i m g R 1 1 1 . I C dims[(n,I C )=η 2 1で 二



あるから,これは随伴表現 Ad:G→ G L ( g R 1 1 1 . I C )が既約であることを示している.



第 9章 9.1 (l)n=lのときは成分計算より直ちにわかる. nが一般のときはブロッ



rつ入(。つ



ク行列に分けると, AεM(2,J R)に対し 1 0



=



l1



O )A (入チ土 1 ) 当 A=O



などの計算により gε0(2) × 0(2)×・・× 0(2)(対角ブロック行列)がわかり, n= 1の場合に帰着される.



( 2 )( 1 )と同様. 9.2



τ={ Gの極大トーラス}に G は ; →7 ; ,



g:7



T '> +g T ' g1 ( gεG)



と作用する.極大トーラスは互いに共役だから Gは 7 ;に推移的に作用する.



gTg1=T宇=キ gε Na(T)だから Tε7 :における等方部分群は Na(T )である.故 に全単射 G / N a ( T ) . : : : : : ,7 ; ,g T > +gTg1が示された 9.3 I J 聞 に , 1個 , 4個 , 8個 , 2個.極大トーラス T ' : : : : ' ' ! I ' zの L i e環を t' : : 'J R 2と



書くと, exp:t →T はJ R 2→ 1 1 ' 2ぅ ( x ,y )> +eFixeFfY と同一視できる.従って, t



演習問題解答



593



の閉集合 S:={ ( x ,y)ε I B . 2 .03x壬2 7 r , 0三u三2 π}の相向かい合う辺を貼り合わ せた図形が?である.それぞれの群のルート系(例 9.7∼例 9.9)より, T , e gは S から図 1の実線を除いた集合となる.貼り合わせ方に注意すると,連結成分の個 数が 1ヲ4,8,2 とわかる.



2 JE ヨE 目 U(2)



S0(5)



Sp(2)



S0(4)



図1 9.4 最高ウェイト!1 +… +f kをもっ S0(2n+l)の既約表現の次元は Wey!の (2n+1)1 ー 次元公式より ・ になる. 方!1 +…+んは外積表現八k ( i c 2 n + 1)の最 k!(2n k+l)! k Zn+! ー ( 2 n+l)! 高ウェイトであり, dim八 (I C ) ー なので,外積表現川( I C 2 n + l ) k ! ( 2 n k+l)!



が既約であることがわかる. 9.5 最高ウェイト!1 +…+んをもっ S0(2n)の既約表現の次元は Wey!の次 ( 2 n ) 1 元公式より一一~ー干になる. ! 1+… +f kは外積表現川( 1 [ ' . 2 n)の最高ウェイト



向 ・ 円 川 町 / .



( 2 n ) !



であり, dim/¥k ( I C 2 n )=一一一一ーなので,外積表現八k ( i c 2 n)が既約であるとと k!(2n k ) !



がわかる. 9.6 最高ウェイトが!1 十…+



ι−1+fnの既約表現と最高ウェイトが!1+・+



f n 1 J nの既約百受現の直和に既約分解する. これらの表現が外積表現の部分表現 になっていることと,次元の比較からわかる. 9.7 ノレート系の表示から,それぞれの最高ウェイトは!1 +f 2 ,2 f 1 ,f 1十五とな i e環の次元が一致することを見れ る.そこで次元公式による既約表現の次元と L



ばよい.



第 10章 10.1 座標をスカラ一倍する変換 e ' :I B . n→ I B . n ,x> +e ' x( tεJR)によって生成さ



れる接ベクトル ~I 向 d tlt~o



E T : I B . ”が E xに他ならない・ e'gx=g内(VtEJ R , Vgε ♂



G)であるから, E は G の作用と可換なベクトル場である. 一方, H = {( g ; 1 ) 1 . ; , ; , 1豆n ε G:911=1, g il=O( 2三z 壬n } ) とおくと, IB.n¥{O}は



594一一一演習問題解答



等質空間 G/Hと同一視できる. Ad9 ; 。 : H→ G L l i ! . ( g / I J)は



(。~:,): ~n → ~n, (¥YI つ ~(¥x~,の) gJ gy I で与えられるから支(~ぺ{0})'.:::'.(g/IJ)H'.:::'.R



10;2 系 10.30と以下の微分間相写像に注意すればよい.



S品



1' . : : : ' .



U(2k)/U(2k 1) 竺S p ( k ) / S p ( k 1 ) ,



l P ' 2 k1 1 C' . : ' .U(2k)/(U(l)xU (2k 1 ) )' . : ' .S p ( k ) / ( U ( l) ×S p(k 1 ) ) ,



l P ' k 1] I J [竺 S p ( k ) / ( S p ( l)×S p ( k 1 ) ) , 8 3竺 S p ( l ) , S '' . : ' .Sp(l)/U(l), 81竺 U(l). 10.3 微分同相写像 G竺 ( G×G)/diag(G !)の右辺に定理 10.47を適用すると,



等方表現 diag(G)→ G L l i ! . ( g c g /diag(g))に G−不変な内積がスカラー倍を除いて一 意的に存在するととをいえばよい. この等方表現は,随伴表現 Ad:G→ G L l i ! . ( g ) と同型であり,補題 10.58および系 10.59の証明ステップ( 3)より Ad:G→ G L l i ! . ( g)には G−不変な内積が一意的に存在することがわかる. 10.4 命題 10.54と Ad:SL(n,R )→ G L l ! . ( s C ( n , R))が既約表現である ζ とよ



りわかる 10.5 G の L i e環 gの中心が RE13である



ζ



とと命題 1 0 .54よりわかる.



1 0 .6 l P ' n l Cの deRhamコホモロジー群は次の式で与えられる.



H k ( l P ' n C ;R)= R ( k= 0 ,2, … ,2 n ) ; = {O}(それ以外). コホモロジ一群の係数を R のかわりに C として証明すれば十分で、ある. G =



SU(n+l) コH=U(n)による等質空間として G / H ' . : : : ' . l P ' n Cと表すと,等方表現は



H の自然表現 H eG五 ( n,C)と同一視できる. V=Cnを実ベクトル空間と見る @ l ! . I C ' . : : : ' . V $ V vとなるので, H の表現の同型 と , V / ¥ k ( V ) @ l ! . I C' . : ' ./¥k(VcVv)' . : : : ' . 点 ( 仰 ) @ 八 kj ( V v ) ) が得られる.特に, H】不変元の空間の同型 ( 2 )



' " H " (八·cv))⑧l!.C '.:::'.伊omH (八•' J( V ) ,N( V ) )



が成り立つ.外積表現八j ( V )( 0~j 三 n) は互いに同値でない H の既約表現(例 8.34参照)なので,同型( 2)の右辺は k-j=jとなる jが存在するときのみ,す



演習問題解答ー←−595 なわち, k=0,2, … , 2nのときのみ,= C となる.従って,証明された.



第 11章 11.1 swccn)の標準基底







e i@…⑧ ei@e,@・ ・ ⑧ e⑧ ・ ⑧e n⑧… @e n (N1+N2+… +Nら=N)



、 ー ー 『 匂 _ _ _ _ , 』 ー ー ー ∼ ’ ー _ _ , N1個



』 ー ー ー ∼ _ _ _ _ ,



N 2個



N個 η



の中で, N,+N2+…+Nkが一定(= m とすると, m は Oから N を動く)の項を まとめることによって,直和分解



S N ( i c n )= 品 Sm(ICk)⑧ SNm(icn k ) が得られる.定理 3.52と例 8.35より右辺が U(k ) ×U(n-k )に制限したときの 分岐則を与える 1 1 .2 αn=α n ( V nε Z),かっ,十分大きな k をとれば次の 2つの不等式が成



り立つこと. α。 三α 2三α 4主 ・ ・ ・ 三 α2 k=α拙 十 2=…= 0 , 3三α 5ミ…主α 2 k + l= α 2 k + 3=・ ・= 0 . a i三α



11.3 w=k(~ いおく



χmξ 高石)に対して,



[XmlHp : σt] ヂドよ~ Xm(w)=σ1(w) 仁 今 Wm l= 1 仁 今



m l=0 modp



に注意して Frobeniusの相互律を用いればよい. 11.4 (1)行列の計算より明らか. ( 2 )N n 1川,, n k ; I ! .は Euclid空間と同相なの



で , P n 1 , n z ,・ , n k ; I ! .は L n 1, 時 ,n k ; I ! .とホモトピ一同値になる GL( 町 , R)の連結成分 k個となる. は 2個なので,それらの k個の直積空間の連結成分は 2



1 1 .5 ( 1 )gεP l ! .nO(n)をブロック行列で表し, ' gg=g'g=fnに代入すれば



よ い . ( 2)後述する定理 1 3 . 6と同様に示される 11.6 O ( n ) / M I ! .' . : : : ' . G I ! ./九と同伴ファイパ一束の構成法より明らか.



11.7 演習問題 1 1 . 6と同様にして ( O(n)を SO(n)に置き換える) π( q , e z ( , )ν 1 , v z )l s o ( z )' . : ' .L 2 -Ind(H2↑80(2) (σ ε l十 勺



がわかる.そこで演習問題 1 1 .3の結果を使えばよい.



596一一←演習問題解答



第 12章 12.1 SL(2ぅ I C )および直積群 SU(2) ×S U(2)はいずれも S L ( 2 ,I C )×S L ( 2 ,I C )



を複素化にもつから, Weylのユニタリ・トリックより両者の複素有限次元既約 ×S U(2)の任意の 表現は(同じ表現空間上で) 1対 1に対応する.一方, SU(2)



σ, T はそれぞれ S U(2)の既約表現)の形であり,その 既約表現は外積表現 σ図 T ( i m σ( )dimT)である また任意の正の整数 m に対し,次元が m である 次元は( d



ような SU(2)の複素有限次元既約表現が同型を除いて唯一つ存在する.従って,



S L ( 2 ,I C )の複素 N 次元既約表現の同値類の個数は # { (m,n)εN2:mn=N}=N の約数の個数に一致する. 12.2 H={(g1,g2)εU(p )×U(n p ) :( d e t g 1 ) ( d e t g 2 ) = l}とおくと H は連結 i e群である.単連結な L i e群 SU(n)は G r p ( c n)に推移的に作用し, G r P ( r c n ) なL



' : : : ' . S U ( n ) / H( 微分同相)と表されるから, G九 ( Cn)は単連結である. 12.3ψ :S L ( n , I R)→ U(N)をユニタリ表現とする. H:=E11 E 2 2 , X:=



R)とおくと任意の tεRに対して Ad(e ' H ) X=e 2 'X となる.従って, E 1 2 ε s f ( 2 ,I Ad(¥ 0 (e ' H )) d ψ( X)= e 2 ' d ψ( X)が成り立つ. t εRを動かしたとき,左辺は相対コ ψ( X)に含まれるから,右辺が相対コンパクトとなるた ンパクト集合 Ad(U(N))d



< p ( X )=0でなければならない s r ( n ,I R)は単純 L i e環だから K e r d < pは めには d { O}または s f ( 2 ,I R)に一致する. Kerd ψヂ { O}より, d ψ =0となり, ψは自明表 現であるととが示された



第四章 13.1



仰)ニ d i



仰)=拘(計~, Jl+肝) 13.2



ニe i八…八 e k 1八e k十 X k + lke i八 ・ ・ 八e k 1八e k + 1+(残りの項) ( 1 3 . 2 7) ζ とで,(残りの項)は− f (k)=(-1, ・ . ,



1 ,1 ,0, ・ . , 0)および(− 1, … , − l,0,-1,0ヲ



ぅ 0)より大きなウェイトに対応したウェイトベクトノレの和として表される項で ある.ウェイトベクトルは互いに直交するから



演習問題解答一一一 597 | 八k( πi ) (n+)( e i八…八 e k ) l l 2= 1+l x k + 1k l 2+ I I残りの項 1 1 2



三1十 lxk+1k l 2= l+lzkk1 l 2 . 十



L(n,I C )とおく. 1 3 .3 Ge=G G r k ( C n )' : : : ' . G c fP k , nk



(双正則同型),



f k / P k , n k' : : : ' . M ( k , n k ;I C ) (線型同型) による同一視で,等方表現 Ad~c1伊k n k :P k , n k→ G L c ( g c / P k , n k)は次の公式によ fA 0 ¥ って表される g=( C B ε 九 k に対して, g:Xf--+AXB1 (XεM ( れ−







k ;I C ))・よって,



L叫 G r k ( r c n ) )=O(GcfP k , nk 'GL( η, I C )XAd陀/阿川 −kM(k,n-k;IC)) = O(Gc/B , GeXB C ο, 0 ,・ , O ,



1 ) )



Weylの次元公式(§ 8 .3定理 8 . 4 1)により右辺の次元はが− 1である. 1 3 .4 S L ( n ,I C )の G r k ( C n)への左作用が誘導する L i e環の準同型写像 i :s l ( nぅI C )→ X h o はGrk(e))



は明らかに,恒等的には 0でない. s l ( n ,I C )は単純 L i e環だから, tは単射であ 3 . 3より dime; ; 丸 山( G r k ( C n ) )=η 2 1=dimes[(n ,I C )となり, iは る演習問題 1



全単射である.故に : t h o 1 0( Grk( e n) ) はs l ( n ,I C )と同型な L i e環となる. 13.5÷ ( n 2 n i



n~ -



-nD 13.6 ( 1 )§1 0 . 3の命題 1 0 . 3 4と定理 1 0 . 2 3より 乙 ' : : ' .



Ge×弓, nk八k ( n) kAd~~IPk,n k' : : : ' . G eX p k , n kχ



( 2) ぅ (3 )l k=( 1 ,1, … , 1)ε' ! ! } と書くと, d xを Cartan部分代数。に制限した



とき -md χ| 。 = m(n-k)Ik+(-mk)ln k=(mn, … , mn,O, … ,0 )+(-mk)ln となる.定理 1 3 . 4 2より O(Grk(C η, ) (£*)加)は



−mdχ|。を最高ウェイトとする



. 4 3で求めた D(k,mn )と一致する.よって( 3 ) 既約表現であり,その次元は例 8



が示された.同様に, O(Grk(C η, )£®m )は mdχ1~ を最高ウェイトとする既約表現 となるが, m ~1 なら mdχ|均は優整形式( dominant i n t e g r a l)て守はない よって



c e mの正則切断は Oのみである.



599



欧文索引 a d j o i n to p e r a t o r a d j o i n to r b i t



c o m p l e x i f i c a t i o n 2 4 1 ,508 c o n f o r m a l 330



149 333



a d j o i n 七r e p r e s e n t a t i o n



c o n f o r m a lt r a n s f o r m a t i o n



1 8 6 ,211



a節 net r a n s f o r m a t i o n



c o n j u g a c yc l a s s



7



1 6 1



a l g e b r a i ci n t e g e r



165



c o n j u g a t e



a n t i h o l o m o r p h i c



244



c o n j u g a t er e p r 巴s e n t a t i o n



a s s o c i a t e df i b e rbundle automorphismgroup b a s es p a c e



283



c o n t r a c t i b l e



235



c o n t r a c t i o n



99



c o n v o l u t i o n



474



b r a n c h i n gr u l e



474



c o v e r i n gmap d e g r e e



568



C乱r t a ns 1 ぬa l g e b r a



43



1 1



d i f f e r e n t i a lr 巴p r e s e n t a t i o n



383



dimension



185



c l a s sequ 乱. t i o n



162



d i s c r e t esum



c l a s sf u n c t i o n



128



d i 吋o i n tunion



C l i f f o r da l g e b r a



d u a lp a i r



317



C l i f f o r d K l e i nform c l o s e dsubgroup



2 1 4 0 3 ,426 4 0 1



120



d u a lr e p r e s e n t a t i o n



526



36



e l e m e n t a r ysymmetricf u n c t i o n



5



七a t i v eharmonica n a l y s i s commu



commutator



198



dominan もi n t e g r a lw e i g h t



290



2 1 1



1 1



d i s c r e 七 巴s ubgroup



103



2 6 5 ,423



230



e r-structure



c a n o n i c a ll i n ebundle



183



c o m p l e t e l yr e d u c i b l e



14



complexl i n ebundle



429



complexm a n i f o l d



240



complexs t r u c t u r 巴



241



complexv B c t o rbundle



429



53



36



423



c o t a n g e n tv e c t o rbundl 巴



147



b r a n c h i n glaw



c l a s s i c a lgroup



16



50



c o t a n g e n tbundle



532



boundedop巴r a t o r



c h a r a c 七 e r



36



c o n t r a g r e d i e n tr e p r e s e n t a t i o n



312



B o r e lsubgroup



c e n t巴r



436



422



b i l i n e a rform



1 6 1



c o n t i n u o u sr e p r e s e n t a t i o n



436



a s s o c i a t e dv e c t o rbundle



330



I 354 Iequivalencer e l a t i o n 13 Ie q u i v a l e n t 13 Iergodicaction 62 IEuclideanmotiongroup Iexceptionalgroup 290 Ie x t r e m a lw e i g h t



412



8



6 0 0−←ー欧文索引



f i b e r



422



f i b e rbundle f l a g



homogeneousholomorphicl i n ebundle 422



440



536



homogen 巴o usholomorphicv e c t o rbun



f l a gm a n i f o l d f l a gv a r i e t y



345



d l e



345



homogeneousm a n i f o l d



F o u r i 巴rt r a n s f o r m 5 4 f rameb undle 432 fundamentalgroup



5 2 4



fundamentalr e p r e s 巴n t a t i o n G e q u i v a r i a n t 440



365 4 4 1







G e q u i v a r i a n tv e c t o rbundl 巴 1 0 ,296



h i g h e s tw e i g h t



363



i n d e f i n i t eo r t h o g o n a lgroup 457 564



i n n e rautomorphismgroup 363



i n t e g r a lk e r n e l



543



holomorphicf i b e rbundle



2 8 4



1 5 5



i n t e g r a lo p e r a t o r



155



i n t e r t w i n i n gopera 七 o r 12 5 4 3 Ii n v a r i a n tsubspace 13



holomorphicc o t a n g e n tbundle



Ii n v o l u t i v e 316 Ii n v o l u t i v eautomorphism



423



holomorphicf u n c t i o n 177 holomorphicl i n ebundle 430 holomorphicl o c a lc o o r d i n a t es y s t巴m 240



316



i r r e d u c i b l edecomposition



1 5



i r r e d u c i b l er e p r e s e n t a t i o n



1 4



i r r e d u c i b l eu n i t a r yr e p r e s e n t a t i o n



holomorphicr e p r e s e n t a t i o n



2 4 4 ,



515



19



i s o m o r p h i c 4 5 1



isomorphism



holomorphict a n g e n tv e c t o rbundle 448



185 185



i s o 七 ropyr e p r e R e n t a t i o n i s o t r o p ysubgroup



holomorphicv e c t o rbundle



429 543



lwasawap r o j e c t i o n



homogeneou 日c o o r d i n a t e



257



K a l g e b r a



homogeneousf i b e rbundle



439



452



272



250



Iwasawadecomposition



holomorphicv e c t o rf i e l d



homogeneousf u n c t i o n



306



i n f i n i t ed i m e n s i o n a lr 巴p r e 呂 田t a t i o n



240



holomorphics e c t i o n



175



1 1



h i g h e s tw e i g h tv e c t o r holomorphic1 f o r m



i d e n t i t ycomponent



i n d u c t i o nbys t a g e s



560



439



185



i ぞ ducedr e p r e s e n t a t i o n



g e n e r a l i z e df l a gmanifold



holomorphic



4 4 1



442



469



homogeneousv e c t o rbundl 巴 i d e a l



Ge q u i v a r i a n tf i b e rbundle



harmonicform



252



homogeneouss p a c eo fr e d u c t i v et y p e



2 3 1



g e n e r a ll i n e a rgroup



252



homogen 巴o uss p a c e







gauget r a n s f o r m



439



5 5 0



5 5 1



99



L 2 i n d u c e dr e p r e s e n t a t i o n



479



Langlandsdecomposition



532



6 0 1



欧文索引



l e f ti n v a r i a n tmeaRure



7 6



l e f tr e g u l a rr e p r e s e n t抗 i o n L e v idecomposition L e v isubgroup



7 1



492 363



38



p a d i ci n t e g e r



3



p a r a b o l i csubgroup p i n o rgroup 322



1 7 3



2 3 1



l i g h tc o n e



304



o u t e rt e n s o rproductr e p r e s巴n t a t i o n



L i egroup 4 5 ,1 7 3 L i es u b a l g e b r a 1 8 5 l i f t



1 3 0



o r t h o g o n a lgroup



185



L i esubgroup



250



o r b i t a li n t e g r a l o r d e r 1 6 1



559



l e x i c o g r a p h i co r d e r L i ea l g e b r a



o r b i t



p o i n ta ti n f i n i t y 333



l i n ebundle



429



l o c a lt r i v i a l i z a t i o n



l o c a l l ycompactt o p o l o g i c a lgroup l o c a l l ycompactt o p o l o g i c a ls p a c e



p o s i t i v er o o tsystem



4 0 3



432



p r i n c i p a lH-bundle



432



423 526



p s e u d o o r t h o g o n a lgroup



l o c a l l yi s o m o r p h i c



173



matrixc o e f f i c i e n t maximalt o r u s



q u a s i r e g u l a rr e p r e s e n t a t i o n



69 4 9 1



m e a R u r e p r e s e r v i n gt r a n s f o r m a t i o n 63



minimalp乱. r a b o l i csubgroup



4 9 1



7 8



monomiala l t e r n a t i n gf u n c t i o n monomialsymmetricf u n c t i o n 2 9 ,362



na 七u r a lr e p r e s e n t a t i o n n i l p o t e n tL i egroup



216



1 3



5



2 4 2 ,508 310



r e d u c t i o n



474



reductiv•巴 Lie



a l g e b r a



r e d u c t i v eL i egroup



216



noncommutativeharmonica n a l y s i s



r e f i e c 七i o n



1 8 6 200



322



r e g u l a rr e p r e s e n t a t i o n



54



r e l a t i v et o p o l o g y



313



n o r m a l i z e dHaarmeasure 145



7 6



489



1 8 6



q u o t i e n tt o p o l o g y r e a lform Ir e a lrank



336



Ir e a ls y m p l e c t i cgroup 3 0 9 360 Ir e a lv e c t o rbundle 429 360 Ir e c i p r o c i t ylaw 480 Ir 吋 u c i b l e 1 4



12



n i l p o t e n tL i ea l g e b r a



q u o t i e n tL i ea l g e b r a q u o t i e n tr e p r e s e n t a t i o n



2 7 6 ,342



modularf u n c t i o n



306



pseudo-Riemanniangeometry



maximalp a r a b o l i csubgroup



o p e r a t o rnorm



1 8



p r o p e r l yd i s c o n t i n u o u s



7 1



n o n d e g e n e r a t e



p o l a r i z a t i o ni d e n t i t y



productbundle



7 5



m u l t i p l i c i t y



257



p r i n c i p a lbundle



422



4 9 1



r e p r e s e n t a t i o n



5 7 ,7 2



5



1 1 ,185



r e p r e s e n t a t i o ns p a c e



1 1



602一一一欧文索引



r e s t r i c t i o n



symmetricp乱i r



474



p s h i f 1 七 490 r i g h ti n v a r i a n tmeasure



symmetrics p a c 巴 7 1



423



tang 巴n ts p a c e



202



t a n g e n tv e c t o r



383



r o o td e c o m p o s i t i o n r o o tsystem



202



t a n g e n tv e c t o rbundle



383



T-component



2 9 0 ,383



r o o tv e c t o r



30



t o p o l o g i c a lgroup



368



l ι a d j o i n to p e r a t o r



t o r u s



149



自巴



s e m i d i r e c tproductgroup s e m i s i m p l eL i ea l g e b r a



7 186



t o t a ls p a c e



422



t r a n s f o r m a t i o ngroup



312



七 r a n 日i t i o nf u n c t i o n s



s e s q u il i n e a rmap



7 3



t r a n s i t i v e



s i m p l eL i ea l g e b r a



8



425



250



t r i v i a lf i b e rbundle



3 5 1



423



t r i v i a lr e p r e s e n t a t i o n



186



3



276



s 巴s q u i l i n 巴a rform 回



36



2



t o p o l o g i c a lv e c t o rs p a c e



419



s i g na 七u r e



2 6 5 ,423



t e n s o rproduc 七r e p r e s e n t a t i o n



383



Schurp o l y n o m i a l s e c t i o n



316



t a n g e n tbundle



7 6



r i g h tr e g u l a rr e p r e s e n t a t i o n r o o t



316



1 1



s i m p l eL i egroup



289



unimodular



s i m p l yc o n n e c t巴d



2 3 1



u n i t a r yd e g e n e r a t ep r i n c i p a ls e r i e sr e p -



s i m p l yt r a n s i t i v e



4 3 1



skew-symmetric



r e s e n ta 七 i o n u n i t a r yd u a l



312



s p e c i a ll i n e a rgroup



s p e c i a lo r t h o g o n a lgroup s p h e r i c a lharmonics s p i n o rgroup



304 304



486



4 0 1



u n i t a r yo p e r a t o r



18



u n i t a r yp r i n c i p a ls e r i e sr e p r e s e n t a t i o n 493



s u b r e p r e s e n t a t i o n



428 1 3



54



symmetricgroup



v e c t o rbundle v e c t o rf i e l d w e i g h t



340



429 203



362



w e i g h tv e c t o r



312



1 8 2 3 1



巴l o p i n ga l g e b r a u n i v e r s a lenv



208



s t r u c t u r egroup



symmetric



304



u n i v 巴r s a lc o v e r i n ggroup



100



s t r i c t l ydominanti n t e g r a lw e i g h t



s u p p o r t



19



u n i t a r yr e p r e s e n t a t i o n



322



s t a ra l g e b r a



493



u n i t a r ygroup



3 0 1



s p e c i a lu n i t a r ygroup



7 6



w巴y lgroup



362 344



1 2 5 ,



603



和文索引 * ー 環 100 Ado −岩津の定理 220 A" 1型のルート系 387 B a i r e測度 7 5 ,77 B a i r eのカテゴリ一定理 2 5 1 B e t t i数 465 Bn型のルート系



B o r e l測度



44 43 42



d巴 Rh amコホモロジ−



deS i 抗日r群



4 9 ,280



D"型のルート系



8 ,523



E u l e r作用素



470



,。



IF o u r i e r級数展開



120



F o u r i e r係 数



B o r e l W e i lの定理 539 広義の旗多様体上の一一



562



534 215



4 8 ,132



F o u r i e r変換 54 F r o b e n i u sの相互律



G−同変



B u r n s i d eの定理 163 CampbellH a u s d o r f fの公式



C乱. p e l l i恒等式



387



E u c l i d運動群 563



465



306



D i r i c h l e tの定理



387



B o r e l W e i l型定理 放物型部分群に対する一一一



480



440



G−同変なファイパ一束



G−同変なベクトル束



588



Cartan射影



C r L i 巴群 _



532



Bruhat分解



44



e r構造 e r多様体



7 7



B o r e l部 分 群



c wーLie群



G−線型写像



567



4 4 1 4 4 1



12



C乱. r tan部分代数 383 Cartan分解 2 6 3 ,2 6 4 ,336



G−不変な部分空間 1 3 GelfandNaimark分解 533



Cartan-W1 巴y lの最高ウェイト理論



H−主束 432 H−主バンドル



369 ヲ4 09



Cauchyの評価式 Cayleyの定理 c o o級の切断 C 0 0 L i e群



Haar測度 76 正規化された一一



177 1 4 5 422



44



C l e b s c hGordanの公式



7 6 ,270



Hamil 七onの四元数体



423



c o o級のファイパ一束



432



476



Hardy空間 H e i s e n b e r g群



6 5 ,5 0 1



H巴r m i t e形式



312



8 4 ,464



C l i f f o r d代 数 317 C l i f f o r d K l e i n形 526



H i l be r 七空間 18 H i l b e r t空間としての直和



e n型のルート系



H i l b e r t Schmidt作用素 H i l b e r t SchmidtノJレム



P級



1 7 6



387



→四元数体



2 1 147 1 2 7 ,1 4 5



和文索引



604



5



H i l b e r tの第 5問題 4 1 H i r z e b r u c hの比例性原理 一般化された一一



Hodge-deRh叩



P l a n c h e r e lの公式 P o i n c a r e計 量



527



lK odairaの定理



209



5 5 1 435 ヲ4 4 4 ,470



Hurewiczの同型定理 J a c o b i律



468



1 8 5



K type分 解



478



K i l l i n g形 式



282







K i r i l l o vの軌道法



474



L 2−関数の展開定理 122 L 2−誘導表現 4 7 9 ,490 Langlands分 解



532



L a u r e n t多項式



353



L e v i部分群



4 9 2 ,559



L e v i分 解 L i e環



463



P o i n c a r e B i r k h o f f W i t tの定理



527



Hopfファイパ一束



56



5 0 4 ,559



ρのずらし 490 Riemann球面 257 Riemann計 量 4 6 1 ,470 ぅ4 86 Riemann面の一意化定理 527 R i e s zの表現定理 39 S c h u b e r t胞 体 534 Schur多項式 368 Schurの直交関係式 9 4 ,144 S c h ! ; l rの補題 2 6 ,6 1ぅ 96 ヲ4 68 R上の 28 S t o n eW e i e r s t r a s sの定理 4 9 ,139 S y l v e s t e rの慣性法則 313 T一成分



30



vand e rMondeの行列式



185ぅ 570



ーーーのイデアル



185



の準同型写像



1 8 5



360



vonNeumann Cartanの定理



192



W e i e r s t r a R sの多項式近似定理



138



の中心



185



W e i e r s t r a s sの定理



ーーの直和



186



Weyl群



−一一の同型



185



Weylの次元公式



373ぅ 410



Weylの指標公式



3 6 8 ,409



Weylの積分公式



3 4 7 ,396



ーーの同型写像 の表現



L i e群



185 185



L i e環の指数写像 L o r e n t z群



(一般の場合)



Maurer-Cartan形 式 p進整数



'410



Weylのユニタリ・トリック



192



306



Mo b iu sの帯



3 4 4 ,388



Weylの分母公式



45 ぅ 1 3 3 ,173ぅ 569



177



518



(単連結の場合1



86



514



Whitneyの埋め込み定理



4 2 0 ,444 ぅ4 52



547



43



3



P a r s 巴v a lの公式



P a r s e v a lP l a n c h e r e l型の公式 P a r s e v a lの等式 P e t e rWey !の定理



ア行



133 128



5 1



アファイン変換 アファイン変換群



5 3 ,1 1 9 ,481



ーーにおける逆変換の公式



128



位数 位相群



1 6 1 2



7



久6 0 ,498



−605



和文索引一一 として同型 の準同型写像



4



の同型写像 一次分数変換



基本表現 365 逆F o u r i e r変換 56



4



4



462



1パラメータ部分群 一様連続性



2 0 9 ,323



η



一般化された旗多様体 一般線型群



560



1 0 ,296



既約表現



1 4 ,1 7 ,369 ぅ4 0 9 ,539 ぅ 5 73



既約分解



1 5 ,474ぅ 575



既約ユニタリ表現 球面調和関数



486



擬ユニタリ群



306



鏡映



322



岩津射影



5 5 1



狭義の優整形式



岩津分解



2 5 9 ,548 ぅ5 50



共形的



ウェイト



362 ぅ 4 08



共形変換



ウェイトベクトノレ エルゴード的



3 6 2 ,408 62 ぅ 5 0 1



共役



330 1 6 1 36 ぅ 7 3 ,545



共役類 解析的部分群 階段定理



218 564



外部テンソル積表現



3 8 ,7 2 ,4 7 5 ,



482



4 0 1



330



共役表現



力行



1 9 ,493



1 6 1



行列表現



1 1



行列要素



6 9 ,9 4 ,98 ぅ 1 4 1 ,547



強連続ユニタリ群



1 9



極小放物型部分群



4 9 1



局所コンパクト位相空間



i e環 可換 L



局所コンパクト位相群



185



可換調和解析



局所自明化



5 3



235



局所同型



可分



1 8 ,148



極大コンパクト部分群



可約



1 4



極大積分多様体



173



313



極大トーラス



完全可約



1 4 ,517



極大放物型部分群



186



簡約 L i e群



2 0 0 ,310 ぅ 5 14



簡約型等質空間 擬 Riem 叩 n幾 何 軌道 軌道積分



2 7 6 ,3 4 2 ,3 8 0 ,387 4 9 1



近似定理



i 巴環 簡約 L



擬直交群



478



219



慣性指数 474



7 5



422



可縮



簡約



η



306



類関数の 524 336



群環



129



1 2 5 ,1 6 3 ,481



群の表現



9



ゲージ変換 交換子



433ぅ 442 183



広義の旗多様体



250 130



基本群 231 基本対称式 354



光錐 333 構造群 4 2 8 ,432 交代 L a u r e n t多項式



560



353



606一一一和文索引



交代関数 合同変換群 互換



自明なファイパ一束



352



射影



8



422



主 H−束



352



古典型単純 L i e群



3 1 1



古典群 1 4 4 ,290 コンパクト作用素



289



コンパクト半単純 L i e群



289



サ行 最高ウェイト



3 6 3 ,409



最高ウェイトベクトル



5 0 9 9



主系列表現



147



コンパクト単純 L i e群



432



周波数



縮約



363



2 5 ,3 3 2 ,493



主ファイパ一束



432



巡回表示の型



162



準正則表現



489



準同型定理



186



商L i e環



186



商L i e群



252



最端ウェイト



412



商位相



5



最低ウェイト



3 6 3 ,5 4 6 ,552



商表現



1 3 ,447



差積



3 4九407



作用素ノルム 次元



真性不連続 推移的



2 8 ,4 3 ,1 8久2 9 6 ,3 1 9 ,3 8 6 ,



随伴軌道



333



自己同型群



283



随伴表現 スピノル群



辞書式順序



3 6 3 ,409



制限



149



自然表現 実一般線型群 実解析的 実形



実シンプレクティック群



309



429 310



支配的な整ウェイト



4 0 1 1 0 8 ,135



指標の直交関係式 自明な表現



2 4 0 ,449



1 1



543



1 7 7 ,357 240



正則空間 正則準同型



4 6 ,2 5 1



正則接空間



243



244



正則接ベクトル



1 0 3 ヲ 3 6 8 ,4 0 9 ,4万



指標による射影







~則局所座標



309



実ランク



2 9 0 ,322 382 452



正則関数



2 4 2 ,3 1 0 ,5 0 8 ,512



実ベクトル束



7 9 ,1 8 6 ,2 1 1



正則 1次微分形式



297 176



実斜交群



指標



正則



1 2 ,1 4 1 ,1 4 3



9 1 ,1 2 4 ,149



474



斉次関数



1 1



1 0 5



1 4 4



2 5 0 ,445



闘伴作用素



自己共役作用素



次数



526



シンプレクティック群



2 3 ,1 4 5



1 1 ,3刀



四元数体 470



423



243



正則接ベクトル束



4 4 8 ,5 4 3



正則直線束



4 3 0 ,539



正則な切断



4 5 1 ,539



正則なファイパ一束 正則表現



町 7 2



423



和文索引一一十一 607 正則ベクトル束



4 2 9 ,5 6 1



代数的整数



165



正則ベクトル場



2 4 3 ,543



代数的直和 体積バンドル



2 1



正則余接ベクトル束 正のルート系 積分核



543



互いに素な和集合



403



多元環



1 5 5



積分作用素



487



99



畳み込み



155



4 0 3 ,426



5 0 ,5 6 ,9 9 ,119



単位元成分



1 7 5



単項交代式



3 6 0 ,400



切断 4 1 9 ,423 接バンドル 423



単項対称式



3 6 0 ,400



単純 L i e環



186



接ベクトル 接ベクト Jレ束



単純 L i e群



2 8 9 ,3 1 0 ,466



単純推移的



4 3 1



接空間 接束



202 423



202



2 6 5 ,423



0にホモトーフ 全空間



229



422



線型 L i e群



2 3 1 ,239 ぅ3 24ぅ 3 3 1ぅ 514 ヲ 5 18



重複度



2 9 ,3 6 2 ,4 0 8 ,480



調和形式



1 7 1



線型位相空間



単連結



3



線型化 9 線型偏微分作用素の環



204



469



直積束



423



直線束



429



直和表現



双正則写像



428



直交群



双線型形式



312



1 4 1 4 4 ,3 0 4 ,3 8 1



相対位相



5



底空間 422 テンソル積表現



双対表現



36



等角写像



測地線



同型



327



タ行 台



316



対合的自己同型 312 対称



対称群



424



同次座標



257



等質空間



2 5 1 ,5η



等質多様体 252 等質ファイパ一束



316



対称 L a u r e n t多項式 352 対称、関数 対称空間



330



等質正則直線束 439 等質正則ベクトル束 439



5 4



対合的



36 ぅ 1 4 2 ,475



353



等質ベクトル束 同値 同値関係



316 162、 340



対称式の基本定理 316 対称対



354



対称テンソル表現



366



439 439



1 3 1 3 ヲ4 26



等長写像 1 8 同伴したファイパ一束 同伴したベクトル束 同伴ファイパ一束



436 436 436



608一一一和文索引



等方表現



2 7 2 ,44久 488



標準座標系



193 568 422



等方部分群



250



特殊線型群



3 0 1



標準直線束 ファイノ,,_



特殊直交群



1 4 4 ,3 0 4



ファイパー束



特殊ユニタリ群 トーラス



1 4 4 ,304



276



ファイパ一束の準同型写像 ファイパー束の同型写像 複素 L i e群



ナ行 284



ハ行



複素化 2 4 1 ,3 1 0 ,3 5 0 ,3 8 2 ,508 ぅ 5 12 複素解析的 240 複素構造



2 4 4 ,515



2 4 1



旗多様体



3 4 5 ,536



高素斜交群



反傾表現



3 6 ,545



複素シンプレクティック群



反正則



244



302



複素多様体



240



半双線型形式



312



複素直線束



429



半双線型写像



7 3



複素直交群



302



半単純 L i e環



186



複素特殊線型群



302



複素特殊直交群



302



複素ベクトル束



429



半直積群



穴 498



非可換調和解析 非退化



5 4



313



符号



左 Haar測度



7 6



左正則表現 左不変な測度



3 5 1



符号数



7 1 ,120 ぅ 1 5 2 ,480 7 6



313



符号表現



3 5 2 ,399



不定値直交群



306



左不変微分作用素



2 0 5 ,524



不定値ユニタリ群



左不変ベクトノレ場 ピノル群 322



205 ヲ 4 6 3 ,524



部分 L i e環



1 & 5



部分 L i e群



1 7 3



306



被覆写像



2 3 0 ,3 4 9 ,423



部分表現



微分表現



2 1 1



不変多項式環



355



普遍被覆空間



433



表現



1 1



体K上の−



1 1



無限次元一− 表現空間



1 1



表現の同値類 標構 標構束



1 1 1 3



4 3 1 432 ぅ4 87



424



297



複素解析的表現



536



424



2 4 1ヲ 302



複素一般線型群



内部(自己)同型群







422



1 3



普遍被覆群



2 3 1 ,324



普遍被覆写像



2 3 1



不変部分空間



1 3



普遍包絡環 分岐則



分極公式



1 2 5 ,208 474 1 8



302



和文索引一一−609 閉部分空間



狭義の←ー



17



閉部分群



493



ユニタリ双対



5



1 9



ベキ零 L i e環



216



ユニタリ退化主系列表現



ベキ零 L i e群



8 4う 216



ユニタリ同値



19



1 8



ベクトル束



429



ユニタリ表現



ベクトル場



203



ユニタリ表現として同値



変換関数 変換群



83



変分法の基本原理 放物型部分群 保測変換



423



余接束



8 4 9 1 ,559



余接パンドル



423 265 、 423



余接ベクトル束



6 3



ホモトピー



ラ行



2 2 7 ,235



ホモトピ一同値 ホモトープ



2 2 7 ,235 227



絡作用素 ランク



1 2 ,17 3 1 0 ,393



離散直和



マ行



2 1 ,136 ヲ4 78 ぅ 4 80



離散部分群



1 9 8 ,526



松島村上の公式 528 右 Haar測 度 7 6



離散分解定理



1 3 8



両側正則表現



7 2 ,1 1 8



右正則表現



両側不変な測度



7 1 ,1 2 0 ,153



右不変な測度



7 6



隣接互換



右不変微分作用素



205



右不変ベクトノレ場



205



無限遠点



257



モジュラ一関数 持ち上げ



1 9



7 6 、 269



ユニモジュラー



425



493



7 8 ,268



類関数



352 1 2 8 ,355



一一の近似定理 類等式



162



ノレート



383



ルート系



2 3 1 ,239



有界作用素



383



ルートベクトル



有限階の作用素



147



例外群



4 0 1



連続な切断



誘導表現



457



連続に作用する



ユニタリ群



340



連続表現



1 4 4 ,3 0 4 ,340



ユニタリ作用素 ユニタリ主系列表現



423



左から一一一



9 3ぅ 517



1 8 493



3 1 1



290



優整形式



ユニタリ行列



383



例外型単純 L i e群



2 3 ,147



ユニタリ化



1 2 9



2 9 0 ,383



ルート分解



ヤ行



7 6



8



16



連続表現の同型



17



連続表現の同値



17







610



和文索引



歪対称



ワ行 歪 Hermite形式



312



"



312



小林俊行(とぼやしとしゆき) 1 9 6 2年生まれ 1 9 8 5年東京大学理学部数学科卒業 現在東京大学大学院数理科学研究科助教授,ハーバード大学客員 教授,京都大学数理解析研究所助教授(兼任) i e群論,無限次元表現論 専攻 L



大島利雄(おおしまとしお) 1948年生まれ 1 9 7 1年東京大学理学部数学科卒業 現在東京大学大学院数理科学研究科教授 専攻代数解析学



岩波講座現代数学の基礎 7



( 第1 0回配本/全 1 7巻 )



L i e群と L i e環 1 1 9 9 9年 3月 1 9日 第 1刷発行 2 0 0 1年 6月 2 2日 第 2 刷発行



著者小林俊行・大島利雄 発行者大塚信一 発行所 株式会社岩波書店 〒 1 0 1 8 0 0 2東京都千代田区一ツ橋 2 5 5 電話案内0 3 5 2 1 0 4 0 0 0 h t t p : / / w w w . i w a J . 四 乱c o担 /







組版:ユニバーサル・アカデミー・プレス



T o R h i y u k iKobayashi& T<田h i oOshima1 9 9 9



印刷:大日本印刷製本.桂川製本 I S B N 4 0 0 0 1 1 0 0 7 1



P r i n t e di nJapan



小林俊行(とぼやしとしゆき) 1962年生まれ 1985年東京大学理学部数学科卒業



現在東京大学大学院数理科学研究科助教授,ハーバード大学客員 教授,京都大学数理解析研究所助教授(兼任) i e群論,無限次元表現論 専攻 L



岩波講座現代数学の基礎 7



( 第 10回配本/全 17巻 )



L i e群と L i e環 2 1999年 3月 19日 第 1刷発行 2001年 6月 22日 第 2刷発行



著者小林俊行 発行者大塚信一 発行所株式会社岩波書店 干 1 0 1 8 0 0 2東京都千代田区一ツ橋 2 55 電 話 案 内 03-5210-4000 h t t p : / / w w w . i w a n a m i . e o . j p /







組版:ユニバーサノいアカデミー・プレス



T o s h i y u k iKobayashi1 9 9 9



印刷:大日本印刷製本桂川製本



I S B N 4 0 0 0 1 1 0 0 7 l



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